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2006.12.18

最近見たお勧めテレビ番組5本

今、実は家に特殊なハードディスクレコーダーがあって、過去1週間ほどのテレビ番組を、どれでも好きに遡って見ることができる。
この機械が来るまでは、すっかり地上波テレビ放送から遠ざかっていて、BSデジタル放送専門になりかけていたのだが、この機械のおかげでハイビジョンでもなんでもないノーマルの地上波放送を見る率がグンとあがった。
いや、それどころか最近、地上波でもこんなに素晴らしい番組がやっているんだと改めて感動することも多い。

私の周囲では「テレビを一切見ない」、「テレビを持たない」という人も数人いるけれど、
「いいテレビ番組には、本や雑誌にはない力や感動を与えてくれる」と改めて思う。

さて、以下ではそんな私が最近、感動したテレビ番組をいくつか紹介したいが、その前に、お勧めテレビ番組の1つが18日(月)に再放送されるので、読み飽きる人が出る前にその記事にだけリンクを貼っておこう。
NHKの「ビジネス未来人」という番組で、直木賞作家、三浦しをんを生み出したboiledeggs.comの仕掛人、村上達朗さんと彼の仕事である作家エージェントがどういうものかを紹介している。

それでは、以下、これらも「再放送されたら絶対に見るべし」のお勧め番組:

【1】NHKプロフェッショナル仕事の流儀 第35回 「りんごは愛で育てる」 農家・木村秋則さん

茂木健一さんが司会のいつも見ているお気に入り番組、「プロフェッショナル仕事の流儀」。写真家の上田義彦さんの回編集者、石原正康さんの回も、背筋が伸びる思いがしてなかなか良かったけれど。
この木村さんの話も涙が出てくるほどに感動的だった。リンク先のホームページにも番組のあらすじはあるけれど、木村さんのりんごは「奇跡のリンゴ」と呼ばれており、さまざまな学術的研究の対象にもなっている。

 番組はちょっとドラマチックに演出し過ぎというきらいもあるけれど、木村さんが番組の中で語る事実を積み重ねるだけでも大きな感動が伝わってくる。
 なんでも自然のままの姿が一番バランスがとれている、というのは誰もが思うところだけれど、それを実践し、大きな苦労を乗り越えた末に、腐らない奇跡のリンゴを生み出すというストーリーには大きな感動を覚えた。
 農業というと、私の周りにいる大半の人の仕事とは大きく異なるけれど、すべての現代人にとっていい教訓を与えてくれそうだ。

【2】TBSの「水トク!」という番組。
12月6日放送の回。

その名の通り、毎週水曜日に放送されているスペシャル番組みたいなんだけれど、ホームページにあまり情報がなく、放送回ごとのサブタイトルがないのは残念。

[と、書いていたのですが、この回のホームページ発見しました。こちらです:
「関口宏の日本を探しに行こう」モデルの方?は女優で原沙知絵さんでした

 私がお気に入りの12月6日の回は、関口宏さんとモデル(!?)の女性の方の2人で、日本各地を巡って伝統文化を今一度、見直すという内容。
 何よりも番組の構成がおもしろかった。前半3分の2ほど、例えば日本庭園や機織り/草木染め、浮世絵、和紙づくり、日本酒といった文化については、これらの日本の伝統文化に惹かれて日本に住み着き、その道を極めてしまった外国人の方々が教える構成になっていたのだ。その道に惚れ込み、自分の国を捨てていつくまでの情熱を持っている人達だけに、語る言葉にも情熱が宿っている。
 番組の最後は紀伊山地の熊野古道、編集工学研究所長の松岡正剛が出てきて締めている。
 自分は、海外生活が長く、日本の伝統文化の基本的なところが抜けているが、日本伝統文化の素晴らしさには思いいるところがある。いずれ時間をつくって、この番組がたどった足取りをなぞってみたいと感じた。

 私は外国人の目線から、日本の良さが語られるのが好きみたいで、気がつくと海外でも、日本文化をきれいな絵で紹介している本を見つけると、ついつい衝動買いしてしまう癖がある。
 先日もパリの6区を夜中に散歩していて、フランス語で「茶の湯」を紹介していた本を見つけて衝動買いしてしまった:
Poèmes du Thé」(Bertrand Petit et Keiko Yokoyama)

