2008.04.05

YouTubeにRolling Stonesが登場[YouTube Living Legends第1弾]

YouTubeにRolling Stonesが登場した!


Livinglegend

Living Legends


これは世界的なミュージシャンやスポーツ選手など、「レジェンド(伝説)」と呼べるような「超」がつくクラスの著名人にチャンネルを提供し、コンテンツを集約、公開するだけでなく、一般ユーザーとの動画によるインタラクションを促そうとする試みで、このRolling Stonesは、まだ第1弾に過ぎず、今後も毎月のように新しいチャンネルが追加されていくようだ。
 第1弾のRolling Stonesでは、ライブ映像、舞台裏のクリップ、メッセージ動画のほかにも貴重
なバスルームでの撮影シーンなど、YouTubeに独占的に公開される映像なども順次、公開予定とのことだが、先にも書いた「対話」の部分を重視すべく、ユーザーからの動画による質問のアップロードを受け付ける。ミック・ジャガーとキース・リチャーズは、そうして受け付けた動画からいくつかを選んで、質問に応える動画を掲載する予定だと言う。
 つまり、本物のマスコミでもなかなかできないミックとキースのインタビューをするチャンスが、誰にでも公平にやってくる、というわけだ。
 でも、「言葉の壁」があるよね?と思ったのだが、なんと今回、日本語で質問された動画についても「YouTubeスタッフが英訳をサポートしてミックとキースにお届けします。」とのこと!
 むしろ、日本語で質問するとYouTubeの英訳サービスの実例としてピックアップされる可能性も高いかも?(想像なので保証はしません。とりあえず、どんどん質問動画をアップしてみましょう! ;-) )

 この新しいチャンネルの詳細は、こちらのYouTube公式ブログに書かれています:

Introducing Living Legends

このサービス、すごい!

「iTunes Storeの動画販売サービス(の無料版)」とも言えるし、たまにしかあがらない「iTunes Exclusiveコンテンツ(の動画版)」とも言えるし、「超がつくリジェンドのビデオPodcast(のYouTube版)」とも言えるかもしれません。


 この「超」がつくすごい新サービスについて、思うことをいくつか...

1.ミッションステートメントの解釈の変更?

Googleといえば、いろいろな事業をしているけれど、それらはすべて1つのミッションステートメントでくくられている:
世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする 」というもの。

 ただし、その解釈は過去に何度か変わってきている。

 もともとはGoogleは、既にインターネット上にある情報を整理し、検索によってアクセスできるようにする、というだけのものだったけれど、その後は電子メールによる会話や、ハードディスク上の情報、紙として印刷された書籍などもどんどん扱えるようにしていった。
 そしてPicasaやYouTubeなど、これまでバラバラのサイトに、バラバラな形式でアップロードされていた動画も、体系立てて整理し、アクセスしやすくした。

 でも、一方で自前のコンテンツを持つYahoo!と、自前のコンテンツは持たないGoogleという区別があったのだが、今回の試みはYouTube独自のコンテンツだと思う人も多いかもしれない。

 しかし、おそらくそれは違って、Googleは、そんなつもりはなくって、これは、これまで「需要があったにも関わらず、実現していなかったコミュニケーション」を可能にし、可視化+検索可能にした、というつもりなのだろう。

 「伝説」として、あまりにもユーザー達から遠く切り離されてしまったスター達にも、自分のファンと直接触れ合う場所は欲しいと思うし、ファンだってこれまで夢の中でしか会話できなかったスターと動画経由とはいえ半直接対話ができるならうれしいはずだ。
 この「対話」が実現すれば、そのスターを取り囲むコミュニティーの文化とか、オーラとかそういったものが、時代を超えて残すことができるかもしれない。


(これも....対話!?)


2.存在アーカイビング

 今は亡き、昔のアーティスト達の作品。プロモーションビデオでみると、その人の作品はわかるけれど、ライブの映像を見ると、その人のファンのコミュニティーというのがどんなもので、どんな熱狂ぶりだったかがよくわかる(例えばDeep Purpleの『Deep Purple & Royal Philharmonic Orchestra』のビデオなんかをみると、前の方で黒人のファンが完全に陶酔しきって踊っている姿なんかが見えて、それがまたそれで当時の「Deep Purple」っていうのが、どんなバンドか見えておもしろい)。
 
 スターの側から一方的に発信する情報だけでも、ある程度、その人となりはわかるが、周りのコミュニティーの文化がわかることで、より「輪郭」がハッキリするように思うのは私だけではないだろう。

 この話と、1つ前の記事で書いた「手技」や「思考のプロセス」の記録って、決して無関係ではなく、おそらくこれらの話に、最近、流行の「ライフログ」も絡めて、人間の「存在アーカイビング」が少しずつ可能になってくるのかもしれない。

 それにしても、YouTubeのリジェンドシリーズ、次はどんなリジェンドが登場するのか楽しみでならない!

3.ユビキタス・リジェンド

 そうそう、今回の発表で、もう1つ忘れてはならないのが、実はこのキラーコンテンツともいえる凄いコンテンツが、ドコモの携帯を使って、あるいはさらに高画質を臨むならiPhoneやiPod touch(+WMWifiRouter)を使って、いつでもどこでも楽しめるというのだからすごい時代だ。
 電車の中で、「リジェンド」の「今日のコンテンツ」なんていうのが当たり前になるのかもしれない(リビングでApple TVを使ってハイビジョンで、リジェンドの挨拶っていうのも悪くないけれど...)

4.Google(and Apple) will get you in the end!

YouTubeといえば、最近、の著作権管理団体「ジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)」との提携を発表したけれど、これも重要な発表だ。

ミスチルの曲を歌ってもOK--YouTube、国内の音楽著作権管理団体「JRC」と契約
YouTubeとJRCが音楽著作権の包括利用許諾契約を締結
YouTubeに初の音楽著作権包括許諾・JRC スピッツやラルクもOK

このJRCのように「文化」が広まっていく(より多くの人にという意味+より多彩な方法での意味)勢いを重視する著作権管理団体がいる一方で、文化の広まりを今いる場所に引き戻しつづけることをよしとする著作権団体もいる。

私みたいな前者のファンは、Google/YouTubeのこういう発表を聞くと「いいぞ!」と思ってしまう。
後述の新刊の中で「アップルとグーグル」は結局、どんなに大変でも本質的な解決方法を実践する、といったことを書いたけれど、これなんかもまさにその例だと思う。

 多くのコンテンツサービスは「ことなかれ主義」的に、後者の著作権団体を納得させる方向ばかりに気を使ってしまうわけだけれど、Google/YouTubeみたいな大きくて力もあるところが、「道は、考え方はそれだけではない」ということを率先して示してくれるのは、非常に勇気づけられることだと思う。「環境へのとりくみ」ばかりではなく、こういうのだって重要なCSR(Corporate Social Responsibility)だし、Noblesse Obligeなんじゃないだろうか...

なお、今回の発表内容は、新刊「アップルとグーグル」では、さすがにとりあげることができなかったが、この当たりは10日のイベントでフォローアップしましょうね>小川さん

10日のイベントの情報はこちらから:
Web Business Shuffle2.0
Nobuyuki Hayashi:ITジャーナリスト
HIRO ogawa : MODIPHI, Inc.
開催日時 :2008年4月10日(木)
開演時間 :18時30分
受付開始時間: 18:00
終了時間 :20時30分
場所 :アップルストア銀座
料金 :無料
定員 :80名


アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者
アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者小川 浩 林 信行


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(P.S.なんで、自分の本にアフィリエイト?と思った、チェックの厳しいnobilog2読者はこちらの下の方を参照:Google謹製の紙飛行機(期間限定!?)

