2008.07.08

立体版ドット・アニメーション

最近、YouTubeネタがつづくが、Engadgetで見つけた動画が涼しくていい感じだったので、
執筆エンジンを回転させるために1本(...ブログの記事を書きます)。


[via BMWCCA, via 本家Engadget, Engadget Japanese]


これを見て、真っ先に思い出したのは、「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望 2004」で、オーディエンス賞として一票投じさせてもらった笹口数さんの作品。

Googleイメージ検索:笹口数

動いてこそはいないが、(いやだからこそ)あれはあれで素晴らしかった。
いくつか、この角度が好き、というポイントがあって、何度も作品を見に足を運んだのを思い出す。

それにしても、こういうおもしろい動画が日々、追加されていることに改めて驚かされる。

さらに、今やこうした動画はパソコンだけでなく、ケータイでも見られるのだからさらに凄い。

7月11日発売のiPhoneはもちろんだが、
それを待たないでも、他社のスマートフォンや、NTTドコモ製のP904i以降の端末でも見られる。
気がつけば、日本のケータイ電話も一気に動画が花盛りだ。

powerpush

ちなみにYouTubeは、auの端末にも対応しているが、こちらは約2分半(1.5MB)の容量制限があり、何か動画を見ようと思っても「この動画は再生できません」というメッセージでガッカリすることが多い。

 今はなきAmp'd Mobile Japanが日本進出した時にも同じ問題を抱えていた。
コンテンツがおもしろくなってきたところで、第2話へつづくならまだわかるが、余裕がないので、いきなり話しの途中でブツ切りにして1話をいくつかのファイルで分割配信するしかないのだ。

つまり、今のところケータイ動画はNTTドコモならではの大きな強みの1つとなっている。
それだけにそこかしこで大々的に宣伝もしている。

 私の好きなドラマのLOSTもシーズン1全話を配信している。もっとも、LOSTに関して言えば、テレビ用につくられたドラマ本編もいいけれど、ケータイ電話の画面サイズに最適化してつくられたmobisodeの方もしっかり配信して欲しいところだけれど。
 アメリカでは、テレビ業界も「ケータイ動画」という新しい市場の可能性に期待を抱いていて、FOX Mobile社、CBS mobile社、NBC2Go社など、既存テレビ局がモバイル専業子会社をつくって、ケータイ画面サイズに最適化した番組の開発/提供にかなり本腰を入れ始めている。


ITmedia +D Mobile:
“iPhoneを振った”米Verizonが投入するキラーサービス──「V CAST Mobile TV」

l_sa_mf02

これと比べると、日本は法的な問題もあって、今のところワンセグ放送はテレビと同じ内容を垂れ流しているだけで、スポーツ番組をみても「ボールが小さ過ぎて見えない」などの文句を聞くこともある。いずれは地上波とは別編成の放送に主軸を移すとも聞くが、それに向けての準備はできているのか、他人事ながら心配になる。

もっとも、NTTドコモも「春と秋のカエルの王子」みたいなオリジナルドラマづくりをしているし、余計な心配なのかもしれない。

ちなみにauも、技術的制約はある中、LISMO videoを始めたり(以前はEZチャンネルもやっていたし)、頑張れる範囲では頑張っている。

 そう考えると、実は一番、動画対応は遅いのはソフトバンクモバイルなのかな。

 ただ、ソフトバンクモバイルには究極の動画再生端末、iPhoneがあるから孫さんには、ぜひとも今後はiTunes Storeの国内での成功にも協力して欲しいところ。iTunes Storeで、日本でも海外同様に映画やテレビの人気番組が見られるようになれば、これはかなりうれしい(もっとも、今でもビデオPodcastは見られるが)。

 今やテレビ以外にもGoogle社のTechTalkみたいなためになる番組を始め、テレビでは放映していない見たい番組も山ほどあって、テレビは本当にもっと魅力をアピールできないとヤバイと思う。だからこそ、SPIDERはテレビ業界の救世主だと思うんだけれど:

nobilog2: タイムマシン誕生、期間限定で...
nobilog2: テレビの明日は「暗黒時代」?(ぜひコメント欄にも注目!)

 権利者のこととか、いろいろ気を使って見なければならない気苦労系番組は、世の中にゴマンとある見たい番組の中のごくわずかな一部でしかないんだから。
 これから動画をつくる人は、どうやって制限を設けようと考える前に、まずどうやって存在感をアピールし、いかに見ようという気にさせるかを十分考えて、その後になって始めて、いかにしてしっかり自分の権利を守るかも考える、というのが正しい順番ではないかと思う。

 いずれにしても、今や身の回りには、見るデバイスも、メディアとなる技術も、番組も視聴能力をはるかにうわまわるくらい溢れているわけだけれど、なんとかこれらを総括して、もっとも(自分にとって)おもしろい動画だけを見つけられる全動画対応版Spiderみたいなのでてこないかなぁ...
 (本当はYouTubeが、それを目指しているんだろうけれど、久夛良木さんが言うように、Spiderがサービスを目指して、今のSpiderのような日本人的おもてなしを維持した上で全メディア対応してくれるなら、それもいいなぁ...)

 

7月 8, 2008 copy-right or wrong!?, iPhone, just a thought, 携帯・デジカメ, 映画・テレビ | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.05

YouTubeにRolling Stonesが登場[YouTube Living Legends第1弾]

YouTubeにRolling Stonesが登場した!


Livinglegend

Living Legends


これは世界的なミュージシャンやスポーツ選手など、「レジェンド(伝説)」と呼べるような「超」がつくクラスの著名人にチャンネルを提供し、コンテンツを集約、公開するだけでなく、一般ユーザーとの動画によるインタラクションを促そうとする試みで、このRolling Stonesは、まだ第1弾に過ぎず、今後も毎月のように新しいチャンネルが追加されていくようだ。
 第1弾のRolling Stonesでは、ライブ映像、舞台裏のクリップ、メッセージ動画のほかにも貴重
なバスルームでの撮影シーンなど、YouTubeに独占的に公開される映像なども順次、公開予定とのことだが、先にも書いた「対話」の部分を重視すべく、ユーザーからの動画による質問のアップロードを受け付ける。ミック・ジャガーとキース・リチャーズは、そうして受け付けた動画からいくつかを選んで、質問に応える動画を掲載する予定だと言う。
 つまり、本物のマスコミでもなかなかできないミックとキースのインタビューをするチャンスが、誰にでも公平にやってくる、というわけだ。
 でも、「言葉の壁」があるよね?と思ったのだが、なんと今回、日本語で質問された動画についても「YouTubeスタッフが英訳をサポートしてミックとキースにお届けします。」とのこと!
 むしろ、日本語で質問するとYouTubeの英訳サービスの実例としてピックアップされる可能性も高いかも?(想像なので保証はしません。とりあえず、どんどん質問動画をアップしてみましょう! ;-) )

 この新しいチャンネルの詳細は、こちらのYouTube公式ブログに書かれています:

Introducing Living Legends

このサービス、すごい!

