2008.08.01

iPhoneを通して考える通信のこれから:NetShareとNet Neutrality

iPhoneを無線ルーター化するアプリケーション、「NetShare」が登場した。

Engadget Japanese: iPhone 3GをWiFiモデム化する公認アプリNetShare、脱獄不要

だが、このソフトはその後、すぐに取り下げられる。
NetShare no longer available

iPhone開発者の規約に違反したこのソフトが、一時的とはいえApp Storeに通されたということは、App Storeの審査はアプリケーション単位で行うというよりは、企業単位の審査に基づいていることが明らかになった、と言えそうだ。今後、同ソフトを提供したNullriver社(他に「Tuner Internet Radio」を提供)にどのような処分が下されるかは気になるところだ。


ところで、このiPhoneの無線ルーター化については、さまざまな見方をすることができると思う。

先日、drikinとのSkypeチャットで、こちらのブログの記事が話題になった。

Thirのはてな日記:iPhone 3Gをモデム代わりにしてはいけない

回線を圧迫する無線ルーター利用は、他のiPhoneユーザーに迷惑をかけるからやらない方がいい、という内容で、正論だし、私もおおむね賛成だ。

しかし、その一方で、私はこの考え方には、賞味期限を設定する必要があるとも思っている。

私は今年から来年にかけては、まさに「ケータイ・ビッグバン」とも言える年であり、3つのレイヤーでさまざまな動きが活発化すると考えている(事業形態のレイヤー、端末テクノロジーのレイヤー、通信技術のレイヤー)。

 このうち通信技術のレイヤーではWiMAXやHSUPA、EV-DO Rev. Aといった通信技術(そしてその先にあるLTEなど)は、自宅の無線LANと区別がつかないほど高速な通信が売りになっており、おそらく携帯キャリア各社も「高速通信」をウリにしてくるはずだ。

 にも、関わらず、実際に契約を交わして端末を買ってみると「ネットワークに負担がかかるので、他の人のことを考えて、遠慮しながら使ってください」では、まったくもって看板倒れになってしまうからだ。

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2008.02.24

直感力こそ大事

Japanese Garden@Ohori Park
月曜日、九州大学で行った学生向けセミナーで、外村仁さんが非常に重要なことを言っていた。

「直感力を大事にしろ」

こういうことを言うと「当てずっぽうということですか?」とか「そんないいかげんな!」という人がいるという。だが、実際、最後にモノを言うのは、この直感力ではないだろか。

私の知る人で、この直感力が鋭い人と言えば外村さんもそうだが、
元アップルの前刀さんもスゴい。
例えば彼が昔いた某メーカーの新製品なんかについて意見を求めると、すぐに「あ、あれはいいね」とか「いや、あれはダメでしょう」といった答えが返ってくる。

 返答があまりに早いので、適当に答えているのかな?と思うと、「〜〜の部分のつくりがしっかりしている」とか「あれはきっと製品イメージをよくしようとして、初期のロットはかなり部品もいいものを使っているんだろう」といったことをスラスラと答える。そして、それを聞いているそのメーカーの人が「その通り」となる。
メーカー品だけに限らず、ちょっと野生の勘のようなものを感じることがある。

それに例のあの人、スティーブ・ジョブズが、まさにこの直感の人である。
 Mac OSチームに古くからいるエンジニアの友人も「言われて悔しいこともあるけれど、確かに彼の直感の通りにすると、なるほどそれが正しい、と思わされることが多い」と語っていた。
 最近の著書でも書いた開発中の部屋にズカズカズカっとジョブズが入ってきて「このボタンをもう少し大きくして真ん中に置いた方がいい」と言われた人物だ。


以前、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)がApple Store Ginzaで「知デリ」というイベントを開催した。
某雑誌でレポートする予定が、新製品のニュースで流れてしまった。
ただし、このセミナーの内容は、非常におもしろく今でも深く記憶に残っている。
特に京都大学大学院理学研究科教授でゴリラの研究をしている山極寿一さんのお話は、ぜひまたお聞きしたい。