4月 5, 2008 Audio Visual, Google, copy-right or wrong!?, iPhone, iPod, innovation, opinion, パソコン・インターネット, 文化・芸術 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.25

多様性が魅力のTHE NEW CONTEXT CONFERENCE開催

 今日からTHE NEW CONTEXT CONFERENCE 2007がスタートした。
 これは個人的に国内で開催するIT系イベントの中で、もっとも楽しみにしているイベントだ。イベントは26日(水)、いっぱいまでやっており、当日参加の枠も少しはあるようだ(Web業界のビジョナリーが講演する26日のセッションスケジュールはこちら

Created with Admarket's flickrSLiDR.
 NEW CONTEXT CONFERENCEというと、昨年、日本で大きな話題になる前にセカンドライフやLast.fmを紹介したイベントでもあるが、私がこのイベントを気に入っている最大の理由は、情報を先取りしたいからではない。他のIT系カンファレンスに違い多様なテーマを扱っているからだ。
 例えば昨年のカンファレンスでは、パネルの1人としてブラジルの文化庁デジタルカルチャー部門コーディネーターのClaudio Prado氏が名前を連ねた。
 今年のオープニング基調講演もソニーコンピュータサイエンス研究所取締役副所長の北野宏明氏が「ネットワーク・イノベーションのビジョン」というタイトルで、生物の免疫システムなどのしくみとネットワークルーター、人気Webサイトなどの相似性についての話をした。
THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2007
 いきなり途中から参加した人の中には、「なんでITのカンファレンスで生物の講義を受けなければならない」と疑問に思う人もいるかもしれない。
 しかし、実はこれこそが重要なことなのだ。

 一見関係のないようなテーマに類似性が潜んでいる事は意外に多い。そして、そうした他のパターンを学ぶ事が、いろいろな場面で、思わぬヒントを与えてくれる事がよくある。

 世の中のあらゆるものごとは意外なつながりを持っている。

 例えば最近、多くのWebデザイナーが注目する黄金比は、オウムガイの形とも類似性がある。
 SNSでの人のつながりや脳内ネットワーク、航空網、河川の形状といったものにも類似性がある。
 世の中、一見関係ないようでいて、実はものすごく関係が深いものが多い。
 もしかしたらゴルフのゲームを通して人生論を語ったり、歴史物の戦国武将やアメリカンフットボール/プロ野球の監督の行動を見て企業のリーダーシップを語るのも、これと通じるところがある。

 いくら話をしても、なかなか答えが出ないディスカッションが、まったく違うバックグラウンドを持つ人のひとことで、あっさり解決、ということだってある。
 解決に至らないまでも、自分とまったく異なるバックグラウンドを持つ人が、その人なりのフィルタを通して意見を述べてくれる事で、それまで見慣れたものが、まったく別のものにみえてくることはよくあること。

 おそらく、これまで関係ないと思っていた事が、頭の中で結びつき、新しい回路(ネットワーク)が生まれる事で、人間は少し賢くなるのではなかろうか。

 今日のカンファレンスで伊藤穰一さんが紹介していた「The Difference: How the Power of Diversity Creates Better Groups, Firms, Schools, And Societies」という本がおもしろそうだ(実は彼は同じ本を「Mozilla24」のパネルでも紹介していた)。本の中では、問題の解決方法について1人の専門家に聞くよりも、素人の集団に聞いたほうがいい回答にたどり着ける事が数学的にも解説されているという。

THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2007

 大抵のIT系カンファレンスは、IT系の人々が中心だ。毎回2〜3社新しい参加者がいて、古株の大手が2〜3新発表をしてくれるので、IT系業界の中では根を張る議論ができるかもしれない。しかし、インターネットに精通していない一般消費者にも深く浸透させたい技術やサービスについて語るのであれば、もしかしたら、アーティストや百貨店の経営者など、ITと関係ない人の意見や視点ももらえたほうがいいのかもしれない。
 ちなみに北野先生の話によれば、人間の腸の中には、脳の重さと同じくらいの腸内細菌がいて、人間の身体の中の細胞をバラバラにしてDNAを調べると、全DNAのうちの95%までは、種類豊富な腸内細菌のDNA、その人固有のDNAはほんの5%ほどしかないらしい(このあたり、もし、私の理解が間違っていたら、誰かコメントで訂正して欲しい)。こうした腸内細菌の多様性が、我々の身体を守っているのだろうか。腸内細菌を取り除いたラットは、すぐに死んでしまうとい話だった。

 日本の社会で暮らしていると、プライベートの時間があまりにも軽視され、常に仕事に追われてしまいがち。そして、追われた生活を続ける事で、自分の将来の糧となる自分の中の多様性が制限されてしまう。
 そう感じている人にとって、THE NEW CONTEXT CONFERENCE(コンカン)は、ちょっとしたバランス系サプリのような役割を果たしてくれるーーまったくITに関係のない話ばかりだと、参加者が自分の頭の中で、話をつなぎあわせなければならないので大変だが、「コンカン」では、例えば北野氏の話にしても、生物の話をしながら、それをWeb 2.0やLongtailといったIT系の話題に結びつけながら話してくれるのもいいところだろうーーちなみに多様性に富んだイベントといえば、先日、行われたMozilla24もなかなかよかった。

 THE NEW CONTEXT CONFERENCE、今年はかなり参加者も増えていたようで、パーティーも大盛況だったが、万が一、今年逃した人は、ぜひとも来年こそは参加して欲しいと思う。

 ちなみに、私は今回のイベントの様子を「All-in-One INTERNET magazine 2.0」でレポートする予定だ。記事の掲載は、もう少し先になるかも知れないが、ぜひとも読んでみて欲しい。

以下、この話にやや関係がある話題:



  • アップル社のものづくり
    '90年代中頃、アップル社の研究開発部門の副社長だった頃にドン・ノーマンをインタビューした。彼はアップルのものづくりでは、製品開発の最初の段階、コンセプトなどを練る段階から、エンジニアだけでなく、マーケティングの人、広報の人、文化人類学者、心理学者といったあらゆる視点、あらゆるバックグラウンドを持つ人がいることが重要だといっていた。
     今のアップルでは、そうしたものづくりはしておらず、スティーブ・ジョブズが中心というイメージがあるが、そのスティーブ・ジョブズにしてもインド放浪やヒッピー生活をし、禅を学び、大学中退後に英習字を勉強と、さまざまな文化的ミックスを持っており、彼の周りにいるパソコンの父、アラン・ケイもプロミュージシャンとしても通用したり、ビル・アトキンソンもプロ写真家として活躍していたりと、人間としての幅がある。
     関係ないが、最近、ITproで、アップル社のものづくりについての連載を開始した。興味のある人は、ぜひ読んでみて欲しい。
    ITpro:iPhoneの衝撃
  • Foo Camp
    今年の夏に参加したFoo Camp '07。世界中の「超」がつく天才が集まってくるこのイベントだが、面白いのは参加者に配られるバッジに、自分とよく趣向が似た人の名前と一緒に、自分と正反対の人の名前が印刷されている。そうした正反対の人と知りあう事で、自分の人間としての深みを掘り下げることができる。
     あと、おもしろかったのが、Foo Campで友達になった何人かは、自分のビジネスの分野に関係のあるセッションに出ずに、「視点を広げようと思って」と、あえて自分がまったく知らない分野のセッションに顔を出していたこと。こういうのも結構、重要だと思う。
    Foo Camp
  • 会社経営
    社外取締役っていう考えも、figure head(お飾り)の人以外は、基本的にこういう考えですよね?
  • 今日の北野先生の話より

    • 工学システムにおける多様性
      飛行機の制御系システムでも、冗長性と多様性を持たせるために、エンジンだかなんだか(この部分、同じ講演を聞いていた人help please)を3種類、しかも、すべて異なるメーカーがつくったものを用意する、という。
      THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2007
    • 漢方薬
      すべてではないが、一部の漢方薬の効能も、多様な成分のネットワークによってなりたっているのかもしれない、という話だった。これからの薬学では、1つの化合物で、体内の特定の因子だけに働き掛けるような薬の作り方は、限界にきており、これからはロングテールの部分にも注目した薬の化合の仕方が重要になる、という。北野氏はそういう時代の薬剤づくりはオープンソース的なアプローチを取る必要があると説いており、現在、そうしたオープンソース的かつWeb 2.0的な知識共有システムを紹介していた。
    • BitTorrent
       ハリウッドからも敵対視されていたP2Pサービスの「BitTorrent」の創業者、Ashwin Navinがハリウッドのスタジオに乗り込み「(この勢いのあるしくみがあるのに)我々もこれで儲ける方法を見つけられていない。一緒に儲ける手だてを考えましょう」と説得。現在では大手を含む55社がBitTorrentでハイビジョンの動画コンテンツを配信している、という話はおもしろかった。
      THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2007
       このあたりも、どうやっても音楽の違法コピーはなくならないから、それならばいっそ、手頃な価格で違法コピーよりも質がよく簡単な音楽配信のしくみを用意して、違法コピーに対抗しようとするiTunes (Music) Storeにも通じるところがある。
       アップルにコンテンツの値上げ要求をするNBC(テレビネットワーク)やその他の音楽レーベルは、この基本理念がわかっていないのだと思う。値段が高いコンテンツがあったり、手に入らないコンテンツがある事は、結局、違法コピーを促す事にしかならない。厳しい罰則を用意しても、結局はイタチごっこになるだけだ。
       それよりも日本の音楽コンテンツのデジタル化が進まない最大の原因は、中間マージンを搾取している、いろいろな団体がデジタル化を進めてしまうと、自分たちの存在意義がなくなってしまうからという理由の方が大きい気がして、社保庁を含む政府機関、公共機関との類似性が大きそう。どれか1つの問題を解決できたら、そこから他の分野の問題にも解決の糸口が見つかるかも。

