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2007.06.23

本質に迫る

vertigo
仕事もなく常に飢えて困っている人がいたら、魚をあげるよりも、魚の釣り方/取り方を教えてあげた方がいい、というのは誰の教えだったことか?

いろいろ手を尽くしたけれど八方ふさがりになって、
もうどうにもならなくなった時、どうしたらいいのか。

潔くあきらめるのもひとつの手だ。

でも、それが自分にとって本当に重要なことなら、
一度、立ち止まって、問題の本質を見いだし、最初のふんばりが大変だけれど、
そこから勝負するというのが、長期的にみても、もっとも良い解決方法だろうと思う。

それができる人は少ないが、アップルはそれができる企業だった。

このことを書きたかったのは、本当は1ヶ月ほど前、
スティーブ・ジョブズがDRMフリー音楽配信に関するオープンレターを書いたときだったが、このニュースについては今更、ここで触れるまでもないだろう:
CNet Japan:「レコード会社はDRMの放棄を」--アップルのジョブズCEOが公開書簡
ITmedia:「4大レーベルはDRMを捨てよ」、Appleのジョブズ氏が提言
Google検索:「DRMフリー ジョブズ」

今月はじめ、札幌の取材中に、この記事を読んだ時も、同じ思いを抱いた:
林檎の歌:アップルが「文化庁は著作権行政から手を引け」と主張
(もっとも、この主張に関しては、アップルによるものではなく、「なりすまし」という見方が強まってきている:
「アップル」名乗るパブコメが提起した2つの問題【コラム】

アップル/アイチューンズ株式会社の側からいろいろ手を尽くしても、どうしてもうまく日本の音楽業界を変えられそうになければ、その根源までつきつめて勝負すればいい。

残念ながら正論が必ずしも勝つ世の中ではないかも知れないけれど、
アップルほど影響力の大きな力が正論を振りかざして勝負をすれば、十分に大きな勝算がある、と私は思う。

沈みかけた船から逃げ出して、「私は最初からアップルの側でした」という人が出てくる頃には勝負ありだ。

これでアップルには世界の音楽業界を変えただけでなく、旧態依然とした日本の音楽業界を変えたという形で新たに箔がつく。
今、アイチューンズ株式会社や、DRMフリーに乗り出したEMIを含む親アイチューンズの音楽レーベルにいる人たちはモチベーションがあがっているのではないだろうか。
 普段の音楽の仕事に加えて、「日本の音楽の歴史を変える上で一役買えた」という大きな満足感を感じている人もいるかもしれない。

アップルは常に本質に迫る希有な会社のひとつだ。

P1100656.JPG

(私も含む)Firefox応援団についてはショックだが、SafariがFirefoxからシェアを奪うという発表も本質がよくわかっているからこそ出てくる戦略だ。

(参考:CNet Japan:モジラ幹部、アップルの「Safari」シェア拡大計画を批判、Google: Moziilla vs safari

 世の中のIEユーザーのほとんどは、そもそも他のブラウザがあるなんていうことを意識していない人達だからだ。
 アップルがFirefoxからシェアを奪うといったのは、Firefoxをバカにしているからではなく、むしろ敬意を払っているからだと言えよう。ジョブズの発言は意訳すれば、「世の中にIE以外のブラウザがある人がいれば、彼らは100%、Firefoxを選んでいる」といっていることに他ならない。Mozillaの幹部は、もしかしたら「その言葉、そっくりお返しします。SafariのユーザーをMozillaでそっくり置き換える」と言い返せばよかったのかもしれない。


翻って、自分の身近な例ではどうか。

今日、友人のdrikinがつくったmixiブラウザ、MixiDockが正常に動作しなくなり一部で問題になっている。
 MixiのWebページの仕様が変更になったために、ページ情報が正しく表示できなくなってしまったのだ。
 作者の元には直して欲しいといった要望や苦情が多数寄せられている(無料でつくったボランティアのソフトなのに、ある意味、災難だ。)

