2008.04.05

YouTubeにRolling Stonesが登場[YouTube Living Legends第1弾]

YouTubeにRolling Stonesが登場した!


Livinglegend

Living Legends


これは世界的なミュージシャンやスポーツ選手など、「レジェンド(伝説)」と呼べるような「超」がつくクラスの著名人にチャンネルを提供し、コンテンツを集約、公開するだけでなく、一般ユーザーとの動画によるインタラクションを促そうとする試みで、このRolling Stonesは、まだ第1弾に過ぎず、今後も毎月のように新しいチャンネルが追加されていくようだ。
 第1弾のRolling Stonesでは、ライブ映像、舞台裏のクリップ、メッセージ動画のほかにも貴重
なバスルームでの撮影シーンなど、YouTubeに独占的に公開される映像なども順次、公開予定とのことだが、先にも書いた「対話」の部分を重視すべく、ユーザーからの動画による質問のアップロードを受け付ける。ミック・ジャガーとキース・リチャーズは、そうして受け付けた動画からいくつかを選んで、質問に応える動画を掲載する予定だと言う。
 つまり、本物のマスコミでもなかなかできないミックとキースのインタビューをするチャンスが、誰にでも公平にやってくる、というわけだ。
 でも、「言葉の壁」があるよね?と思ったのだが、なんと今回、日本語で質問された動画についても「YouTubeスタッフが英訳をサポートしてミックとキースにお届けします。」とのこと!
 むしろ、日本語で質問するとYouTubeの英訳サービスの実例としてピックアップされる可能性も高いかも?(想像なので保証はしません。とりあえず、どんどん質問動画をアップしてみましょう! ;-) )

 この新しいチャンネルの詳細は、こちらのYouTube公式ブログに書かれています:

Introducing Living Legends

このサービス、すごい!

「iTunes Storeの動画販売サービス(の無料版)」とも言えるし、たまにしかあがらない「iTunes Exclusiveコンテンツ(の動画版)」とも言えるし、「超がつくリジェンドのビデオPodcast(のYouTube版)」とも言えるかもしれません。


 この「超」がつくすごい新サービスについて、思うことをいくつか...

1.ミッションステートメントの解釈の変更?

Googleといえば、いろいろな事業をしているけれど、それらはすべて1つのミッションステートメントでくくられている:
世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする 」というもの。

 ただし、その解釈は過去に何度か変わってきている。

 もともとはGoogleは、既にインターネット上にある情報を整理し、検索によってアクセスできるようにする、というだけのものだったけれど、その後は電子メールによる会話や、ハードディスク上の情報、紙として印刷された書籍などもどんどん扱えるようにしていった。
 そしてPicasaやYouTubeなど、これまでバラバラのサイトに、バラバラな形式でアップロードされていた動画も、体系立てて整理し、アクセスしやすくした。

 でも、一方で自前のコンテンツを持つYahoo!と、自前のコンテンツは持たないGoogleという区別があったのだが、今回の試みはYouTube独自のコンテンツだと思う人も多いかもしれない。

 しかし、おそらくそれは違って、Googleは、そんなつもりはなくって、これは、これまで「需要があったにも関わらず、実現していなかったコミュニケーション」を可能にし、可視化+検索可能にした、というつもりなのだろう。

 「伝説」として、あまりにもユーザー達から遠く切り離されてしまったスター達にも、自分のファンと直接触れ合う場所は欲しいと思うし、ファンだってこれまで夢の中でしか会話できなかったスターと動画経由とはいえ半直接対話ができるならうれしいはずだ。
 この「対話」が実現すれば、そのスターを取り囲むコミュニティーの文化とか、オーラとかそういったものが、時代を超えて残すことができるかもしれない。


(これも....対話!?)