    関連するオススメ書籍:

    WEB2.0の未来 ザ・シェアリングエコノミー WEB2.0への道 3
    WEB2.0の未来 ザ・シェアリングエコノミー WEB2.0への道 3伊藤 穰一 デジタルガレージグループ


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    これは昨年のカンファレンスをまとめた本です。

    The Difference: How the Power of Diversity Creates Better Groups, Firms, Schools, And Societies
    The Difference: How the Power of Diversity Creates Better Groups, Firms, Schools, And SocietiesScott E. Page


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    仕事の気分転換に書いたこの記事が30代、最後の執筆物になってしまった...(23:52)

9月 25, 2007 opinion, パソコン・インターネット | | コメント (0) | トラックバック (5)

2006.12.23

非同期書き置き型コミュニケーション

[updated 12/24: 13:57: 相手によってもコミュニケーションの仕方が変わる。その視点が抜けていたので、最後に追加しました]

先日、「ドリオ」の記事を書いたところ、mixiの同じ記事にコメントがついた
「ん〜少なくとも私の周りでは、仕事中にメッセンジャーは厳禁です。」

これを聞いて、頭の中に浮かんだのは大学時代の懐かしい後継。
大学のMacがズラっと並んだラボには入り口に張り紙があり、こう書かれていた:
「Broadcast禁止」

「Broadcast」とは、ドイツのカールスルーエ大学のJoachim Lindenberg氏が1988年に開発したシェアウェア(25ドル)。

Braodcast21icon
最終版はBroadcast 2.1

間違いなく、Macのシェアウェア史に残る1本に数えることができるソフトだ。
プリンタードライバーを選択する「セレクター」というソフトで、このソフトのアイコンを選ぶ。
するとネットワーク上の他のBroadcastユーザーの一覧が表示されるので、名前を入れ、メッセージをいれる。
送信ボタンを押すと、相手のMacで「プルルルル」と音がして、こんな感じで、メッセージが表示される(どなたかより鮮明な画像提供を!)
Broadcast

Img_000386_1
[画像提供:マミタン:メッセージを残しているのは「明日のジョー」ともちょっとだけ縁がある。力石(ちからいし)君。「欲しい方」が「ほいしかた」になっているのが彼っぽい(解説:マミタン)]


 極めて単純なプッシュ型のコミュニケーション。でも社内LANが整備されている環境では、極めて便利で、学校で職場であっという間に広まっていく。
 私も愛用期間が長かった。Mac OS Xの時代になってもクラシック環境を使って使うことができ、iChatが発表される前年くらいまでは、WWDCの広大なスペースで友人と連絡を取るのに使っていた。
 Macintouchには、PowerPC Macでは、Mac OS X v 10.4.1でも利用できるという報告も届いている

 ただ、中毒性が高く、これを使って授業中や仕事中にもオシャベリをする人が増えてしまうため、私の学校のラボでも禁止されていたし、某Mac雑誌の編集部でも一時、自粛が求められていた。

 Broadcastでは、相手にメッセージを返信するのは簡単だが、新たに送るには、一度、セレクターを起動して、相手を選び直さなければならない。
 このため、一度、メッセージが送られてくると、なんとなくくだらない内容でも、とりあえず返事をしておいて話のキャッチボールを続けてしまう。これも同ソフトの中毒性を高める一因だったのかもしれない。

もっとも、Broadcastでも、使い方によっては、それほど「悪い」ソフトにはならなかったと思う。

一番、大事なのは話者の気構えで、メッセージを送ったとしても、「相手からすぐに返事が返ってくるとは限らない」ということを承知するだけで、かなり使い方が変わってくる。
「〜〜〜の書類、印刷して提出しておきました。どうしたらいいですか?」のように相手の返信を期待する話し方から、
「〜〜〜の書類、印刷して提出しておいたのでよろしく。」のように返事を期待しない話し方に変わる。

これが「書き置き型コミュニケーション」の出発点。

この書き置き型コミュニケーションを、よりうまいメタファーで広めたのが(株)プライアーの秀作、「YABUMI」だろう。こちらも今ではあまり情報が残っていない。
ascii24の記事「プライア、メッセンジャー&チャットソフト『YABUMI ver.2.1』発表
上の記事では触れられていないが、ちゃんとMac版もあった。
こちらは相手を選び、メッセージを打ち込むと、相手側パソコンに、木戸に矢がつきささったような音がしてメッセージが表示される。
Braodcastと対して変わらない気もするけれど、矢にくくりつけた手紙という素晴らしいメタファーと、(おそらくBroadcastよりは)相手への初メッセージを送りやすかったからか、「書き置き型コミュニケーション」に使えていた気がする。

それからiChatまでの間には少しブランクがあり、私も利用ユーザーの多さからBroadcastに戻ったりもしたのだが...

iChatは、他のどのチャットソフトよりも会話が楽しめるチャットソフトだと思う。
フキダシ型のインターフェースもさることながら、そのフキダシのセリフとして画像などを挿入できる点も素晴らしい。
ただし、楽し過ぎてついつい会話が弾みすぎるのが玉にきずかな。
(こういうあたり、やはりソフトの見た目の影響は無視できない)。

それと比べると、今日、私がSkypeでやっているコミュニケーションはかなり違う。
Skypeのウィンドウ自体が一昔前のパソコン通信のチャットに近い印象で、そのせいなのか「返事をしなければならない」というプレッシャーもあまり感じない(私だけ?)
OnとOffがない、つながりっぱなしのコミュニケーションなので、「どうも」とか「ではでは」も必要なく、要件だけを書き置きすることができる。
返事を書く場合のタイミングも、自分のペース次第。
もちろん、すべての人とのコミュニケーションがそうではなくて、やはり「今いますか?」とだけ書き置きし、こちらが返事をしない限り、要件を書き始めてくれない人もいる−−−そうすると、こちらと相手の都合が同期できて時にしかコミュニケーションができない。私のSkypeチャットは非同期型で行われることが多い。

ただ、一度、非同期型コミュニケーションに慣れると、これ以上に便利なコミュニケーション手段はないような気がする。

もちろん、リアルタイムにコミュニケーションをする必要がある場合もあるが、その準備もSkypeに「今日の夕方5時くらい、ちょっとチャットできますか?」と書き置きしておけば、都合がよければ、できるし。それまでメッセージを読んでいなければ
「ごめん、5時の約束逃しちゃいました。7時でどうですか?」とできる。

もし、どうしても急ぎでリアルタイムの話をする必要があれば、チャットを離れて相手に電話をすれば済むことだ。

それにしても、パソコンを使った対話の手段の歴史についても、いずれしっかりまとめてみたいな。

昔はパソコン通信にチャットルームがあって、そこでキーボードのかな入力を使って、半角カタカタで文字を打ち込んでいました。やがて、PC-9800が広まって、漢字でないとチャットに参加できなくなった。
 たまにモデム開放されているUNIXサーバーにログインして、UNIXの「chat」コマンドとかも試してみました(ちゃんと、Mac OS XのTerminalにもコマンドとしては残っています)。
 友達の家にモデムで電話して、パソコン同士を直接つなげて文字を打ち合ったこともあります(もしかして、あれが人生初のP2P体験?モデムが300bpsの頃でした)。

あの時代は、まだパソコンもネットワークも非力だったけれど、使っている人達の発想は豊かな時代だった。
人口無能という名前で、チャットで自動応答するプログラムをつくっている人達もいました(あれこそが「ドリオ」を含むbotのルーツでしょう)。
文字のやり取りしかできないチャットを使って、データ通信を行いゲームをやろうとしている人達もいました。
(「ある晴れた日に公園で」でしたっけ?)

