ブログ移転しました。これからはnobi.comへ
ココログのオープンと同時に、それまでのnobilogから移行してスタートしたnobilog2ですが、
いよいよ新しいアドレス、新しいシステムに移行する時が来ました。
新しいブログのアドレスは、
nobi.com
になります。
新ブログはiPhone最適化表示にも対応しています。
これからはnobi.comをよろしくお願いします!
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今年、まだ挨拶をしていなかった方、あけましておめでとうございます。
最近、情報発信はTwitterだけで手一杯になっていました(こちらでご覧いただけます→ Twilog.org/nobi)。
今年は思いも、場所(アドレス)も新たにブログを復活させようと思います(Stay Tuned!)
今年は2000年紀、2つめのdecade、'10年代の最初の年、いろいろ新しい変化が始まる年でもあります。
私もフリー編集者の山路達也さんと組んで、2000年代最初の10年に起きた変化をまとめようと取り組んでいます(できれば皆さんからのフィードバックを反映させた上で本にまとめようと思っているので、どんどん引用して意見をもらえればと思います): Firstdecade.net/blog
特に今年は出版、ラジオ、テレビといったメディアが大きく変わるターニングポイントになりそうです。
今日、私がおもしろいコンテンツ(雑誌やラジオ番組、テレビ番組やiPhoneアプリ)をどこで見つけているかというと、そのほとんどはTwitterになりつつあります。
Twitterで友人の「今、NHK総合でやっているドキュメンタリーがおもしろい」というツブヤキを見れば、テレビをつけて、選曲が何チャンネルになっているか、何が放映されているか確認もしないうちに、リモコンの「1」のボタン(東京でのNHK総合のチャンネル番号)を押しています。
Twitterで土曜日の夕方「今日のAVANTIのゲストは◯◯さん」と言って気になる人の名前が呟かれていたら、すぐにラジオを付けて東京FMを聞くでしょう。
「このニュースおもしろい」とリンクが書かれていれば、そのWebページを見るし、「本がおもしろい」と書かれていれば、その本を買う。
最近、新聞社のホームページのトップページも、好きなブログのトップページも、ほとんど見ず、おもしろい情報はTwitterで発見して、入り口をすっ飛ばして、直接、そのコンテンツの中身にダイレクトに飛んでいます。
これは昨年秋以降、modiphiの小川浩氏が講演などでも言っていたことだが、今ではTwitterから誘導される「人々のコンテンツ消費」力が、旧来のメディアにも広がりつつ、しかも、その数的なパワーも相当なものになってきたことは、Twitterを紹介した「週刊ダイヤモンド」新年号が大売れしていることによっても証明されているのかも知れない。
J-CAST:ツイッター企画バカ売れ 「負けた」雑誌のつぶやきとは
さて、Twitterと言えばiPhoneというくらい、Twitterの成功においても大きな役割を果たし続けているiPhoneだが、そのiPhoneを出すアップル社も、今、大きなメディアの変革を行おうとしている。
アップルは米国時間の27日に、Special Eventを開催し、そこで新しいカテゴリーのデバイスを発表する、と噂されており、その新デバイスが、メディアビジネスにも大きな変化をもたらす可能性があると言われている。
1月 22, 2010 iPhone | Permalink | コメント (2) | トラックバック (1)
久々のブログ記事がイベントの宣伝でスミマセン。
実は2つ、3つほど下書きしてある記事があるのですが、例によって長くなりすぎて仕上げないまま数週間眠らせてあります。
9〜10月は何かとイベントが多い時期ですが、私が講演をするイベント、
1参加者として参加するイベントも一緒にいくつか紹介します。
9月25日(金)【出演】東京ゲームショウ・ステージイベント:「iPhoneから見たゲームの未来」
最近、iPhoneはゲーム機としても大きな注目を集め始めています。
今、ゲーム業界にとって最大の課題は、タイトルのカートリッジ販売からオンライン販売への移行です。
実はこの課題を一番、最初にクリアして、圧倒的な成果をだしているのがiPhoneです(詳細はこちら)
ゲームショウ・ビジネスデイ2日目のこのステージイベントでは、ゲーム機としてのiPhoneの最新事情を紹介する一方で、
・カプコン
・ゲームロフト
・コーエー
・スクウェア・エニックス
・バンダイナムコゲーム
の5社がiPhone用の最新タイトルを披露してくれます。中には年末まで発売にならない、国内初披露となるタイトルも含まれています。
また最後には特別ゲストとして、最近、某ブランドとのコラボレーションを行ってテレビなどでも注目を集めたあの会社が、あの話題のソフトを紹介してくれる予定です。
ビジネスデイのため、入場は、事前登録バッジ、ビジネス招待券をお持ちの業界関係者とプレス関係者のみとなります。
9月 23, 2009 About Myself | Permalink | コメント (10) | トラックバック (2)
歯医者での待ち時間、Twitter経由で知り合ったplanetofgoriさんのブログに
「iPhoneは宣伝の仕方が巧みである」というおもしろい記事がある。
記事の中で、planetofgoriさんは、
・最新のiPhone 3GSの電子コンパスは、日本の携帯ではとっくの昔に搭載している
ことなどに触れており、iPhoneは宣伝の仕方がうまいと書かれている。
実際にiPhone 3GSが電子コンパスを搭載するはるか前に、京セラのau携帯は電子コンパスを内蔵して、EZNaviwalk(Navitimeの中でも最高峰のau専用版)との素晴らしいインテグレーションを果たしていた。
さらにiPhone 3GがGPSを搭載するはるか前から、日本の携帯電話ではGPSの搭載が当たり前になっていた。
ちなみにアップルは、何もしないでもiPhoneが話題になることに任せてか、
iPhoneの宣伝にはそれほどお金をかけていない。
わずかに放送されているCMの中でも、コンパス機能は無視されてしまった機能の1つだ。
私がメーカーの人向けに講演をする時、私と同年代の中間管理職の人からは冷たい視線を浴びる。
「ガラパゴス、ガラパゴスって言わないでください。」
「講演にあったiPhoneの〜〜機能と、〜〜機能と〜〜機能は、我々がとっくの昔、'xx年代にやっていた」
と言われたこともある。
私は30分以上の時間がある講演では「大事なのは仕様ではなく、人々の暮らしぶりにどんな変化をもたらすかのことだ」と言っている。
ゆるめの講演では、ブルース・リーの写真を出して「Do not think. Feeeeel.(考えるんじゃない、感じるんだ!)」と話しているのだが、
彼らには和製携帯の敵、「iPhone」の話しが出たとたんに、耳をふさいでしまうのだろうか。
そんな細かな話しは聞いていなくなってしまっているのかも知れない。
あるいは、私が早口すぎて、聞き逃しているのかも知れない。
もしかしたら、文字情報にすれば、少しは伝わりやすくなるのかも知れないと思って、新たにブログにまとめようと思った。
■「ただ搭載した機能」と「人々が使う機能」は別物
まず訴えたいのは、「◯△機能を搭載している」ということと「〜〜の◯△機能が楽しい」というのは、まったくの別物、ということだーーこれはモノヅクリに関わっている人、たとえメーカーのハードエンジニアにしても、ソフトエンジニアにしても、最終的にGOサインを出す人にしても共通の認識として持ってほしい。
例えば小学校の学芸会で「クルミ割り人形」をやったとしよう。子供たちも1ヶ月一生懸命練習して、たまにつっかえたり、横から先生が出てきて、次の台詞の出だしを言ってあげないと、止まることはあるけれど、一応、最後まで無事に終了する。
観客たちにもストーリーの内容は伝わるし、文字情報としての台詞もちゃんと伝達されている。
しかし、だからといってキエフ・バレエ団のクルミ割り人形を1万2000円払って見に行っていた人が、同じ学芸会のクルミ割り人形に1万2000円を払ってまで見てくる、ということにはならない。
ただ搭載していることと、一般の人々を本当に楽しませることとは、まったく別のことだ。
日本の携帯電話には、本当に数えきれないほど多くの機能が搭載されているが、あなたはそのうち、一体、何割くらいを本当に使っているだろうか(これは実際に携帯電話をつくっているメーカーの人たち、規格を押し付けている、といわれているキャリアの人たちにも聞きたいくらいの質問だ。)。
10以上の機能を使っている、という人がいるだろうか。
使わない機能をたくさん詰め込んでも、それはただの無駄だ。
無駄に端末コストをあげて、アプリ開発者からビジネスチャンスを奪っているだけに過ぎない。
iPhoneのアプローチは、最初から搭載している機能は最小限。その代わり余計な機能をつくらない分、1つ1つの機能をしっかりとブラシュアップして、人々が喜んで使いたくなるレベルにする、というアプローチをとっている。
その結果、これはまだAppStoreが出てくる前の統計だが、8割の人が10以上の機能を使っているという結果を出している。
■「Web 2.0 in Your Pocketの革命」も使いやすさ、から生まれた
中でも顕著なのが、私が言うところの「Web 2.0 in Your Pocket」の革命を引き起こしたWebブラウザのSafariだろう。
iPhoneが登場する以前から、日本の携帯電話にもiモード(的なケータイサイト)だけでなく、パソコン用のWebページも見れた方が便利と「フルブラウザ」なるものが搭載された(呼び方が「PCサイトビューアー」だったり、「PCサイトブラウザ」だったりと、キャリア単位で名前まで囲みをしようとするところは非常に日本的)。
最初の頃は、ブログディナーで「これでiモードのビジネスモデルは崩れる」、「携帯新時代突入だ!」などと騒いでいたが、実際には「使いにくさ」の壁があまりにも高く、せっかく、機能が搭載され、その後、定額で使えるようになっても、そんな革命は起きなかった。
しかし、ブラウザをただ搭載しただけでなく、それを人々が初めてまともに使おうと思うレベルにまで昇華させたiPhoneが登場したことで、本当のモバイルインターネット革命がやってきた。
これは、これまでの講演や日経BP ITproの連載でも使わせてもらったスライドで、日本のiPhone 3Gが発売される前、初代iPhoneの発売から8ヶ月後のグラフだが、スマートフォンとしての出荷シェアではiPhoneは28%で2位に甘んじているものの、実際にWebブラウジングに使われているWebサーバー側から見たシェアを調べるとiPhone(とiPod touch)が圧倒的で70%のシェアを占めているのが、わかる。
やはり、Webブラウザにしても、「ただ搭載する」ということは、目的の半分しか達成していないことを意味しているようだ。
(参考:iPhoneショック2:第1章 相次ぐ主要WebサービスのiPhone対応,IT業界の主戦場はIT Phoneへ)
ちなみに、モバイルWebブラウザの利用シェアに関する統計は、最近のWWDC 09でも紹介された。そちらの最新の統計によると、iPhone/iPodタッチの利用シェアは65%、2位はAndroidで9%(iPhoneの6分の1ほど出荷していないことを考えると、そこそこ検討していると言えそうだ)となる。
電子製品に搭載された機能は、ただ搭載の有無だけではなく、
人々が本当に使おうと思う品質を達成しているか否かで評価されるべきだ。
