2010.01.22

未来をデザインするアップル:次はメディア・ハブ?

HND_forEmail
今年、まだ挨拶をしていなかった方、あけましておめでとうございます。
最近、情報発信はTwitterだけで手一杯になっていました(こちらでご覧いただけます→ Twilog.org/nobi)。
今年は思いも、場所(アドレス)も新たにブログを復活させようと思います(Stay Tuned!)

今年は2000年紀、2つめのdecade、'10年代の最初の年、いろいろ新しい変化が始まる年でもあります。

私もフリー編集者の山路達也さんと組んで、2000年代最初の10年に起きた変化をまとめようと取り組んでいます(できれば皆さんからのフィードバックを反映させた上で本にまとめようと思っているので、どんどん引用して意見をもらえればと思います): Firstdecade.net/blog

特に今年は出版、ラジオ、テレビといったメディアが大きく変わるターニングポイントになりそうです。
今日、私がおもしろいコンテンツ(雑誌やラジオ番組、テレビ番組やiPhoneアプリ)をどこで見つけているかというと、そのほとんどはTwitterになりつつあります。

Twitterで友人の「今、NHK総合でやっているドキュメンタリーがおもしろい」というツブヤキを見れば、テレビをつけて、選曲が何チャンネルになっているか、何が放映されているか確認もしないうちに、リモコンの「1」のボタン(東京でのNHK総合のチャンネル番号)を押しています。

Twitterで土曜日の夕方「今日のAVANTIのゲストは◯◯さん」と言って気になる人の名前が呟かれていたら、すぐにラジオを付けて東京FMを聞くでしょう。
「このニュースおもしろい」とリンクが書かれていれば、そのWebページを見るし、「本がおもしろい」と書かれていれば、その本を買う。

最近、新聞社のホームページのトップページも、好きなブログのトップページも、ほとんど見ず、おもしろい情報はTwitterで発見して、入り口をすっ飛ばして、直接、そのコンテンツの中身にダイレクトに飛んでいます。
これは昨年秋以降、modiphiの小川浩氏が講演などでも言っていたことだが、今ではTwitterから誘導される「人々のコンテンツ消費」力が、旧来のメディアにも広がりつつ、しかも、その数的なパワーも相当なものになってきたことは、Twitterを紹介した「週刊ダイヤモンド」新年号が大売れしていることによっても証明されているのかも知れない。

J-CAST:ツイッター企画バカ売れ 「負けた」雑誌のつぶやきとは

さて、Twitterと言えばiPhoneというくらい、Twitterの成功においても大きな役割を果たし続けているiPhoneだが、そのiPhoneを出すアップル社も、今、大きなメディアの変革を行おうとしている。
アップルは米国時間の27日に、Special Eventを開催し、そこで新しいカテゴリーのデバイスを発表する、と噂されており、その新デバイスが、メディアビジネスにも大きな変化をもたらす可能性があると言われている。

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2009.07.07

以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック

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歯医者での待ち時間、Twitter経由で知り合ったplanetofgoriさんのブログに
iPhoneは宣伝の仕方が巧みである」というおもしろい記事がある。

記事の中で、planetofgoriさんは、
・最新のiPhone 3GSの電子コンパスは、日本の携帯ではとっくの昔に搭載している

ことなどに触れており、iPhoneは宣伝の仕方がうまいと書かれている。

実際にiPhone 3GSが電子コンパスを搭載するはるか前に、京セラのau携帯は電子コンパスを内蔵して、EZNaviwalk(Navitimeの中でも最高峰のau専用版)との素晴らしいインテグレーションを果たしていた。
さらにiPhone 3GがGPSを搭載するはるか前から、日本の携帯電話ではGPSの搭載が当たり前になっていた。

ちなみにアップルは、何もしないでもiPhoneが話題になることに任せてか、
iPhoneの宣伝にはそれほどお金をかけていない。
わずかに放送されているCMの中でも、コンパス機能は無視されてしまった機能の1つだ。

私がメーカーの人向けに講演をする時、私と同年代の中間管理職の人からは冷たい視線を浴びる。
「ガラパゴス、ガラパゴスって言わないでください。」
「講演にあったiPhoneの〜〜機能と、〜〜機能と〜〜機能は、我々がとっくの昔、'xx年代にやっていた」
と言われたこともある。

私は30分以上の時間がある講演では「大事なのは仕様ではなく、人々の暮らしぶりにどんな変化をもたらすかのことだ」と言っている。

ゆるめの講演では、ブルース・リーの写真を出して「Do not think. Feeeeel.(考えるんじゃない、感じるんだ!)」と話しているのだが、
彼らには和製携帯の敵、「iPhone」の話しが出たとたんに、耳をふさいでしまうのだろうか。
そんな細かな話しは聞いていなくなってしまっているのかも知れない。
あるいは、私が早口すぎて、聞き逃しているのかも知れない。

もしかしたら、文字情報にすれば、少しは伝わりやすくなるのかも知れないと思って、新たにブログにまとめようと思った。

■「ただ搭載した機能」と「人々が使う機能」は別物

 まず訴えたいのは、「◯△機能を搭載している」ということと「〜〜の◯△機能が楽しい」というのは、まったくの別物、ということだーーこれはモノヅクリに関わっている人、たとえメーカーのハードエンジニアにしても、ソフトエンジニアにしても、最終的にGOサインを出す人にしても共通の認識として持ってほしい。

 例えば小学校の学芸会で「クルミ割り人形」をやったとしよう。子供たちも1ヶ月一生懸命練習して、たまにつっかえたり、横から先生が出てきて、次の台詞の出だしを言ってあげないと、止まることはあるけれど、一応、最後まで無事に終了する。
 観客たちにもストーリーの内容は伝わるし、文字情報としての台詞もちゃんと伝達されている。

 しかし、だからといってキエフ・バレエ団のクルミ割り人形を1万2000円払って見に行っていた人が、同じ学芸会のクルミ割り人形に1万2000円を払ってまで見てくる、ということにはならない。

 ただ搭載していることと、一般の人々を本当に楽しませることとは、まったく別のことだ。
 日本の携帯電話には、本当に数えきれないほど多くの機能が搭載されているが、あなたはそのうち、一体、何割くらいを本当に使っているだろうか(これは実際に携帯電話をつくっているメーカーの人たち、規格を押し付けている、といわれているキャリアの人たちにも聞きたいくらいの質問だ。)。
 10以上の機能を使っている、という人がいるだろうか。
 使わない機能をたくさん詰め込んでも、それはただの無駄だ。
 無駄に端末コストをあげて、アプリ開発者からビジネスチャンスを奪っているだけに過ぎない。
 iPhoneのアプローチは、最初から搭載している機能は最小限。その代わり余計な機能をつくらない分、1つ1つの機能をしっかりとブラシュアップして、人々が喜んで使いたくなるレベルにする、というアプローチをとっている。