でも、真っ黒の画面にただ文字が流れていくだけのパソコン通信が全盛の時代、私は一足先に未来のパソコン通信を目にすることになります。
 最初はMac専用のサービスとしてスタートしたAmerica Online(AOL)でした。
 マウスを使って、サービスを選んで、情報を引き出したり、ソフトをダウンロードできる、というのは当時、本当に新鮮でした。
 でも、そのAOLで、もう1つ驚いたのがInstant Messengerの機能。
 同サービスの接続中、突然、サービスの管理者とかから「やあ、ちゃんとAOLをうまく使えていますか?」みたいな感じでメッセージが送られてくる(昔はAOLも小規模でフレンドリーだった)。
 このAOLのInstant messenger機能はインターネット時代の到来と共に、インターネット経由で利用ができるようになるけれど、インターネット上の覇権争いが厳しい時代で、AOLがMicrosoftなどからの互換性を実現しようという話を拒否してしまい、そのあたりからIMのプロトコルはバラバラに...

ちなみに、もし、Instant Messenger/チャットソフトの開発者の間に、壁がなければ、そしてまっさらな状態からスタートして1からソフトをつくってもらえるなら、こんなソフトが理想ではないかと思います。

iChatから欲しい機能:
・画面の見た目:
 あの吹き出しウィンドウにまさる外観はない。あれだけで本当に話が楽しくなる。
 でも、仕事の話し用には、もうちょっと事務的な表示も必要ーー実はiChatにはそのための機能もあり、私は既に仕事の話しはこの表示で受けています
Ichat001
このモードだと何がいいかというと、会話の内容をそのままコピーして、確認用の電子メールや、イントラブログにペースとできることです(どれが誰のセリフかちゃんとわかります)
会話の中に画像やPDF、動画などを簡単にペーストできる機能
・音声チャット中に出るレベルメーター(誰が話しているのかわかりやすい)
・4人までのビデオチャット
・Spotlight検索に対応していること

Skypeから欲しい機能
・ほとんどのルーターやファイヤーウォールを超え確実につながる機能
・相手がオフラインの時でも、とりあえず書き置きをしておけば、相手がネット接続したタイミングで自動的に届く
・複数人でのチャットでは自動的にログを同期してくれる(それもP2P式で)
・P2Pによるファイル高速転送
・招待した人だけ
・ビデオチャット/音声チャット間のスムースな切り替え
・1つのウィンドウで複数のチャットをタブ切り替え表示(iChatではLeopardで実現)
・チャットのチャンネルにタイトルをつけてブックマークできる
・スマートフォンがある
・「ドリオ」がある
・複数人で行う音声会議に、電話の相手を混ぜることができる

Google Talkが優れている点
・Gmailに統合され、検索ができること
・オープンな標準プロトコル:Jabber

Windows Live Messengerが優れているところ:
・ユーザーベースが大きい
・一部のMS系サービスのアラート機能として連動
・ホワイトボード機能や、動画ではないパラパラ漫画的ビデオチャット(Windows版ソフトのみ)
・BREW携帯電話(au系)用のクライアントがある

Yahoo! Messengeのいいところ:
・充実したemoticon
・Windows Live Messengerとの相互メッセージング

これらの機能を併せ持ったソフトが出たら最強なんだけれどなぁ...

P.S.記事を書いてからこんなページを発見:
IM-NET: Instant Messenger History
この年表にある'97年のAOL Instant Messenger(AIM)サービス開始は、AOLの専用ソフトを使わないでも話せるインターネット版のIMのこと。私が上で行っているのはパソコン通信サービスないだけで完結しているIMです(当時のAOLはメール機能やチャット機能とは別にこれを用意していました)。




ところで、冒頭で「仕事中厳禁」だった人のmixi日記で、再びこの話題があがっていました。
それを読んで1つ大事な視点が抜けていることに気がつきました。
彼は同じスペースを共有している職場でのメッセージングについて話していた。
それに対して、私は最近、自宅で作業をしているので、話し相手は全員その場にいない人達。
在宅勤務の人とか、そういう人達には役立つけれど、同じ職場の目と鼻の先にいるにも関わらず、メッセンジャーを使って話し合う、という部分にもしかしたらメッセンジャーの非生産的な使い方を助長する部分があるのかも。

とはいえ、同じ職場でも例えば話し合いの内容のログをとって、後から参照できるようにしたり、検索したり、といった使い方はあるような気がするけれど。


 これと関係あるようでもあり、ないようでもある話なんですが、先日、bossa mac(MacPeopleの雑誌内雑誌)でスカンジナビアモダンの方にお話を聞きました。ここは北欧のオフィス家具を日本で広めようとしているおもしろい会社。
 彼らによると北欧では、最近、サイレントルームというのが広まり始めているらしい。皆がパソコンの電子メールとかでコミュニケーションするようになって、オフィスがシーンとするようになった。その分、電話とかもかけづらくなった。でも、だからといって私用の電話を掛けに会社の外にまででてもらったのではかえって生産性が低くなる。だから社内でもちょっとだけプライバシーを保って私用電話をかけられるサイレントルームを用意するようになったというのだ。

 どういうコミュニケーションがいいのか?
 答えはないと思う。

 われわれはWeb 2.0の永遠のベータじゃないけれど、コミュニケーション手段そのものが大きな進化の過程で、あっちを試したり、こっちを試したりしている過程にあるのだと思う。

12月 23, 2006 パソコン・インターネット | | コメント (0) | トラックバック (3)

2006.12.21

「ドリオ」正式公開!

友達や仕事での日常的やりとりにまだ電子メールを使っている人!

最近、私の周りではInstant Messengerやチャット(そして非公開のブログ)を使うケースが圧倒的に増えている。
中でも飛び抜けて多いのがSkypeチャット機能の利用者ーー音声チャット(通話)ではなく、文字による対話。

実はこのSkypeチャットを、さらに便利にするソフト、「ドリオ」が満を持して公開された!

Dorioicon2

でもドリオの話の前に、まずはちょっとSkypeチャットの話。

Skypeチャットが便利な理由は11月29日発売のMac People '07年 01月号 [雑誌]誌の単発記事などでも触れているが、もっとも大きいのは相手がインターネットに接続していなくても、とりあえずメッセージを書き置きできること。


 従来のチャットのような、相手に即時返答を押し付ける感じの負荷の大きいコミュニケーションは仕事や生活の支障になりかねないが、Skypeチャットの「書き置き型」コミュニケーションは、電子メールとInstant Messengerの長所を併せ持ったような良さがある(昔、これにちょっと似た、「書き置き」型コミュニケーションを実現するyabumiというソフトがあった。結構好きだった)。

 この良さに最初に気がついたのは、最近、私の目利きとなっているドリキン。その強引なエバンジェリズム(笑)で、周囲に一気に広まった。おまけに使い始めると確かに便利なので、そのまま定着していった。

 現在、私のMacでは、常に4〜5個のチャットルーム(複数人が参加して、常に会話が進行している部屋)と20近くのプライベートチャネル(特定個人との間の会話)が開きっぱなしになっている。

Skype002


さて、そのドリキンが、このSkypeチャットをさらに便利にするソフト、「ドリオ」を開発し正式リリースした。

 Mac専用のソフトだが、これでSkypeチャットはますます手離せないコミュニケーション手段となった。
(実はドリオ、前に一瞬だけ、このブログで紹介した。しかし、その後、仲間内から「歩調を合わせて一斉公開しよう」、という呼びかけがあり一時、これを取り下げた経緯がある。こちらがその時の記事だ:「チャットログ、再び...」。記事の中では作者のdrikinを、空々しくインタビューしているので、そちらも楽しんで欲しい)