そして、そうした評価をしようとすると、残念ながら、今の日本の携帯電話のレベルは非常に悲しいレベルになってしまっていると言わざるを得ない。
似たような例はいくらでも出せる。
リアルな絵を描くのが得意だからといって、ただリアルさを追求しているだけの画家では売れない。
どんどん写真と区別がつかなくなるからだ。
写真ではない絵画ならではの工夫がなければ誰も才能を認めてくれない。
講演者の肩書きがどんなに立派でも、ただ棒読みで原稿を読むだけの講演では人々の心は動かない。
聴衆が誰であるかを考え、その人たちが共感できる事例や旬な話題を用意し、
聞く側のモチベーションを高く維持することも講演者の仕事のうちのはずだ。
優れたお母さんたちは、幼児の健康を気遣って、
離乳食に、ただ、お医者さんに勧められた食材を入れるだけでなく、
子供たちが、それをいやがらずに食べるにはどうしたらいいかを考えて、
混ぜてみたり、隠してみたり、細かく砕いてみたり、と工夫をしている。
だが、日本の製造業では、こういった価値観が軽視されがちなのが残念だ。
工業デザインの世界やアートの世界では、今、日本人の作家の評価は驚くほど高いのに、
製造業の経営者たちには、そうした価値が伝わっていないのだろうか。
■楽しさはサードパーティーのソフトにも伝播している
もう1つ、私がよく出すストーリーを書こう。
7月 7, 2009 iPhone | Permalink | コメント (93) | トラックバック (4)
【古川氏の説明を訂正しました。「元マイクロソフト」の「元」が抜けていました】
まもなく日本でも発売のカウントダウンが聞こえてきそうなiPhone 3G Sが、
欧米では、既に大ヒットとなり始めている。
わずか3日間で出荷が100万台を超えたということだ。
新iPhoneは見た目がiPhone 3Gそっくりなこともあり、
これまでのようには売れないだろうと言うのが、アナリスト達の予想だった。
2007年発売の初代iPhoneが100万台を達成したのは発売開始から74日後だった。
2008年発売のiPhone 3Gは、たったの3日で100万台を販売した。
そして2009年発売のiPhone 3G Sも、3日で100万台だ。
一見、昨年と違いがないように見えるが、
iPhone 3Gの100万台/3日と、iPhone 3G Sの100万台/3日には大きな違いがある。
2007年7月11日に発売されたiPhone 3Gは、なんと、この24時間の間に、
米国、日本、英国、ドイツなどを含む世界21カ国で同時に発売されたのだ。
それに対して、今回のiPhone 3G Sは、日本での発売がまだこれから、
今週金曜日であることからもわかるように、
まだ発売開始をしている国が非常に少ない。
アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スイス、イギリスの8カ国と昨年の約3分の1だ。
そう考えるとiPhone 3G Sの「S」。
「SpeedのS」は、売れ行きのスピードの「S」とも言えるのかもしれない。
日本でも、さすがにまだ「ソフトバンク表参道」前の購入行列はできていないが、
実は同店の前には既に1度、予約のための行列ができている。
そう、今年のiPhone発売では「ソフトバンク表参道」は、なんと2度行列をつくることになりそうだ。
ちなみにこの2度目の行列は、梅雨時でどんな天気になるかもわからないということもあり、
ソフトバンク表参道から歩いてすぐのクエストホールにて、購入行列の方を収容して、
盛大に前夜祭をすることになり、私がそのオーガナイザーを務めることになった。
こちらのイベントだ:
6月 23, 2009 iPhone | Permalink | コメント (9) | トラックバック (2)
まだまだWWDCレポート記事を書かなければならない立場ながら、
今、この心の高ぶりを逃すと、このままチャンスを逃してしまいそうだ。
運よく、私をインタビューするはずだった担当者2名からの連絡もないし、
次の記事について相談しようとした編集者がつかまらないので、
20分1本勝負、校正無しで一気にブログを書きあげよう。
私はYouTubeで見たGoogle IOからも、仕事の合間にちょっとだけ覗いてきたWWDCの会場からも、
先日、足を運び、まだ記事化できていないMozillaの次期Firefoxについてのインタビューからも、
まったく同じ5文字のシグナルを受けとった。
「HTML5」
このシグナルを受信すると、
実は4.0=3.5=3.0 = 5という不可解な数式が成り立ってくる。
つまり
(Safari) 4.0=HTML 5
(FireFox) 3.5= HTML5
(iPhone) 3.0=HTML5
(Google Chrome) 3.0=HTML5
ということだ。
Web 2.0は、その時点で起きていた、インターネット関連のさまざまな新トレンドを、ゆるやかにひとくくりにして、名付けたものだが、
これに対してHTML 5は、
ITの世界を本気で変えようと、多くの企業や人々が集まって巻き起こしている革命だ。
前のエントリーに関して、tokurikiさんが「日本のウェブは急速に進みすぎた」という仮説を書いているが、これはその通りだと思う。
ただ、進んでいても、それを自国内だけに留めて、世界スタンダードに広げようと言う努力が伴わないと、結局、いつかはおいしいところを海外企業に持っていかれてしまう気がして心配だ。
急速に進んだといえば、携帯電話も、ハイビジョンテレビも、そうだった。
今から6〜7年前までは、International CES(家電ショー)にいくと、
常にもっとも先進的な携帯電話は日本製だったイメージがある。
テレビにしてもそうで、その機能でも質でも、圧倒的な差をつけていた。
しかし、数年前から、日本の携帯メーカーは次々と海外市場から撤退を始め、
それに替わって韓国のメーカーらが、台頭を初めて来た。
まったく同じタイミングで、テレビの方でも同様の現象が起きている。
携帯電話の世界では、日本に世界標準のGSMという通信方式がなかったことと、
期待の星だった3Gネットワークが、日本の外でなかなか広がらなかったという背景があった。
同様にテレビもB-CASカードなども含め日本特殊の事情があった。
結局、日本というそこそこ大きい市場と、海外という大きいけれどチャレンジも大きい市場を天秤にかけた結果、日本のメーカーは、ぬるま湯の方を選んでしまったわけだ。
でも、ぬるま湯に浸かっていて気持ちいいのはしばらくの間だけ。
iPhoneショック1.0でも書いたが、気が付けば韓国のメーカーは世界で勝負し、
日本よりもはるかに大きな規模の携帯ビジネスをするようになり、
日本の携帯メーカーを追い抜いてしまった。
これについてはiPhoneの衝撃(aka iPhoneショック1.0)の記事も見て欲しい:
iPhoneが携帯電話機メーカーの収益モデルを変える
きっと、これと同じようなことは携帯、テレビ以外でも、あらゆる業界で起きているはずだ。
日本の技術者や日本の(工業、インタラクション)デザイナー、そして(伊藤穣一さん曰く)消費者は世界に誇れる逸材揃いだと思う。
彼らの仕事は、たしかにすごいし、作品も凄い。
だからこそ、海外では使えないにも関わらず、日本の携帯電話を知りたいと、
イギリスのテレビ局も私のところに取材にくれば、GizmodoやEngadgetといったサイトも
積極的に、日本でしか使えない携帯電話を、海外向けに紹介している。
ただ、残念なのは、こうしたすごい技術者やデザイナーを擁する日本企業の経営者(や、もしかしたら経営層以上に中間層)が、そして彼らのことを報道するメディアの目が、あまりに内向きになってしまっていること。
iモードだって、せっかく素晴らしいものを発明したのだし、もっと積極的に世界に売り出せばよかった。一度、失敗しても、そこであきらめず、手を変え品を変え、パートナーを組み、メーカーに話し、キャリアに話し、ITベンチャーに話をし、しつこく成功するまで説得すべきだった。
しかし、iモードは世界にチャレンジしたものの、世界普及をあきらめ、日本の携帯のガラパゴス化の発端をつくってしまった(この当りの事情は、私はそれほど詳しく追っていないので、多少、無責任に書く。当時の担当者の方々はそれなりに、いろいろ努力して板であろうことは察する)。
もっとも、世の中のコンテクストは常に変わっている。
今は気が付けば、携帯電話の3Gネットワークも、世界81カ国展開をするiPhoneと一緒に世界に広がりつつあるし(まだGSMでiPhoneを使っている国も多いが、プレッシャーは感じていることだろう)、実はよく考えてみると、3Gでは実績の日本メーカーが再び海外に飛び出すチャンスでもあるはずだ。
6月 10, 2009 | Permalink | コメント (9) | トラックバック (5)
今、成田空港に向かうバスの中で、これを書いている。
36時間後には、アップル社のWWDCが始まるので、その取材だ。
取材内容は、いつも通りITmediaで速報、その後、Microsoft MactopiaのApple's Eyeの連載で紹介、
さらにascii.jpにもコメントを出す予定で、いくつかの一般誌にも(競合しない形をみつけて)記事や写真を提供する予定だ。
WWDCの開始が待てないという人は、ITproで「iPhoneショック2」と言う連載を始めたので、そちらも参照して欲しい。
「iPhoneショック」は、日本のメーカーで働かれている方々のために書いた本で、
iPhoneが携帯電話業界にどのようなインパクトを与えたかを紹介し、
日本のメーカーに、来るべきiPhone時代(出版はiPhoneの日本発売のはるか前だった)に備えるよう警告したものだった。それなりの好評価をいただいたが、その後、この本を実現してくれた担当編集者がしばらく職場を離れていたこともあり、日本発売後にアップデートすることができずにいたが、今回、無事、職場に復帰したことで、続編が書けるようになった。
続編ではところどころにAndroidや、
アメリカではこの週末から発売が始まった「Palm Pre」などの考察も入れてみる予定だ。
さて、先月の「Google IO」の基調講演(Google Waveではない方の、初日基調講演だ)を見た人と、見ていない人では、Webの世界の見方が大きく変わってしまっているはずだ。
'98年、アップルはiMacで、それまでのフロッピーディスク、シリアルポート、SCSIといったレガシー技術を潔く切り捨て、USBに代表される「モダンIO」と呼ばれる技術を採用。
これを契機にパソコンのハードウェアの水準は大きく前進した(Windows機でUSBが標準的に搭載されるようになったのはその後だ)。
今、これと同じことがWebの世界で起きようとしている。
これまでのWebブラウザからHTML 5ベースのGoogleやMozillaが「モダンWebブラウザ」と呼ぶ技術への移行が始まろうとしているのだ。
6月 7, 2009 Japanese CultureiPhone | Permalink | コメント (3) | トラックバック (0)
これからWWDC 2009の取材でサンフランシスコに向かいます。
もしかしたら現地でiPhoneからブログを更新することもあるかもと思って、これまで面倒くさがってやらずにいたBlog Writerの設定をようやくしました。
それはいいのだけど、ココログを運営する@niftyは6月9日からアカウント、ログイン方法を変更。にも関わらずAPI経由での利用は旧ココログアカウントでしか入られない様子。
ということは、iPhoneから記事を投稿できるのも日本時間で6/8まで!?