 その結果、これはまだAppStoreが出てくる前の統計だが、8割の人が10以上の機能を使っているという結果を出している。

■「Web 2.0 in Your Pocketの革命」も使いやすさ、から生まれた

 中でも顕著なのが、私が言うところの「Web 2.0 in Your Pocket」の革命を引き起こしたWebブラウザのSafariだろう。
 iPhoneが登場する以前から、日本の携帯電話にもiモード(的なケータイサイト)だけでなく、パソコン用のWebページも見れた方が便利と「フルブラウザ」なるものが搭載された(呼び方が「PCサイトビューアー」だったり、「PCサイトブラウザ」だったりと、キャリア単位で名前まで囲みをしようとするところは非常に日本的)。

 最初の頃は、ブログディナーで「これでiモードのビジネスモデルは崩れる」、「携帯新時代突入だ!」などと騒いでいたが、実際には「使いにくさ」の壁があまりにも高く、せっかく、機能が搭載され、その後、定額で使えるようになっても、そんな革命は起きなかった。

 しかし、ブラウザをただ搭載しただけでなく、それを人々が初めてまともに使おうと思うレベルにまで昇華させたiPhoneが登場したことで、本当のモバイルインターネット革命がやってきた。

 これは、これまでの講演や日経BP ITproの連載でも使わせてもらったスライドで、日本のiPhone 3Gが発売される前、初代iPhoneの発売から8ヶ月後のグラフだが、スマートフォンとしての出荷シェアではiPhoneは28%で2位に甘んじているものの、実際にWebブラウジングに使われているWebサーバー側から見たシェアを調べるとiPhone(とiPod touch)が圧倒的で70%のシェアを占めているのが、わかる。
やはり、Webブラウザにしても、「ただ搭載する」ということは、目的の半分しか達成していないことを意味しているようだ。


(参考:iPhoneショック2:第1章 相次ぐ主要WebサービスのiPhone対応,IT業界の主戦場はIT Phoneへ

ちなみに、モバイルWebブラウザの利用シェアに関する統計は、最近のWWDC 09でも紹介された。そちらの最新の統計によると、iPhone/iPodタッチの利用シェアは65%、2位はAndroidで9%(iPhoneの6分の1ほど出荷していないことを考えると、そこそこ検討していると言えそうだ)となる。

電子製品に搭載された機能は、ただ搭載の有無だけではなく、
人々が本当に使おうと思う品質を達成しているか否かで評価されるべきだ。
そして、そうした評価をしようとすると、残念ながら、今の日本の携帯電話のレベルは非常に悲しいレベルになってしまっていると言わざるを得ない。


似たような例はいくらでも出せる。

リアルな絵を描くのが得意だからといって、ただリアルさを追求しているだけの画家では売れない。
どんどん写真と区別がつかなくなるからだ。
写真ではない絵画ならではの工夫がなければ誰も才能を認めてくれない。

講演者の肩書きがどんなに立派でも、ただ棒読みで原稿を読むだけの講演では人々の心は動かない。
聴衆が誰であるかを考え、その人たちが共感できる事例や旬な話題を用意し、
聞く側のモチベーションを高く維持することも講演者の仕事のうちのはずだ。

優れたお母さんたちは、幼児の健康を気遣って、
離乳食に、ただ、お医者さんに勧められた食材を入れるだけでなく、
子供たちが、それをいやがらずに食べるにはどうしたらいいかを考えて、
混ぜてみたり、隠してみたり、細かく砕いてみたり、と工夫をしている。

だが、日本の製造業では、こういった価値観が軽視されがちなのが残念だ。
工業デザインの世界やアートの世界では、今、日本人の作家の評価は驚くほど高いのに、
製造業の経営者たちには、そうした価値が伝わっていないのだろうか。

■楽しさはサードパーティーのソフトにも伝播している

もう1つ、私がよく出すストーリーを書こう。

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2009.06.23

iPhone 3Gを上回る人気!? iPhone 3G S国内発売は表参道で!

【古川氏の説明を訂正しました。「元マイクロソフト」の「元」が抜けていました】
P1160930.JPG

まもなく日本でも発売のカウントダウンが聞こえてきそうなiPhone 3G Sが、
欧米では、既に大ヒットとなり始めている。
わずか3日間で出荷が100万台を超えたということだ。

新iPhoneは見た目がiPhone 3Gそっくりなこともあり、
これまでのようには売れないだろうと言うのが、アナリスト達の予想だった。

2007年発売の初代iPhoneが100万台を達成したのは発売開始から74日後だった。
2008年発売のiPhone 3Gは、たったの3日で100万台を販売した。
そして2009年発売のiPhone 3G Sも、3日で100万台だ。

一見、昨年と違いがないように見えるが、
iPhone 3Gの100万台/3日と、iPhone 3G Sの100万台/3日には大きな違いがある。

2007年7月11日に発売されたiPhone 3Gは、なんと、この24時間の間に、
米国、日本、英国、ドイツなどを含む世界21カ国で同時に発売されたのだ。

それに対して、今回のiPhone 3G Sは、日本での発売がまだこれから、
今週金曜日であることからもわかるように、
まだ発売開始をしている国が非常に少ない。
アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スイス、イギリスの8カ国と昨年の約3分の1だ。

そう考えるとiPhone 3G Sの「S」。
「SpeedのS」は、売れ行きのスピードの「S」とも言えるのかもしれない。

日本でも、さすがにまだ「ソフトバンク表参道」前の購入行列はできていないが、
実は同店の前には既に1度、予約のための行列ができている。
そう、今年のiPhone発売では「ソフトバンク表参道」は、なんと2度行列をつくることになりそうだ。

ちなみにこの2度目の行列は、梅雨時でどんな天気になるかもわからないということもあり、
ソフトバンク表参道から歩いてすぐのクエストホールにて、購入行列の方を収容して、
盛大に前夜祭をすることになり、私がそのオーガナイザーを務めることになった。

こちらのイベントだ:

iPhone 3G S発売記念前夜祭


4

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2009.06.07

バスの中からWeb日本語文化圏のつづき

near Shimonumabe, , Japan

今、成田空港に向かうバスの中で、これを書いている。
36時間後には、アップル社のWWDCが始まるので、その取材だ。
取材内容は、いつも通りITmediaで速報、その後、Microsoft MactopiaのApple's Eyeの連載で紹介、
さらにascii.jpにもコメントを出す予定で、いくつかの一般誌にも(競合しない形をみつけて)記事や写真を提供する予定だ。
WWDCの開始が待てないという人は、ITproで「iPhoneショック2」と言う連載を始めたので、そちらも参照して欲しい。

「iPhoneショック」は、日本のメーカーで働かれている方々のために書いた本で、
iPhoneが携帯電話業界にどのようなインパクトを与えたかを紹介し、
日本のメーカーに、来るべきiPhone時代(出版はiPhoneの日本発売のはるか前だった)に備えるよう警告したものだった。それなりの好評価をいただいたが、その後、この本を実現してくれた担当編集者がしばらく職場を離れていたこともあり、日本発売後にアップデートすることができずにいたが、今回、無事、職場に復帰したことで、続編が書けるようになった。