もっとも、MacPeople誌の欄外まで注意深く読んでいた人は、既に「ドリオ」の存在は知っていたはず。実はこの記事の出版にあわせて完成を急がせたところがあるーー結局、間に合わなかったけれど ;-) )。


 「ドリオ」はSkypeをいろいろ便利にしてくれる補助ソフトだ。
とはいっても、実は「ドリオ」自体にはなんの機能もない。このソフトはプラグインを追加することでいろいろなことができるようになる。
 微力ながら私も暫定マニュアルを書く形で開発に協力した(雑誌も出ているので早く公開して欲しかったけれど、マニュアルの準備だけ、まったくできていなかった)。そのマニュアルでは、かわいらしい犬アイコンの世界観にあわせて、このことを 「ドリオ」に「芸(=プラグイン)」を覚えさせるというアナロジーを使わせてもらった。このアイディア、結構、気に入っている(なので、次のアップデートでは、プラグインは「骨」のアイコンに>drikin)

 いくつか標準プラグインが用意されているが、Skypeチャットのヘビーユーザーにとって一番便利なのは「NotifyMail」のプラグインだろう。

Mail001

Skypeもある程度以上、利用率が高まり、いくつかのチャットを同時進行で行うようになると、すべての部屋の会話を追うのが大変になる。私も未読のメッセージが3桁たまると、そのまま読みもせずに流してしまうことが多い。

とはいえ、読み逃したくないメッセージもある。
 「林さん、例の件、どうなりました?」といった「私」個人に宛てて発せられたメッセージならなおさらだ。

 そこでNotifyMailプラグインの登場となる。このプラグインは、自分が参加しているいずれかのチャットルームで登録したキーワード(例えば自分の名前)を検出すると、その後、1分間のログ(セリフの記録を)自分宛にメールで送信してくれる。送信先は2つまで登録可能なので、片方は携帯電話のメール宛にしている。これで電車に乗っていてもチャットに返事ができるようになった。

 もっとも、そうするためにはパソコンを常に家などに置きっぱなしにしてSkypeにつなげて置くか、1台別のパソコンと別のSkypeアカウントを用意して、そのアカウントを常に自分と同じチャットルームに加えておかなければならないが....

 「ドリオ」には他にもいくつか便利なプラグインがある。

 「TIDLYLOG」はSkypeでの会話をスタイルシート対応のHTMLとして記録してくれるプラグイン(将来の夢はセリフをiChatのような吹き出し表示にすること)。
「dorio」プラグインは、チャットにちゃちゃを入れてくれる。
「SearchCommand」は、主要検索エンジンを使った検索用URLを表示してくれる。そしてURLLoggerは会話の中にでてきたURLを記録して表示してくれる。

 でも、これはまだまだほんの序章に過ぎない。現在、ドリキン以外にも何人かがドリオ用プラグインを開発中。
 その中にはかなり便利そうなプラグインもいくつか控えている。


 チャットソフトの機能としてはGoogle Talkもかなりいい線を行っていて、最近、Skypeチャットの最大の強みであった不在相手向けのメッセージ発信にも対応した。とはいえ、 「ドリオ」の登場で、Skypeチャットがまた少し優位に立ったかな。
まだ、Skypeチャットを試したことがない人、ぜひ、これを機会に始めて見て下さい。

そして、既にSkypeチャットの魅力にハマっている人。
もしMacユーザーなら、今すぐ 「ドリオ」をダウンロードしよう!

ちなみにこのソフト、まもなく仕様も公開予定なので、開発者の方にはぜひ「ドリオ」用プラグインの開発にも挑戦して欲しい。

なお、作者のdrikinは会社勤めがあって、余暇を潰してこのソフトをつくっている。
まだ検証が不十分で、動作がおかしいところもあるかもしれないが、そこは公式サイトにコメントを書くなどして報告して、暖かく見守ってあげて欲しい。


ドリオ公式ホームページ drikinからの正式アナウンスメント

Skypeを便利にするその他のアイテム達:

12月 21, 2006 パソコン・インターネット | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.12.20

地図、翻訳、辞書、動画 ... Google検索キーワードランキング

グーグル社から2006年1月1日から12月15日までの検索キーワードトップ10が発表されました。
「2006年検索キーワードランキング」より抜粋

総合トップ10は
1位 地図
2位 翻訳
3位 辞書
4位 動画
5位 ほしのあき
6位 天気予報
7位 au
8位 価格
9位 郵便番号
10位 倖田來未

ナンバーポータビリティーでも1人勝ちの「au」ですが、こんなところでも人気ぶりを顕示!?それともGoogleとauの提携がなんらかの形で影響したのか(携帯電話からの検索クエリとか)。
「価格」とか「動画」当たりは他のワードとの組み合わせで使われることが多いんでしょうね。
私も「eneloop 価格」とか「ジョブズ スピーチ 動画」とかでよく検索します。

男優、女優やミュージシャンは見事に日本の方々ばかりなんですね。これはあらかじめ海外の人はカウントしていないのかな?
MacのCMに登場のラーメンズもコメディアン部門の4位にランクインされていました。

テレビ番組では、相変わらず韓国勢が強いのか
3位がチャングムの誓い(これは後半だけ見ていた)、6位が冬のソナタ

■テレビ番組 トップ10
1位 あいのり
2位 あるある大事典
3位 チャングムの誓い
4位 結婚できない男
5位 タイヨウのうた
6位 冬のソナタ
7位 不信のとき
8位 のだめカンタービレ
9位 オーラの泉
10位 はなまるマーケット

映画はゲド戦記がトップで、ジブリ強し。かなりお金をかけてキャンペーンを展開し、Google Earth連動のプロモーションなども展開した「ダ・ヴィンチ・コード」は7位でした。

■映画 トップ10
1位 ゲド戦記
2位 海猿
3位 日本沈没
4位 嫌われ松子の一生
5位 ナルニア国物語
6位 トリック
7位 ダ・ヴィンチ・コード
8位 硫黄島
9位 マトリックス
10位 県庁の星

「食」は先日、テレビ番組、「カンブリア宮殿」に社長が登場していた。
マクドナルドが堂々の1位。

■食 トップ10
1位 マクドナルド
2位 ラーメン
3位 スターバックス
4位 モスバーガー
5位 ケーキ
6位 ワイン
7位 コーヒー
8位 チョコレート
9位 焼肉
10位 居酒屋

また総合の1位は、地図でしたが、皆がどんな場所に関心があるかというと、
■ロケーション/地名 トップ10
1位 沖縄
2位 京都
3位 北海道
4位 東京
5位 韓国
6位 ハワイ
7位 北朝鮮
8位 大阪
9位 横浜
10位 富士山

でした。
Googleでは、この他にもTVタレントや女優、男優、ミュージシャン、グラビアアイドル、ニュースキャスター(!?)、美容 、金融といったキーワードのトップ10を発表しています。

これらのランクについては、ぜひ他のブログや雑誌メディアなどを、Googleで検索して探してみて下さい!
検索キーワードは「Google」、「2006年検索キーワードランキング」です。




ところでGoogleではなくって、iTunes Music StoreのBEST of 2006は?