ーーー
上をiPhoneから投稿テストした後、せっかくの機会なのでよく聞かれる最近、お勧めのiPhoneアプリを3本だけ紹介。
6月 7, 2009 iPhone | Permalink | コメント (6) | トラックバック (0)
センセーショナルな記事タイトルで、この1週間、インターネット日本語文化圏を騒がせ続けたITmedia、梅田望夫氏、インタビュー。
この記事は狙っていた、いないに関わらず「インターネット日本語文化圏」を見直す、建設的で有意義な議論を活性化したと思う。
有名ブロガーも皆、この議論に参加し始め、私の出る幕などなさそうだが、ここでブログを更新せずに米国時間月曜日からのWWDCに出発してしまうと、またしてもnobilog2のトップページが真っ白になってしまいそうだ。
他に書かなければならない記事があることは承知の上で、私も便乗記事を書こう。ちょっと長めの記事になりそうだ。
私は日本語圏と、その外(といっても主に英語圏)の最大の違いは、そのスケール感の違いだと思う。
ただ、その議論に入る前に、まずはITmediaのインタビューにも出てくるハイソ、ハイブロウといったものに目を向け、イメージを膨らませてみたい。
日本はまだ世界的視点で見ると「豊かな国」であり、「Work-Life」バランスでいうところの「Life」側を大きく享受している人も大勢いる。毎日、朝から終電手前まで、時間に追われて仕事をする人、「上司がまだ帰らないから」という理由で帰れず長い時間を会社で過ごす「Life」の足りない人が大勢いる一方で、平日の午後から優雅に美術館やゴルフの練習所で、豊かな時間を過ごす人も大勢いる。
サブカルチャーと違った方面のカルチャーを生み出したり、支えたりするには、そのようなゆとりのある時間の過ごし方が重要な気がする。ただ、そうした人々の中で、インターネットにドップリ浸かっている人は、まだまだ少ないんじゃないかと思う。
気持ちは分かる。パソコン画面の前に縛り付けられていたり、小さな携帯電話の画面に向かって、ボタンを連打しているよりも、いつもと違う日常の中に身を置いて自分を振り返ってみたり、素敵な人々と直接あってインスピレーションの洪水に溺れる方が楽しいからだ。
ちょっとだけ脱線すると、実はアップルが他のパソコンメーカーと違ったパソコンづくりができるのは、そういった価値を理解している社員が多いのも関係があると思う。まずは「パソコン以外の生活」がしっかりとあった上で、そこにフィットするパソコンをデザインしているのがアップルであり、だからこそ多くのクリエイティブな人々がアップルのパソコンを使うのだと思う。
もちろん、上で想像したようなハイソ、ハイブロウな生活をしている人々も、この時代だし、パソコンも使えば、インターネットも使ってはいるはずだ。
では、彼らのインターネット、パソコンの使い方はどんな感じか?
イメージしやすいように、多少の脚色と偏見を交えて書くと、こんな感じじゃないだろうか:
電子メールで季節のカードを送受信する。
Skypeで、留学中の家族や海外の友人と気ままに話する
Webブラウザで必要な調べものをする
で、上の用事が終わったら、さっさとパソコンの電源を落として、ノートパソコンなら画面を閉じてしまう。
わざわざ、Web上で何が話題になっているかを探すのにやっきになったりはしないんじゃないだろうか。
場の問題
もしかしたら、そんな人達でも、IT好きの友人に勧められて、1、2度は、海外でも話題の、ソーシャルブックマークや、その他のWeb 2.0系サービスやSNSも試してみたかもしれないし、ブログも書いてみたかもしれない。
でも、それに対する反応を見て好き嫌いとは別のレベルで、「なんか、これは違うな」と思って、使うのをやめてしまった人も多いんじゃないか。
例えば、午後、カフェで静かに読む本を探そうと、たまたま見かけた本屋に足を踏み入れてみると、水着の女性が表紙に描かれた本ばかりがズラーっと並んでいたら「うーん、ちょっと違うかな」と言って、別の本屋を目指すだろう。
TwitterやSNSで、突発的に集まった初めての人同士が多いはずのmeet-up/オフ会に、足を踏み入れてみると、顔見知りっぽい人が大勢集まって、自分はあまり詳しくないマンガやアニメの話をしている。あるいは、自分とはちょっと異なる宗教観とか政治観とかを話し合っている。あるいは自分は英語が苦手なのに、行ってみたら会場が外国人だらけだった。
やっぱり「ちょっと違うな」と感じて早退することになるだろう。
それと同じで、特に人同士のつながりやコミュニケーションが関わってくるサービスだと、最初に使っていた客層によって、後から入ってきづらくなる部分も多いと思う。
その点で言うと、mixiなんかは、基本的に同じ機能を提供しながら、うまくターゲット客層を変化させ成長してきたと思う(ちょっと堅実過ぎで遅過ぎた感は否めないけれど)。
ちなみに、「Life」側が充実している人が、それほどネット中毒になっていないのは、日本だけに限らず英語圏も同じだと思う。
アップルがWeb系のトレンドに弱いのも、アップルの「人」カルチャーが、どちらかというと、ディナーの席や午後のコーヒーにパソコンを持ち込むのは「無粋」と感じることができる社員が大勢いることが一因かもしれない。
それでも、日本のWebと英語圏のWebでは、確かに衆目に触れる記事の内容に、大きな違いがあるように感じる。
その違いはいったいどこから生まれるのか。
ここで、出てくるのが私の持論、「スケール感の違い」だ。
6月 6, 2009 Japanese Culture | Permalink | コメント (46) | トラックバック (6)
(2007年に発売された初代iPhoneもアメリカで90%という高い顧客満足度を示していた。2008年6月のWWDCより)
本日の朝日新聞にも載っていましたが、Gfk Marketing Services Japanが、2008年を通してのさまざまな製品の顧客満足度調査の結果を発表していました。
同調査では、アップル製品が、なんとデスクトップパソコン、ノートパソコン、音楽プレーヤー、そして携帯電話の4カテゴリーでトップを独占しているという結果になりました。
携帯電話は、すべてのデジタル機器の中で、唯一、誰もが肌身離さず持ち歩く機器です。
それだけに顧客満足度は大事な指標。長期的に見れば高い顧客満足度を提供する製品が、ジワジワと勢力を広めていくことでしょう。
しかし、これだけおサイフ携帯やQRコード、ワンセグが広がっている日本で、おサイフ機能を持たないiPhoneが本当に受け入れられるか、疑問を持つ人も多いでしょう。
でも、一度、iPhoneを体験してしまうと、iPhoneによって得られる高い満足感の方が、そうした足りない部分すべてをあわせたものを上回ることに気づく人が多いのも事実(もちろん、携帯電話には嗜好品的な側面もあり、全員が満足するわけではないでしょう)。
最近のドラマチックな事件としては、29manさんがこれまでiPhone+auの組み合わせで使っていた携帯電話をiPhoneに1本化し、そのことに非常に満足している、というブログ記事を書いていました。
(29manさんは、雑誌の表紙にも何度も登場している広告業界ではとても有名なスター的存在の方です)。
29man(ニクマン): 遂にiPhone一本化
以下、英語ブログ用に起こしたGfK Japanのランキングを引用します:
6月 3, 2009 iPhone | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)
明日にもNTTドコモからAndroid端末が発表されることはもはや公然の秘密となっている。
それに先駆けてどうしてもブログを更新したくなった。
中にはAndroidが出たから、もうiPhoneは終わり、といった
やや短絡的な議論を持ち出す人がいそうな気がしたからだ。
もちろん、事実はその逆で、国内版Androidの登場こそがiPhone第2ステージの始まりに他ならない。
もはや、世界的携帯メーカー、Nokiaが撤退したことで、
ますます海外の携帯電話市場との違いが大きくなった日本の携帯電話市場だが、
世界のスマートフォンでスタンダードとなりつつあるWebKitを搭載したiPhone以外の
スマートフォンが、ようやく日本市場に復活したのだ。
Androidは、iPhone同様に、少し前のパソコン並みの性能と表現力を持ちつつ、
携帯電話ならではのポケットに収まる携帯性の高さや、カメラ、GPS、常時接続機能を備えたスマートフォン。
もっとも、一口にスマートフォントと言っても、iPhoneより前のスマートフォンと、
iPhone以降のスマートフォンでは、できることも、使われ方もぜんぜん違う。
そこでアメリカの多くのメディアや筆者は、iPhone以降のスマートフォンを総称して
「ITphone」などと呼んでいる。
まもなく国内で発売されそうなAndroid機は、そのITphoneの記念すべき2号機なのだ。
ただし、Androidは、まだ発売が始まったばかり、実機を見ないでいうのもなんだが、
日本で本格的に花開くには、もう少し時間がかかると思う。
その一方で、既に東京の電車では、空いている時間でも1車両に2〜3人はみかけるようになった
ITphone1号機「iPhone」は、既に次のステージに進み始めている。
5月 18, 2009 iPhone | Permalink | コメント (3) | トラックバック (4)
{UPDATE: なぜかタイトルだけ「外人」になっていたので、「外国人」に直しました}
3月31日、ついにiPhone版Skypeが登場した。
テキストチャットはもちろん、公衆無線LAN経由であれば音声通話もできる素晴らしいできだ。
これは、この春、もっとも画期的な事件の1つかもしれない。
さっそく、そのことに気がついた日本長期滞在の外国人労働者の方々。
iPhoneユーザーなら無料で使える、マクドナルドのBB Mobileの公衆無線LANを使って、母国に電話をかけまくりのようで、渋谷のマクドナルドは普段みかけない客層で溢れかえっていた。
というのは、エイプリルフールのジョークだが、
これまで、成田空港にいくと見かけていた、日本長期滞在者向けの国際電話用テレホンカードも、iPhoneを買えば不要になるかもしれない(日本に2年以上いる人なら「iPhone for everbody.」キャンペーンでiPhone本体は0円で入手できる。毎月の国際電話代を考えたら、月額料金も問題にならないはずだ)。
4月 1, 2009 iPhone | Permalink | コメント (10) | トラックバック (2)
ちょっとだけ自分が講演をするイベントの宣伝を。
(といっても、ギリギリ過ぎて、あまり宣伝の役目を果たしていませんが...)