2.存在アーカイビング

 今は亡き、昔のアーティスト達の作品。プロモーションビデオでみると、その人の作品はわかるけれど、ライブの映像を見ると、その人のファンのコミュニティーというのがどんなもので、どんな熱狂ぶりだったかがよくわかる(例えばDeep Purpleの『Deep Purple & Royal Philharmonic Orchestra』のビデオなんかをみると、前の方で黒人のファンが完全に陶酔しきって踊っている姿なんかが見えて、それがまたそれで当時の「Deep Purple」っていうのが、どんなバンドか見えておもしろい)。
 
 スターの側から一方的に発信する情報だけでも、ある程度、その人となりはわかるが、周りのコミュニティーの文化がわかることで、より「輪郭」がハッキリするように思うのは私だけではないだろう。

 この話と、1つ前の記事で書いた「手技」や「思考のプロセス」の記録って、決して無関係ではなく、おそらくこれらの話に、最近、流行の「ライフログ」も絡めて、人間の「存在アーカイビング」が少しずつ可能になってくるのかもしれない。

 それにしても、YouTubeのリジェンドシリーズ、次はどんなリジェンドが登場するのか楽しみでならない!

3.ユビキタス・リジェンド

 そうそう、今回の発表で、もう1つ忘れてはならないのが、実はこのキラーコンテンツともいえる凄いコンテンツが、ドコモの携帯を使って、あるいはさらに高画質を臨むならiPhoneやiPod touch(+WMWifiRouter)を使って、いつでもどこでも楽しめるというのだからすごい時代だ。
 電車の中で、「リジェンド」の「今日のコンテンツ」なんていうのが当たり前になるのかもしれない(リビングでApple TVを使ってハイビジョンで、リジェンドの挨拶っていうのも悪くないけれど...)

4.Google(and Apple) will get you in the end!

YouTubeといえば、最近、の著作権管理団体「ジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)」との提携を発表したけれど、これも重要な発表だ。

ミスチルの曲を歌ってもOK--YouTube、国内の音楽著作権管理団体「JRC」と契約
YouTubeとJRCが音楽著作権の包括利用許諾契約を締結
YouTubeに初の音楽著作権包括許諾・JRC スピッツやラルクもOK

このJRCのように「文化」が広まっていく(より多くの人にという意味+より多彩な方法での意味)勢いを重視する著作権管理団体がいる一方で、文化の広まりを今いる場所に引き戻しつづけることをよしとする著作権団体もいる。

私みたいな前者のファンは、Google/YouTubeのこういう発表を聞くと「いいぞ!」と思ってしまう。
後述の新刊の中で「アップルとグーグル」は結局、どんなに大変でも本質的な解決方法を実践する、といったことを書いたけれど、これなんかもまさにその例だと思う。

 多くのコンテンツサービスは「ことなかれ主義」的に、後者の著作権団体を納得させる方向ばかりに気を使ってしまうわけだけれど、Google/YouTubeみたいな大きくて力もあるところが、「道は、考え方はそれだけではない」ということを率先して示してくれるのは、非常に勇気づけられることだと思う。「環境へのとりくみ」ばかりではなく、こういうのだって重要なCSR(Corporate Social Responsibility)だし、Noblesse Obligeなんじゃないだろうか...

なお、今回の発表内容は、新刊「アップルとグーグル」では、さすがにとりあげることができなかったが、この当たりは10日のイベントでフォローアップしましょうね>小川さん

10日のイベントの情報はこちらから:
Web Business Shuffle2.0
Nobuyuki Hayashi:ITジャーナリスト
HIRO ogawa : MODIPHI, Inc.
開催日時 :2008年4月10日(木)
開演時間 :18時30分
受付開始時間: 18:00
終了時間 :20時30分
場所 :アップルストア銀座
料金 :無料
定員 :80名


アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者
アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者小川 浩 林 信行


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(P.S.なんで、自分の本にアフィリエイト?と思った、チェックの厳しいnobilog2読者はこちらの下の方を参照:Google謹製の紙飛行機(期間限定!?)