【3】【4】3つめと4つ目は、新日曜美術館かな。
伊藤豊雄の回と千住博の回。どちらもよかった。
New Yorkにある千住さんのアトリエ素敵過ぎ。オフィスの様な部屋に置いてあるApple Cinema Displayが印象的だった。いずれ訪問できたらいいなぁ。

千住さんの回では、千住さんは日本画を描くためにニューヨークに行ったといっている。
日本を出た方が日本のことがよく見える、よくわかる、という。
これってなんだかとてもよくわかる気がします。

【5】冒頭でも紹介した18日再放送があるNHKの「ビジネス未来人」。

boiledeggs.comの村上達朗さんと、その仕事、作家エージェント(昔は著作権エージェント、といっていた)を紹介した番組。
村上さんはもともと、出版社で数々のヒット作を手がけてきた編集者。
しかし、私もちょっとだけお手伝いした「アップル〈上〉―世界を変えた天才たちの20年」、「アップル〈下〉―世界を変えた天才たちの20年」を手がけた後に、突然、会社を辞めて、boiledeggsというWebサイトを立ち上げる。

海外にはあるが、日本にはない著作権エージェントという仕事をしたいのだという話だった。
ベンチャービジネス用語でいえば、作家のインキュベーション事業といったところか。

私は幸運にも、このサイトで連載をする最初のメンバーとして声をかけてもらうのだけれど、不義理にも1999年から筆が止まってしまう。実はその罪悪感から最近、サイトの方もぜんぜん拝見していなくて、この番組も例の機械で今週の番組をブラウズしている中、偶然に番組タイトルに惹かれて発見し、驚いていたところだ。それで久々にboiledeggsにアクセスしたところ再放送の案内があったので上で紹介した。

番組を見て、久々に見た村上さんの姿にもちょっとビックリしたけれど、
boiledeggsで、次々と若い人達が成功していっているのを知ってうれしくなった。
三浦しをんさんが直木賞というのは知っていたが、それ以外にも次々と新人が誕生している。

番組の中で、村上さんが今後の展開を聞かれて、日本の作家を海外にもデビューさせていきたい、と語っていたが、あれも非常にうれしかった。
私も日本の作家はどんどん海外に出て行くべきだと思う。
日本のWeb連載もまともに続けられない私だが、過去に何度か英語版のWired Newsに記事を書いた。
Wired News Stories by authors: Nobuyuki Hayashi

書いてみてビックリしたのは、その反響の大きさだ。
やはり、日本語圏と英語圏では、市場規模が全然違う。
返ってきた反響の大きさから、そのことがすぐに伝わった。
ポジティブで発展的な(話を次の段階に発展させる)フィードバックが多いのにも驚いた。

この経験以来、私は元気のない日本のソフト開発者を海外進出させ、市場規模を膨らませて体力をつけてもらう、という夢を抱くようになるが、なかなか日本の企業にはそういった心構えを持つところがない、ということを改めて教えられることになった。
ある技術系プラットフォームをつくっている社長と話をしていても、
世界的に名の知れた大手メーカーにしても、「とりあえず日本市場で成功すれば それだけで御の字」といった雰囲気があるという。
まったく、もってこれは情けない。

村上さんには、ぜひともboiledeggs発世界的作家を生み出して欲しい。

さて、以下は私とboiledeggsとの関係についてのいいわけタイム。

boiledeggsを始めた時、まっさきに声をかけていただいたことは非常にうれしく思っているし、書籍「アップル」では結局、大した仕事ができなかったが、村上さんとは仕事をしたいと思っていた。だから、何度かは記事を書いたが、雑誌の仕事に日々、追われる中、なかなか連載を書く時間を見つけられなかった。

連載が止まってしまっている1999年は、ちょうどMacの誕生から15周年で、気分的にもりあがってきていた時期。多少、それまでの仕事スタイルを変えてでも、boiledeggsに打ち込もうと思っていた、秋頃、ある事件が起きる。意気揚々と楽しみにしていたあることが、最悪の展開を迎える。それどころかその後、何度か追い打ちを受ける。どうにもこうにもアップルの歴史についての記事を書くのがいやになってしまった。