続編ではところどころにAndroidや、
アメリカではこの週末から発売が始まった「Palm Pre」などの考察も入れてみる予定だ。







さて、先月の「Google IO」の基調講演(Google Waveではない方の、初日基調講演だ)を見た人と、見ていない人では、Webの世界の見方が大きく変わってしまっているはずだ。

'98年、アップルはiMacで、それまでのフロッピーディスク、シリアルポート、SCSIといったレガシー技術を潔く切り捨て、USBに代表される「モダンIO」と呼ばれる技術を採用。
これを契機にパソコンのハードウェアの水準は大きく前進した(Windows機でUSBが標準的に搭載されるようになったのはその後だ)。

今、これと同じことがWebの世界で起きようとしている。

これまでのWebブラウザからHTML 5ベースのGoogleやMozillaが「モダンWebブラウザ」と呼ぶ技術への移行が始まろうとしているのだ。

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ココログ仕様変更でどうなるブログエディター(+お勧めiPhoneアプリ3選)


これからWWDC 2009の取材でサンフランシスコに向かいます。
もしかしたら現地でiPhoneからブログを更新することもあるかもと思って、これまで面倒くさがってやらずにいたBlog WriterBlogWriterの設定をようやくしました。

それはいいのだけど、ココログを運営する@niftyは6月9日からアカウント、ログイン方法を変更。にも関わらずAPI経由での利用は旧ココログアカウントでしか入られない様子。

ということは、iPhoneから記事を投稿できるのも日本時間で6/8まで!?


ーーー
上をiPhoneから投稿テストした後、せっかくの機会なのでよく聞かれる最近、お勧めのiPhoneアプリを3本だけ紹介。

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2009.06.03

iPhone、日本でも高い顧客満足度を実証

90%
(2007年に発売された初代iPhoneもアメリカで90%という高い顧客満足度を示していた。2008年6月のWWDCより)

本日の朝日新聞にも載っていましたが、Gfk Marketing Services Japanが、2008年を通してのさまざまな製品の顧客満足度調査の結果を発表していました。

同調査では、アップル製品が、なんとデスクトップパソコン、ノートパソコン、音楽プレーヤー、そして携帯電話の4カテゴリーでトップを独占しているという結果になりました。

携帯電話は、すべてのデジタル機器の中で、唯一、誰もが肌身離さず持ち歩く機器です。
それだけに顧客満足度は大事な指標。長期的に見れば高い顧客満足度を提供する製品が、ジワジワと勢力を広めていくことでしょう。

しかし、これだけおサイフ携帯やQRコード、ワンセグが広がっている日本で、おサイフ機能を持たないiPhoneが本当に受け入れられるか、疑問を持つ人も多いでしょう。

でも、一度、iPhoneを体験してしまうと、iPhoneによって得られる高い満足感の方が、そうした足りない部分すべてをあわせたものを上回ることに気づく人が多いのも事実(もちろん、携帯電話には嗜好品的な側面もあり、全員が満足するわけではないでしょう)。

最近のドラマチックな事件としては、29manさんがこれまでiPhone+auの組み合わせで使っていた携帯電話をiPhoneに1本化し、そのことに非常に満足している、というブログ記事を書いていました。
(29manさんは、雑誌の表紙にも何度も登場している広告業界ではとても有名なスター的存在の方です)。

29man(ニクマン): 遂にiPhone一本化

以下、英語ブログ用に起こしたGfK Japanのランキングを引用します:

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2009.05.18

Androidいよいよ国内発表で、iPhoneは第2ステージへ

forever

明日にもNTTドコモからAndroid端末が発表されることはもはや公然の秘密となっている。
それに先駆けてどうしてもブログを更新したくなった。

中にはAndroidが出たから、もうiPhoneは終わり、といった
やや短絡的な議論を持ち出す人がいそうな気がしたからだ。

もちろん、事実はその逆で、国内版Androidの登場こそがiPhone第2ステージの始まりに他ならない。

もはや、世界的携帯メーカー、Nokiaが撤退したことで、
ますます海外の携帯電話市場との違いが大きくなった日本の携帯電話市場だが、
世界のスマートフォンでスタンダードとなりつつあるWebKitを搭載したiPhone以外の
スマートフォンが、ようやく日本市場に復活したのだ。

webkit.090

Androidは、iPhone同様に、少し前のパソコン並みの性能と表現力を持ちつつ、
携帯電話ならではのポケットに収まる携帯性の高さや、カメラ、GPS、常時接続機能を備えたスマートフォン。
もっとも、一口にスマートフォントと言っても、iPhoneより前のスマートフォンと、
iPhone以降のスマートフォンでは、できることも、使われ方もぜんぜん違う。
そこでアメリカの多くのメディアや筆者は、iPhone以降のスマートフォンを総称して
「ITphone」などと呼んでいる。

まもなく国内で発売されそうなAndroid機は、そのITphoneの記念すべき2号機なのだ。
ただし、Androidは、まだ発売が始まったばかり、実機を見ないでいうのもなんだが、
日本で本格的に花開くには、もう少し時間がかかると思う。

その一方で、既に東京の電車では、空いている時間でも1車両に2〜3人はみかけるようになった
ITphone1号機「iPhone」は、既に次のステージに進み始めている。

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2009.04.01

iPhone版Skype登場でマクドナルドに外国人溢れる

{UPDATE: なぜかタイトルだけ「外人」になっていたので、「外国人」に直しました}
@McDonald's

3月31日、ついにiPhone版Skypeが登場した。
テキストチャットはもちろん、公衆無線LAN経由であれば音声通話もできる素晴らしいできだ。

これは、この春、もっとも画期的な事件の1つかもしれない。
さっそく、そのことに気がついた日本長期滞在の外国人労働者の方々。
iPhoneユーザーなら無料で使える、マクドナルドのBB Mobileの公衆無線LANを使って、母国に電話をかけまくりのようで、渋谷のマクドナルドは普段みかけない客層で溢れかえっていた。

というのは、エイプリルフールのジョークだが、
これまで、成田空港にいくと見かけていた、日本長期滞在者向けの国際電話用テレホンカードも、iPhoneを買えば不要になるかもしれない(日本に2年以上いる人なら「iPhone for everbody.」キャンペーンでiPhone本体は0円で入手できる。毎月の国際電話代を考えたら、月額料金も問題にならないはずだ)。

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2009.03.27

3〜4月の講演:東京、名古屋、長崎

apple computer japan admission

ちょっとだけ自分が講演をするイベントの宣伝を。
(といっても、ギリギリ過ぎて、あまり宣伝の役目を果たしていませんが...)