「iTunes Storeの動画販売サービス(の無料版)」とも言えるし、たまにしかあがらない「iTunes Exclusiveコンテンツ(の動画版)」とも言えるし、「超がつくリジェンドのビデオPodcast(のYouTube版)」とも言えるかもしれません。


 この「超」がつくすごい新サービスについて、思うことをいくつか...

1.ミッションステートメントの解釈の変更?

Googleといえば、いろいろな事業をしているけれど、それらはすべて1つのミッションステートメントでくくられている:
世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする 」というもの。

 ただし、その解釈は過去に何度か変わってきている。

 もともとはGoogleは、既にインターネット上にある情報を整理し、検索によってアクセスできるようにする、というだけのものだったけれど、その後は電子メールによる会話や、ハードディスク上の情報、紙として印刷された書籍などもどんどん扱えるようにしていった。
 そしてPicasaやYouTubeなど、これまでバラバラのサイトに、バラバラな形式でアップロードされていた動画も、体系立てて整理し、アクセスしやすくした。

 でも、一方で自前のコンテンツを持つYahoo!と、自前のコンテンツは持たないGoogleという区別があったのだが、今回の試みはYouTube独自のコンテンツだと思う人も多いかもしれない。

 しかし、おそらくそれは違って、Googleは、そんなつもりはなくって、これは、これまで「需要があったにも関わらず、実現していなかったコミュニケーション」を可能にし、可視化+検索可能にした、というつもりなのだろう。

 「伝説」として、あまりにもユーザー達から遠く切り離されてしまったスター達にも、自分のファンと直接触れ合う場所は欲しいと思うし、ファンだってこれまで夢の中でしか会話できなかったスターと動画経由とはいえ半直接対話ができるならうれしいはずだ。
 この「対話」が実現すれば、そのスターを取り囲むコミュニティーの文化とか、オーラとかそういったものが、時代を超えて残すことができるかもしれない。


(これも....対話!?)


2.存在アーカイビング

 今は亡き、昔のアーティスト達の作品。プロモーションビデオでみると、その人の作品はわかるけれど、ライブの映像を見ると、その人のファンのコミュニティーというのがどんなもので、どんな熱狂ぶりだったかがよくわかる(例えばDeep Purpleの『Deep Purple & Royal Philharmonic Orchestra』のビデオなんかをみると、前の方で黒人のファンが完全に陶酔しきって踊っている姿なんかが見えて、それがまたそれで当時の「Deep Purple」っていうのが、どんなバンドか見えておもしろい)。
 
 スターの側から一方的に発信する情報だけでも、ある程度、その人となりはわかるが、周りのコミュニティーの文化がわかることで、より「輪郭」がハッキリするように思うのは私だけではないだろう。

 この話と、1つ前の記事で書いた「手技」や「思考のプロセス」の記録って、決して無関係ではなく、おそらくこれらの話に、最近、流行の「ライフログ」も絡めて、人間の「存在アーカイビング」が少しずつ可能になってくるのかもしれない。

 それにしても、YouTubeのリジェンドシリーズ、次はどんなリジェンドが登場するのか楽しみでならない!

3.ユビキタス・リジェンド

 そうそう、今回の発表で、もう1つ忘れてはならないのが、実はこのキラーコンテンツともいえる凄いコンテンツが、ドコモの携帯を使って、あるいはさらに高画質を臨むならiPhoneやiPod touch(+WMWifiRouter)を使って、いつでもどこでも楽しめるというのだからすごい時代だ。
 電車の中で、「リジェンド」の「今日のコンテンツ」なんていうのが当たり前になるのかもしれない(リビングでApple TVを使ってハイビジョンで、リジェンドの挨拶っていうのも悪くないけれど...)

4.Google(and Apple) will get you in the end!

YouTubeといえば、最近、の著作権管理団体「ジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)」との提携を発表したけれど、これも重要な発表だ。

ミスチルの曲を歌ってもOK--YouTube、国内の音楽著作権管理団体「JRC」と契約
YouTubeとJRCが音楽著作権の包括利用許諾契約を締結
YouTubeに初の音楽著作権包括許諾・JRC スピッツやラルクもOK

このJRCのように「文化」が広まっていく(より多くの人にという意味+より多彩な方法での意味)勢いを重視する著作権管理団体がいる一方で、文化の広まりを今いる場所に引き戻しつづけることをよしとする著作権団体もいる。

私みたいな前者のファンは、Google/YouTubeのこういう発表を聞くと「いいぞ!」と思ってしまう。
後述の新刊の中で「アップルとグーグル」は結局、どんなに大変でも本質的な解決方法を実践する、といったことを書いたけれど、これなんかもまさにその例だと思う。

 多くのコンテンツサービスは「ことなかれ主義」的に、後者の著作権団体を納得させる方向ばかりに気を使ってしまうわけだけれど、Google/YouTubeみたいな大きくて力もあるところが、「道は、考え方はそれだけではない」ということを率先して示してくれるのは、非常に勇気づけられることだと思う。「環境へのとりくみ」ばかりではなく、こういうのだって重要なCSR(Corporate Social Responsibility)だし、Noblesse Obligeなんじゃないだろうか...