ベストセラーソングの1位は宇多田ヒカル-keep tryin'
icon

その他のBEST OF 2006は、以下を参照:

 iTunes Music Store(Japan)

12月 20, 2006 パソコン・インターネット | | コメント (0) | トラックバック (8)

2006.11.02

脱家庭用コンセントへの一歩

IMG_9054.JPG
Tokyo Designers Weekを駆け足で回ってきましたが、実は期待していたコンテナ展が少しパワーダウンしていてがっかりした。お台場でやっていた一昨年はかなり楽しかったんだけれど、昨年、絵画館前に移動してから数が減り、ルールが歪められてきた。

貨物コンテナという限られた空間をどう生かすか、という制約の中での工夫が楽しかったと思うのだけれど、気がつくとこんな感じでコンテナを3つつなげちゃっているところがあったり、外に向けて拡張しちゃっているところがあったりと、かなりルールが緩くなってきている。

IMG_9089.JPG
IMG_9091.JPG

とはいえ、要は中身でおもしろいコンテナはやっぱりおもしろい。

いくつかおもしろい展示をまとめて、CNet Japanさんに掲載していただきました。
デジタル家電の近未来デザインとは

個人的に毎年、楽しみなのがコンセプトPCなどの展示で毎年出展し続けている富士通。
今年はPlayful 3A Projectというプロジェクトでつくられたプロトタイプが展示されていました。
どんな展示かは実物を見てのお楽しみ。

一方、もう1つ、これはすごいと思ってしまったのがサンヨー電気の「eneloop」系の展示。
sanyo booth (container)
同社のコンテナでは「Think GAIA」を合い言葉に、同社が掲げる「eneloop universe」の製品群を展示していた。eneloopはご存知、繰り返し使える充電池と気軽に使える乾電池の良さをイイトコ取りした製品で、今年の「グッドデザイン」賞も受賞している。

でも、それだけに止まらず、その先のビジョンもあったんですね。
その先のビジョンというのが「eneloop universe」。
太陽電池で充電できる「SOLAR BATTERY CHARGER」を使って、コンセントに頼らずに電気を蓄えることができるのが、なんとも素晴らしい。

写真はCNetの記事参照

大量生産、大量消費というと、工業製品のことばかりが頭に浮かぶけれど、実はそうしてつくられた工業製品の多くが購入され、開封されると、今度は家庭用コンセントも大量消費している。
今や、そのあたりをよほど意識してセーブしている家でもない限り、「どの部屋のコンセントもたこ足状態」なんてことになっているんじゃないだろうか。

ところで、この「SOLAR BATTERY CHARGER」、実はもう1つ感動した点がある。
実は電力の外部出力端子としてUSBポートを備えているのだ。
として、太陽電池を使った充電器はいいけれど、その先がUSB端子、というのがなんとも素晴らしい。

電源コンセントというと、あの壁にある交流電源用の「アレ」を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、実はいつの間にか直流電源のコンセントにも、デ・ファクト・スタンダードができつつあることにお気づきだろうか。

家電業界が生み出すスタンダードは、交流電源コンセントにしても、テレビにしても、規格対立による意味のない多様化を辿ることが多いが、ありがたいことに直流電源コンセントのスタンダードはパソコンから生まれた。

そうUSB端子だ。

一時は初代iPodが採用したFireWireも、かなり有望な候補に見えたが、その後、USBが、これを席巻した。今ではiPodも、このグローバルスタンダードに従っている。
今日では、携帯電話にしても、iPodにしても、その他の音楽プレーヤーにしても、イケテる電子機器はすべてUSBで充電ができる。

 私は最近、drikinの強いお勧めで、FILCO パワーバンクスリム FPS220Uという外部バッテリーを愛用しているが、これもコンセントと、このバッテリーをつなぐ端子こそ、丸形の端子だが、他の機器をつなぐための端子はUSB仕様だ。

外出先でiPodのバッテリーが危うくなってきたら、付属していた極短のUSBケーブルをつないで電力を補い。携帯電話のバッテリーが怪しくなってきたら、別途購入したケーブルで携帯電話を充電する(drikinはW-ZERO3の充電に使っているらしい)。
eneloop充電器も採用したことで、今後さらに直流コンセントとしてのUSBが広まってくれないかと期待している。
個人的に指名したいのは、デジタルカメラとICレコーダーだ。
リモコン類は、eneloopのバッテリーを入れれば対処できるのでそれでもいいが、日中、太陽電池にUSB接続して充電できるのならそれもありがたい。

それにしても、この使い方があまりにも普及してきたら、パソコンのUSB端子も電力供給用と思う人がでてくるんだろうなぁ...

ちなみにamazonで「USB」+「充電」で検索したら、こんなにたくさんでてきました...


Apple Store(Japan)
Apple Store(Japan)

11月 2, 2006 just a thought, opinion, products & design, パソコン・インターネット, ファッション・アクセサリ, 住まい・インテリア, 携帯・デジカメ | | コメント (0) | トラックバック (3)

2006.10.16

FON、まもなく国内始動!?

さきほどDigital Bear、minamiさんの「B-log Cabin TP」にあるこちらの記事を読みながら、そこにあった「FON」へのリンクをなんとなく辿り、「日本語」というメニューがあったので、それをなんとなくクリックしてみると、今日付けの「FON Japan が始まる!」という記事が目に飛び込んできました。
ぜんぜん、状況を追っていなかったんですが、いよいよなんですね。

最初にこのサービスのことを聞いた時はオープンソースベンチャーの「Sputnik」を思い出しました。
関連記事:Internet Watch:世界規模のワイヤレスISPをオープンソースで目指すSputnik

同時に、期待一杯のSputnikプロジェクトが中止した記憶もよみがえり、大丈夫かなと心配になりました。
関連記事:米Sputnikが無線LANプロバイダー計画を中止〜ビジネスモデルを変更

Mobile Internet Serviceの「街角無線LAN」やライブドアワイヤレスもそうですが、
広域無線LANサービスの構想は、これまでにも何度か浮上しては、実現しないまま消えていきました。

シリコンバレーやマンハッタンで、公園や通りの真ん中でパブリックの無線LANを使う気持ちよさを体験してしまった身としては、あれと同じように、いつでもどこでもWifiにつながる快適さをついつい夢見てしまいます。

 日比谷公園とか皇居周辺、というのは難しいかもしれないけれど、それでも街中で好きなカフェで無線LANができるだけでもありがたいかも。
 いや、実はそれ以上に期待しているのがヨーロッパ。フランスにしても、イタリアにしても、イギリスにしても、無線LANサービスの料金設定が話にならないほど高い(普段はNTT CommunicationのHotspotのアカウントを使ってローミングしています。Hotspotは、ローミングパートナーが多いのがうれしい)。
 いくらホテル代を安く抑えたつもりでも、実はインターネット接続で、1日当たり軽く+30ユーロくらいいってしまう。
 FONが広まれば、このヨーロッパでの通信事情が劇的に改善されるのではないかと期待しています。

日本でFONが、本格的に広がったらBelkinのWi-Fi Phoneを買って、第3の携帯電話替わりとして使いたいところ。

P.S.FONのblogってスペイン語仕様なんですね。Trackbackを打ったところ「... de nobi」と表示される。
Eso me da la impression de que yo devo escribir algo en español. iFuerza a FON!

10月 16, 2006 パソコン・インターネット | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.10.10

You Tube買収で気になるのはGoogle Video

WSJに書かれた噂は、やはり本当になるんですね。
GoogleがYou Tube買収。
Mercury News:

Financial Times:
日本語:
CNet Japan:
ITmedia:
ascii24:

個人的にこの買収で一番気になるのはYouTubeとGoogle Videoとの関係。
たしかにYouTubeはYouTubeで見る側としてはおもしろいが、
ビデオをつくってアップロードする側としてはGoogle Videoもかなり魅力的だ。
なぜなら、


  • コンテンツの有料課金ができる(しかも課金形態も選べる)
  • コンテンツをiPod/パソコン用にダウンロードさせるオプションがある
  • 字幕が追加できる

など、本格的なコンテンツを提供しようとすると、Google Videoの方がよくできているからだ。

世間一般ではYouTubeの方がGoogle Videoよりも人気があって、シェアも45%と大きいという。
The Mercury Newsの記事が掲載したNielsen/NetRatingsの2006年8月の調査結果で言えば、YouTubeが3400万ユーザーに対して、Google Videoが1300万ユーザー(でも、この1300万ユーザーはお行儀がよく、献身的ーー良質な1300万ユーザーだと思う)。

日本語のニュースでは、買収後、両サービスがどうなるかがあまり詳しく綴られていないが、Financial Timesの記事はGoogle側の発言として、YouTubeがGoogleから独立したオフィスと現在の67人の社員はそのままにすると書かれている

つまり、当面はYouTubeはYouTube、Google VideoはGoogle Videoとして独立して運営されていくようだ。
 
Mercury Newsは、「YouTubeを買収して、Google Videoに統合するようなことは、努力を無駄にすることであり、財政的に見て自殺に他ならない」というジュピター・リサーチ社のアナリストの発言を引用しているが、その通りで、YouTubeユーザーの側も、今のYouTubeの状態や使い勝手(特にアップロードすると、すぐにそれが掲載される手軽さなど)が損なわれれば、YouTubeの最大の魅力である視聴者数の多さという点で大きなダメージを被ることになる。