4月 5, 2008 Audio Visual, Google, copy-right or wrong!?, iPhone, iPod, innovation, opinion, パソコン・インターネット, 文化・芸術 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.02

Google謹製の紙飛行機(期間限定!?)

書きたいネタは溜まりに溜まっているのですが、またしても忙しいループで、
ブログを更新できずにいます。

ブログ更新のリズムを取り戻すために、まずは軽いネタから。
日本の4月1日には、エイプリルフールで、nobi-taro castで「エイプリルフール」ネタを披露させてもらったところ、日本最強のWebウォッチャー、otsune氏にも捕捉していただけたようです。
016: アップル春の新製品!MacBook Air Doc?

さて、日本のエイプリルフールがほぼ終わると同時に太平洋の向こう側アメリカでも、そこかしこで「ウィット」と「クリエイティビティー」が試されるエイプリルフールネタがあがっているようです。

そうしたジョークを読み歩いていたわけではないのですが、仕事でGoogle Docsを使っていて、滅多に使わない「File」メニューをたまたまプルダウンしてみたら、こんな項目が....

Kamihikouki_menu

そして実行してみると、
なんとこんな画面が...

Kamihikouki

Copy_of_airplane

どうやら紙飛行機を折るためのテンプレートを印刷してくれるようです。
もしかしたら、アメリカ時間でエイプリルフール中だけ利用できる期間限定の機能かも知れません。
気がついた方は、ぜひお試しを!(そしてPDFなどで取っておきましょう)
これって企業ユーザーのメニューにも現れるのかなぁ?

と、1つの話題を書いて、そこから
「そうそう」といって別の話に展開するのがnobilog2のパターンですが、今回も関連した話が2つ。

1つは、「そうそう、エイプリルフールといえば...」
そうそう、エイプリルフールといえば...
昔は(株)アスキーが年刊Ah Ski!(ア・スキ)という丸ごと1冊エイプリルフールジョークの雑誌を出していて、これが大好きでした。独立した雑誌で売られる前は月刊アスキーの最後の方のページに上下逆さまになった表紙があって、ここにEarth Trekというゲームやら、表参道アドベンチャーというゲームのプログラムリストが印刷されていた。
 特に感動したのがEarth Trekというソフトのプログラムリスト。おそらくジョークのためにさけるページ数が限られていたけれど、そこにEarth Trekという歴史に残る名プログラムが来てしまい、どうしてもプログラムリストが収まりきらない、そこで何をしたかというと、(今の時代風にいうと)行番号付きのソースコードで1行あたりの文字数が一番長い行と短い行を上下逆さまにして同じ行に印刷、つまり行の並びの順番が行の長さの順になっているという、ものすごく画期的なプログラミリストの掲載方法をしたのだ。
 万が一、どこかでエラーが起きたときどうしたらいいかというと、エラーが発生した行の文字数を数えて、それを頼りにプログラムリストの該当箇所を調べる、というしくみ。

 大好きだった年刊Ah!Ski(ア・スキ)が発行されなくなってしばらくたちますが、この年刊Ah! Skiの創刊数十周年目に当たる4月1日の前日、日本のIT業界を代表するベンチャー企業が、この世から消えました。
 そう、私をパソコンの道へと導いた(株)アスキーが、アスキー・メディアワークスという新会社になったのです。それにあわせて社員の方のメールアドレスも一斉に変わったようです。

 アメリカのパソコンメーカーがガレージで起業した直後、日本の学生ベンチャーは青山のマンションで起業し、日本中のマイコン少年にコンピューターの世界の夢を伝えていた。
 そんな文化をつくってきた会社のブランドをなくしてしまう、というのは残念でなりません(以前、同社の経営が変わり、アスキーライブラリーというコンピューター関連書籍を集めた図書館をなくしてしまった時も、もったいなく残念でなりませんでした)。
  今ではアスキーに限らず、毎日コミュニケーションズや日経BP、Computer World、インプレスR&D、ITmedia、CNet Japan、家電WATCHなど幅広い出版社とつきあっている私ですが、そもそもITジャーナリストとして活躍するようになったのも、アスキーの月刊アスキーや創刊してまもない頃のMACPOWERがきっかけでした。
 そう考えると、アスキーという会社がなくなるというのは、それはそれで残念でなりません。
 ぜひ、新会社には、これまでの30年を超える、日本のIT業界を変え、新しい30年の文化を築く企業としての高い志を持って頑張って欲しいところです。