セッションが終わった後、どういうコンテクストだか忘れたが、ゴリラにとって「善悪」、「好き嫌い」それから何かもう1つの中では、どれが一番反応が早いかと聞かれた。答えは「好き嫌い」だという。何故なら「好き嫌い」は直感であって、頭で理由を考えたりする必要もないからだ。
直感というのは、DNAに組み込まれた記憶だったり、過去の積み重ねられたリアルの経験から生み出されてくるのではないだろうかと思っている。

 ある程度、世の中の摂理や法則も、ある程度、リアルの経験を重ねていくと、脳だか体だかの細胞に、それに対する反応のプログラムが組み込まれていき、そこから直感力が生まれてくるんじゃないか。

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2004.11.02

11月1日、道路にやたらと警察がいた理由

昨日は新紙幣が発行されたようですね。私はまだ現物を見ていません。
私が生まれた時代は確か千円札が伊藤博文、五千円と一万円は聖徳太子(だったよね?>kiyorin、yukiあるいはnomaさん)。日本にいなかったし、子供だったので自信が無い。それにしても、それから数えていったい何度目の新札発行!?

実はそんな新札のニュースに隠れて、こんな法律も施行されているのでした:
車で携帯ダメ/1日から改正道交法施行(Google News経由asahi.comーーしかし、なぜMY TOWN宮城?)

新道路交通法施行にあわせて:
東海3県で285人摘発 青森・大阪では逮捕者も(Google News経由中日新聞)
とのことです

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2004.10.26

その名はペンギラン!?

GQに載っていたブルネイ皇太子結婚のニュースが目に留まった。
花嫁の名前はサラ・ペンギラン・サレー...

実はブルネイ王室に友達がいる。大学時代の同級生だ。いや、同級生でもないか、一緒にクラスを取ったことはないや。でも、なぜかたまにつるんで遊んでいた。

王位継承権はかなり低かったと聞いているけれど立派な王族とのこと。私自身は実際にブルネイに彼を訪ねに行ったこともないし、帰国後は絵ハガキを1通もらっただけ。筆無精な私は返事もしていない...

でも、誕生日プレゼントにお城をもらったり、お兄さんのコレクションがフェラーリだったり、
本人のコレクションが(少なくとも'90年代中頃までに出ていた)全音楽CDだったりとなかなか常人とは違う暮らしぶりをしていたことだけは確かだ(ただし、私が時々するみたいに同じアルバムの日本版とアメリカ版、イギリス版、ドイツ版を買いそろえるといったマニアックな買い方をしていたかまでは知らない)。

アメリカではいたって普通の留学生ならぬ遊学生だったけれど...

私や他の友人は彼をサレーと呼んでいたが、国民はペンギランと呼ぶしきたりになっていたらしい。
花嫁の名前、「ペンギラン・サレー」を見て彼を思い出さずにはいられなかった。

ちなみにサレーやペンギランは彼の名前のほんの一部だ。

ブルネイ王室では祖先の名前をひきついでどんどん重ねていくしきたりがあるらしい。
つまり代を追えば追うほど名前が長くなっていく。

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2004.10.24

米ドル小切手どうしています?

最近、Google AdSenseやらWired News USの原稿料など、ドル建て小切手の収入が増えてきた。

といっても、まだそれほど大した額じゃないし面倒なので銀行に振り込むでもなく小切手のまま持っている
(AdSenseの最初の小切手は換金したところをBLOGネタにしようと持ち歩いていてなくしてしまった :-( )

Wiredで今後も書き続けることを考えると、CITIBANKあたりでドル建て口座を持つのもいいかもと思って、先日、カタログをもらいにいこうとしたのだけれど、行政指導を受けて謹慎中で月末までは口座を開設できないということ。ミニマムバランス(口座に残しておかなければならない最低残高)も2000ドルと私が米国にいたとき使っていた銀行と比べてもやや高(=2倍)だ。

おまけに口座があろうと、なかろうと小切手を処理するには額にかかわらず1枚あたり1000円かかるという。[*追記あり]
AdSenseの小切手は100から150ドル程度なので、1割近い。
ドル建て口座を持てば小切手は額面通り手数料なしで振り込めるだろうというのは甘い考えだったようだ...