1つ目は来週31日(火):

スマートフォンが拓くパブリッシングの未来

NPO法人 JPC-日本パブリッシング協会の定例セミナーで、
会場はアップルジャパン(株)セミナールーム。
私は13:30から「スマートフォンが斬り開く電子出版の新しい展望」というタイトルで基調講演を行い。
その後、15:15からパネルディスカッションに参加します。

基調講演では、iPhoneが実は日本でも大躍進を続けていることをいくつか具体的数字を絡めて紹介する他、iPhoneが社会のしくみをどのように変えつつあるのかの紹介。そして最後は本セミナーのテーマでもある電子出版の世界に与える影響を事例を交えて紹介する予定です。

今のところ、どのくらい申し込みがあるかは聞いていませんが、まだ受け付けているようなので
興味のある方は是非、ご参加ください。JPCは、今夏、惜しまれつつも解散するので、
JPCの方々に会うのが目的の方も、ぜひ、この機会に!
(JPC会員無料/一般5,000円)

Apple Store Nagoya Sakae

2つ目は、4月4日(土)で場所は名古屋
14時からApple Store Nagoya Sakaeで開催の

世界に飛び出す日本のiPhone Appクリエイター

”で、
他のiPhoneアプリケーション開発者の方々と一緒にプレゼンを行います。

詳細はApple Store Nagoya Sakaeのページにも掲載されています:
http://www.apple.com/jp/retail/nagoyasakae/

ちなみに、その後、さらに
16:30から東海及び関西地区のiPhoneアプリ開発に興味がある方のための集会をやります。

IT ジャーナリスト林信行氏を中心に iPhone App 開発者のクロストーク
売れ筋 iPhone App 開発の極意とプロモーションとは・・iPhone OS3.0 は・・

といったイベントで、21世紀のゴールドラッシュとも言われるiPhoneアプリ開発について、
iPhone開発者の方々がクロストークを行われます(そこに私も参加)

開催時間: 16:30 より 約1時間+その後 18:00からネットワーキングパーティー
場所:名古屋市中区栄

こちらは定員25名ほどで事前申し込みが必要です。
定員が限られているので、
ぜひ参加したいという熱意のある方は「iPhone Developer Japan Group」などで情報を探ってみてください。
もしかしたら、現地のiPhone開発者同士のネットワークをつくる上でも、いい機会になるかもしれませんよ!

P1090357.JPG


AUGM長崎


名古屋から1週間後、
4月11日には長崎の佐世保で開催される「AUGM 長崎」で講演をする予定です。

募集をかけたところ38時間で定員オーバー。あまりにキャンセル待ちの人が多いので、急遽、2倍以上広い会場を手配したという曰く付きのイベントです。
残念ながら広い方の会場も、キャンセル待ちの方だけでかなり埋まっているようなので、
申し込みをされる方は急いでください。

アドビさん、マイクロソフトさん、トリニティーさん、イーフロンティアなど、プレゼンターは多彩。
それに毎回、最後に行うじゃんけん大会の商品が豪華で、ほぼ1人最低でも1個は確実にもらえるほど潤沢にあります。

ちなみに、私は、その翌週からはミラノとパリに取材に行ってきます。
5月はAUGM沖縄と某大学院で講演。6月はようやくスケジュールが発表されたWWDC取材の後に某大学院にてパネルディスカッション予定です。

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2009.02.19

セカイカメラ in action

初日は撮り忘れたセカイカメラの動画を今日撮ってきました。
こんな感じです。

PlaceEngineを使った場所のスキャンは5秒に1回くらい、ということなんですが、
それなりに自然に動いていた印象です。
また空中に漂っているエアタグの写真は、実は半透明なので、向こう側が透けて見えます。

ついでにもう1つ...

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セカイカメラ、世界デビュー

Sekai Camera World Premiere

ついに世界デビューを果たした「セカイカメラ」、2日前にTechCrunchのSerkan Totoと一緒に取材をして、すぐにブログに記事を書くはずが、古川享さんからのメールで予定変更に...

家路への電車を途中で進路変更し、六本木ヒルズへ「未踏プロジェクト」の成果発表会を聞きにいくことになりました。こちらでもセカイカメラに負けないくらい、世界を変えるかもしれない、新しい文化を生み出すかもしれない素晴らしい成果がいくつか発表されていて面白かったです(後述します)。

でも、まずは「セカイカメラ」、(現実)世界デビューの紹介から。
「Rooms」という招待制のファッションイベントでSoftbank Telecomのバックアップの下、
華々しくデビューした「セカイカメラ」の様子は、既にテレビニュースでも報道されているので(YouTubeで検索してみてください)、
そちらを見た人も大勢いるかもしれない。

どんなものか知らない人は、百聞は一見に如かずで、まずはモノを見てもらうのが早いので、こちらのビデオを見て欲しい:

iPhoneのカメラを通して周囲の世界を見渡すと、そこに他の人が書いた書き置きのコメントや記念写真、音声のメッセージなどがエアタグとして表示される。
そんな夢のシステムだ。

TechCrunch 50で発表された当初は、多くの賞賛を浴びる一方で、
今のiPhoneでそんなものができるわけがない、といった批判もたくさん浴びせられた。
しかし、世の中、どんなことも「できない」と言ってしまえば、そこでおしまいだ。

「やりたい」と「どうやったら、できそうか」をうまくつなぎあわせて、初めてイノベーションが生まれる。

2001年に最初のMac OS Xが出たときも、「ひどいOS、これでMacはオシマイだ」だとか、
散々、酷評されたが、結果としてそのMac OS Xが、新しい開発コミュニティーをMacに取り込み、Macを復活させ、iPhoneまで誕生させることになる。

誰かが会議室で「不可能」といったからやめてしまうのでは、一介のコンピューターメーカーであるアップル社が音楽販売ビジネスに乗り出す、といったこともなかっただろう。しかし、アップルは「不可能」とは考えずに、「どうやったら可能になるか」を考えた。だからこそ、今、米国でもっとも多くの楽曲を売っているNo.1の音楽販売会社になりえたのだ。

今の日本は、私と同年代の中間管理職が、ただ議事録に「会議に出席しました」という記録を残すためだけにいっているような考えのない寸評や匿名掲示板やユーザー名の影に隠れてブックマークに書き残される、安全な場所からの一切の責任を取らない論評攻撃によって殺されている気がしてならないので、つい脱線してしまった。

Sekai Camera World Premiere

 さて、Roomsというファッション系イベントでデビューしたセカイカメラの最初のバージョンは、
VAIO type Pなどでも採用されている、「PlaceEngine」の技術を使って半径5メートルほどの精度で位置を特定し、その位置に関係するエアタグを、(iPhoneに電子コンパス機能がないので)まずは方位無関係で表示し、向きは指でフリック操作をして手動で合わせる、というシンプルなしくみ。
(その代わり、向き合わせ用のランドマークをたくさん登録した、ランドマークレイヤーを用意しようとしているようだ)

開発者のトンチ・ドット、井口氏も、決してこれで満足しているわけではなく、「今回、見せたセカイカメラでは、まだ本格的にやりたいことの3%しか実現していない」ことや、「Android上で動いている試作版は、電子コンパスを使って位置合わせもちゃんとできていること」を語っていた。