 「そうそう」の第2弾、「そうそう、冒頭の紙飛行機話で出てきたGoogleといえば」。
 今月、久々の共著本を出します。

 「Web 2.0 Book」などのベストセラーを持つ、Modiphi社CEO、小川浩さんとの共著でタイトルは:
 「アップルとグーグル」。

 本の発売に先駆けて、Apple Storeにてイベントも行います。

 詳細はぜひ、小川さんのこちらのブログから:
WBS2.0 Vol.28 feat. Nobi Hayashi - 『アップルとグーグル』出版記念


「アップルとグーグル」の関係といえば、最近の私の携帯電話関連のセミナーでの講演でも一番重要なテーマの1つですが、今、このブログを書くために改めて検索をかけてみると、ここ数年で本当に両社の関係が大きな話題になっていますよね:

アップルとグーグル


「アップルとグーグル」、AmazonでのURLはこちら(今回は、これまでの方針を変えて、アフィリエイトをいれています。細かいことですが、興味がある人は※以下を参照。意見求めています)。

アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者
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Ah Skiの一部は、こちらに再収録されているようです:

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アスキー書籍編集部

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※どうでもいい、Amazonアフィリエイトに対する私の考えの些末な変遷:
これを読んでくれている人がどれくらいいるんでしょうね(笑)。
アメリカの著者は、本の売り上げによる印税以上に、自分の本を自分のブログで紹介して、そのアフィリエイトによる収入の方が大きい、という話を聞きました。
その話を聞いたときは、ちょっとだけ「しまった!」と思ったけれど(笑)、私はこれまでnobilog2では基本的に自分の本にはアフィリエイトを入れないようにしてきました。
自分のアフィリエイト経由で買うよりは、私の本の感想を書いてくれた人のブログ経由で買ってもらった方が、個人的にもうれしいし、なんだか本で印税をもらって、その上、アフィリエイトでも儲けるというのは「自分の性に合わない」と感じていたからです。これは例えば、外出から帰ってきたときに、どれくらい丁寧に手を洗えば気持ちが収まるのかとか、回しのみをするのは気持ち悪いとか、飛行機でおてふきをもらうと誰が触ったかわからないリモコンとかをおてふきでふいてしまう、というのと同じで人によって違う「気持ち悪さ」の感覚の違いみたいなものだと思います。
 なので、人が自分の本でアフィリエイトをもらっていても、ぜんぜんどうとも思いません(Joi Itoさんがよく話しをするのですが、著作権やCreative Commonsとかを、どう使うのがいいかも、最終的には、「何を気持ち悪いと感じるか」が最終的なよりどころになるという話をしていますが、これもそうだと思います。外村仁さんがよく講演で大事にしろ、といっている「直感」とも関係あるかもしれません)。
 で、その自分の「気持ち悪さかげん」で自分の本にはアフィリエイトをいれていなかったのだけれど、「出版社の公式ページとかにリンクを貼っていたけれど、結局、ブログ読者に検索とかをさせたり2度手間をとらせていただけではないか」と感じ始めていました。
 しかし、それよりも深刻だったのは、せっかく、アフィリエイトをいれずに紹介したのに、それでも自分のアフィリエイトの売り上げを見ると、その中に必ず毎月数冊自分の本が入っているのです。
 そう、Amazonって、リンクを貼った本だけでなくって、そこからAmazonに行って買った本すべての売り上げが収入として入るんですよね。
 そう考えたら、無理に遠回りをさせないで、どんどん自分の本でもアフィリエイトを入れていって、その代わり集計ページでキチっと調べて、自分の本によるアフィリエイトの収入は、どこかのNPOとかに寄付した方がいいのかも、と思うようになってきたのです(数百円とか、せいぜい数千円のレベルです。あまり期待しないでくださいー笑)。というわけで、今回は共著ということも、Googleで探しにくいということもあり、自分アフィリエイトを入れてみました!