1つ目は来週31日(火):
NPO法人 JPC-日本パブリッシング協会の定例セミナーで、
会場はアップルジャパン(株)セミナールーム。
私は13:30から「スマートフォンが斬り開く電子出版の新しい展望」というタイトルで基調講演を行い。
その後、15:15からパネルディスカッションに参加します。
基調講演では、iPhoneが実は日本でも大躍進を続けていることをいくつか具体的数字を絡めて紹介する他、iPhoneが社会のしくみをどのように変えつつあるのかの紹介。そして最後は本セミナーのテーマでもある電子出版の世界に与える影響を事例を交えて紹介する予定です。
今のところ、どのくらい申し込みがあるかは聞いていませんが、まだ受け付けているようなので
興味のある方は是非、ご参加ください。JPCは、今夏、惜しまれつつも解散するので、
JPCの方々に会うのが目的の方も、ぜひ、この機会に!
(JPC会員無料/一般5,000円)
2つ目は、4月4日(土)で場所は名古屋
14時からApple Store Nagoya Sakaeで開催の
詳細はApple Store Nagoya Sakaeのページにも掲載されています:
http://www.apple.com/jp/retail/nagoyasakae/
ちなみに、その後、さらに
16:30から東海及び関西地区のiPhoneアプリ開発に興味がある方のための集会をやります。
IT ジャーナリスト林信行氏を中心に iPhone App 開発者のクロストーク
売れ筋 iPhone App 開発の極意とプロモーションとは・・iPhone OS3.0 は・・
といったイベントで、21世紀のゴールドラッシュとも言われるiPhoneアプリ開発について、
iPhone開発者の方々がクロストークを行われます(そこに私も参加)
開催時間: 16:30 より 約1時間+その後 18:00からネットワーキングパーティー
場所:名古屋市中区栄
こちらは定員25名ほどで事前申し込みが必要です。
定員が限られているので、
ぜひ参加したいという熱意のある方は「iPhone Developer Japan Group」などで情報を探ってみてください。
もしかしたら、現地のiPhone開発者同士のネットワークをつくる上でも、いい機会になるかもしれませんよ!
募集をかけたところ38時間で定員オーバー。あまりにキャンセル待ちの人が多いので、急遽、2倍以上広い会場を手配したという曰く付きのイベントです。
残念ながら広い方の会場も、キャンセル待ちの方だけでかなり埋まっているようなので、
申し込みをされる方は急いでください。
アドビさん、マイクロソフトさん、トリニティーさん、イーフロンティアなど、プレゼンターは多彩。
それに毎回、最後に行うじゃんけん大会の商品が豪華で、ほぼ1人最低でも1個は確実にもらえるほど潤沢にあります。
ちなみに、私は、その翌週からはミラノとパリに取材に行ってきます。
5月はAUGM沖縄と某大学院で講演。6月はようやくスケジュールが発表されたWWDC取材の後に某大学院にてパネルディスカッション予定です。
3月 27, 2009 iPhone | Permalink | コメント (10) | トラックバック (0)
CURIOSITYの設立11周年を祝して今日から開催の「LIGHT-LIGHT」 in Tokyo。
昨晩のプレ・オープンのレセプション・パーティーに行ってきました。
昨日は5月で惜しまれつつも休刊するEsquire日本版の読者も招待されていたようで大盛況。
ちょっとにぎやかな雰囲気でのお披露目となりました。
Louis Vuitton OMOTESANDO 7階のLV Hall(ここはかつてセレブ達が通った会員制クラブCELUX)
そこに浮かぶ80個ほどの幻想的な光のボール。
昨年、ミラノサローネで話題になったあの展示が4月5日まで東京で見れます。
とっても素敵な展示です。
ちょっとでも時間の余裕を見つけて、ぜひ見に行ってください!
(帰り際には表参道の反対側だけれどWinged Wheelを覗くと、さらに楽しいかも。あそこは紙好きな人にはたまらない空間です)。
「LIGHT-LIGHT」では、ピンポン球を照明が埋め込まれた筒から吹き出す空気で浮かび上がらせるという展示。コンピューターのプログラムで制御された80個近いピンポン球が、光のラインダンスを繰り出します。
真っ暗な会場を歩いていたら、どこかの2人連れの方が
「光ってこうやって使うんだなぁ。」としみじみ。
「だって、これで真っ暗だったり明るかったりしたら、ただの理科の実験だもんな。」
まさにその通り。
幻想的な展示なので、見に行くなら人の少ない時間がお勧め。
静寂の中で見ると、まったく別の作品として酔いしれることができるはずです。
というわけで、平日の午前中を狙っていたのですが、帰り際、ニコラさんの奥さんでCURIOSITYプロデューサーの宮本玲子さんに「13時にオープンです」と言われてしまった。
ついでに、外の光を遮断できないので、日中は外光が入ってしまうようです。
なので、天気の悪い平日の午後早めの時間が狙い目かもしれません。
招待状をちゃんと読んでいない私にとってサプライズだったのは、
部屋の奥の方に「LIGHT-FOOD」という食べられる「LIGHT-LIGHT」があったこと。
通常の「LIGHT-LIGHT」は、ピンポン球を使っていますが、
こちらはピンポン球の代わりにメレンゲを球状に固めたものを浮かび上がらせていました。
で、これをうまく空中キャッチして、口に放り込むと、甘くてなかなか上品な味わい。
イベントの詳細を見てみると「協力」として「HENRI CHARPENTIER」がクレジットされていました。
3月 25, 2009 アート | Permalink | コメント (9) | トラックバック (2)
「芸術の秋」とは言うけれど、実は最近の東京では、秋はどちらかというと「デザインの秋」で、
「アート」というと春の方がイベントが充実している気がする。
なんといっても、最大のイベントはコレ!
ご存知の人も多いと思うが、今週末の土曜、日曜は六本木ヒルズ、東京ミッドタウンそして国立新美術館の六本木アートトライアングルを舞台に開催される。
ヤノベケンジ氏作の火を噴き、動く体長7.2mの巨大ロボット「ジャイアント・トラヤン」が登場したり、日比野克彦氏をアートディレクターに迎え、若手作家たちが「灯り」をテーマにした作品を展開する「キューブからの指令」、1000人の参加者一人ひとりが光る風船を手に、夜の六本木をパレードする平野治朗「《GINGA》@六本木」など、見逃したら後悔しそうなおもしろい作品/イベントが目白押しだ。
これら大型のアート・イベントに埋もれがちだが、ぜひ忘れずに見に行って欲しい展示がある。
プロダクト・デザイナーそして建築家としても有名なグエナエル・ニコラ氏率いるCURIOSITYの手に寄る作品だ。
見逃したら、かなり後悔する。
この「LIGHT-LIGHT」、実は私は今から11ヶ月ほど前にミラノで見ていて、動画も撮ってきている(つづきで表示)。
3月 24, 2009 アート | Permalink | コメント (2) | トラックバック (0)
'90年代後半、PowerBook 520cやPowerBook 2400cの時代は、
折りたたみ式電話の形ながら、蓋を外すとPCカードやCFカードに差し込めるというNTT Personalのシャープ製PHSのできがよくって、これを使って、外出先のインターネット接続をしていた。
しかし、その後、NTT docomoから登場した高速通信を売りにたFOMAは、なかなかMac対応を唱ってくれない。サードパーティー製のケーブルなどで、MacでFOMA通信を実現する製品はあったが、やはり、キャリアそのものが対応を唱ってくれないと不安なところがある。
私の中で、NTT docomoは、なんかMacとは縁遠いキャリアと言うイメージがあった。
しかし、昨年12月に登場したLG電子製のドコモ最新端末「L-02A」が、このイメージを180度覆したという。
「とにかく、めちゃくちゃ真剣にMac対応をしているから見てみて!」と、友人が強く勧める。
そこで、その友人のツテを通して、しばらく「L-02A」を試用してみることになった。
これまで、日本通信「b-mobile 3G」を愛用していたが(ちなみにイーモバイルもEM-ONEを持っているが、ホコリをかぶらせている)、決して「b-mobile 3G」に問題があったわけではない(今でも持ち歩いて、たまに使ってみる)。
「b-mobile 3G」と「L-02A」は、キャリアこそ違えど、どちらもドコモのネットワークを使っており全国かなり広いエリアで、安定した接続が得られる。
さらに、実はどちらの製品もMacに対応しており、だからこそ筆者も愛用している(これもイーモバイルも同じだ)。
だが、「b-mobile 3G」のMac対応と、「L-02A」のMac対応は、ある意味、対照的でおもしろい。
「b-mobile 3G」のMac対応が、必要以上に何かをしているわけではないけれど、Macの標準機能を使って問題なくつながります、というやや米国ベンチャー的な「No frill(お飾りなし)」の素朴なMac対応だとしたら、「L-02A」は「Macに本腰入れました!」という熱い思いが、節々まで伝わってくる、日本企業的ないたれり、つくせり型対応なのだ。
NTT docomoの気合いはインストーラーの画面から伝わってくる。
そして、いたれりつくせり感が伝わってくるのが、こちらの「コネクションマネージャー」という接続ソフト。
利用したパケット量によって、変化する月額利用料が、今、どの段階にあるのかを監視してグラフで教えてくれるツールだ。
結構、こまめに通信料をコントロールしている人だと、このソフトのおかげで、
「今月は今日で終わり。今、ここでL-02Aでつながずに、2Km先の公衆無線LANまで歩いたら、ダイエットにもなって、月額使用料も6000円安くなる!」といったことが可能になるわけだ。
3月 17, 2009 Mac | Permalink | コメント (8) | トラックバック (0)
3月8日(日)のTwitter:
この日はApple Storeで、CIA主催のiPhoneイベントで講演。
iPhoneイベントの参加者らは、
Apple Store Ginzaの前で、こんなゲリラパフォーマンスを披露。
その後、坂本龍一さんのイベントを取材してきました。
3月 16, 2009 About Myself | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)
今年に入ってからイベントなどにいってもあまり名刺を配っていない。
実は表参道のWinged Wheelでつくっていたお気に入りの傘のデザインの名刺は、
最初から刷れる枚数が決まっていて、そろそろその枚数を刷り終わってしまう。
新しいデザインを用意したいが、なかなかそれができずにいる。
それではどうしているかというと、
最近は「パーティー用の名刺」と称して、mooカードを配っている。
これは以前、CNetなどにもとりあげられたことがあるイギリスの名刺サービス。
写真共有サイトFlickrにあげた自分のお気に入り写真を100枚選ぶと、
それをミニ名刺にしてくれる英国のサービス(最近は普通サイズの名刺もつくれる)。
なんと、ちゃんと日本語の名前の印刷にも対応している。
これ、ブロガーの間では、数年前に大流行し、今ではすっかり定着しているものなのだが、
それでも人に渡すと「え?すごい。これどこでつくってくれるんですか?」と聞かれることが多い。
なので、この際、ここで紹介しておこうと思って書いた。
だが、先週の金曜日、私が大阪のApple Store Shinsaibashiで初めてのイベントをやっている最中、
東京の原宿で行われていた、今、東京でもっとも熱いパーティー「Tokyo CGM Night」にて、
このmooカードの次のトレンドとも言える、すごいモノが発表された。