まもなく、暖かくなる頃までに最初のバージョンがリリースされれば、
それがきっかけで、新たな問題点も発見されれば、「こんなこともやりたい」という新たな目標もでてくるはずだ。
そうやって、まずはモノを出しては、さらにそこから開発が進む。
これこそがWeb 2.0時代の開発の特徴でもある「Perpetual Beta(永遠のベータ)」の基本コンセプトであり「セカイカメラ」も、まさにそれを実践してくつもりだという。


ちなみに、日本ではiPhoneコミュニティーにしか知られていなかったセカイカメラだが、
フランスではTwitterなどと並んで「NetExplorateur 10 2009(世界を変革する10のインターネット技術)」の1つに選ばれている(ちなみにTwitterが、どれほど革新的なものに変わったかについても、別の機会に紹介したいが、私のブログの更新ペースが遅くて、待てない人は、こちらの記事を参照して欲しい)。

さて、未踏の成果発表についても簡単に書こう(あと1時間で外出。明日は講演、月曜日も講演、週末は、書き物の仕事があるので、またしばらく更新が止まりそうだ):

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2009.01.11

iPhoneの国内発売から半年


大きな地図で見る

日本でのiPhone 3G発売開始から、今日でちょうど半年。
ソフトバンク表参道が3日間だけ、iPhone 3G専門店となったのも、
表参道から渋谷の電力館まで伸びる長い行列ができたのも半年前。

「iPhoneは買わない。でも、買うとしたら、白の16GB」と言っていたdrikinが、徹夜で並ぶことになって、自分の順番までに16GBがすべて売り切れとわかったとき「そうだ、僕が欲しかったのは8GBだった」という名言をTwitterに残したのも、ちょうど6ヶ月前だ。

あれからApp Storeで大成功した日本人が出たり、世界中の人が心を一つにして演奏するアプリケーションが出てきたり、もしかしたら世の中を変えてしまうほどのパワーがあるんじゃないかと思わせるデモが行われたり、初期の任天堂DSを上回る勢いのiPhone 3Gに、大手ゲームメーカーが次々と大型タイトルを繰り出してきたり、といろいろとあり、とても半年間のできごととは思えない。

一部では、日本では売れていないと言われているiPhoneだが、
実は一部の報道よりはかなり多く売れている、ということも聞く。
実際、この半年間、人々に目から鱗が落ちる思いをさせた携帯電話関係のニュースを20個あげろと言えば、確実に20個中の15個まではiPhone関連のニュースになるはずだ(iPhone以外の1個は、Yahoo!とSHARPの連携、もう1個はGoogle Android端末の発売開始、そしてさらにもう1個はNokiaの日本撤退だろう)。


今、私はMacworld Expoの取材を終えて、
今後の講演やコンサルティング向けの勉強としてラスベガスで開催中のCESに来ている。

実はMacworldでは取材をするだけでなく、
日本のiPhone開発社を海外のプレスに紹介するイベントを、山崎富美さんやAndrew Shuttleworth、外村仁さんやdrikinらの協力も得て、とりおこなった。

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2009.01.02

ブログは会話 + 情報のディスカバリー

THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2007: DAY 2

「ブログは会話」これは伊藤穣一さんがよく言う言葉。

ブログの記事に1点の間違いもない完璧なものを求められていたら、堅苦しくて何も投稿できない。
 ある程度、思い込みや勘違いもコミコミにして、ある程度は「エイヤ!」で投稿するからこそ自分の意見が言える。それだけにブログでは記事そのものだけではなく、コメント(や場合によってはTrackback、人によってはdel.icio.usやはてなブックマークも)での対話までも含めて1つのコンテンツと捉えて欲しい。

 ただ、今日のブログが至らないところは(そしてSNSの方が進んでいる部分)、自分が書き込んだコメントに対して返信があっても、再びそのブログを訪問しないとわからないところ。
 この問題を解決すべく、しばらく、coCommentを試したが、残念ながら期待した変化は得られなかった(サービス自体はよくできているので、今後、また機会をつくって再挑戦したい)。
 そんな中、昨年末、Six Apart社がTypePad Connectというサービスを開始。これに衝撃を受けた。

 TypePadのブログに、TypePad ConnectのIDでログインしてからコメントを書き込むと、そのコメントに対して、返信があったときに、それがメールで送られてくる。しかも、そのメールに返信する形で、メールソフト(あるいはiPhone)からコメント返しができるのだ。
 これは「ブログの会話化」を、さらに一歩、押し進める革新的技術だろう。

 さて、昨日のブログにいしたにさんからトラックバックがあった。
みたいもん: すべてが記録される時代のログ:私的原体験編

 この記事で私の記事と一緒に平田さんの記事が紹介されている。

dh memoranda:次になにをするべきなのか

この平田さんの記事を読んで、いくつか「Web 2.0 in your pocket」的な視点で思い出したことがある。

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Web 2.0 in your pocket.

昨年、ほぼ1.5週間に1回のペースで行ってきた講演で繰り返し言ってきたのが、
「Web 2.0 in your pocket」時代の到来。

神尾さんのITmediaのインタビューによれば、ドコモもこれまでのiモードを進化させつつもオープン化路線も並行して進めていく、ということだ。iモードのユーザーが2009年中にすぐに移行するとは思わないけれど、iモードからオープンWebへの流れは、もう誰にも止められないと思う。
(そもそも、iモード誕生のときだって、携帯電話の画面に十分な解像度と処理能力があればオープンWebを目指したかったんじゃないかとも思う)。

神尾寿のMobile+Views: 2009年、ドコモは「オープンOS」を支援する──ドコモ 辻村清行副社長


この「Web 2.0 in your pocket」で、
このブログでは他のテーマの中で触れることはあっても、
単独で扱うことはしていなかったので、あえてタイトルに立ててとりあげよう。

でも、まだ、お正月だし長い話しはなしで、最近のキースライドを2つだけ紹介しましょう。

1つ目は、コレ。
私が持つ、これまでのWeb 2.0のイメージ
(写真はCreative Commonsという素晴らしい仕組みを使って、Flickrの見ず知らずの方のものを使わせていただいています)。

Web 2.0: Yesterday

そして、これからのWeb 2.0は、こう....