4月 2, 2008 Google | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.11.06

Android/Open Handset Alliance:ベールを脱いだGoogle Phoneの正体

Gphone_2

これまで「Google Phone」、「gPhone」と噂されていた技術がついに発表された。
大方の予想通り特定の製品ではなく、世界のすべての携帯電話のためのオープンなプラットフォームだった。

Android
Open Handset Alliance

 残念ながら初期のメンバーに、日本の携帯電話メーカーは入っていないが、NTT DoCoMoとauの2社は参加しており、日本でもOHAの標準に準じた端末が登場することは十分期待できそうだ(ソフトバンクモバイルは、まずはiPhoneを獲得して、しばらくOHAについては様子見、ということだろうか)。
 ただ、オープンというからには、ぜひ、日本のメーカーにも直接、参加してもらって、キャリア経由ではなく、自らの足で立って真のイノベーションを目指して欲しいところだ。

 私としては、iPhoneの登場と、Android/OHAの登場で、世界の携帯電話が一気にスマートフォン時代に突入するのではないかと予想しているのだが、どうだろう。
 ちなみにここでいうスマートフォントは、フルキーボード内蔵端末といったカタチの上でのスマートフォンではなく、これまでの通話専用端末から徐々に進化してきた携帯電話ではなく、パソコン世界の文化を背景に携帯通信機能を融合した製品のことだ。

 日本市場でAndroid/OHAが受け入れられるということは、世界市場で成功している海外の携帯が、今後、ますます勢い良く日本市場に傾れ込んでくる可能性もある。
 2008年にはWiMAXなどの動きもあるし、来年は携帯電話業界激動の1年になりそうだ。

 Android/OHAについては追って、どこかの媒体に詳報を書くつもりでいる。

 なお、日本の携帯電話メーカーに、この激動の時代の生き抜いて欲しいという思いで、ITproにて「iPhoneの衝撃」という連載を書いてきた。興味のある人はぜひとも目を通してみて欲しい。
 (世界中が注目するiPhoneの凄さを例にして、日本のメーカーにそこから何か学べるものがないかというつもりで書き綴った連載だが、コメントを読むと、心配していた通り「それはアップルだからできること」といった具合に最初からあきらめムードの意見も目立つのが少々残念)。

 連載を書いた身としては、このAndroid/OHAとiPhoneが、どのような関係を築いていくのかも気になる関係だ(Safariと、Googleも開発に関わっているFirefoxのような関係?)。

 軽く近況報告をすると、現在、遅れに遅れている書籍の原稿の最後の追い込みで、とにかく、前もって予定が入っていた取材(と急遽、入ったAndroidの取材)以外は何もできない状態。

 ただ、最近のGoogleの動きは面白い。

 オープンSNSの開発は今年から来年にかけて、もっとも重要なトレンドの1つになるだろうと思って、このような記事を書いてきた:


  1. 米国で盛り上がる“OpenID”
  2. SNS化するブログ
  3. SNSに変革をもたらす“ソーシャルグラフ”
  4. 技術者なら今すぐ参加すべし──SNSの最先端「Facebook」

 しかし、まさかそのオープンSNSの実現でGoogleが一肌脱ぎ、想像以上の連携が可能になりそうなのには本当に驚かされている。

 Googleは、一気にこれから重要になる基盤技術に狙いを定めて、そこを奪いに来たようだ。
 実際、そうすることは、彼らの絶対のミッションである:
「世界中の情報を体系化し、アクセス可能で有益なものにすることです」
 の観点から見ても非常に理に適っているし、さすがだと思う。

 ただ、今回の一連の動きで、Googleは、また1つ新しいフェーズに入り会社としての性格も変わってしまった印象があるなぁ。
 もっとも「Open Social」にしても「Open Handset Alliance」にしても、どちらもあえて「Open」と唱っているのだし、うまく他のパートナーと連携して、全員にとって使い心地がいい新しいインターネット世界を築いてくれればうれしいけれど...

