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2007.01.08

今年の個人的キーワードは:GNHと笑い

いざなぎ越えと言われながらも冷え込んだままの消費、ホワイトカラーエグゼンプション、ワーキングプアと何やら世間では暗い話題が多い。その根っこにあるのが、もしかしたらグローバル化、ネットワーク化の結果始まった「フラット化」現象なんじゃないかと、言われるとものすごく説得力がある。
 「フラット化」とは、もちろんトーマス・フリードマンの「フラット化する世界」が紹介している社会現象だが、この上下2巻の本を読破する元気の無い人には(実は私もまだ読んでいない)、最新号の月刊 ascii (アスキー) 2007年 02月号 [雑誌]を読むことを勧めたい。「フラット化」が何を意味しているのか、今、世界でどんなことが起きているのか、大ざっぱなところを知ることができるばかりか、識者による日本におけるフラット化の考察なども読むことができる。
 どっちにしても、IT化の波は、日本では人々の暮らしを豊かにするのではなく、大変さはそのままに「効率」だけをあげ、生産量なり、利益なりだけを高めてきたという印象がある(私は経済や社会学は専門ではないので、、大した根拠のない印象に過ぎない)。
 しかも、その大きな生産量なり利益で競合をするものだから、結局のところ労働者はかえって大変になっていることも多い。
 これが国によってはもともとの労働者のベースとなっているQuality of Lifeがぜんぜん違う。国や文化によっては、そもそもそれを下げようという発想が無いから、企業の成功もそれなりになるけれど、結局のところ労働者の生活の質もある水準が保たれる。いや、なんだかんだいって企業は成長しているのだから、そうした上向きの経済が影響して生活の質も少なからず向上しているところがあるんじゃないか。
 昨秋、MAC POWER (マックパワー) 2006年 12月号 [雑誌]の仕事で台湾を訪問して、そんな印象が強まった。
 MACPOWERの仕事では台湾の出版社を訪問してきたのだが(結構、自分的に満足度の高い記事。バックナンバーを見かけたらぜひ読んでみてください!)、彼らは「台湾の出版業界も大変」と言いながらも、日本の多くの出版社よりもずっとオシャレなオフィスにいて、しかも、目つきも意欲に溢れていて、店舗やグッズ展開といった事業拡大に意欲的な人が多かったのが印象に残っている(もっとも、あえて失敗している出版社を取材することはしていないので、そこいらへんのバイアスはあるのだろうが)。

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 日本がいざなぎ景気越え、というニュースを最初に聞いたとき、頭をよぎったのがThink the Earthの上田壮一さんが、よくする「GNP」の話だ。
 ディテールまで再現できないけれど「GNPは、モノを壊したりとか、そういったマイナスの活動。人々を不幸にするような活動をしても、それがプラスにカウントされる、という、きわめていいかげんな指標に過ぎない」というもの。
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 GNPが大きいからといって国が豊かになるかなんて疑わしい。
 これに対して、おもしろいのがブータン国王が提唱した「GNH(Gross National Happiness。国民総幸福度)」。
 ブータン王国については、私も小学生の頃から興味があり、本とかでよく読んでいた。私の小学生の頃は、おそらく鎖国がされていたと思うが、そのおかげか、当時から世界で一番、国民全体の満足度が高い国と言われていた。
 現在、ブータンはかなりオープンになっているようで、上田さんも昨年訪問している。
 上田さんのブータン訪問の様子はThink the Earthでも読むことができる:「Think Daily 地球リポート#30 国民総幸福の国@ブータン」。
 現ブータン国王は、このGNHがGNPよりも重要と説いて、TIME誌の『世界を変える100人のリーダー』に選ばれた世界的に注目の人物。
 現在、ブータン王国では、この「GNH」の指標化を行っているそうで、完成の暁にはその方法がオープンソースの形で公開されるという(by 上田さん)。なんとも楽しみな話だ。ブータンは今年、王制100周年記念で、何か大きな動きが起こることも期待できる。
 昨年、多くの企業がCSR(Corporate Social Responsibility)という言葉を使っていた。CEATECなどの展示会で、メーカーのブースに行くと「弊社のCSRに対する取り組み」みたいな冊子が置いてあるところも多く、手に取ってみると、大抵は環境に対する配慮とか、リサイクルとか、そういった話題が書いてある。
 でも、実は労働者の幸福度、いわばGross Corporate Happiness!?を高めること。転じて、日本の消費者の平均幸福度を高めること、さらに転じて消費の活性化を促すことも、実はCSRの重要な一要素ではなかろうか。