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2008.12.24

不幸を呼ぶテクノロジー

061121_1241~0001.jpg
メールを10通書き上げたので、ご褒美にブログを書かせてもらおう。

今年の春頃から、すっかり執筆業から講演業とコンサルティング業に鞍替えしている筆者だが、それでもパソコンに向かって書き物をしていることが多い。
現在、唯一の連載で、いつも遅れがちな「Apple's Eye」の原稿を書いていることもあるが、そうでないときは


  1. プレゼンのスライドをつくっている
    毎回、半分以上は同じスライドを使うくせに、講演前日に4〜5時間かけて、オーディエンスにあった構成を考えて順番をやりくりしている
  2. 電子メールソフトと格闘している

のどちらかだ。トータル時間でいうと、圧倒的に後者が大きい。

パソコンを使い始めの人や、あまりパソコンどっぷりでない仕事をしている人にとってはそうでもないかもしれないが、仕事柄情報のハブになりやすい人間にとって電子メールは、まったくもって不幸のテクノロジーだ。
筆者が利用している全メールアドレスに届くメール数の総数は、1日約4000〜5000通だ。
「多い」と驚かれる方もいるかもしれないが、2007年に急逝されたitojunさんに話しを聞いたところ、彼はこの倍近く受信されていたようだ。
もちろん、すべてが人手によって送られてきたメールではなく、迷惑メールも含めた数だが、'93〜4年頃から同じ、文字数の少ないメールアドレスを使い続けていると、こうなってもおかしくない。

このうち重要メール用として使っているアドレスに届くメール数が1日数百通。
おそらく700〜800通だが、前からそうした方がいいと思いながら、ずっと避けていたのだが、
今年、ついに重い腰をあげてGmailに切り替えたおかげで、目にするメールの数はかなり減った。
ほとんどの迷惑メールは、一度も目に触れることなく迷惑メールフォルダに入り、数週間後には自動的に抹消される。

とはいえ、そうしてフィルタリングされた後でも、1日に読まなければならないメールが100通を下ることはない。
さらに、返事をしたり、カレンダーにつけたり、電話をかけたり、といったアクションを起こさなければならないメールが、1日に最低でも20通はある。

電子メールという無料通信手段の登場で、気軽にコミュニケーションができるようになったことは、多くのいいことをもたらしたが、その一方で、それが蓄積していくと、とんでもなく大きな不幸も招くことになる。

今年だったか、去年だったか、元々はパソコン雑誌だった「月刊アスキー」が「reborn」するといって、ビジネス誌に生まれ変わり、その後、ビジネスアスキーという雑誌に名前を変えていった。
このビジネス雑誌時代の月刊アスキーで、ただ1つだけ今でも印象に残っている記事がある。

 「数字で見るなんとか」という連載の記事で、毎日ビジネスでやりとりされている電子メールの本当のコストを探ってみよう、というものだった。


月刊 ascii (アスキー) 2007年 02月号 [雑誌]
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(この号かどうか自信無しなので注意)

 IT度の高い企業だと、みんな後で何か言われても言い訳できるように「とりあえず、いっておきましたよね。みせましたよね」といわんばかりに、上司や同僚をccに入れまくる傾向が強まっている。
 こうやって役職の位が上の人ほど、電子メールが雪だるま式に増えていく。
(一説にはマネージャークラスで1日数十通、ディレクタークラスで100通、その上が200通くらいとも言われる。もっとも、これは企業文化のIT度によって違うだろう)。

 そして役職が上の人ほど時給が高いとすると、みんなが無料だと思って、やりとりしている電子メールが、会社の人的リソースの貴重なコストのかかっている勤務時間を、深刻に浪費している、といった記事だった(うろ覚え)。
 まったく、その通りだと思う。

 不用意に上司にCCをしている人は、上司の受信箱がどうなっているかを想像し、CCしたからといって読まれているわけでもなければ、印象にすら残っている可能性が少ないことを再認識した方がいいだろう。人間が1日に脳で処理できる情報量には(きっと)限界がある。

 私は1970年代から、プログラムリストの打ち込みや、チャット(今で言うインスタントメッセンジャー)で鍛えてきたタイピング速度があり、そこいらへんの人に負けない速度でタイプできる自信。ノっているときなら、日本語でも話すより早くタイプする自信もある。

 それだけに、数年前までは、相手の状況を無視してかかってくる電話が嫌いで、電話をかける前に電子メールやインスタントメッセンジャーで、用件を伝えて欲しいと思っていた。
 しかし、今は(インスタントメッセンジャーはいいが)電子メールは避けて欲しいと思うし、送られてきたメールにも電話で返事をしてしまうことが増えた。

 というのも、多くのメールは、どうせ、返事をしても、また1通、返信しなければならないメールが増えるだけ、というのが見えている。つまり、本題に入る前のフリに過ぎないことがわかっているのだ。

 それに、この受信箱というものが、単純なTo Doリストのように、1件ずつ処理していけば、減っていくというのであれば、まだ頑張ろうという気にもなる。
 しかし、実際にはそうではなく、1件のメールを処理した頃には、さらに2〜3件くらいメールが増えているのだ。
 これは毎日、延々と同じ道路のドリリングと舗装をさせられているようなもので拷問に近い。

もちろん、こちらも人間。
すべてのメールが憂鬱というわけではないし、書いていて楽しいメールもある。
読者の方などから送られてくるメールも、時間があるときは(できるだけ)もれなく1通1通誠心誠意を返事を書いてきたつもりだし、以前にメールをもらった読者に、こちらから「例の情報、あれわかりましたよ」とか「その後、どうですか?」といった具合に、こちらからメールを送りたいと思っていることもある。
 ただ、私にとって、既に電子メールというコミュニケーション手段が、まるで音楽がガンガンになっているディスコの大型スピーカーの真横で、風邪をひいて喉が痛いのに、1時間マイクの壊れた会場で大声で講演して声まで枯れてしまった状態で、耳栓をした友人と話すくらいに無理がある手段になりつつあるのだ。

 いや、実は数年前からそうで、だから、一時はmixiのメールに逃げていたが、こちらも一時増え過ぎてしまい(最近ではそもそもあまりログインしなくなってしまった)、Facebokkも同様で、Twitterのメッセージも。結局、分散させても、そちらの手段がいいとわかった時点で、そのチャネルへのコミュニケーションの集中が起きてしまい、本質的な解決にならない(いや、あまり分散させると、今度はあちらこちらチェックしないといけない、という問題が発生してくる)。

 いずれにしても、ここ10年のテクノロジーは、検索エンジンにしても、アグリゲーターにしても、人々の便利、効率的、欲しいといった言葉に流されて、人間の能力を超えて、情報を集中させる結果を招き、それによって人間をどんどん不幸にする結果にいたってしまったんじゃないだろうか。

さて、そんな状況の中、希望の光はあるのか?

おそらく来年、中頃くらいまでの間は、これが私の研究テーマの1つになり、nobilog2の中心テーマの1つになるだろう。

でも、いくつかの光明は見え始めている。

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2008.10.22

iPhoneでしばらくの間、ヒーローになる方法!?