11月 6, 2007 Google | | コメント (1) | トラックバック (6)

2007.09.19

携帯AdSense登場で気になる携帯対応ブログ

今日のGoogleには驚かされた。矢継ぎ早に3つも新サービスを発表したのだ。
たしかにこれまでもGoogleは、同じ日にポロポロと、いろいろなサービスを同時発表することが度々、あったけれど、今回はどの発表も個人的にヒット。

まず1つめの発表は、携帯電話向けのAdSenseサービスだ。
この発表については、ascii.jpの記事に個人的分析と共にまとめたので、よければそちらを参照して欲しい(ただし、2P目の見出しは私が付けたものではない..のに、変更不可だそうだ):
ケータイの収入モデル変える? モバイル向け「Google AdSense」が日本上陸

Afc_gree2

このニュースを書き上げた直後、次の発表が届いた。
「Googleドキュメント」にプレゼンテーション機能追加の発表。


  • インターネットの接続があれば、いつでも、どこからでもプレゼンテーションの作成、保存、アクセスができます
  • 簡単に遅れるメールの招待状により、同僚や友達など、他のユーザーとの共有や管理を簡単に行えます
  • オンラインで共有者と同時に別の場所からひとつのプレゼンテーションを編集することもできますし、別々に行うこともできます
  • 特別な設定を必要とせずに、インターネット上の全てのユーザーに向けてプレゼンテーションを公開することができます
  • パソコン上にある既存のプレゼンテーションをアップロードすることもできます
  • 特定のユーザーだけに公開することも、不特定多数のユーザーに公開することも、誰とも共有しないことも可能です


といったもので、PowerPointのプレゼンテーションを読み込ませることもできる。

Presen


ここで大慌てしていたら、さらに追い討ちをかけるようにGoogleカレンダーの携帯電話対応が発表された!

この3番目、Googleカレンダーの携帯電話対応は、モバイル系の発表会があるたびに、Googleの人にリクエストしていたので個人的に非常にうれしい。

最近、すっかり外出先でのスケジュール管理がiPhoneに移行しつつあったが、iPhoneはバッテリーの持ちの良さ(国内ではSIMカードを入れておくとバッテリーの減りが早いが、抜くと長持ちする)に甘えて、ついついMacとつながず充電も同期もしていないことが多く「肝心のスケジュールが入っていなかった!」ということが多い。
 その度に無線LANホットスポットを探しに行くのは大変だが、今日からは愛用のW41CAを使って(まだW51CAにするか、W52CAにするかで悩んでいて機種変更をしていない)予定が確認できる。

Gcmjpg


 おまけに予定の入力方法は、ちょっとNewtonっぽい(Newtonはアップル社が'94年頃に発表した元祖PDA)。

 「Dinner with Michael 7pm tomorrow」といった具合に入力すると、勝手に予定が入力される。
(もっともNewtonはDinnerと書いただけで、とりあえず夜の7時くらいに予定を入れておくことが、また夜8時以降なら自動的に翌日の夜7時に予定を入れる機能もあったけれど。こんなのは簡単に実現できるはずだ)。

 唯一、不満点を言えば、複数のカレンダーのうち、どのカレンダーに予定を入れるかを指定できないことだ(Settingにあるかと思ったのだが、ないようだ)。
 現在の設定では入力した予定はパブリックなカレンダーに入力されてしまうようになっているので、NDAが絡む予定や特定個人・企業が絡む予定が入れづらい。