(友人のフランシス恩田氏に教えてもらい。しかも、1個いただいてしまった。彼のブログにはPokenの詳しい解析も載っている:恩田フランシス秀樹の日常)。
その名は「Poken(ポーケン)」。
こんな感じのデバイスだ。
3月 16, 2009 lifehack | Permalink | コメント (3) | トラックバック (7)
ちょっと遅いニュースですが、先週、UQコミュニケーションのWIMAXサービスの開通式に行ってきました。
日本はADSLや光ファイバーが、異常なくらいに普及した世界最先端のブロードバンド環境が整備された国ですが、今度はその先進ブロードバンド通信が、モバイルの世界にも広がろうとしているようです。
既に私が愛用している日本通信のb-mobile 3Gや、最近、Macに対応したというNTT DoCoMoのデータ通信ソリューションなどが採用しているHSDPAや、eモバイルの一部の製品が採用しているHSUPA(そういえば、ソフトバンクもeモバイルと提携して、データ通信サービスを提供しますね)。
都内の地下鉄の各駅に用意された公衆無線LANなど、モバイルブロードバンド環境は充実の一途をたどっています。
そんな中、私がWiMAXで期待するのは上り回線の速さ。下り回線は条件が良ければ6〜10Mbpsほど(悪ければ2〜4Mbpsほど)で、これもすごいですが。
これだけだと、ただのこれまでのb-mobile 3G/e-mobileよりちょっとWebページの表示が早くなるくらいの実感しか持てません。
WiMAXの登場で一番、期待できるのは、上りが速いことGizmodo曰く3.5Mbpsほど出たそうです。
Gizmodo: 真のモバイルブロードバンド「UQ WiMAX」を体験してきた
これによって、これまでのHSDPAでは、できなかったUstreamなどを使っての、動画番組の放送局として活用が可能になります。
実際、私も開通式でまっさきに試したのがこれ。私の近くにあったDELLのNetBookを使って、Ustreamの中継をしてみました。
被写体が私だけで、しかも、あまり動いていないので、あまり公開したくなりませんが、こんな感じです。音声をとるのは失敗していますが、決して悪くない感じですよね?
3月 5, 2009 | Permalink | コメント (2) | トラックバック (2)
2つ前のエントリーのコメント欄、書いていたら、寝付けなくなってしまったので、
先週書きかけだったエントリーを仕上げました(ただ、時間に余裕がある方は2つ前のコメント欄も読んでみてください。何か、おもしろいものが浮かび上がりつつある気がしています)。
私が、まだMACPOWERという月刊誌で「ニュースの横顔」というコラムを書いていた頃からの抱いていた「思い」の1つ、それは、日本でソフトウェアエンジニアも含め、モノヅクリをしている人々に、そのやり方をもう1度見直して欲しい、ということ。
「こんな機能をつけたら売れるんじゃないか?」
「お、いいね。じゃあ、それやってみよう」
という作り方では、稀に一発屋になれることはあっても、本質的にすごい製品にはならない。
たくさんある製品の中で目立つことも必要ならば、1度、製品が成功した後、その世界観を押し広げていけるような戦略というか、製品そのものが含有する「広さ」みたいなものも必要だ。
いつも、メーカーさんなどの社内や経営者の方向けに行う講演では、スティーブ・ジョブズの言葉を引用して、製品化する前のディスカッションの重要性を解いたり、IDEOのやり方を紹介してラピッド・プロトタイピングとフィードバックを反映した改良のサイクルを1回でも多く回すことの重要性を説いている。
しかし、今回、話題にしたいのは、その部分の話しではない。
もっとBASICな部分で、「機能の実装というのは、ファーストステップでしかない」という話し。
エンジニア中心のモノヅクリだと、「こんな凄い技術を持っている」からと、その技術にUIやガワだけをかぶせて、「はい、これが製品です」というモノヅクリが行われてしまうことがある。
しかし、消費者が「これはすごい」、「これは心地よい」と思えるレベルに達して、初めてシリアスなモノヅクリだと言える。
このことをどう説明したらいいのか、よく思い悩んでいたのだけれど、先週の水曜日、お腹をひどく壊して、丸1日ベッドから出られなかったときに思いついた。
ラジオなどの音声番組や、学校の授業を思い浮かべればいいのだ。
3月 4, 2009 opinion | Permalink | コメント (2) | トラックバック (1)
しばらくは例の件もあって、英語ブログの対応に追われそうなので、ついでに日本語ブログも頻繁に更新。 ;-)
1つ目は、Google MapのStreet Viewにユーザー投稿の風景写真が統合されたこと。
Google MapのStreet Viewで観光名所などを表示させると、そこで撮られた写真が右上に表示され、Street Viewの撮影とは別のアングル、別の季節、別の時間帯のきれいな写真を楽しむことができる。
パソコンの前を離れて、世界中のきれいな場所をどんどん巡りたくなるような素晴らしい機能だ(それだけに早く、外出先でも使えるAndroidやiPhoneにも対応して欲しい)。
表示される写真は、Google Mapの左側に表示されることでお馴染み、
風景写真を専門にして、人手で中身をチェックしている、Googleのもう1つの写真サービス「Panoramio」のもの。
2つ目は、Google Mapで、地図を表示させると、左側に表示される「このエリアを散策」機能。
Google Mapを見ながら、そのエリアに関するおもしろい情報を次々と発見できるようにするしくみだが、ここに新たに「スポット」という名前で、そのエリアの観光スポットが表示されるようになったほか、表示されているエリアの「マイマップ」をたくさん登録している「街の達人」が表示されるようになった。
ただ、目的地を確認するだけでなくて、おもしろい情報とのセレンディピティをもっと増やしていこうという機能だが、この機能、もともとは日本のGoogleエンジニア、南野朋之さんが発案したのだけれど、海外の他のグーグル社員にもウケがよく、そのまま広がっていったらしい。
これら2つの新発表も素晴らしく、さっそくハマっているけれど、
実は今日の発表会では、個人的にもっと気になったことが2つある。
1つめはコレ(今、外出先でカードリーダーを忘れたので、自分でデモしたものをムービー化したものだけれど...):
3月 2, 2009 Google | Permalink | コメント (0) | トラックバック (3)
書きたいことが貯まり過ぎて何から書いたらいいものか悩むが、、やはり、これだろうか。
今、私の発言が英語圏のITニュースで大きな話題になっている。
事件の全貌は、Apple Insiderか、私の英語のブログを読んでくれるのが一番いい(コメントもおもしろいのでぜひ!):
Apple Insider: Japanese "hate" for iPhone all a big mistake
nobilog returnes: My view of how iPhone is doing in Japan by Nobi (Nobuyuki Hayashi)
かいつまんで書くと、若いライターが功を急いで、ちゃんとした取材をしたわけでもないのに、自分の使いたかったセリフを私が言ったことにしてしまったという記事ねつ造事件で、私が「P905iが凄い!日本でiPhoneを持っていると間抜けに見える」といっていたことにされていた。
外出先でたまたまTwitterのSummizerで、旬な話題を読もうと思ったら「Why Japanese hate」というキーワードが出てきて、読んでみたら自分の名前がでてきてビックリ。さらに言ってもいないことが書かれていて、2度ビックリ、というパターンだが、もっとビックリしたのがSearch.twitter.comで、上のキーワードで検索してみると、ほぼ数秒に1件単位でこの気についての書き込みが増えていくこと(今日になってもまだ増えている)。
あわてて食べた気のしない夜食をかきこんで、Twitterしながら帰宅。
中目黒を過ぎた辺りで、米MACWORLD誌などにも記事を書いている有名な(そして信頼のおける)ジャーナリストのCyrus Farivarが、記事の著者をTwitter経由で紹介してくれた(ここでは個人攻撃はさけて、著者の名前は出さないことにしたい)。
Twitterを介しての彼のパブリックな会話が始まった。
その頃には、元の記事が訂正されていて「iPhone間抜け」発言が平田大治さんのセリフになり、「P905iが凄い!」発言は、昨年、Wiredの外部ライター、Lisa Katayamaが行ったインタビューの一部を引用したものと追記されていた(さすがに「都合良く引用」とまでは書いていなかったが)。
彼にとっての不幸は、セリフを言わせた相手が、私や有名ブロガーの平田さんだったことだ。
このような勝手な引用は、日本のテレビ、雑誌やWebでも日常茶飯事で、泣き寝入りしてしまう人も多いかもしれないが、あいにく、私や平田さんは、おそらく米国Wiredの若輩ライターよりかは、人脈も持っていれば、ブログを通しての影響力も持っている(それらを持っていない人に、泣き寝入りしろ、ということではない。今の時代は、感情的にならずに頑張ってうまく反論すれば、声が世界に通じる時代だと信じている)。
私は私の英語ブログ「nobilog returns」で、そして平田さんも彼の英語ブログで反論したところ、我々の反論に対する反響もあっという間に広がっていった。
iLoungeに始まり、MacDailyNews、iPhoneAsiaといったサイトやTorleyLivesといったブログに私の見解が紹介され、極めつけはアップル社の株価も左右するApple Insiderにも丁寧な記事が掲載されるという事態に進展し、掲載サイトに対しての一大バッシングが巻き起こった。
以前、Wiredに、この記事の元になった記事を書いたLisa Katayamaも被害者の1人で、自分の書いた記事が、連絡もなく、勝手に改ざんの上引用されたと憤慨しており、担当編集者のLeanderも個人的に謝りのメールを送ってきたし、私の中では、書き手や出版社に対してのわだかまりはないつもりだ。
でも、おかげで休む間がないというのも、事実で、Slashtdotのように、訂正前の間違った記事を、引用してそのままになっている媒体も多く、そうした媒体も広がりつつあるので「何言っているんだこの野郎。iPhoneを持っていない人間のヒガミだろう。」といったメールやらコメントも未だに見かけるし、そうなると気になって、パソコンなんか閉じてしまえばいいのだけれど、ついつい気になってみてしまう(もっとも、気持ちは2日前の「あ〜〜、こっちにもこんなことが書かれている。どうしよう」から「あらら、まだ引用している人がいる。しょうがないなぁ(苦笑)」くらいに変わってきた)。
たまに、拝見している「らばQ」さんにも、私や平田さんの名前こそ出てこなかったが、背景説明なしで記事が紹介されていた(まあ、確かに説明するのが面倒くさいというのはわかるし、責めるつもりはないし、 @otsune さんがはてなブックマークのコメントで言及してくれていたのをみただけで、ちょっと満足している部分もある)。
昨日まで、平然を装いつつ、ちょっと、落ち込んでいる部分もあったが、そんな時、古川享さんにfacebook経由で心に響く言葉を頂いたのにも勇気づけられた:
Nobi-san, your qualification as a Professional Jounalist will never be changed with such a wrong quote. It is a good chance to ciculate your deep insights of the iPhone in Japan.