なお、今回の発表内容は、新刊「アップルとグーグル」では、さすがにとりあげることができなかったが、この当たりは10日のイベントでフォローアップしましょうね>小川さん

10日のイベントの情報はこちらから:
Web Business Shuffle2.0
Nobuyuki Hayashi:ITジャーナリスト
HIRO ogawa : MODIPHI, Inc.
開催日時 :2008年4月10日(木)
開演時間 :18時30分
受付開始時間: 18:00
終了時間 :20時30分
場所 :アップルストア銀座
料金 :無料
定員 :80名


アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者
アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者小川 浩 林 信行


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(P.S.なんで、自分の本にアフィリエイト?と思った、チェックの厳しいnobilog2読者はこちらの下の方を参照:Google謹製の紙飛行機(期間限定!?)

4月 5, 2008 Audio Visual, Google, copy-right or wrong!?, iPhone, iPod, innovation, opinion, パソコン・インターネット, 文化・芸術 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.20

FirefoxがAppleを抜いた日

ちょっと前まで、私のFlickrで一番ビューが多かったのは、こちらの写真だ:

a vehicle found near the Moscone Center

San FranciscoのMocone Center(MacworldやWWDCの会場)の近くで見つけた車の写真だ。
Cult of Macの筆者、Leander Kahneyに教えたら、彼が喜んでCult of Mac blogで紹介したこともあって、一気にビューが増えた。

その後、2代目のMacBook ProでiSightのインジケーターが消えたことを紹介した写真が、Engadgetで紹介され、これが1位の座を奪ってしまったが、それでもApple Carの写真は約5200ビューとFavorite印22個で、上位5位くらいには食い込んでいた。

ところが、先日のMozilla24で状況が一気に変わった。

同イベントで展示されていたFirefoxのシールが貼られたCelicaの写真を撮ってflickrにアップしたところ、それがGen Kanaiのブログで紹介され、そこから一気に世界中に広まった。

Gen Kanai weblog: FIREFOX CELICA

ちなみにこちらの写真だ。
Firefox car found@Firefox ROCK FEST! (Mozilla24)

一昨日くらいまでの段階では、2500 Viewくらいで、まだまだApple Carの方が優勢を保っていたが、昨日の段階ではApple Carを超えて6000 Viewくらいになり、今では一桁多い8万ビューに突入、わずか2〜3日で私のFlickrで、もっとも見られている写真の座を奪ってしまったのだ。

Apple Carよりも、Firefox Carの方が、はるかにスピードが速かったのは、何も車種のせいだけではない。
Mozillaコミュニティーの結束力の強さ、そして同コミュニティーとCreative Commonsとの親和性の高さも関係あるのではなかろうか。

今回、Firefoxの写真がこれだけ広まったのは、私のFlickrを見ている人が多いからではない。
普段は携帯電話で撮影してアップした意味のない写真も多いし、ほとんどの写真は10 View以下だ。

しかし、私はFlickrの写真をCreative Commonsの「by-nc-sa」というライセンス形態で公開している。

「by」は、「Attribution(表示)」という意味で、
それが私(=Flickrでの名前は「nobihaya」)の写真であることを明記すれば写真を使っていい、という意味。

「nc」は、「Non-Commercial(非営利)という意味で、
それが商用媒体などでなければ、写真を使っていいという意味。

「sa」は、「Share Alike(継承)」という意味で、私の写真を加工した場合には、私と同じCreative Commonsのライセンスで共用して欲しいという意味。

まとめると、私のFlickrにあがっている写真は、非営利の媒体であれば、わざわざ私に連絡をとって許可を請わなくても、勝手に使っていいですよ、という意味だ(別に商業媒体での利用は不可能!というわけではなく、商業媒体で使いたい場合には、私に許諾をとってくれれば許可をすることもある、という意味だ)。

 このようにオープンにすることで、私の写真がどんどんといろいろなブログで紹介され、写真の腕前に見合わないくらい有名になることができているのだ。

 これ以外にもCreative Commonsを使うと、いろいろいいことがある。
 詳しくは、こちらのビデオを見てもらうとわかりやすい:

また、Creative CommonsのWebページにも詳しく書かれている。

 Creative Commonsについては、これまでにもいろいろな雑誌やWebの記事で書いてきたし、早い頃からブログを始めている人のほとんどが知っているものだと思っていた。

 しかし、最近、一緒に仕事をした雑誌の編集者などに教えると、意外と知らない人が多い。

 ちなみに私は「非営利」のライセンスにしているが、例えば伊藤穰一(Joi)さんは、「クレジットさえ入れれば商用利用も可能」というライセンスを採用している。
 先日、D5というイベントで、スティーブ・ジョブズとビル・ゲイツが退団をしたが、Joiさんは2人が一緒に写っている素晴らしい写真を撮った。
 Joiさんの写真は、ものすごくいい写真だった上に、このライセンスを採用していたためNew York TImesの記事で使われることになった(Joiさん、自身がNYTの記者の友人ということもあるが、記者が写真を使うという判断をする際には、Joiさんのライセンスも関係していた。ちなみに、この話にはちょっとした後日談があるようで、NYTでもやっぱり上層部はCreative Commonsの考えがわかっていないようだ。その話、機会がある人は、ぜひJoiさん自身に聞いてみて欲しい)。

 このJoiさんの写真は、私も講演の時につかわせてもらった。
 その後、MacFanがD5の写真を探していたので、Joiさんの写真のことを教えてあげたところ、見開きいっぱいの大写真として使われることになった。

 FlickrのAdvanced Searchでは、Creative Commonsを採用している写真も結構、たくさんある。
 このCreative Commons検索が、雑誌の記事をつくるときや、Webの記事をつくるとき、そしてプレゼンテーションのスライドをつくるとき、非常に役に立つというのに、雑誌の編集者の中には、そのことに気がついていない人も多いようで、ちょっともったいない。

 もっとも、例えクリエイティブコモンズは、知っていても、いざ使おうとすると、ちょっと躊躇するところがあるのも確かだ。Joiさんの写真をMacFanに使わせてもらったときには、私もちょっとした問題に直面した。

 CNet Japanのこちらの記事で、伊藤穰一さんをインタビューした時、インタビュー前にその話題で盛り上がった:
【第3回】Mozillaによるオープンスタンダードウェブの実現-- Mozilla 24から始まる未来型インターネットの確立(前編)

 インタビューは、ちょうどMac Fanが、例の写真を使った直後だったので、最初に私の方でMac Fanに代わってお礼を伝えながら、Mac Fan掲載時のやりとりを振り返った。