[UPDATE:すみません。最初、OLD CAMERAとTOY CAMERAというアプリケーションを混同していました。OLD CAMERAは白黒写真、TOY CAMERAはロモ風写真が撮れるアプリです。
Old Camera
icon]

美味しいネタなので、短いけれど書きます。
iPhoneのApp Storeで、またしても1人、注目すべき日本人開発者がデビューをしました。
Takayuki Fukatsuさんです。

なんと、一挙に5アプリ同時リリースでのデビューなのですが、実はちょっとした事故があって、iTunes側のデータベースがちゃんと更新されなかったのか、iTunesやiPhone上のApp Storeで検索をしても、見つかりません(昨日の時点では、「Random Pose Viewer」のみ、執筆時点では「Random Pose Viewer」と「ToyCamera」のみ)が表示されています。

私は運良く、開発段階から製品をテストさせてもらっていたのですが、
特にお気に入りなのが「LiquidPics」と「ToyCamera」の2つ。

人に見せたときに圧倒的に受けがいいのが「LiquidPics」で、
先日、YouTubeに動画があがって以来、そこかしこで話題になっています。

昨日のリリース後に人に見せたところ、みんな喉から手が出るほど欲しがっていて
App Storeでちゃんと買えないことを心の底から悔しがっていました。
(先週、今週は1時間単位で予定が入っているので、1日あたりものすごく大勢の人とあっています。今日は午後3時まで、先週の火曜日以来、久々の2時間近い休憩時間。その貴重な時間をブログ更新に使ってしまった...汗)

ところで、このLiquidPics、検索ができないために、iPhoneでの直接購入はできませんが、
iTunes経由であれば、製品ページへの直接リンクを辿って購入することができます。

photo.jpg
LiquidPics
icon

これがどういうことかというと、iTunesのデータベースの修復が遅れている間は、
LiquidPicsが、まだあまり人に知られていない、自慢できるアプリケーションという状態を維持できる、ということでもあります(もっとも、トップアプリケーションにランクインしてしまうと、その時点で他の人も買えるようになってしまいますが)。

まあ、細かい理屈は抜きにして、パーティーでもウケること間違いなしのLiquidPics、iPhoneのグラフィック性能がどれだけすごいかを確認する意味でも、入手されてはいかがでしょう?

ちなみに個人的には、Toy Caemraもすごく気に入っていて、以下の写真(「続きを読む」以下)はすべてToy Cameraで撮ったものです。

Toy Camera
icon

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2008.09.30

Yahoo! Japan、iPhone戦略の隠し球?

photo.jpg
マスコミの一時的な「iPhone、日本では失敗」報道も沈静化し、
今度は逆に一般的な報道よりは売れているんじゃないかというニュースも出始めている:

Apple Insider: Japanese iPhone 3G sales better than reported

でも、本当に大事なのは、新しいもの好きの人が飛びついた、最初の3ヶ月に何台売れたかではなく、
より厳しい目で製品を評価する、一般顧客がこれからどれくらいiPhoneを買うかだろう。

パソコンの便利さと楽しさを携帯電話という製品の殻に凝縮したiPhoneは、
OSのバージョンが2.1になって、そうした一般の人達の中でも、
ある程度、技術的な素養があって、自分でトラブルを解決できる人達には勧められるレベルに到達した、と思っている。

 それでも動作が不安定になることも多いし、「私は機械音痴」という人には、まだまだ難しいデバイスかもしれない。しかし、1つ確実なのは、この3ヶ月、携帯電話業界周辺でも、パソコン業界周辺でも、もっとも多くの楽しみを享受しているのはiPhoneユーザーだということ。
 ここ数ヶ月の講演活動などで会う人の中には、インターネットで聞きかじったiPhoneの問題点や不安点をあげつらう人も多いが、そうした人のほとんどは、実物のiPhoneをちゃんと触っていない人で、実際に使っている様子をデモして見せると「思っていたよりもぜんぜん凄い」と声をあげる人が多い。
 確かに問題がないとはいわないが、今のiPhoneは、それらの問題点すべてに目をつぶることができるほどの魅力を放ち始めている。
 ソフト開発者のビジネスチャンスとして考えても(世界展開している開発者に限るが)大きなポテンシャルを見せ始めている。

 ちなみに、この1〜2週間でApp Storeで売られているアプリケーションの品質が、一気にレベルアップした。最初の頃は、「とりあえず、iPhoneで動くようにしました」というものが多かったが、今では大手のゲームハウスとかがメジャータイトルを次々とiPhone用につくり直し始めている。そういう意味では、開発者にとって参入障壁が高くなった、という側面もあるのかもしれない。

 いきなり、最初から脱線してしまったが、ここで表題にもあるYahoo! Japanの話し。

 Yahoo! Japanは、ソフトバンクモバイルの関連会社ということもあり、iPhoneにも真剣だ。

 何よりも凄いのは、ソフトバンクのiPhone発売確定から数週間で、iPhoneに最適化したポータルサイトをつくってしまったこと。これが「ヤフー!」っぽい外観も含めて、実によくできている。
 ソフトバンクモバイルのショップでiPhoneを買った一部のユーザーのホーム画面には、そのアイコンが登録されているが、登録されていない人は、ぜひiPhoneのSafariに以下のアドレスを入力して、ホーム画面に登録するべきだろう:

http://ipn.yahoo.co.jp/

photo.jpg

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2008.09.10

まだまだ話題のiPhone、ついに法人市場へ進出

今は、新型iPhone発表のまさにそのタイミングだが、私はこのブログ記事だけ書いたら、さっさと寝て、明日の取材に備えるつもりだ。明日は朝8時から30〜60分起きにスケジュールビッチリのノンストップアクション状態で、明後日は朝6:20AMに羽田から福岡へ旅立つ。
今から体力を温存しないと、かなりヤバいので、発表は見ずに寝るつもりだが、今晩は新型Macの発表はない、と見た。

Softbank Summit 2008 Keynote

今日、Softbank Summit 2008が行われた。そして孫正義さんの基調講演で、日本でもついにiPhoneを本格的に法人向け市場に向けて売り出すことが発表された。
1時間の講演の後半、孫氏は「今日の来場者で、自分の携帯電話を使って、会社のメールの読み書きをしている人」と聞いた。手をあげたのは2800名の来場者の3〜5%といったところ。

 孫さんは「日本の携帯電話はゲームやワンセグとエンターテイメントの機能は世界でも最先端に優れているけれど、オフィスオートメーションのツールとしては遅れている」と指摘。最前列に座っていたアメリカ人に講演中、英語で同意を求めていた。
 この最前列のアメリカ人、確認はとれていないが、おそらくアップル社のジェレミー氏。
 iPhone 2.0 OSは、FORTUNE 500企業のなんと35%でベータテストが行われたが、そのiPhoneの法人営業部隊の1人である。孫さんの講演後、Softbank Summitの展示コーナーに並べられたたくさんのiPhoneと孫さんの講演にすっかり満足した様子だった。

 確かに今日「も」孫さんの講演はなかなかよかった。
 iPhoneの話しとなると、非常に饒舌になり、実感がこもっているから説得力もある。

 米国のアップルが公開しているiPhoneの法人利用の事例は、ほんのわずかだが、
 孫さんは、架空のものばかりだが、20近いiPhoneの導入例のシナリオを紹介。
 どれもそれなりに説得力がある物だった。

 2800人の来場者の中で、iPhoneがどんなものかを、本当に理解している人は少ない様子で、みんなWebの記事だけ読んで知った気になっている人が多いのか、孫さんが「こんなこともできる」、「あんなこともできる」とデモをする度に、ドヨめいていた。