I had hundreds of such wrong quotes for last 30years, but the myth I learned was, not try to accuse the publisher nor poor writer, but to stick with what you belive in.
I myself and whole of the audience are at your side!
Thx, SamF
3月 1, 2009 opinion | Permalink | コメント (178) | トラックバック (9)
初日は撮り忘れたセカイカメラの動画を今日撮ってきました。
こんな感じです。
PlaceEngineを使った場所のスキャンは5秒に1回くらい、ということなんですが、
それなりに自然に動いていた印象です。
また空中に漂っているエアタグの写真は、実は半透明なので、向こう側が透けて見えます。
ついでにもう1つ...
2月 19, 2009 iPhone | Permalink | コメント (3) | トラックバック (0)
ついに世界デビューを果たした「セカイカメラ」、2日前にTechCrunchのSerkan Totoと一緒に取材をして、すぐにブログに記事を書くはずが、古川享さんからのメールで予定変更に...
家路への電車を途中で進路変更し、六本木ヒルズへ「未踏プロジェクト」の成果発表会を聞きにいくことになりました。こちらでもセカイカメラに負けないくらい、世界を変えるかもしれない、新しい文化を生み出すかもしれない素晴らしい成果がいくつか発表されていて面白かったです(後述します)。
でも、まずは「セカイカメラ」、(現実)世界デビューの紹介から。
「Rooms」という招待制のファッションイベントでSoftbank Telecomのバックアップの下、
華々しくデビューした「セカイカメラ」の様子は、既にテレビニュースでも報道されているので(YouTubeで検索してみてください)、
そちらを見た人も大勢いるかもしれない。
どんなものか知らない人は、百聞は一見に如かずで、まずはモノを見てもらうのが早いので、こちらのビデオを見て欲しい:
iPhoneのカメラを通して周囲の世界を見渡すと、そこに他の人が書いた書き置きのコメントや記念写真、音声のメッセージなどがエアタグとして表示される。
そんな夢のシステムだ。
TechCrunch 50で発表された当初は、多くの賞賛を浴びる一方で、
今のiPhoneでそんなものができるわけがない、といった批判もたくさん浴びせられた。
しかし、世の中、どんなことも「できない」と言ってしまえば、そこでおしまいだ。
「やりたい」と「どうやったら、できそうか」をうまくつなぎあわせて、初めてイノベーションが生まれる。
2001年に最初のMac OS Xが出たときも、「ひどいOS、これでMacはオシマイだ」だとか、
散々、酷評されたが、結果としてそのMac OS Xが、新しい開発コミュニティーをMacに取り込み、Macを復活させ、iPhoneまで誕生させることになる。
誰かが会議室で「不可能」といったからやめてしまうのでは、一介のコンピューターメーカーであるアップル社が音楽販売ビジネスに乗り出す、といったこともなかっただろう。しかし、アップルは「不可能」とは考えずに、「どうやったら可能になるか」を考えた。だからこそ、今、米国でもっとも多くの楽曲を売っているNo.1の音楽販売会社になりえたのだ。
今の日本は、私と同年代の中間管理職が、ただ議事録に「会議に出席しました」という記録を残すためだけにいっているような考えのない寸評や匿名掲示板やユーザー名の影に隠れてブックマークに書き残される、安全な場所からの一切の責任を取らない論評攻撃によって殺されている気がしてならないので、つい脱線してしまった。
さて、Roomsというファッション系イベントでデビューしたセカイカメラの最初のバージョンは、
VAIO type Pなどでも採用されている、「PlaceEngine」の技術を使って半径5メートルほどの精度で位置を特定し、その位置に関係するエアタグを、(iPhoneに電子コンパス機能がないので)まずは方位無関係で表示し、向きは指でフリック操作をして手動で合わせる、というシンプルなしくみ。
(その代わり、向き合わせ用のランドマークをたくさん登録した、ランドマークレイヤーを用意しようとしているようだ)
開発者のトンチ・ドット、井口氏も、決してこれで満足しているわけではなく、「今回、見せたセカイカメラでは、まだ本格的にやりたいことの3%しか実現していない」ことや、「Android上で動いている試作版は、電子コンパスを使って位置合わせもちゃんとできていること」を語っていた。
まもなく、暖かくなる頃までに最初のバージョンがリリースされれば、
それがきっかけで、新たな問題点も発見されれば、「こんなこともやりたい」という新たな目標もでてくるはずだ。
そうやって、まずはモノを出しては、さらにそこから開発が進む。
これこそがWeb 2.0時代の開発の特徴でもある「Perpetual Beta(永遠のベータ)」の基本コンセプトであり「セカイカメラ」も、まさにそれを実践してくつもりだという。
ちなみに、日本ではiPhoneコミュニティーにしか知られていなかったセカイカメラだが、
フランスではTwitterなどと並んで「NetExplorateur 10 2009(世界を変革する10のインターネット技術)」の1つに選ばれている(ちなみにTwitterが、どれほど革新的なものに変わったかについても、別の機会に紹介したいが、私のブログの更新ペースが遅くて、待てない人は、こちらの記事を参照して欲しい)。
さて、未踏の成果発表についても簡単に書こう(あと1時間で外出。明日は講演、月曜日も講演、週末は、書き物の仕事があるので、またしばらく更新が止まりそうだ):
2月 19, 2009 iPhone | Permalink | コメント (1) | トラックバック (4)
ちょっと実験的に 私の昨日1日のTwitter
他にブログしたいこと、しなきゃならないことは山ほどあるけれど、
こればかりは今日(2/8の日曜日)でおしまいなので、短めに書いておこう。
何はともあれ、この異様な光景を写真で見て欲しい。
この異様な光景をリアルに見たければ、チャンスは今日だけ。
お茶の水駅からすぐの湯島聖堂に行って欲しい。
この光景、日本を代表するCGアーティスト、河口洋一郎氏の研究室の作品を一堂に集めた
「表現科学」という展覧会の様子だ。
アートやファッション関係のイベントに現れては、
ピシャリと厳しく的確な論評を残していく正徳 円生土さんに「行くべき、行くべき」とさんざん勧められ、先日、文化庁メディア芸術祭で河口さんご本人にも紹介をしていただいたこともあり、今日の午後、ようやく行ってみたが、正徳さんに感謝することしきり。
一瞬、「湯島聖堂に妖怪現る!」みたいな異様な雰囲気がなんともたまらない。
この展示を知って訪問した客も、知らずに訪問した客も、皆、声をあげて感激していた。
(なんか昔あった「Cosmology of Kyoto」というCD-ROMを思い出してしまった)。
2月 8, 2009 | Permalink | コメント (0) | トラックバック (5)
「iPhone 3G販売から半年」の記事につづいて、振り返りもの...
On January 24th,
Apple Computer will introduce
Macintosh.
And you'll see why 1984
won't be like "1984".