 Joiさんの写真は「by」だけのライセンスなので、商用媒体でも、クレジットさえ入れれば、Joiさんに一切、連絡を取らずに勝手に写真を使っていいことになる。
 さっきのビデオでも言っているが、Creative Commonsは、作者を煩わしい許諾メールの返事から解放する、という意味もある。

 とはいえ、Joiさんのことは知っているし、何も言わずに勝手に使うのは抵抗があったし、使う前にiChatでJoiさんに「使っていいですか?」といったことを問い合わせたのだ。

 別にJoiさんも、それが煩わしい云々というわけではないが、それは「本来不要なプロセスだよね」という話になった。
 しかし、例え最初から許諾されているものでも、やはり一声かけたいというのが多くの日本人の心情だし、声をかけずに勝手に使うことには、むしろ抵抗がある。

 Creative CommonsのWebページの日本語版には、実はそこいらへんの解説。
 つまり、Creative Commonsで流用が認められている作品を、流用する場合、どのようなプロセスを経ればいいのかの解説があったほうがいいんじゃないか、とJoiさんに提案した。
 (どのようなプロセスが必要かって、プロセス=nothingで勝手に使っていいんだけれど、そのことを明記したほうが、使うほうも安心するんじゃないか、というわけだ)。

 とはいえ、それを知っている上でも、多くの日本人は、「プロセス=nothing」を経ることに抵抗や罪悪感を感じやすい。

 そこで私はCreative Commonsで公開されている作品のレポジトリーをつくって、作品をつかわせてもらったら、ブログのTrackbackのような仕組みを使って、どの媒体で使わせてもらったかといった情報や作者の人への簡単なメッセージを残せる仕組みを用意したほうが、流用する側もやりやすいんじゃないか、ということを提案させてもらった(もちろん、レポジトリーには紙媒体も登録できるようにする必要がある)。

 Joiさんも忙しい人なので、覚えていないかも知れないから、今度、Creative Commons関係のイベントがあれば、ドミニク・チェンさんにでも提案してみよう...

そうそう、この記事を書くに当たって、Creative CommonsのWebサイトを訪問したら9月27日にCreative Commons関係のセミナーが開かれるんですね!
9月27日 第6回CCJPセミナー開催

私はその前日、前々日とTHE NEW CONTEXT CONFERENCEに行くことになっているのですが、その週は書籍の仕事を一気に進めなければならない週でもあるので、残念ながらCCJPの方は行けそうにありません。

 でも、このイベント、スピーカーには津田大介さんと小寺信良さんもスピーカーで登場!
 著作権やコンテンツの未来に興味がある方は、ぜひ行くべき!

 この2人が書いた(というか対談した後で、構成を練った)書籍「CONTENT'S FUTURE」もかなりおもしろい必読本だ!

CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)
小寺 信良 津田 大介

翔泳社 2007-08-02
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さて、最後に1つ問題:

9月 20, 2007 copy-right or wrong!? | | コメント (2) | トラックバック (2)

2007.06.06

レッチリ、ドームに続いてiTunes Sotre Japanに上陸

Itunes001_1

6月6日、3月からの延期で行なわれた東京ドーム公演を4万人の観客で埋め、17曲熱唱で湧かせたレッドホットチリペッパーズ。
今晩の公演に先駆け、なんとiTunes Storeにも登場した:

ワーナーミュージック・ジャパンの楽曲が日本のiTunes Storeで購入可能に

絢香、コブクロ、リップスライム、リンキン・パーク、マドンナ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど、邦楽と洋楽のトップアーティストがiTunesに登場

先週のiTunes UでのDRMフリー音楽の発表や、
「iPod課金問題」に対しての意見提出など、最近、Macの発表だけでなく、iTunesまわりの動きも活発化している。

林檎の歌:
アップルが「文化庁は著作権行政から手を引け」と主張

CNet Japan:
アップル、文化庁を激しく非難--「私的録音録画補償金制度は即時撤廃すべき」

Engadget Japanese: アップル激怒、文化庁には著作権行政の資格無し

実はこの話題、書きたかったが、札幌出張でタイミングを逃していた。

普通のやり方でいたら、ニッチもサッチも動かないところを、一気に問題の核心に正論で切り込みを書けた形。日本の音楽業界の問題を根本治療しようとするこのアクションは、(情けないことながら)アップルにしか起こせないものだ。

世の中のしくみは、いろいろと前提が積もり積もっておかしくなってくるところがある。

 例えばアーティスト達が成功する上で、最初のうちはレーベルや著作権団体といったインフラも必要だった側面もあるのかもしれない。

 とはいえ、音楽ビジネスの肝はコンテンツ−−つまり音楽そのもの−−であって、インフラの部分が、そのコンテンツを支配するようになっては本末転倒だ。

 世の中は、技術も、風潮も、構造も常に進化をつづけているので、時にはそれまでの前提をとっぱらって何が最適なのかを考え直す必要がある。

 これは何にもいえることで、例えば建物にしても(工法とかにもよるのかもしれないが)改築の積み重ねだけでは限界があり、ある程度、老朽化が進んだら建て直す必要が出てくる。
 パソコンの基盤のOSもそうで、旧Mac OSは2001年に、それまでの前提に縛られない、まったく異なるベースを持つMac OS Xに入れ替わったことで活力を得た。

 個人でも世界に向けての発信が可能になった今日のコンテンツビジネスでは、本来の焦点であるはずのコンテンツクリエイターを中心に、音楽業界や映像業界を再構築した方がいいのではないか。
 放送業界も、今は放送ライセンスありきで、ビジネスがつくられているが、今日の秩序の元につくれば、まずは映像コンテンツ制作者がいて、その周りを放送インフラを持つ会社や、IPTVの会社、携帯電話向け放送の会社といったものが取り囲むといった形の方が健全なビジネスが生まれる気がする。
 実際、米国の主流な企業は新会社を設立して新しい枠組みの模索を真剣に始めている。

 アップルの意見書提出は、その内容に同意するにせよ、しないにせよ、我々にこうしたことをもう1度、考える重要なきっかけを与えてくれた。
 まさに黒船来航である。

 このニュースについて、もう1つ言うべきことがあるとすれば、この事実を真っ先に発見し、伝えたのが(筆者の知る限りでは)、大手のニュースメディアではなく、「林檎と鼬とオペラとバレエ好きの日記:林檎の歌」というブログだったことで、大手の新聞社などは、まだこのニュースを取り上げていない。

 このあたりも、もうひとつ別のビッグバンの芽生えのようなものを感じさせる一面だ。


 さて、冒頭で紹介したRed Hot Chilli Peppers、米国では音楽ビデオの方もたくさん販売されているのだが、どうやら日本のApple Storeでは、こちらはまだらしい。

 日本のアップル社とアイチューンズ株式会社には、ひきつづきKeep up the good workをして欲しい!