 つまり、Googleとしても、このまま財政的後ろ盾として、事業にはほとんどNo Touchで、YouTubeを運用しつづけるしか道はない。

 では、Googleはそれによって何を得るのだろう。

実は、これら性質の異なるサービスを両方持つということはGoogleにとって大きなリスクヘッジ(ダブルヘッジ?デュアルヘッジ)になるーーそして実はこれこそが重要なんじゃないかと思う。

IT系サービスを考える上で、重要なのは、どこに基準を持つか。
これまであった成功しているサービスを基準にして考える、というのがよく行われるやり方だが、
もしかしたら、これまであったサービスは、間違った前提の元に、ポテンシャルを活かし切らないレベルでの成功しかしていないかもしれない。
YouTubeはGoogle Videoと比べて、どこがどれだけ良い、という考え方だ。

これを「相対的思考」と名付けるならば、もう1つの考え方は「絶対的思考」だ。

YouTubeのようなサービスもありえる、でも、Google Videoのようなサービスもありえるかもしれない。
どちらも、まだ成熟しきっていないが、今後、改良をつづけることによって「本当の形が見えてくるかもしれない」し、逆に「成長の限界が見えてくるかもしれない」。

とりあえず、どちらがいい感じで育つかわからないから両方育ててみよう。

今回のYou Tube買収の本質はそこにあるんじゃないかと思う。
(外村さん、FTとMercury Newsのリンクありがとうございました!)

ちなみに、外村さんはこの発表のはるか前に、この件についての洞察をこちらの記事の最後の方で書いていたそうです:
“It‘s ShowTime!” :Oct. 12 ’06 Apple Special Event from San Francisco by 外村 仁

10月 10, 2006 パソコン・インターネット | | コメント (0) | トラックバック (11)

2006.09.28

Stupid Networkと25番ポート

一昨日、CNet Japan Innovation Conference 2006 Autumnの取材と3時間がかりの打ち合わせを終えて帰宅。

溜まりに溜まったメールの返事を書いて送ろうとするもなぜか送信できない。
違うSMTPサーバーを指定してもダメ。
急ぎのメールだけGmailから送って対処したが、原因が一向にわからない。

電子メールソフトを使ったのでは、何が起きているのかわからないのでターミナルからtelnetを使ってSMTPサーバーにアクセスしてみたものの、何もしないのに勝手にセッションが閉じられてしまう。
(telnet <SMTPサーバーのアドレス> smtp などとすればよい)

インターネットの通信は、例えばWebページの転送は80番、メールの送信は25番といった具合に、用途ごとに情報の通り道が決まっているが、試しにサーバー設定も変えて、25番以外のポートから送信してみたら無事にメールが送れた。

今日、 「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006」から帰ってきてメールを見てみたらISP(フレッツ光りで、いくつかのISPを使い分けているが、最近はBIGLOBEをメインで使っていた)から「お知らせ」のメールが届いていて、同ISPが26日から、「迷惑メール対策の一環で25番ポートをブロックした」ことがわかった。

実は 「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006」の昨日のセッションで、これにちょっと関係する話があった。
「STUPID NETWORK」が理想という話だ。

講演者のデビッド・アイゼンバーグ氏は、アメリカ最大の電話会社、AT&Tに12年間勤務して、より音質の高い電話回線網などインテリジェントなネットワークの開発を行っていた。
 しかし、そのインテリジェントな回線によってFAXやモデムの通信に不都合が生じたり、いろいろと他の問題が発生する。
 こうして十年以上にわたってインテリジェント・ネットワークを研究していたアイゼンバーグ氏は、ネットワークのインフラそのものは、ただ送れと言われたデータを送るだけでお馬鹿(Stupid)な方がいいとう結論に達する。思い立ってその論文を書き始めると筆が止まらず、「Stupid Networkの方が素晴らしい」という理由が次から次へと見つかってきた、という。

 これは電話だけの話ではない。インターネット時代においても、例えばA社のサービスを使う時だけ、パケットの通りをよくするといったdiscriminative(差別的)なネットワークを提案/実践する会社もあったが、結局、一番いいのはStupidなネットワークだという話になった。

 昨日、今日のセッションを一言で総括するならば、「インフラ、ネットワーク、サービス/アプリケーションといった各レイヤーにいる人達は、相互依存することなく、それぞれに与えられた範囲の中でベストを尽くすのが理想」ということが言えそう。
 今日は新生銀行のCIO、ジェイ・デュイベディ氏の講演も行われたが、この講演でも一番のメッセージとなっていたのは、銀行のハード、ソフト、ネットワーク、サービスといったさまざまな要素を、明確に分割(アンバンドリング)したモジュール的なアプローチを取ることで、それぞれの進化のペースもあがり、問題が起きた時の責任の所在などもはっきりし、本来一番大事である顧客にフォーカスしたサービスを提供できるようになった、という話であった(日経新聞の調べでは、同行は異業種を取り混ぜた顧客満足度調査で3位だという)。

 セッションの後、迷惑メールの受信について、ISPの側でやるべきか、アプリケーションの側でやるべきか、という議論が出て、そこで昨日のエントリーのコメント欄に書いた免疫システムの話になった
 これらの意見には、私もまったく同感で、ISPも含めたインフラ部分には「Stupid Network」に徹して欲しいと思う(BIGLOBEが、そもそもそういう人向けのISPでない、という意見もありそうだが、だからこそ実は他のISPにも入っていて切り替えて使っている。現在の設定がたまたまBIGLOBEだった)。

 迷惑メールの受信は自分でアプリケーションで防御すればいいだけの話だが、送信となると他人に迷惑をかけることになるし、同じ話じゃない、という人もいるかもしれない。
 しかし、それにしたってBIGLOBEのSMTPサーバーのポートを変えるとか、認証サービスを使うとかしてくれればいいわけであって、25番ポートを閉じるのはおかしい。

 実際、こういう問題が直面した時に、ISP側で頑張って新しい標準を取り入れることで、アプリケーション層の進化も進むのではないだろうか(少なくとも企業内環境などでは、そうなっていると思う)。

 他社のSMTPサーバーを使うこともあるかもしれないから、ポート全部を閉じるのがいい、というかもしれない。しかし、迷惑メール対策をしていないSMTPサーバーがあれば、それはSMTPサーバー側の問題だ。それについて文句を言ってくる人がいたら、その人と一緒になってSMTPサーバー側に注意をすればいい。

 私が使っているのが、たまたまパソコンだったからよかったが、これからどんどん増えていく、インターネット家電を使っている人はいったいどうなるのだろう。パソコンが難しいからとインターネット家電を購入したのに、ある日、突然、電子メールが送れなくなって、「SMTP」とか「25番ポート」といった難しい言葉にさらされる。おまけに簡単さを、家電では簡単さを売りにすればするほど、こうした特殊ケースへの対応が難しくなる。

 パソコンを使っている人には、送信に他のポートを使って回避する解決策が紹介されている。確かにそれで送れるようになるだろう、しかし、ノート型ユーザーは自宅でメールを送る時と会社でメールを送る時で、いちいち設定を変えることになるかもしれない。

 アップルも、'90年代前半くらいまでは、やたらと技術に依存しすぎて、ちょっとした状況の変化で機能しなくなるダメなインテリジェント機能を搭載していた時期があり、雑誌などでこうした機能を「貧テリジェント(ヒンテリジェント)機能」と書いたこともあった。なんでもかんでもとことんまでsimplifyする現在のアップルのデザインアプローチは、もしかしたら、上で話したアンバンドリングに通じるものがあるのかもしれない。

 というわけで、仕事が一段落したら、どこが一番、Stupid (but fast) Networkかを調べてみたいと思う。

9月 28, 2006 パソコン・インターネット | | コメント (9) | トラックバック (1)

2006.09.27

Everyware講演のビデオが公開

IT業界を代表する名スピーカーといえば誰を思い浮かべるだろうか?
スティーブ・ジョブズ?ラリー・レッシグ?