この伝説のCM通り、
スティーブ・ジョブズが初代Macを発表したのが、
今からちょうど四半世紀前の今日1月24日。
発表は上の写真の場所、アップル本社からほど近いDe Anza CollegeのFlint講堂で行われた。
(ちなみに写真はMac誕生15周年の1999年に、同じ講堂でiMac DVが発表されたときの写真)
四半世紀、1世紀の4分の1がもう過ぎたのかと思うと正直驚くところがある。
最初のMacが発表された当時、私はまだ高校生だった。
アップルはMac発表の前年にLisaというマウスを使ったコンピューターを発表していた。
誰でも20分で使えるようになる未来からやってきたビジネスコンピューター。
そんな印象のLisaがあっただけに、Macの印象は、その廉価版(しかも、ソフトの互換性無し)。
日本では伝説のCMが流れたわけでもなければ、Lisaも初代Macも
(いや、それどころか国内で売られていたApple IIシリーズでさえも)手が届かない存在だったし
そういう意味ではMacの最初の印象は、それほど衝撃的なものではなかった。
でも、初期のMacの販促に使われていたグラフィックやCMは、いずれも凝ったもので、
アップルが、この製品にかなり本気である様子だけは肌で感じていた。
その後、一部のパソコンショップにMacが置かれるようになり、
私も頻繁に触るようになった。
なんといっても衝撃を受けたのがStudio Sessionというソフト。
初代MacのOS開発にも関わったSteve Cappsのつくった音楽ソフトだが、
なんとも楽しいつくりに、そしてMacがグラフィックだけでなく音の扱いにも優れたパソコンである事実に圧倒された。
ちなみに、この「Studio Session」の後継ソフト、「Super Studio Session」は現在、ネット上で無料公開されている:
Super Studio Session
1月 24, 2009 Mac | Permalink | コメント (1) | トラックバック (2)
日本でのiPhone 3G発売開始から、今日でちょうど半年。
ソフトバンク表参道が3日間だけ、iPhone 3G専門店となったのも、
表参道から渋谷の電力館まで伸びる長い行列ができたのも半年前。
「iPhoneは買わない。でも、買うとしたら、白の16GB」と言っていたdrikinが、徹夜で並ぶことになって、自分の順番までに16GBがすべて売り切れとわかったとき「そうだ、僕が欲しかったのは8GBだった」という名言をTwitterに残したのも、ちょうど6ヶ月前だ。
あれからApp Storeで大成功した日本人が出たり、世界中の人が心を一つにして演奏するアプリケーションが出てきたり、もしかしたら世の中を変えてしまうほどのパワーがあるんじゃないかと思わせるデモが行われたり、初期の任天堂DSを上回る勢いのiPhone 3Gに、大手ゲームメーカーが次々と大型タイトルを繰り出してきたり、といろいろとあり、とても半年間のできごととは思えない。
一部では、日本では売れていないと言われているiPhoneだが、
実は一部の報道よりはかなり多く売れている、ということも聞く。
実際、この半年間、人々に目から鱗が落ちる思いをさせた携帯電話関係のニュースを20個あげろと言えば、確実に20個中の15個まではiPhone関連のニュースになるはずだ(iPhone以外の1個は、Yahoo!とSHARPの連携、もう1個はGoogle Android端末の発売開始、そしてさらにもう1個はNokiaの日本撤退だろう)。
今、私はMacworld Expoの取材を終えて、
今後の講演やコンサルティング向けの勉強としてラスベガスで開催中のCESに来ている。
実はMacworldでは取材をするだけでなく、
日本のiPhone開発社を海外のプレスに紹介するイベントを、山崎富美さんやAndrew Shuttleworth、外村仁さんやdrikinらの協力も得て、とりおこなった。
1月 11, 2009 iPhone | Permalink | コメント (2) | トラックバック (5)
「ブログは会話」これは伊藤穣一さんがよく言う言葉。
ブログの記事に1点の間違いもない完璧なものを求められていたら、堅苦しくて何も投稿できない。
ある程度、思い込みや勘違いもコミコミにして、ある程度は「エイヤ!」で投稿するからこそ自分の意見が言える。それだけにブログでは記事そのものだけではなく、コメント(や場合によってはTrackback、人によってはdel.icio.usやはてなブックマークも)での対話までも含めて1つのコンテンツと捉えて欲しい。
ただ、今日のブログが至らないところは(そしてSNSの方が進んでいる部分)、自分が書き込んだコメントに対して返信があっても、再びそのブログを訪問しないとわからないところ。
この問題を解決すべく、しばらく、coCommentを試したが、残念ながら期待した変化は得られなかった(サービス自体はよくできているので、今後、また機会をつくって再挑戦したい)。
そんな中、昨年末、Six Apart社がTypePad Connectというサービスを開始。これに衝撃を受けた。
TypePadのブログに、TypePad ConnectのIDでログインしてからコメントを書き込むと、そのコメントに対して、返信があったときに、それがメールで送られてくる。しかも、そのメールに返信する形で、メールソフト(あるいはiPhone)からコメント返しができるのだ。
これは「ブログの会話化」を、さらに一歩、押し進める革新的技術だろう。
さて、昨日のブログにいしたにさんからトラックバックがあった。
みたいもん: すべてが記録される時代のログ:私的原体験編
この記事で私の記事と一緒に平田さんの記事が紹介されている。
dh memoranda:次になにをするべきなのか
この平田さんの記事を読んで、いくつか「Web 2.0 in your pocket」的な視点で思い出したことがある。
1月 2, 2009 パソコン・インターネットSocial Networkopinionjust a thoughtiPhonesocialmediaWeb 2.0 in your pocket. | Permalink | コメント (2) | トラックバック (2)
今、たまたままったく別のことを検索していたら、YouTubeに昨年12月はじめ、
Apple Store Ginzaで開催されたWeb Business Shuffle 2.0 Vol.37での
私の講演がアップされているのを発見しました(そういえば、撮っていたし、アップするといっていましたよね。チェックし忘れていました!)
ボソボソとした声の上に早口。
昨年、どれだけの人に拷問のような時間を過ごさせたかを気づかされて改めて反省。
今年はボイストレーニング頑張ります。
もっとも、お正月で、辛抱強くみる余裕がある人は、
ぜひ、御覧になってみてください。
1つ前のエントリーで書いた「Web 2.0 in Your Pocket」についても触れています。
(4/5で、本当はGPSとWeb 2.0 in your pocketを絡めたおもしろい事例をいくつか紹介しているはずなんですが、そこは録画が止まっていたみたいです。iPhoneの良さが、一番伝わる部分だっただけに、ちょっと残念)。
WBS講演:1/5
1月 2, 2009 | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)
昨年、ほぼ1.5週間に1回のペースで行ってきた講演で繰り返し言ってきたのが、
「Web 2.0 in your pocket」時代の到来。
神尾さんのITmediaのインタビューによれば、ドコモもこれまでのiモードを進化させつつもオープン化路線も並行して進めていく、ということだ。iモードのユーザーが2009年中にすぐに移行するとは思わないけれど、iモードからオープンWebへの流れは、もう誰にも止められないと思う。
(そもそも、iモード誕生のときだって、携帯電話の画面に十分な解像度と処理能力があればオープンWebを目指したかったんじゃないかとも思う)。
神尾寿のMobile+Views: 2009年、ドコモは「オープンOS」を支援する──ドコモ 辻村清行副社長
この「Web 2.0 in your pocket」で、
このブログでは他のテーマの中で触れることはあっても、
単独で扱うことはしていなかったので、あえてタイトルに立ててとりあげよう。
でも、まだ、お正月だし長い話しはなしで、最近のキースライドを2つだけ紹介しましょう。
1つ目は、コレ。
私が持つ、これまでのWeb 2.0のイメージ
(写真はCreative Commonsという素晴らしい仕組みを使って、Flickrの見ず知らずの方のものを使わせていただいています)。
そして、これからのWeb 2.0は、こう....
1月 2, 2009 iPhone | Permalink | コメント (0) | トラックバック (3)
皆さん、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
Google検索「あけましておめでとうございます」で上位だったのに気を良くして、
昨年の自分のブログを踏襲してみました。
さて、丑年のお正月、食いしん坊の筆者が思い浮かべるのは牛肉です。
昨年、宮崎の尾崎牧場でいただいたおいしい肉のことが忘れられません。
(サーロイン1、サーロイン2、ハンバーガー)
そんな丑年のお正月に思うのは、今年は日本でも熟成肉が流行って欲しい、ということ。
熟した果物がおいしいのと同様、肉もしばらく熟成(エージング)させた方が、やわらかくおいしくなってきます。
究極においしいのは、腐るか腐らないかのちょっと手前くらいということも聞きます。
普段はその場では食べさせてくれない尾崎牧場さん、宮崎のアップルユーザーグループの特別なコネで食べさせていただいたバーベキューの中でも、やはりおいしいのはよく熟成させたお肉でした。
実はつい最近、家の近所に「中勢以」さんという京都に本店を持つ熟成肉専門のお店が支店を構えました(下の写真)。店内に用意された特別な冷蔵庫や照明、そして素敵なカウンターだけでも訪問する価値があるお店です。同じKEYAKI GARDENにはイギリスのバースに本店を持つチーズ屋さんの「The Fine Cheese Co.」や上野万梨子さんの食のギャラリー「rizble」もあります。
さて、私が日本で熟成肉が受け入れられるようになって欲しい、と思っているのは、何も食いしん坊だからばかりではありません。
もしかしたら、そうなることが、日本の社会にとって、あるいは起業家にとってもいいんじゃないかと思うからです。
1月 1, 2009 | Permalink | コメント (2) | トラックバック (1)
そろそろ2008年が終わり、2009年が始まる。
ascii.jpの記事「林信行が語る「2008年、知っておくべき10のトレンド」(後編)の1位では
今年後半の私の講演のキーワード「Web 2.0 in your pocket.」を取り上げさせてもらった。
Web 2.0 in your pocket.とは、
これまでのパソコン時代のWeb 2.0のように
1日中、パソコンの前にしがみついていないでも、
外出先や散歩中、友達と過ぎている楽しい時間に、サっとポケットから取り出して使えるWeb 2.0。
iPhoneやAndroidといった、パソコン並みのWebブラウザを持つデバイスの登場で可能になり、
Web 2.0の情報が実際のアクションを起こす場で、活用できるようになる、という発想だ。
私は、1日中パソコンの前に張り付いていたことで病み始めた人々の心や
便利さを人生を豊かにする方向ではなく、より仕事を密にする方向への過って舵取りしてきた
これまでのやり方を改め、ワークライフバランスをまともな方向に軌道修正してくれる秘策ではないかと思って講演をしてきた。
ただし、今回の記事で、いつもの講演とちょと違うのは、先日、得たあるき「気づき」を書き添えたこと。
それは、下手をすると1日中、その前に座って無為な時間を過ごしかねない、パソコン上のWebと違って、Web 2.0 in your pocketは、必要な情報を調べた後、さっと画面を消して、再びまたポケットにしまえることだ。
これこそが人間性回復の一番の秘策ではないか、という気がしている。
12月 31, 2008 | Permalink | コメント (2) | トラックバック (0)
できれば、2008年中に、この記事以外にもう1本くらいブログを書きたいけれど、万が一に備えての保険として投稿しておきます。
2008年も、残り20時間を切りました。
2009年の日の出まで、あと24時間といったところでしょうか。
直前の「テスト投稿」で、nobilog2がしばらく更新できない状態だったと書き、ご心配をおかけしました。
おかげさまで無事復帰できました。
どうやらCSSをいじったときにどこかで間違ったようです。
早くCSSなしで、レイアウトを柔軟にカスタマイズできる時代が来て欲しいと改めて痛感。
さて、ブログの更新は滞っていますが、
Twitterは更新し続けています。
http://twitter.com/nobi
そして、今年に入ってからあまり行っていなかった執筆業も、12月に入ってから急に復活しました。
おそらく、今年1年の執筆仕事の半分以上が、この12月に集中したんじゃないでしょうか?