と思ったら、Dani Californiaだけありました。今後も増えることを期待!
 iTunes Store(Japan)

6月 6, 2007 Audio Visual, copy-right or wrong!?, iPod, ニュース, 音楽 | | コメント (0) | トラックバック (13)

2006.05.22

デジタル音楽業界、これからは連携が鍵!?

デジタル音楽業界が一気に動き始めた。

今日、auは待望のウォークマン携帯電話を発表:

ソフトバンクモバイル(旧ボーダーフォン)とアップル社はiPod携帯電話を開発中と噂されているが(ソフトバンクは噂を否定)、こちらは既に製品を発売中だ。auは最近、特に音楽サービスに力を入れており、それまで携帯電話でしか曲を聴けなかった「着うたフル」のサービスから、携帯電話とWindowsパソコンのどちらでも曲が聴ける、よりオープンなサービス、「LISMO」を始めていて評判がいい。
 サービス、ソフトの順で充実を図ってきたauの音楽サービスに対し、W42Sがハードの面からサポートを行なう、といった感じだろうか。

 一方、これとはまったく離れたところで、mixiがiTunesのプレイリストを公開/共有できる「mixiミュージック」というサービスを始めた、というニュースも入ってきた。

 
mixiは、このサービスの提供で「新しい発見や、思わぬ共通点でさらに交流が深まることもあるでしょう」と語っている。
 これまで音楽系コミュニティーサイトといえば、英Last.fmや、レコミュニPLAYLOGをはじめいくつかあったが、Last.fm以外はどれもパっとしない状況だった。そこにSNS最大手のmixiが、突如、こうしたサービスに乗り出したのは興味深いところだ。

 iTunesといえば、実は先週も同様の動きを見せている。

ロサンジェルスとニューヨークのラジオ局のWebページが、iTunes Music Storeとの連携を強めた、というニュースだ。
iTunes/iPod陣営は、まずiTunesというソフトから始まり、つづいてiPodというハード、そして今やサービスの拡充に力を入れている、といった感じだろうか[*1]。

(1)ラジオで局を聴く→(2)気に入った曲を調べる→(3)そのままオンラインで購入
というのは、非常にシームレスかつ自然な流れだが、これは何も先のラジオ局が発明したものではない。

auが発売しているEZ FM対応の携帯電話では、とうの昔からできていたことだ。
interFMの番組出演時に、auの携帯電話を見ていると楽しい。
DJが状況を見て、適当な曲を選び放送する。
すると担当の女性が、今、流した曲が何かを確認し、パソコン端末にその曲名を打ち込む。
その直後、au携帯電話のEZ FMで『曲名表示」のボタンを押すと、今、まさに入力したばかりの曲名がちゃんと表示されるのだ。

最近、お気に入り携帯電話のW41CAがあまりに軽いので、iPodすら持たず、この携帯電話でFM放送を聴いていることが増えてきた。気に入った曲があると、「曲名表示」で曲名を調べる。
EZ FMには「曲名履歴」という機能があるが、これはいわば気になった曲の一覧、欲しい曲のwishリストというわけだ。
ここで適当な曲を選んで、ボタンを押すとEZ Musicというサイトにつながって、曲を「着うたフル/LISMO」の曲として購入したり、CD購入したりできる。

ただ、「携帯電話で音楽」にはちょっとしたトラウマがある。どうせ、ほんの数曲しか買っていないが、
機種変更をしたときに、古い携帯電話に置き去りになったままの曲があるのだ。
これらの曲の再生にはネットワークに接続して認証を受けつ必要があるのか、古い携帯電話で再生しようと思っても再生できない。
またメディアなどを通して、新しい携帯電話に移そうと思っても、それもできない。
iTunes/iPodと違って融通の利かないところだ。

ちなみに、ラジオから新曲購入の流れはEZ FMが生み出したものかというと、それも怪しい。

実は最近、愛用しているソニーのNetJukeにも同様の機能がある(ただし、今のところ曲名表示ができるのは東京FMだけ)。
anymusicのサービスには、anymusicならではの魅力がある。
例えば話題の新曲を連続試聴する機能がある(モダシンさんのソフトを使えばiTunesでも!?)。

anymusicには、「まるでリビングルームにCDショップがやってきた」かのようなお店を覗く楽しさがある。
iTunes Music Storeは、よくできたデーター集という体裁が強いが、anymusicはもう少し日本のCDショップ的雰囲気のつくりこみが行なわれているような気がして、そこいらへんが楽しい雰囲気をうまくつくりだしている(iTunes Music Store-USは同Japanとちょっと違って、独自セレクションなどが充実している=お店の雰囲気が少しだけある)。

世の中の目は、どうしてもiTunes/iPodばかりを見ているけれど、
気がつくと、auやソニーといった非iTunes/iPod陣営も、真っ向勝負を辞め、独自の強さを活かした、おもしろいサービスを生み出し始めている。

今、それらを使う側のコンシューマーにとって、一番の不幸は、これらのサービスが、個々の陣営に分断されていることだ。

音楽業界の本当の活性化や、ユーザーの利便性を考えれば、一番、理想的なのは、これらのサービスが相互に連携することである。
EZ FMで聴いて気に入った曲は、iTunes Music Storeやanymusicでも購入したいし、iTunes Music Storeで購入した曲はiPodだけでなく、リビングに置いたNetJukeでも聴きたい(実はAirMac Expressを使ってやっているけれど)。そしてanymusicでしか売っていない曲でも、iPodやiTunesや携帯電話で聴きたいところだ。