 「笑う角には福来る」−−幸福の話が出たのでついでに笑いの話をいくつか書こう。
 「笑い」は本当に重要だと思う。昨年、パリの辣腕コーディネーターの友人(有名化粧品会社などを手掛けている)、ヌーベル・オセアンの富樫さんから愉快なクリスマスカードが送られてきた。
 elfyourselfというサービスでつくられたカードで、あまりに愉快なのでmixi日記で紹介したところ、マイミクシィが次々と始めてあっという間に2桁のマイミクシィに広がっていった。
 私のバージョンへのリンクはこちらだが、この顔の部分を自由に変えることができる:
elf yourself

これを見て思ったのだが、私は笑っている写真が少ない、というか、最初に送られてきた富樫さんの笑顔があまりにも素敵だった。
 このサービス、どんな写真で踊らせても一様におもしろいが、やっぱり、満面の笑顔が一番栄える気がする。

 私も今年はもっと笑わないと。 

 なんて、考えていたら、森美術館、『ビル・ヴィオラ:はつゆめ』展の次の展覧会は『笑い展:現代アートにみる「おかしみ」の事情』。なんとも、タイムリーな企画。帰国後の内乱会を今から楽しみにしている。
 これで「Gross Personal Happiness(個人総幸福度)」も上がればうれしいけれど。

 どっちにしても楽観的でなければ、笑いが無ければ、新しいものも生まれてこない。

 あれはたしかエレファントデザインの西山浩平さんをbossa macでインタビューした時の言葉だと思うのだが(確認できないー涙)、「人間、モノをつくっている間はネガティブなことを考えない。次から次へとクリエイティブなアイディアが浮かんできて、ネガティブなことなんか考えている余裕がない」と言っていた(めちゃくちゃいい言葉で、すごく心に刻まれているのに、原稿には文字量の関係で含めず、そのため、本当に西山さんの言葉だったかも自信が持てずにいてなんとも歯がゆい)。

 日本にいると、新しい試みに対して、やたらと悪い部分ばかり目につきやすい。
 「そんなのダメに決まっている」とか「絶対、成功しない」とか、「〜〜のツメが甘い、あれじゃあダメだな」とか、そういった具合だ。
 でも、ダメなら、その部分を後で、「カイゼン」すれば済んでしまうこと。
 モノゴトは点ではなく、未来という時間軸に向かって線状に、いやどこまでつづくかわからないベクトルとして続いている。
 ベクトルの向きの微調整は、どんなに成功しているモノにだって必要なんだし、当たり前のこと。

 古くからのMacユーザーの方はMac OS Xの登場時を思い出して欲しい。まともに仕事とかで使えるOSではなく、新しもの好きのマニアしか使う人はいなかった。しかし、そのMac OS Xが、その後、UNIXユーザー達をMacの世界に引きつけ、これまでになかった新しいソフトを次々と生み出させ、東京大学やあおぞら銀行といった先進事例をつくり、インテルCPU以降を成功させ...
 Windowsにしたって、バージョン1.0から2.03くらいまでは使い物にならなかった。でも、3.0くらいから「あれ?もしかして」という可能性が出てきて、95でブレイク。
 どんなものだって改善を続けることで、どこまでもよくなれる。
 初期段階での失敗は、長期展望で見れば、その分、どういう方向を目指せばいいかのノウハウが蓄積しやすくて、プラスと捉えることもできるはずだ。

 今年は自分自身でも、些細なディテールの善し悪しで判断するのではなく、それが世の中にどういう影響を与えるかを、もうちょっと楽観的かつ長期的展望にたって評価できるように注意していきたい。

 さて、もう1つ笑いの話。
 今年のお正月は実家に親戚が大勢集まった。みんなでスゴロクというわけにはいかなかったけれど、親のiMacと私のMacBookで、PhotoBoothを起動してみたところ、これが大受け。
 パソコンの起動の仕方もわからない親戚が大半だけれど、2台のマシンで、次々と おかしな顔写真をつくっては、それをiChatで相手側に送ってもりあがり、おばさんには「いい初笑いをありがとう」と感謝された。
 PhotoBoothって、やっていることはアナログだけれど、人間はアナログな存在。やっぱり、アナログな笑いが一番インパクトが強い。
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 アップル、そのあたりよくわかっているよな。と改めて感心した。
 これでdoggie flairも、今月中にはMac導入かな(笑)。
 PhotoBoothは、もしかしたらデジタル時代の「福笑い」かもしれませんね。

1月 8, 2007 |

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