12月 31, 2008 About Myself | Permalink | コメント (1) | トラックバック (0)
メールを10通書き上げたので、ご褒美にブログを書かせてもらおう。
今年の春頃から、すっかり執筆業から講演業とコンサルティング業に鞍替えしている筆者だが、それでもパソコンに向かって書き物をしていることが多い。
現在、唯一の連載で、いつも遅れがちな「Apple's Eye」の原稿を書いていることもあるが、そうでないときは
パソコンを使い始めの人や、あまりパソコンどっぷりでない仕事をしている人にとってはそうでもないかもしれないが、仕事柄情報のハブになりやすい人間にとって電子メールは、まったくもって不幸のテクノロジーだ。
筆者が利用している全メールアドレスに届くメール数の総数は、1日約4000〜5000通だ。
「多い」と驚かれる方もいるかもしれないが、2007年に急逝されたitojunさんに話しを聞いたところ、彼はこの倍近く受信されていたようだ。
もちろん、すべてが人手によって送られてきたメールではなく、迷惑メールも含めた数だが、'93〜4年頃から同じ、文字数の少ないメールアドレスを使い続けていると、こうなってもおかしくない。
このうち重要メール用として使っているアドレスに届くメール数が1日数百通。
おそらく700〜800通だが、前からそうした方がいいと思いながら、ずっと避けていたのだが、
今年、ついに重い腰をあげてGmailに切り替えたおかげで、目にするメールの数はかなり減った。
ほとんどの迷惑メールは、一度も目に触れることなく迷惑メールフォルダに入り、数週間後には自動的に抹消される。
とはいえ、そうしてフィルタリングされた後でも、1日に読まなければならないメールが100通を下ることはない。
さらに、返事をしたり、カレンダーにつけたり、電話をかけたり、といったアクションを起こさなければならないメールが、1日に最低でも20通はある。
電子メールという無料通信手段の登場で、気軽にコミュニケーションができるようになったことは、多くのいいことをもたらしたが、その一方で、それが蓄積していくと、とんでもなく大きな不幸も招くことになる。
今年だったか、去年だったか、元々はパソコン雑誌だった「月刊アスキー」が「reborn」するといって、ビジネス誌に生まれ変わり、その後、ビジネスアスキーという雑誌に名前を変えていった。
このビジネス雑誌時代の月刊アスキーで、ただ1つだけ今でも印象に残っている記事がある。
「数字で見るなんとか」という連載の記事で、毎日ビジネスでやりとりされている電子メールの本当のコストを探ってみよう、というものだった。
月刊 ascii (アスキー) 2007年 02月号 [雑誌] | |
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IT度の高い企業だと、みんな後で何か言われても言い訳できるように「とりあえず、いっておきましたよね。みせましたよね」といわんばかりに、上司や同僚をccに入れまくる傾向が強まっている。
こうやって役職の位が上の人ほど、電子メールが雪だるま式に増えていく。
(一説にはマネージャークラスで1日数十通、ディレクタークラスで100通、その上が200通くらいとも言われる。もっとも、これは企業文化のIT度によって違うだろう)。
そして役職が上の人ほど時給が高いとすると、みんなが無料だと思って、やりとりしている電子メールが、会社の人的リソースの貴重なコストのかかっている勤務時間を、深刻に浪費している、といった記事だった(うろ覚え)。
まったく、その通りだと思う。
不用意に上司にCCをしている人は、上司の受信箱がどうなっているかを想像し、CCしたからといって読まれているわけでもなければ、印象にすら残っている可能性が少ないことを再認識した方がいいだろう。人間が1日に脳で処理できる情報量には(きっと)限界がある。
私は1970年代から、プログラムリストの打ち込みや、チャット(今で言うインスタントメッセンジャー)で鍛えてきたタイピング速度があり、そこいらへんの人に負けない速度でタイプできる自信。ノっているときなら、日本語でも話すより早くタイプする自信もある。
それだけに、数年前までは、相手の状況を無視してかかってくる電話が嫌いで、電話をかける前に電子メールやインスタントメッセンジャーで、用件を伝えて欲しいと思っていた。
しかし、今は(インスタントメッセンジャーはいいが)電子メールは避けて欲しいと思うし、送られてきたメールにも電話で返事をしてしまうことが増えた。
というのも、多くのメールは、どうせ、返事をしても、また1通、返信しなければならないメールが増えるだけ、というのが見えている。つまり、本題に入る前のフリに過ぎないことがわかっているのだ。
それに、この受信箱というものが、単純なTo Doリストのように、1件ずつ処理していけば、減っていくというのであれば、まだ頑張ろうという気にもなる。
しかし、実際にはそうではなく、1件のメールを処理した頃には、さらに2〜3件くらいメールが増えているのだ。
これは毎日、延々と同じ道路のドリリングと舗装をさせられているようなもので拷問に近い。
もちろん、こちらも人間。
すべてのメールが憂鬱というわけではないし、書いていて楽しいメールもある。
読者の方などから送られてくるメールも、時間があるときは(できるだけ)もれなく1通1通誠心誠意を返事を書いてきたつもりだし、以前にメールをもらった読者に、こちらから「例の情報、あれわかりましたよ」とか「その後、どうですか?」といった具合に、こちらからメールを送りたいと思っていることもある。
ただ、私にとって、既に電子メールというコミュニケーション手段が、まるで音楽がガンガンになっているディスコの大型スピーカーの真横で、風邪をひいて喉が痛いのに、1時間マイクの壊れた会場で大声で講演して声まで枯れてしまった状態で、耳栓をした友人と話すくらいに無理がある手段になりつつあるのだ。
いや、実は数年前からそうで、だから、一時はmixiのメールに逃げていたが、こちらも一時増え過ぎてしまい(最近ではそもそもあまりログインしなくなってしまった)、Facebokkも同様で、Twitterのメッセージも。結局、分散させても、そちらの手段がいいとわかった時点で、そのチャネルへのコミュニケーションの集中が起きてしまい、本質的な解決にならない(いや、あまり分散させると、今度はあちらこちらチェックしないといけない、という問題が発生してくる)。
いずれにしても、ここ10年のテクノロジーは、検索エンジンにしても、アグリゲーターにしても、人々の便利、効率的、欲しいといった言葉に流されて、人間の能力を超えて、情報を集中させる結果を招き、それによって人間をどんどん不幸にする結果にいたってしまったんじゃないだろうか。
さて、そんな状況の中、希望の光はあるのか?
おそらく来年、中頃くらいまでの間は、これが私の研究テーマの1つになり、nobilog2の中心テーマの1つになるだろう。
でも、いくつかの光明は見え始めている。
12月 24, 2008 パソコン・インターネットjust a thoughtiPhone | Permalink | コメント (7) | トラックバック (1)
【更新:「さよなら」と書いてしまったけど、private equityが救ってくれたようです。
BBC: Whittard sold to private equity
】
スコットランドから悲しいニュースが届いた。
我が家の紅茶の定番ブランド英国チェルシーの「Whittard」が、
不況のあおりで操業を停止するというのだ。
BBC news:Whittard 'nears administration'
Whittardといえば、紅茶だけでなく、クリスマスココアも我が家の定番だった。
そういえば先月、表参道駅のechikaで期間限定の閉店セールのようなものをやっていたが(上の写真)、あれもその兆候だったのだろうか。
*UPDATE:もう1度、よく記事を読んだら、まだ買い手を捜している状態で、もしかしたらブランドは残してくれるかもしれませんね。ぜひ、残して欲しいブランド。ちなみに私はMilk In First派です(懐かしいnobilog1へのリンク)。*
12月 23, 2008 | Permalink | コメント (1) | トラックバック (0)
本ブログでも、もっとも人気がある記事の1つがこちらの記事:
「nobilog2: 小さいながらも大きな感動!Eye-Fiカード」
このEye-Fiが、ついに日本で発売されることになりました。
執筆業は引退半ばなので(半分ジョーク、半分本気です)、発売の詳細は各ニュースサイトの記事を参照してもらうとして、ひと言だけ(時間をかけずに)書かせてください。
12月 3, 2008 | Permalink | コメント (2) | トラックバック (3)
昨日はSix Apart社、日本法人の5周年記念パーティーがあった。
朝ミーティング、午後打ち合わせ2つの後、講演、そして打ち合わせでへとへとの後、明治記念館に向かった。Six Apart Japanの5周年記念パーティーだ。
講演の直前、プレゼンスライドの後半が消えていて(ミーティング中に強制再起動したとき、保存されていなかった模様)、講演前の1時間は地獄の1時間に変わった。おまけに1時間、MacBook Airを酷使したため、ついに悪夢が勃発。MacBook Airの温度が上がり過ぎて、講演中に動作速度が半減してスライドがめくれない問題が発生した!
これまででもっとも神経がズタボロになった講演(というかMacFan小林編集長とのトークセッション)だったが、その後、EZNaviwalkの指示に従って、タクシーで高速のったら竹橋から明治記念館まで、ほぼ7分1500円でついたのが爽快で、ちょっと元気が出た。
Six Apartのパーティーでは、部屋に入るや否や「ご無沙汰です」、「お久しぶりです」のオンパレード。飲み物にたどり着いたのが関社長らの挨拶が始まった30分後。結局、かなり押して終わった22時半頃までの間に、3桁以上の人と話をした。
「はじめまして」の人も何人かいるが、あった人のほとんどが、連絡をとっていないで「最近、どうしているんだろう」と気になっていた人達。
mixiも、twitterも、つながっている人が40人くらいを超えたあたりから、みんなの状況を真剣に毎日、把握することは難しくなる。
それに更新をさぼっているのは私だけではないので、例えば髪型がマッシュルームカットになって、前とぜんぜん雰囲気が変わっただとか、実は最近、スポーツで怪我してしばらく松葉杖だとか、そういったことは、やはり、ああいうリアルの場がないとわからない。
私は最近、いろいろ講演を重ねてきて、思っているところがある。
来年以降、キーワードとなるのは、あるいはキーワードとしていくべきなのは、
Web 2.0とリアルの融合だ。
12月 3, 2008 ウェブログ・ココログ関連 | Permalink | コメント (2) | トラックバック (4)
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