さて、この3つの発表に絡めていくつか書きたいことがあるので、やや停滞中のWeb新連載の気分転換として「続きを読む」以下にまとめさせてもらおう。

ちなみにWeb新連載というのは、こちらだ:
ITpro:iPhoneの衝撃

(続きを読む)


  • 携帯電話AdSense

    今日の1番目の発表、携帯電話向けAdSenseって実は重要な発表だと思う。
    外食の記録や、ショップ、映画、美術展などの感想をブログに書き込んでいる人がいるが、実はそういう情報って携帯から参照できてこそ価値がある。
     携帯電話のGoogle検索を使って、そうした情報を見つけたとしよう。
     ほとんどのブログは、携帯電話からの閲覧に対応していないので、Googleの携帯電話向け変換サービスを使って、文字情報が再フォーマット表示される。
     つまり、せっかく挿入したAdSenseの広告なども表示されず、せっかく携帯電話利用者に便利な情報を提供していても、それを広告に結びつけることができないのだ。
     ascii.jpの記事にも書いたが、このことについて質問してみたところ、「そう思っている人には、ぜひ携帯版のAdSenseを使って、携帯電話用サイトも用意して欲しいと言われた。
     ここでハタと気がついた。
     今後、携帯電話利用者に有益な情報をたくさん書いているブロガーは、以下の2つの条件を満たしているブログサービスに移行したほうがいいんじゃないか、ということ:


    1. 携帯電話用のテンプレートが用意されている(できればパソコンか携帯電話か自動判別してテンプレートを切り替えて欲しい...ついでにiPhone/iPod touchも)
    2. AdSenseの利用が許可されている

     現在、実際、この条件を満たすブログサービスっていくつくらいあるのだろう...
     雑誌やニュースサイトには、ぜひともこの当たりを取り上げて欲しいところだ。
     
     私もショップのレビューは滅多に書かないけれど、今後は別のブログを用意して書くことにしようかと思っている。


  • ビリーズ・ブートキャンプの次はAdSenseブートキャンプ


     AdSenseは記事の内容と連動した広告を表示させているので、記事の内容に興味を持った人にとっては広告という以上に有益な情報であることも多い。実際、書いている本人も、気になって「ついついクリックしたくなる」ことが多いが、本人のクリックは規約で禁止されている(自動化のGoogleなんだし、その当たりはユーザーを識別して自動的にカウントしないようにして欲しいところだが)。
     ただし、AdSenseもどこに表示するか、どう表示するかによっては、コンテンツにあまり連動しなくなったり、ユーザーが心理的に押しにくかったりするのも事実だ。
     例えば記事の最初の方に広告を入れても、読者は「まず記事を読みたい」と思っているので広告を飛ばしてしまう。
     逆に記事が終わった後の広告なら、追加情報を読むような感覚で関連広告も見てみよう、という気になれる。
     AdSense最適化で一番、効果があるのが、この「記事下」広告で、筆者もそれをやっただけで、広告収益が一気に3倍程に増えた。
     そう、AdSenseは、ただ貼ればいいというものではなくって、実は最適化してこそ効果があるものなのだ。
     Google社では、AdSenseヘルプセンターの「掲載結果の改善」というページで、その当たりを詳しく紹介している(広告が効果的に使われれば、読者もページが見やすくなり、広告主も助かり、あなた自身やGoogleも売り上げが増えてうれしいことになるので、Google社も熱心なのだ)。
     とはいえ、ヘルプの項目を1つ1つ読んで実行していく、というのは、ジムおマシントレーニングのようなストイックな作業で、なかなか今の時代には似つかわしくない。
     そんなことを思っていたら(既に先週のことだが)Google社が「AdSenseブートキャンプ」というAdSenseのオンライントレーニング講座をスタートした。
     「AdSenseのアカウントを作ったけれど、その先の利用方法がわからない」、 「既にAdSenseを導入したものの、思ったような効果が上がらない」、「他のWebサイトオーナーにもAdSenseを紹介したいが、良い参考サイトが見つからない」、「もっと収益を上げるためのヒントが欲しい!」といった人のための8回連続シリーズだそうだ。既に7回まで言ってしまっているので、リアルタイムでブートキャンプしている楽しみはないが、原稿が落ち着いたらnobilog2でも、毎日コツコツとさらなる最適化にはげんでみようと思っている。
     AdSenseブートキャンプは、こちらで参照できる:
    AdSenseブートキャンプ
    ちなみに、この集中講座は「Google AdSense 公式ブログ「Inside AdSense」の1コンテンツとなっている。