MixiDockは、Mixiのページ表示のしくみを解析して、ナビゲーションや未読管理をしやすくしたソフトだ。mixiが広告モデルであることに理解を示し、それらの広告を隠すような改造も加えていない。
 ただ、mixiは、非常に慎重な会社で、そもそも昔からこうしたアプリケーションを受け入れるという姿勢がない。
 ただ、mixiをある程度、使い慣れて日常パターンに組み込み始めた人にとっては、mixiDockのようなソフトがあるとないとでは、快適さがぜんぜん違う。

 もし、mixiがこうした他社製の支援ソフトを受け入れてくれるオープンさがあって、開発に必要なAPI仕様を公開してくれれば、mixiの側でページデザインを少し変えても、mixiDockのようなソフトに影響がでてくることはない。
 しかし、それがない限り、mixiDockは、mixiの小さな変更の度に、大変な手間をかけて修正をする必要がでてきてしまう。
 mixiが、APIを公開してくれたら、あるいはせめてこうした開発者達と話し合ってくれる場を設けて、どういう解決方法がベストかを話し合ってくれたら、と思って、このエントリーを書いた。

 MixiDockが突然、使えなくなって困った人は、このことを話題にして、mixiへAPI公開の要望をだしてみてはいかがだろう。mixiのビジネスやブランドイメージ、サーバーへの負担を守りつつ、mixi周辺を盛り上げるサポートソフトコミュニティーも盛り上げるなんらかの解決策があるはずだ。

もっとも、そうなったところでdrikinが継続的にMixiDockをアップデートしてくれるかは別問題。
彼は最近、ミニブログ、Twitterにゾッコンだ。


ascii.jp:アルファブロガーを魅了する“ミニブログ”

そしてTwitterPodというブラウザの開発に力を入れている。

TwitterPod

WWDCの会期中に、会場のすぐ近くにあるTwitter本社を訪問し、創業者達と話しをしてきた。
そしてついに日本のTwitterブラウザとして初めてTwitter.com公式ブラウザの1つとして認められたのだ(TwitterPodで書き込みをすると、Twitter.comの方で、そのことを認識して「from TwitterPod」と表示してくれる。
Twiterは最初からAPIがオープンで、今後、こうしたブラウザからさらに使いやすくするためのしくみもいくつか用意しているという。
[ちょっとだけ営業トーク:
まだ執筆先は決めていませんが、取材をしてきたので、記事に興味がある媒体の方は声をかけてください。米国滞在にかかる費用も少し負担してくれる媒体さんを希望します  ;-)  ただし、原稿を出せるのは来週の火曜日以降になります。]

とはいえ、drikinもMixiDockのファンからの要望が多ければ多いほど、プレッシャーに感じつつも、励ましとも感じているようなので(メールだと大変なので、ぜひmixiのMixiDockコミュニティーに要望を!そして、今後、MixiDockを半永久的に安定して使いたいのであれば、MixiにもAPI公開の要望をだしましょう!)

ところで、要望を出すと書いて思い出した。
面倒なので、1つの記事にまとめてしまいますが、これもMacユーザーの方へのメッセージだ。
今、Macで日本語入力をしていて、変換精度が悪いと感じている人がいたら、ぜひ、そのことをアップルにフィードバックしよう。

フィードバックはこちらから:
https://regist.apple.co.jp/feedback/

あるアップルに近い方に、アップルではユーザーリクエストの多い問題から優先的に修正すると聞いた。要望が多数あれば、多数あるだけ問題に注目が集まり、解決するべく人が動き出す。2000年のMac OS X Public Betaのときと同じしくみは今でも健在ということか。

 そうならない限りは他の課題が優先されてしまう。ということで、日本のユーザーはあまりそうした要望を出さないので、ことえりの問題も後回しにされている(あるいは無視される)のではないか、という話しだった。
 ことえりの変換精度はインテルMacになってから確実に落ちているが、ぜんぜん修正されなさそうなのは、そうした背景もあるのかもしれない。
 文句、苦情を言うのではなく、直して欲しいというポジティブな要望を短くてもいいので、たくさん(1人でたくさんではなく、大勢で1通づつ)出して行けば、問題解決が早まるかもしれない。