 これまでデジタル音楽販売の業界は、熾烈なシェア争いばかりを繰り返してきた。
 同業界の門戸を斬り開いた英雄として扱われることが多いアップルだが、同社も他社とのパートナーを断り市場を独占しようとしたことにおいては同罪かもしれない(これまでにいくつもの会社が、アップルにiTunes/iPod技術のライセンスを申し込んで断られている)。
 アップル好きの人間としては、そこに「下手に他社の案に妥協して、厳しい制約の下での音楽流通、高い価格での音楽流通に流されたくない」、という考えがあったのだろうと信じたいところだが、それを証明する証拠は何もない。

 ただ、最近になって音楽配信ビジネスのデータ交換標準化団体、DDEXが結成するなどの動きもあるので、これから少しづつでもよくなっていくものとして期待したい。

なお、筆者は楽曲の販売価格については、iTunes/iPodのやり方に全面賛成で、それ以外のサービスのやり方に反対だ。
詳しくはこちらの記事を読んで欲しい:
nobilog2: iTMSは今後も99セント

[*1] ベストセラー書、「Web2.0 BOOK」で、iTunes Music Storeが、さまざまなサービスのマッシュアップだというおもしろい見解が述べられていることは前にも話したが、これからはそのiTunes Music Store自体がマッシュアップの部材として使われるというトレンドが広がりつつあるのかもしれない(なお、iTMSマッシュアップ説については、筆者もかかわっているムック「Web2.0への道」でも読むことができる)。

BGM: Ilya Gringolts - J.S. Bach: Partitas Nos. 1 & 3 - Partita for Violin Solo No. 1 in B Minor, BWV 1002: 3a. SarabandeIlya Gringolts - J.S. Bach: Partitas Nos. 1 & 3 - Partita for Violin Solo No. 1 in B Minor, BWV 1002: 3a. Sarabande

5月 22, 2006 copy-right or wrong!?, iPod | | コメント (2) | トラックバック (2)

2005.10.25

Rights to Your Contents

久々にSNS関係の記事を書いたこともあり、昨日、仕事の合間に手を休めてSNSのことを考えていた。
最近、日々のコミュニケーションの主体を、電子メールからインスタントメッセージングやSNSのメール/日記機能に移行しつつあることは、これまでにも述べてきた通りだ。

nobilog2のエントリーの最後に「mixiから来た方は...」と書いてあるのを読んでお気づきの通り、ここに書いた記事の一部はmixiの日記にも掲載している。さらにmixiの日記には、友達だからこそあかせるような話も書いている。

でも、もしなんらかの都合でmixiが使えなくなってしまったら、それまで書き貯めてきた日記というコンテンツや、メールの記録、そしてそれに寄せられたコメントはどうなってしまうのだろう。
 実は前に一時的にメールがメンテナンスで使えなくなっていたときにも、これは感じた。
 これはmixiだけの問題ではない、他のSNSもそうだし、各社のBlogサービスだってそうだ。
 
 あなたがSNSやBlogの記事/日記容量を使い果たしたらどうなるのだろう?古い記事のバックアップは可能なのだろうか?
 アーキテクチャーがある程度オープンになっているBlogや、公開されたAPIを持っているBlogなら、例えば「ecto」などの記事エディターを使って、バックアップができる。
 しかし、完全にクローズドなアーキテクチャーのサービスでは、手作業で大事なメール/日記を1つ1つコピーして保管しておくしかない。

そんなことを考えながら、RSSを読んでいた頃、宮川さんが「bulknews.net」でこんな記事を書いていた:
Your Data is your data
サイバーエージェントが「melma!blog」のサービスを中止するそうで、やはり宮川さんも記事のバックアップのことを心配している。

サービスを中止したblogは「melma!blog」が初めてではない。サービス停止をするSNSも登場し始めている。

blogやSNSは、数年前の電子メールアドレスと同じだ。
以前はメールアドレスが変わってしまうのが、いやで同じプロバイダーを使い続ける人がいたが。
今はblogにある程度の読者がつくと、あるいはSNSである程度の友達ができると、そのサービスにしばられてしまう。

ナンバーポータビリティーと一緒で、サービス事業者にとってみれば、下手に記事のバックアップや書き出しを可能にすると、それだけ顧客を失うことにもなりかねない。だから、用意しない、という魂胆は見えなくもない。

でも、ユーザーのことを考えたら、プラットフォーム非依存なバックアップ手段とかは用意して欲しいと思わずにはいられない。

  CGM(Consumer Generated Media)という言葉が注目されている。大手のメディアがつくりだすコンテンツと同じか、それ以上に、実は自分の友達や、見ず知らずのコンシューマーがつくった情報の方がおもしろいということがわかってきた。
 SNSやBlogもこうしたCGMのおもしろさの上に立脚したサービス。CGMのおもしろさを売りにして、トラフィックを得ているサービスだ。ならば、そうしたコンテンツを提供している著作者の便宜ももう少しはかってくれていいと思う。

もっとも、単にバックアップの手段を用意すればいいのかというと、そうでもないような気がする。
Flickrはいいサービスだし、よくできていると思うが、もし、なんらかの理由で突然、サービスを停止するようなことがあっても、もはや私はFlickrにアップロードしたすべてのデーターをあわててバックアップすることはできないだろう。数があまりに多く、1枚1枚の容量も大きいので、今のFlickrのスピードでも苛立つことが多い。もし、サービスをやめるようなことがあって、皆が一斉にバックアップを開始しようとしたら、とてもちゃんとバックアップすることは無理だろう(もしかしたら、Flickrにアップロードしたデーター容量が650MBを超える度にCD-Rに焼いて送ってきてくれるサービスがあったらいいかも)。

もっとも、コンシューマーが自分のコンテンツをバックアップする権利があるか、ないかなんて実は小さな問題なのかもしれない。

 マイミクシーの日記では、ある団体がコンシューマーが自分でつくった音楽コンテンツを発信することに対してまで横槍を入れてきているという記事があった。自分のコンテンツをなくす前に取り戻す権利も重要だけれど、それ以上に、そもそも自由に発信させてもらう自由の方こそが先に取り組むべき問題なのかも...

10月 25, 2005 copy-right or wrong!? | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.11

決めるのはアーティスト、本人であるべき

昨日のブログディナーで、エントリーが1つも表示されない真っ白なnobilog2を見て、あわててエントリーしているわけではないけれど...