     
  • スライド共有が流行?


    さて、世の中のトレンドのでき方にはいくつかパターンがあるが、気がついたら土壌が整っていたから、という理由で始まるトレンドもある。
     そうやって考えると、今、まさに土壌が整ったのがスライド共有ではないだろうか。
     世界中の人が、Flickrの写真やYouTubeの動画のような感覚で、自分のプレゼンを共有している「Slideshare」のようなサービスもあれば、今回、発表された「Googleドキュメント」もプレゼンの共有に対応している。アップル社の最新版Keynoteは、ユーザーが自分のプレゼンにプレゼン音声をのせて(Slideshareで?)共有できるように、アフレコ機能が用意されている。そして来月登場の新OS、Mac OS X "Leopard"では、iChat経由でプレゼンスライドをリアルタイム共有できる。
     夏ごろにMacTopiaの連載、Apple's Eye(実は次回が200回記念)でも紹介したiTunes Uというサービス(米国の大学の講義をiTunesで聞ける)があるが、今は勉強したいと思っている人は、パソコンを使って、本当にいろいろなことが勉強できる時代になったものだと思う。


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  • 日本の携帯電話が一気に便利に


    それにしても最近、日本の携帯電話が一気に便利になった。Googleカレンダーが使え、gmailも対応、さらにドコモの最新機種ならGoogle Mapの専用アプリケーションも利用できる。
     しかも、このGoogle Mapの専用アプリケーションが、なかなかよく作られている。
     例えば、日本のユーザーはアプリケーションを終了するときに「切る」ボタンを押して終了することが多く、ちゃんと地図の最終表示位置を保存できない可能性がある、という理由から、アイドル状態がある程度、つづくと自動的に地図の位置を保存するといった機能が用意されているのだという。
     Earth Codingのイベントの帰り、たまたま乗り換えた電車で一緒になった安藤幸央さんとその話になって、そうしたインターフェースのつくりこみをちゃんとやっているソフトウェアエンジニアが日本には不足している、という話で盛り上がった。
     iPhoneやiPod touchが登場した今では、携帯電話業界にも必要だろうと思う。
     数えてみると、実は私のまわりには、(個人的にそうしたことに興味があるせいか)この人なら任せられそう、という人が20人くらい頭に浮かぶが、インターフェースだけを専門に研究している会社となると、先日、日経BPのセミナーで一緒に講演をさせていただいた八田晃さんがCTOを勤める京都のソフトデバイス社くらいしか知らない。
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     米国のお気に入りブログの1つに「information aesthetics」というサイトがある。私の好きな本の1つに「Envisioning Information」という本がある。どちらも情報を、きれいかつ、わかりやすく、楽しく見せるかを紹介しているものだ。このテクノロジーとアート、左脳と右脳の境界ギリギリのあたりの表現技法って、実はこれからものすごく重要な分野ではないかと思っている(思っているだけで、自分は下手なのだが)。
     日本でも、今後、もっとこうしたことを議論する場が増えてきてもいいんじゃないかと思う。
     なお、Google Mapモバイル版とEZNaviwalkについては、そのうち、ぜひ書きたいと思っていることがあるので、ここにリマンだーとして、そのことを書いておきたい。


9月 19, 2007 Google | | コメント (0) | トラックバック (9)