こう書いていて、また思い出してしまったけれど、
今日行われた「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006」のレッシグの基調講演も素晴らしかった。

もし、まだレッシグのスピーチを見たこと、聞いたことがないという人がいたら、
ぜひとも、だまされたと思って、こちらのFlashムービーを見て欲しい。
ムービーにはレッシグ氏の姿は出てこないが、レッシグ氏ならではの個性的なスライドとともに、
ittousaiさんがつけた字幕が表示される。
http://ittousai.org/mt/archives/2003_04/free_culture.html


今からもう4年以上前の講演のスライド+音声+日本語字幕だが、
何度見ても一向に魅力が衰えることがなく、繰り返し見てしまう。
石谷さんも繰り返し見ちゃっている、という。

Read Write文化とRead Only文化の共存を訴えた今日のスピーチも、
ぜひ、いずれ上のような形で「共有」されればうれしいのだが....
石谷さんが関係者に聞いたところ「検討」はしているようだ。


ジョブズとレッシグ、この2人のスピーチは、ちょっとした音楽ライブパフォーマンスや
舞台芸術を見るくらいのすごさ、楽しさ、感動があるが、
現在、私のリストで、これにつづく3番目に来ているのはアダム・グリーンフィールド氏だ。


この7月、慶応義塾大学のデジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(DMC Institute)で近著、「Everyware: The Dawning Age of Ubiquitous Computing 」の内容をまとめた講演を行った。

前日、キャスタリアの山脇社長が、「彼のスピーチはすごい」と言っていたので、どんなものか気になっていたのだけれど、実際に見てみたら本当にかっこよかった。

ジョブズのように製品を売り込むスピーチではなく、世の中に伝えたいメッセージがあって、
それを魅力的かつ効果的に伝えるスピーチで、そういう点でもレッシグのスピーチと重なるところがあるけれど、内容も素晴らしければ、そのプレゼンテーションも素晴らしい。
スライドのデザインされたかっこよさでは、レッシグに勝っている。


実はそのスピーチがWeb上から見れるようになった。
Everyware: The dawning age of ubiquitous computing - A talk by Adam Greenfield

adam greenfield@keio univ.

コンピューターのユビキタス化する中で、それをつくる人、使う人達にいくつかの注意を促す内容。

深沢直人が唱えるという「振る舞いの中にとけ込むデザイン」という話では、
SUICA(関西はICOCA?でしたっけ?)のような公共交通用ICカードが、香港ではどのように使われているかを紹介した。
香港の女性は、読み取り機の前に来ると身体をクルっと半回転させ、ハンドバックの中に入れたままのカードをリーダー部分にぶつけ、スピードを落とさず、そのまま歩き去っていくという。その姿にはなにか独特の優雅さもある、という。

グリーンフィールドは、これはカードリーダーが許容する読み取り範囲と認識スピードから生まれてきた振る舞いであって、日本のスイカ(関西ではイコカ)もほぼ同じようなシステムでありながら、まったく、わずかなシステム上の違いから、まったく違う振る舞いが形成されていることを指摘している。

adam greenfield@keio univ.

グリーンフィールドの話は、こんなおもしろいエピソードをところどころに交えながら進んでいく。

ちなみに彼は、トヨタやソニーといった会社もクライアントに持つユーザー・エクスペリエンス・コンサルタント。
それだけに、ユーザビリティーやHCI(Human Computer Interaction)的な考察も奥深く、非常に刺激的な内容だ。

ドン・ノーマンやHCI(Human Computer Interaction)といった分野に興味がある人にもぜひとも見て欲しい。

もっとも、本当は一番見て欲しかったのは、日本でユビキタスコンピューターの開発に携わっている企業のリーダーや現場の開発者達(つまり、ほとんどのメーカーの人々)。

でも、講演が英語だったせいか、ひどい雨が降ったせいか、あるいは事前の告知が不十分だったせいか、あまり人が集まらなかったのが残念でならない。


そう、あえて書かずにきたが、実はリンク先の720MBのムービーは、英語のスピーチで、
先のレッシグ・スピーチのような(ittousaiさんによる)素晴らしい字幕もついていない。


見たところ映像はCreative Commonsで公開されているので、ぜひとも誰か頑張って字幕をつけて欲しい(ittousaiさんいかがですか?忙し過ぎ?
もちろん、私も100%他力本願するつもりはなく、協力できる範囲では協力していきたいと思う。

なお、レッシグやグリーンフィールドのスピーチをおもしろく印象深い物にしているのはNarrative、つまり「物語力」だと思う。

これについて今、平野日出木さんの著書「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法を読んでいるが、非常に説得力がある。

ちょっと前の「ロジカル・シンキング」ブームで、話をロジカルに展開して製品を売り込むようなスピーチが増えているが、こうしたスピーチ。なんか、納得がいくような、そこは違うんじゃないかと思ったり、左脳ではOKだと思っても、右脳が拒否反応を示すことがある。

これに対して心にしみこむようにして残るのが「物語力」のあるスピーチ(なんて、書いているけれど、仕事が貯まりすぎて本もまだ半分までしか読んでいない)。

平野さんから、この本の話を聞いた時は
「まさにその通り!」と思って、最近、森美術館で行われた「ストーリーテラーズ:アートが紡ぐ物語」の話とか、いろいろ話したっけ。

何か「最近、俺が頭のどこかで思っていたのはそれだよ、それ」と思わせるような出会いがあると、自分でEurekaしたときと同じような興奮と刺激を覚えるもの(言わば、外的Aha!?)

まあ、このあたりの話は、また機会を改めて書くことにして、山積みの仕事という現実に戻ります。

言いたいことは4つ。

1.アダム・グリーンフィールドという名前、ぜひとも覚えておいてください
2.どなたかぜひ彼の講演に字幕を!
3.「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法もおもしろいですよ。スピーチをする機会が多い人はぜひ一読を!
4.アダムが講演を行った慶応義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構の運営委員でもある村井純さんが明日、「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006」で基調講演を行います。私はラジオに出たとしても、これには間に合うように行く予定。




イベントをオーガナイズしたアンドレアス・ボーヴェンのブログ、
chosaqにも詳細が書かれています。

9月 27, 2006 パソコン・インターネット | | コメント (1) | トラックバック (4)

THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006

今日、デジタルガレージ主催のイベント「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006」が開催した。
今日と明日の2日間にまたがるイベントだ。

今日のテーマは「Culture of Web 2.0」。
日本でも有名なラリー・レッシグも含めて、ゲストもそうそうたるメンバーなので、
それなりの期待はしていたが、正直、日本でこれだけ質の高いディスカッションが聞けるとは思っていなかった。
N新聞のK編集委員「これはPC FORUMだね」と言っていたけれど、まさにそんな雰囲気。

今、IT業界から見た世界の流れを知る上で、
それも川の浅いところではなく、深いところで起きているsubstantialな変化、
5年あるいは10年あるいはもっと先の未来をも変えうる変化を知る上で、
ぜひ見ておくべきカンファレンスの1つだったと思う。
こういうカンファレンスが日本で、日本の聴衆向けに行われたのも素晴らしいと思う。

今日や明日のビジネスですぐに使える知識を求めている人には向かないかもしれないが、
もっと、長期の展望を持てるリーダーの人達はぜひ来るべきカンファレンスだったのでは?
なかなか、そんな長期のことを見ている余裕はない、という人もいるかもしれないけれど、
最近、日本でもよく話題になるCSR(Corporate Social Responsibility)とかも
こうした視点が備わった方が、ちゃんと議論ができるように思う。

そして、そういう意味でも今日のカンファレンスはよく構成されていた。
IT系の人には、まず、説明不要の伊藤穰一(Joi)さん
Mozillaプロジェクトの立ち上げから関与し、現在、Mozilla Corp CEOのミッチェル・ベーカーやTechnoratiのチーフテクノロジストでかつてはMicrosoft社Macintosh Business Unitにいたタンテック・セリックの名前が止まるだろうが、視野をそこだけに止めず、AT&T社のベル研究所で、ネットワークのあるべき姿の研究に取り組み続け余計な干渉をせず、ただTCP/IPのパケットを流すだけの「Stupid Network」が一番いいという結論に到達したプロサルタントのデビッド・アイゼンバーグ氏。さらに、ちょっと変わったところでは、ブラジル文化省デジタルカルチャー部門のクラウディオ・プラド氏といった色とりどりの人選だ。

冒頭の挨