これまで密かに期待してきた動きがついに現実のものとなった。
これまでiTunes Music Storeに楽曲を提供するか否かはレーベル会社の「政治」で決まっていた。
しかし、そうした「政治力」から離れ、自らの音楽プロモーションや販売の自由を目指して立ち上がるアーティストが出てきたようだ。

APが伝え、ITmediaが記事にしている:
レコード会社を離れ、iTunesに向かう日本のアーティスト
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0508/11/news022.html

iTMSについては18日発売の月刊アスキーやMACPOWER(使い方だけ)、dice-k(http://dice-k.com/archives/2005/08/report.html)でも記事を書いた。

これからは自分の音楽をどうプロモートしたいか、どこで売りたいかといった、いくらで売りたいかといったことはアーティスト自身が考え、決断する時代になったと思う。

最近、音楽業界も商業化が進み、レーベルが会社でアーティストは商品、という図式が定着してしまったが、理想を言えば、アーティストはアーティストで、レーベルはそのパトロンというのが理想ではないだろうか。

8月 11, 2005 copy-right or wrong!? | | コメント (4) | トラックバック (2)

2005.01.18

iPodに著作権補償制度!?

仕事が遅れていてじっくりエントリーしている暇がありませんが...

Yahoo!ニュース
- 政治 - 共同通信:デジタル携帯機器も対象へ 著作権補償制度で文化庁

だそうです。
iTunes Music Storeについてもそうですが、ここいらへんについてもこれからちゃんとした議論が必要そうですね。

できれば権利団体やレーベル会社だけでなく、実際に曲をつくっているアーチストや、実際にお金を払って曲を買っているユーザーの意見もしっかり反映して欲しいところ。

1月 18, 2005 copy-right or wrong!? | | コメント (6) | トラックバック (1)

2004.07.12

iTunes Music Store1億曲

1oku.jpg

iTunes Music Storeがついに1億曲を発売しました。

自分の曲は他の曲とセットで高いプラスチックケースにお金を払う人しか聞く権利がないという人もいるかも知れませんが、自分の曲を1人でも多くの人に手軽に楽しんで欲しいと思うアーティスト、人に聞いてもらうことによって初めて魂を得るという人も大勢いると思います。

Windowsを使うことを強制されないでも、外出しないでも、欲しい曲を欲しいタイミングで気軽に買いたい、という消費者も大勢いるはずです。

iTunes Music Storeは、このどちらにとってもベストなソリューションだと思います。

そしてアーティストと消費者の間に立っている大勢の人達も、このiTunes Music Storeを基盤に新しいビジネス、より勢いのあるビジネスができると信じています。想像力と実現性は必要だし、最初は大変かも知れません。アップルの側がもう少しオープンかつ柔軟になる必要もあるでしょう。

しかし、この21世紀に、ものすごく便利な技術、サービスが、それを拒もうとする一部の人達の圧力で実現しないのだとすれば、それは残念でなりません。

P.S.
ちょっと話題がずれますが、今日からWindows PMCの発売も始まったようです。

7月 12, 2004 Mac, copy-right or wrong!?, 音楽 | | コメント (6) | トラックバック (1)

2004.05.25

AmazonはCD輸入販売を継続


仕事に戻る前に軽くブログ巡回。久々にGoing My Wayさんを覗いて見つけたのがこの記事:
Going My Way: Avril Lavigne 「Under My Skin」

CD輸入規制法案に関しては、実はあまりちゃんと追っていなかった。

記者説明会があった時も運悪く別の取材が入ってしまったりで、なかなか縁がなかった。

それなので、Amazon.co.jpが、輸入CDの規制に反対しており、今後も販売を継続していく意向表明をしている、というのは初耳だった。
 この姿勢は応援したいし、欲しいCDを扱ってくれてさえいれば(輸入版に限らず)amazon.co.jpで買おうかという気になりました(でも、マイナーなCDだと扱っていないことも多い...)

最近、CDはオンラインショップで買うか、NADiffなどのアートショップで買うか、はたまた年に数回の海外出張中に買うかだ(たいていはHear MusicかVirgin Megastoreで購入)。

 でも、私が聞くようなMPB(ブラジル音楽)を含むワールドミュージック系やマイナーなCDって、よく考えてみたら国内版がなくて輸入版が規制されると日本ではまったく買えなくなる。これって実は切実な問題だったんだとあらためて気がついた。

しかし、輸入CD規制法って、著作者の権利を保護する著作権ではなく、仲介者の権利を著作者の権利よりも優先させる仲介権法に思えてくる。

5月 25, 2004 copy-right or wrong!?, 音楽 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2004.05.19

レーベルゲート社長、「iTunesに惑わされず〜自らしっかり盛り上げる」

忙しくてしっかりエントリーを書いている余裕がないが、AV WATCHに必読記事:
エニーミュージック、サービス開始に向けラウンチパーティを開催
−“AppleはiPodを売りたいだけ”とレーベルゲート山口社長

AppleはiPodを売りたいだけというのは、逆を返せばそこでしか利益を得ないことによって1曲あたりの価格を99セントに抑えるビジネスモデルの開発だったとも思う。


個人的にはいろいろな売り方、売られ方のチョイスがあるのはいいことだと思うけれど、それを最終的に選ぶのはエンドユーザーであるべきではなかろうか。

 日本にはレンタルCDがあって、米国にはない、など確かに現状では背景的な違いがある。でも、それはサービスへの第一印象には影響を与えても、サービスが本質的に便利かどうかということには関係ない気がする。

 実際、どうしても欲しい曲が1曲あった際の利便性についてiTunes Music StoreとレンタルCDサービスを比較してみよう。

 iTunesなら目的の曲を検索して見つけ出すのに数秒、でも視聴はたっぷり30秒。気に入ったらその場で99セント、そして数秒後には「購入した音楽」というところに購入した曲が表示され、自由に聴くことができる。

 これに比べて、レンタルCDでは、わざわざレンタル屋に出向いて、広い棚から目的のCDを探し出す。もし、誰かがそのCDを借りてしまっていれば、「今回は運が悪かった」という話になる。試聴ができるところもあるが、「この曲だけ」貸し出しはしてくれない。レンタル料は1週間で数百円(かな?)。そして借りたからには、1週間後には返さなければと心配事が増える。