これって他の銀行も同じようなものなんだろうか?

みなさんはAdSenseの収入とかどうしています?

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2004.05.25

偽造免許で携帯電話契約
助けてくれない日本警察

仕事は遅れたままですが、今日、親しいライターから聞いた話について書かずにはいられません。

ある日、彼の元に携帯電話のキャリアから覚えのない契約を確認する電話があったそうです。

その後、よく調べてみるととある量販店で、見ず知らずの人が、彼の名前と住所、電話番号を使った偽の運転免許書を使って携帯電話の新規契約を結んでいたことが発覚。

今は本当に21世紀で、ここは本当に東京なのかと、一瞬不思議な気持ちになりました。

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2004.04.09

テロリズムは常に理不尽

真っ先にエントリーしようと思っていたけれど、
ウィルス騒動とかで逃げていました。

でも、無視できない事件ですよね、邦人3人の誘拐。
テロと言うのは理不尽の塊ですね。

3人はよりにもよって自衛隊派遣に反対していた人達、その人達がよりにもよって自衛隊撤退を要求する人質にされるなんて(もちろん、自衛隊派遣賛成の人だったら人質にしていいというわけではもちろんありませんが)。

テロに屈してはいけない、という理論はわからないでもないけれど、政府高官は捕まっている人質が自分の身内でも、自衛隊撤退をしないのでしょうか?いや、しないかもしれない。でも、心の中ではどう思っているのでしょう。

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2004.03.20

アルカイダによる名指しの警告といった背景もあってか、街に変な噂が流れているようです。

ある人が「街で困っているアラブ系の人を助けてあげたら、『お前は親切なので教えてやる。明日は渋谷に来るな』と言われた」というもの。

少しづつバリエーションがつきながら、広まっているようで、まったくつながりのない2〜3人から伝わってきました(ちなみに、私のところに伝わってきた3つの噂では、明日=20日、つまり今日です)

まあ、ある程度の警戒心を持っておくのは大事なことかもしれませんよね。しかし、インターネットを使わないでもこういう噂ってはやくひろまるんですね。それとももしかしてインターネットとかでチェーンメールでも出回っているのでしょうか?

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2004.03.06

警察不正、静岡でも発覚

静岡県警の架空出張がasahi.comで報じられている。

全国の警察署どころか警察庁までが関与していると言われる一大スキャンダルを暴いたのはテレビ朝日の「ザ・スクープ」、そのあまりに衝撃的な内容は一度、本家nobilogでも(日本語記事として)取り上げた。

最近、この記事にコメントがついていたので、どうしたのだろうと思ったら、最近、続編が放送されたらしい。
この番組、放送間隔があきすぎるのでよほど注意していないと確実に見逃してしまうのだが、
うれしいことに番組内容をWindows Media形式でストリーミング再放送している。
みやすいように細切れになっているので、この衝撃の事実を知らない人はとにかくちょっとづつでいいからだまされたと思ってみてほしい

番組中で鳥越氏がおもしろい指摘をしている。
この不正の存在は警察になればほとんどの人が(偽領収書書きなどをやらされて)知っていることだ
最近、警察不祥事が多発しているが、その一因として「どうせ上が不正をやっているから」と言う気持ちがあるからではないかというのだ。まったく持ってその通りだと思う。

「ブロークンウィンドウ理論」というのがあるーー>200Xのページに詳しく書いてあった
落書きがされているエリアでは、悪い事をしても大丈夫という気持ちになって、さらに大きな犯罪の率もエスカレートしていくという
それと同じことではないだろうか?

全国のマスコミにはぜひこれからもこうした不正を忘れる事なく暴き続けていってほしい

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