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2004.04.15

テロと宣伝効果

この数日に見た(イラクでの)誘拐事件についての数あるニュースの中で、一番重要と思ったのはZAKZAKのこの記事だった:
ZAKZAK記事

日本人を誘拐したことが一番メディアで取り上げられた(海外メディアでも取り上げられた)。つまり、もっとも宣伝効果があったと指摘するもので、その後の人質誘拐もこれをモデルにしている、というものだ。

私自身、この事件について以前にとりあげているが、Blogも含む公衆のメディアは、今、何を報じるかだけでなく、報じることによってどのような影響があらわれるかも、前もってじっくり考えるべきだというレッスンを学ばされているのかもしれない。

この記事の最後で、今後も日本人が誘拐される可能性があると指摘しているが、昨日になって、大変残念ながら新たに日本人2人が誘拐された模様だ。

 もっとも、さすがに大手メディアは何かを学び始めたのかもしれない。筆者がこのニュースを最初に目にしたのは午前1時頃、TVK(テレビ神奈川)に入ったニュース速報だった。しかし、それから1時間経って、Webを巡回してもどこにもそんなニュースは載っていない。大手新聞社のWebがこの件を報じたのはおそらく朝刊が出た後、朝9〜10時のことだった。筆者は慎重を期しての対応だったと期待しているが、もしかして単に朝刊の見出しをショッキングに演出して売り上げを伸ばすためだったりして...

北朝鮮拉致問題の初期にはメディアが重要な役割を果たしたし、NTTがADSLは不要と唱っていた時代にもメディアは重要な役割を果たした。でも、視聴率/購読者数/人気投票と共鳴しながら声を大きくしていくだけがやり方ではないかも。

 たまに見かける人質家族への信じられない嫌がらせの数々を見るとますますそう思う:
ZAKZAKいやがらせ記事

問題は今から報道を自粛しても既に邦人関連事件の宣伝効果については世界が十分に伝わってしまっていること。今後、この問題を公衆メディアでどう取りあげるべきかは非常に難しい課題と言えそうだ(もちろん、報道の自由はあるので、どういう意見をとりあげるかは問題ではないけれど、おそらく取り上げる頻度とか露出のさせ方、視聴率/売り上げ競争が問題なんだと思う)。

P.S.ZAKZAKって久しぶりにみたけれど、いつの間にかリニューアルしていたんですね

4月 15, 2004 ニュース |

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■今日発売[4/15]の週刊新潮:『「人質報道」に隠された「本当の話」』が面白い [続きを読む]

受信: 2004/04/15 16:32:44

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今年の流行語大賞候補に挙がりそうなくらい 今一番ホットなキーワード「自己責任」。 人質の皆さんが解放されてホッと(エヘ)はしているが ... [続きを読む]

受信: 2004/04/18 0:31:11

コメント

そうですよね。わたしも考えさせられることしきり。
今回の人質が脅されているシーンもそうですが、国によって報道する画像を制限するのも気になります。
さっきも、解放のニュースを速報で知り、時間を合わせると、家族よりネット接続中の一個人の方が情報が早いかもと思いました。

一連の報道で一番印象に残ったのは、福田官房長官の「制止も聞かずに危険な地域へ行くから自業自得だ、どれだけ多くの人に迷惑をかけているかわかっているのか」というコメントが、「血も涙もない」と避難をかっていたが、あながち薄情扱いもできない気が。
軍隊でもないのに使命感で戦地へ向かう彼らを見ていて、「そこに山があるから」という信念で危険な山に登り、遭難などして大迷惑をかける登山家たちの行動に酷似しているような印象をうけました。どちらも無事に帰れば英雄、そうでなくても英雄ですよね。自己満足といわれても仕方ない。真実を伝えるのは大切だけど、たったひとりのジャーナリストが国際情勢を変えてしまいかねない状況ですよね。彼らにしてみれば、それもしてやったりなのかとも思いますが。

投稿: miu | 2004.04.16 00:33

3人が無事に開放されて良かったです。
ただ、フリーカメラマンの郡山の「けがはない。まだ残って写真を撮りたい」 というメッセージは理解に苦しむ。この人はいろんな人の協力があったり、迷惑をかけたことをどう思ってんだろう。

フリーランスとして仕事意識が高いんだとすれば、戦地やゲリラ地帯に行くことが常に死と隣合わせだってことを自分も家族も理解してからにしてほしいよ。まさにmiuさんの言うように、無事に帰れば英雄、そうでなくても(悲劇の)英雄。

投稿: Kiyotaka | 2004.04.16 08:43

すごく不謹慎ですが、とても面白いトピックですねぇ。
言われてみれば、似たような状況ってあらゆるところにありますよね。無事に帰れば英雄、そうでなくても(悲劇の)英雄。人生の目的如何によっては、おいしいネタということですかね。今こそイラクにいかなくちゃっていう。
でも、日本政府は当たり前のように目の前にあることを当たり前に淡々とこなす対応、ある意味すごく日本らしいな、って感じました。美意識がああいうところにもろに出てくるなあって。

投稿: あきひろ | 2004.04.16 09:44

トラバさせていただきました。
どうもです。

投稿: miu | 2004.04.18 00:32

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