 (歴史以外の)仕事も完全にスランプに落ちて、雑誌に書く記事も一時期激減するけれど、だからといってWeb連載を書けるようになったわけではなく、特にアップルの歴史の記事からは逃げ続けていた。
 同じ頃に始まったMacTopiaの連載には力が入るが、boiledeggsの連載、「Appleここだけの秘密」からは逃避してしまっていた。
 でも、そこから5年くらいかけて、なんとかその精神状態をふっきるり、2006年には「アップル・コンフィデンシャル 2.5J」の共著や「Cult of Mac」の監訳をしたり、dice-k.comで「ジョブズ・アンド・カンパニー」の連載を書いたりとしたのだけれど、逆に間を置き過ぎてBoiled Eggsには戻りにくくなってしまっている状態。毎年、年賀状には「今年こそ再開」と書いていながら、すっかり嘘つき状態。

雑誌の仕事に追われると、他の仕事ができなくなってしまうのは、今もって変わらない私の悪い習慣だーーWebの記事も、書籍の仕事も遅れまくり。時間があればあるだけ、締め切りぎりぎりまで使ってしまうため、切羽詰まっていない原稿にまわす時間がどんどん埋まってしまう。

 先日、台湾で行った占い師は、「私の仕事が一番はかどるのは夜11時から朝方なので、その時間に仕事をすべし」といってたけれど、来年からはその言いつけを破って朝方に変えて、もうちょっと規則正しい時間枠で仕事をするかな(といっても、突然の取材とかでペースが狂いまくるのだけれど...)

うまく時間割が組めたら、ブログの方も毎日更新できるように心がけます。
でも、とりあえずこの記事を書いただけで自分を追い込んだつもりでいるような甘い考えなので、ちょっと厳しいかな...



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プロフェッショナル仕事の流儀:12/7/2006放送分:木村秋則
水トク 12/6/2006放送分
新日曜美術館、伊藤豊雄の回千住博の回




同じ番組について書いた他のブログ:
【プロフェッショナル:奇跡のリンゴ関係】
茂木健一郎 クオリア日記:奇跡のリンゴ

須磨寺ものがたり:リンゴは愛で育てる 農家・木村秋則
究極のリンゴ誕生秘話
木村さんのりんご
カクレマショウ:無農薬リンゴの木村秋則さんに「素のプロ」を見た。
介護同盟:木村さんのリンゴ
環境goo:遠藤昇のスローグッズ興奮図鑑
くつろぐのグルメ日記:奇跡のリンゴ その2
よのなかフォーラム:奇: 奇跡のリンゴを知ってますか?
ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘:木村秋則氏の「NHK プロフェッショナル 仕事の流儀」出演に思う
まだまだ、たくさんあります...


関連ページ: 木村秋則さんの公式ホームページ 木村さんのリンゴを使っている白金台のフレンチレストラン、シェ・イグチ

【水トク関連】
TO THE STARTING LINE:『水トク! 関口宏の日本を探しに行こう』と・・・・
坂口祐の巻物:関口宏の日本を探しにいこう

12月 18, 2006 文化・芸術, 映画・テレビ |

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コメント

【1】の木村さんの話は別の番組で見て、ちょっと思い当たることがありました。今年はご近所でカメムシやアブラムシが大発生したという話を何度か聞きましたが、うちはそいういうことはありませんでした。大発生は、木を伐採してきれいな庭園にされているところに多いようです。いったん自然に手を加えると、その後も手を加え続けることになるのかもしれません。

投稿: iida | 2006.12.18 02:25

お、ご無沙汰です。
そうなんだと思います。一度、手を加え始めると、もうあとはすべて人工的な環境でいくしかない。徹底して人工的にいくか、自分は手助けする脇役に徹するかのどっちか二者択一。
番組でも噴霧器みたいなのを使ったらダメという議論があって、木村さんに弟子入りした人が、ついそれを使ってしまう。そうすると土が固くなってNGみたいです。
ただ、それを使わないと手間が何倍にもなってしまう。ここを補うのが「愛」なんだとか。

投稿: nobi | 2006.12.18 02:32

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