 もちろん、エルゴソフトやジャストシステムの素晴らしいソリューションを買うという手もある、(日本もそうだけれど)アメリカでは特に「発言しない声は聞かれない」ということは覚えていて損はないと思う。


P.S.私はアメリカ滞在12日目に入った。WWDCはとっくに終わったのですが、実は今日から始まるFoo Campというイベントに呼ばれている。こんな感じのイベントだ:
http://www.jiten.com/dicmi/docs/f/25325s.htm

今年は会の中心人物でWeb 2.0の提唱者のTim O'Reillyはもちろんだが、
他にも某検索大手の創業者(一応、名を付せておきますが○○Rankの人です)、Moziilaのトップの人、Wikipediaの生みの親、Twitterの生みの親といった方々250人が集まる。既にFooCamperのSNSも用意されて盛り上がってきているところだ。


ーーー
毎度の事ではあるが、このブログ記事もろくに校正をせずに掲載しているので、いろいろ誤字脱字があるかもしれないが、目をつぶってほしい。今回は本当にあとで修正する時間もなさそうなので、しばらくこのまま放置する予定だ!


ーーー
という記事を書いて十数分後、SkypeでMixiDockの改訂版が送られてきた。開発者は大変だ(でも感謝!)ーーとりあえず、日本時間3:26AM時点で、mixi有料ユーザーのみ対応となっている(無料ユーザーは無料ユーザーで別途、対応が必要なようです)

6月 23, 2007 opinion |

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 こん○○は!!ホイヤーです。本日の更新は 「iTunesの仕様に疑問をもつヤツはいないのか?」と「本質に迫る」と「「iPhone」発売直前ネタ」他をご案内いたします。○アンクル・ホイヤーの独り言・・。「やっとMacBookのいい音をたのしめるように また なりましたよー...... [続きを読む]

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コメント

Safariを使っていると、IEやFFには戻れなくなりました。
1日数時間以上Webを見ていると、フォントの表示の違いではSafariが一番しっくりくるので、他のブラウザを使う時間が減ってます。
今さら機能の違いなど、どのブラウザにもないと思っていますが、かといってSafariを使っている人は世界的にも数パーセントだし、このフォントの見やすさが多くの人に伝わるには、iPhoneの登場を待つしかないかもしれません。(iPodのように)

デジカメの画素数やTV、オーディオにこだわる人が、ブラウザの表示にこだわる時代が来ると、他のネットのいろいろなモノにもこだわりはじめて、何かが変わってくるかもしれません。

mixiが人生のすべてだった人が、そうではなくなってきているように。


投稿: Shinji | 2007.06.23 03:51

ジョブズがアップルに戻った直後の夏の基調講演。
マイクロソフトとの提携にブーイングする聴衆に向かって
ジョブズが「アップルが勝つために、マイクロソフトを負かさなければならないというのは古い考えだ。アップルが勝つためには、アップルがよい仕事をすればいい」と言っていましたが、アップルは今もちゃんとそれを続けてることができているという証拠ですね。

投稿: 林 信行 | 2007.06.23 03:58

林さん、ごぶさたしてます! nobilog2を読むといつも、
なぜ20年前に自分の初めてのコンピュータとしてマッキントッシュを選んだか思い出します。
今週末6/30(土)夜11時にBS朝日で放送される番組「STYLEBOOK」[特集:スタッフのお気に入り]で、
まさにその頃アメリカで販売されているはずのiPhoneを(持ってもいないのに)自分のお気に入りとして紹介しました。
アップル製品の魅力への自分の気持ちを伝えるには、1分間はあきらかに短すぎましたが。
ではまた!
−−−次広

投稿: tsugihiro | 2007.06.27 01:51

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