 もちろん、エニーミュージックなら、レンタルCDよりははるかに便利なサービスが実現できるのだろうけれど、iPodはもちろん、Mac/Windowsで音楽を楽しむ際にも十分な利便性が発揮されるのかは、これから実際に製品が出てきてから評価されること。それに例えエニーミュージックが便利でも、だからといってiTunes Music Storeが不便になるわけではなく、やはり、これはこれで便利なサービスであることには変わりはなく、多くの人がこのサービスの日本での実現を望んでいることにもなんら変わりはない。

 記事の中で、「著作権は重要で」といったくだりがあり、その後にiTunesの話があるのでいかにもiTunesの著作権管理が悪いような印象を与えるが、実際にはそんなことはない。

 犯罪に使われる恐れがあるから野球のバットを売らないか、世の人を信じて野球が好きな人のためにスポーツショップで誰でも自由に買えるようにするかに似た問題に思える。

そんなことを考えながら記事を読み返すと、「AppleはiPodだけ」の「だけ」には、アップルは自分が儲かることだけ考えて、他の会社に儲ける隙を与えてくれない、という声に聞こえてくる。確かに(アップルは)そういう印象がある。でも、それならアップルと組むなり、もっと便利なサービスを生み出すことで対抗すればいい。エニーミュージックがそうなることを期待はしているし、もし、本当にそうなら親とかにはそれを勧めるかもしれないが、既に自分の部屋で音楽を聴くならiMac、リビングには今あるオーディオセット(iPodの接続可能)があり、次に環境整備をする時までは検討の余地がなさそうだ。
 万が一、今使っているオーディオセットが壊れたとしても、購入した曲をPowerBookに移して海外出張中も聴けるのなら、エニーミュージックもありだけれど、リビングでしか聴けないとしたら(あるいは面倒な再生権移動プロセスなどを踏まなければならないとしたら)、やはり、購入を検討することはないだろう。

5月 19, 2004 copy-right or wrong!?, opinion, 音楽 | | コメント (12) | トラックバック (1)

2004.04.28

重DRM vs 軽DRM

PC WATCHの後藤貴子の米国ハイテク事情:“北風より太陽”によって米国でデジタルコンテンツとPCが栄える?で筆者の後藤さんがDRMを重DRM、軽DRMにわけて日本とアメリカでデジタルコンテンツ市場が明暗が分かれると書いています。

 これについては私もまったく同意見。これまでも月刊アスキーやMACPOWER、MacPeopleそしてnobilog1/2でこのことを訴えてきましたし、これからももっといろいろ取材し、書いていこうと思っています。

日本は今、ちょうど悪い方に1歩足を踏み出したところ。

私もハイビジョン放送+プロジェクター+ステレオサラウンド+RecPot Mを満喫して入るけれど、アナログビデオ時代に比べて明らかに制限が増えたことについては強い不満を感じています。

今ならまだ方向修正もできると思うので、「iTunesにはやられた」というソニーには、ぜひ今後、音楽だけでなく映像コンテンツの方でも軽DRMのリーダーになって欲しいと思います。

逆にマスコミは、NTTが「インターネットは(ADSLではなくって)ISDN」と言っていた時代のように、この問題についてもっとちゃんと取り上げていった方がいいと思います。まだ、ものが普及していないし、伝えにくいコンセプトなので難しいのはわかるけれど... それを言ったらADSL戦争の時も条件は同じだったし。

4月 28, 2004 copy-right or wrong!? | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.04.20

ソニー社長、「iTunesにはやられた」

この間、drikin.comに聞いて気になっていたASAHIパソコンを昨晩購入した。
目当ては「ソニー復活に秘められたシナリオ」という特集でなかなかよくできた特集だった。

これまで私自身、雑誌や(アスキー系、アスペクト系)ムックなどで、ソニーはWalkmanをつくったまではよかったが、デジタル時代になってからは完全に乗り遅れた。著作権保護にばかり配慮して、ユーザーに配慮しなかった、と批判してきた。書きながら心配だったのは、ソニーがそのことを理解していて改善できるのか、ということだった。

この記事を読んで少し、安心すると共に、ちょっと今後の展開への期待が膨らんだ。

冒頭のインタビューの中で、安藤国威社長は、ジョブズが自らの信念を実証したとして、その行動力に賛辞を贈る一方で、「iTunesには『やられた』だが、(ソニーはまだ)『追いつける』」と語っている。

それに続くページでも、野副上席常務という人が、ソニーの失敗をおもしろい比喩で表現している。

ソニーはナップスターが制限速度50キロの道路を120キロでぶっとばすのを横目で見ながら制限速度の50キロで走っていた、というもの。iTunesは制限速度を超えていたが、まわりも皆その速度で走っていたから問題がなかった、としている。

この比喩には同意し難い。あえて同じ比喩を使わせてもらうなら、ソニーは最低速度50Kmの高速道路を、環境に配慮しすぎるあまり自転車で走っていた。一方、アップルはエコ自動車に乗って制限速度を守っていた、というのが私の認識だ。
 野副の比喩は巧みに、アップルとかつてのナプスターなどの違法行為をイメージ的に結びつけようとしているが、アップルは違法コピーを奨励するどころか、これにはちゃんと正面から反対している。

 ただし、ユーザーを最初から悪者と決めつけて疑ってかかるのではなく信頼する道を選んだ(別の言い方をすれば、悪意のあるユーザーにあわせて、善良なユーザーまで不便を強いられるのを避けた、とも言える)。
 つまり、ハッカーとの下手ないたちごっこをするのではなく、悪意のない人が誤ってコピーしてしまうような事故を防ぐ機能はしっかり用意したが、(犯罪者になる「自己責任」と覚悟で)あきらかな悪意を持って違法コピーすることまではあえて防がなかった。

 今はそうでなくても、コンテンツの著作権だけに必要以上に配慮する傾向が強まり、これとデジタル技術が強力なタッグを組んで、世の中がどんどん不便になろうとしている。

 このままユーザーを信頼しないモデルが当たり前になったら...図書館はなくなり、本屋さんからも立ち読みできる本がなくなり、録画したテレビ番組は自宅のテレビでしか再生できなくなり...

関係ないが同雑誌の携帯音楽プレーヤー、TOP 5のうち
1、2、4位をiPodが占めていた。iPodが5モデル以上あったらどうなっていたのだろう?

4月 20, 2004 copy-right or wrong!? | | コメント (7) | トラックバック (7)