【注:以下の段落、個人が特定できそうだったので表現をボカしました】
 最近、大企業の重鎮の方々と接することが多いが、やはり、こちらもそれなりに凄いと思っている会社は、ライバルの会社の製品であっても、オープンな気持ちで「やはり凄い」とiPhoneを受け入れる。
 たまに「え、でも、iPhoneって〜〜では評判わるいでしょう?」とアラさがしをしている人もいるが、実はそういう人ほどiPhoneを実はちゃんと触ったことがない人だというのがよくわかる(iPhoneって「日本語がローマ字入力なんでしょう?」なんていう人もいた。もっとも、「アプリが起動しなくなるバグ、あれは大変だよね」という人は知っている人だろう ー笑)。
 愛社精神は大事だけれど、だからといって、話題の製品を「劣っているに決まっている」と決めつけてちゃんと見ることもせずにいる人が、実は多いんじゃないかと、ちょっと不安になった。
 佐藤可士和さんもいっているが、今の消費者は、そんな製品でもりあがるほどバカではない。
 むしろ、情報過多の中から、瞬時に正当な情報を見つける訓練をされている消費者の方が、自分の会社の製品だけに盲目になっている人達より、ものがよく見えているんじゃないか。

 話しがズレたので、元に戻そう。

Softbank Summit 2008 Keynote

 孫さんは小売業からタクシー業、そして何故か一番熱心に語っていた配送業で、孫さんが言う通りのiPhone用アプリをつくれば、「配送業界全体で、年間3000億円ほど利益を改善できる」といった勢いでまくしたてていた。

 聞いている人は、実はナメてかかっていてよく知らなかったiPhoneの「予想外」の可能性に引き込まれて行くのだが、最後に「One more thing」こそ言わなかったものの爆弾発表があった。

IMG_4825

 Softbank Summit 2008の参加企業すべてに、iPhoneを1社5台まで完全に無料で3ヶ月間貸し出すというのだ。
 孫さんのトークに聞き惚れて、夢を描き始めていた2800人の来場者達はドヨめいた。
 3ヶ月の間、iPhoneで、電話もインターネットもし放題だ。
 おそらく、来月には「支給された5台のiPhoneを、誰が使うのか」で同僚との仲間割れをする会社も多いのではないか!?

 最近、コンシューマー向けのiPhoneの販売がやや落ち着き始めた。
 それにあわせて、いろいろな媒体から、必ず受けるのが、「孫さんは100万台のiPhoneを売ると言っていたが、どう思うか?」という質問だ。
 既に4誌ほどに答えたので、ここで私の考えを述べておこう。
 私の記憶の範囲では孫さんは100万台売るとはいったけれど、いついつまでに100万台とは言っていなかったと思う。


 私が最近、この手の質問を受けると必ずしているのが、この答えだ(最近では、講演でもこれを取り入れるようになった)。

SHARP.075-003

 アップルのスティーブ・ジョブズは2008年末までに世界の携帯電話市場の1%(=1000万台)を取ると宣言していた。当然、日本でのiPhoneの出荷台数は、これよりもずっと小さい数になる(1000万台のうち600万台は、欧米での初代iPhoneの売り上げだ)。

 世界の1%とはどういう数字だろう。

 私の講演でよくでてくるスライドの1つに、「世界の携帯電話市場における日本メーカーのシェア」、というスライドがある。
 日本で、一番、売れているのはシャープ製の端末で、国内では圧倒的なシェアを持つが、実はそのシャープですら、海外では展開していないので、世界市場で見ると、わずか1.5%ほどのシェアしか持たない。
 iPhoneの1%は、イメージとしては、そのシャープ製の端末を、世界中にばらまいて薄めたくらいの台数ということになる。
 なので、シャープ製の端末なんかと比べると圧倒的に少ない(特に、日本市場での話しとなると、めちゃくちゃ小さくなる)。

 でも、それでも多くのソフト開発者に世界レベルの成功を夢見させるには十分な存在だ。
 それにシャープという会社が出している携帯電話の端末は、1キャリアあたり数台ずつだが、アップルが売っているのは、ただ1製品2モデルのみ(今は絶版の初代iPhoneをカウントしても、2製品4モデル)。そういうわけで、R&Dコストに対する回収率は圧倒的に高い。

 孫さんの100万台というのは、おそらく年内とかそういったショートスパンではなく、1年とか数年とか、そういうスパンでの数字じゃないかと、私は思っている。

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2008.08.31

iPhoneによるイベントガイドのモデルケース

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銀座で明日(9月1日 月曜日)まで開催中の「デザイン物産展ニッポン」。
D&Departmentナガオカケンメイさんがコミッショナーを務めるイベントで、
私も友人にチケットをもらっているし、なんとか明日の最終日に滑り込みで見てこようと思っている。
(今日のagnes b.は行けなかった...悔しい)。

この「デザイン物産展ニッポン」のWebページがiPhoneに対応しているということをお宝鑑定団のブログで知った:
Macお宝鑑定団Blog「羅針盤」:松屋銀座店、iPhone 3Gコンテンツ「DESIGN BUSSAN NIPPON」公開


iPhone/iPod touchユーザーは、ぜひこちらのURLに接続してみて欲しい:
http://designbussan.jp/


実際にiPhoneからアクセスしてみると、これがシンプルながら驚くほどよくできている。
ユーザーインターフェースの見やすさ、わかりやすさも、さることながら
ムービーまでiPhoneのサイズにあわせてあるあたりちょっと感動した。
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photo.jpgphoto.jpg

これは今後、世界で開催されるさまざまなイベントが手本とすべきガイドなんじゃないだろうか
(ということで、後で、英語のブログでも紹介しよう)。

イベントに行くモチベーションを高める案内としても機能し、
イベント会場ではガイドとなり、
そしてイベントを訪れた後も、「あれは何だっけ?」と調べられるツールとして使えそうだ。


ガイドとしての便利さは、未体験なので、明日、試すつもりだ。記事もそれからでもよかったが、もしかしたら行きたいのにイベントのことを忘れている人がいるかもしれないと思いイベントの案内も兼ねて記事を書くことにした。

なお、お宝のページからもリンクされているが、ITmediaのこちらの記事がガイドの舞台裏などを細かく紹介している。
ITmedia Enterprise: 伝統に“新しい風”:
iPhoneを利用した展示会ガイダンス――老舗百貨店 松屋が採用


もっとも、このシステムを他のイベントにも広げて行くとなると、
iPhoneだと「携帯電話禁止/カメラ禁止」の美術館での利用が問題になるかもしれない。

そういう意味ではiPod touchって電話もできなければ、カメラもないし、
ヘッドホンがないと音を聞けないし、音声ガイドとしては絶妙な製品なのかも。

9月9日に発表されそうな新iPod touch、その当たりの視点も入っていることに期待!

そうそう、銀座の松屋に行き損ねた人。もし、9月9日よりも前に、九品仏のD&Departmentに行くことがあれば、行きか帰りにちょっとだけ足を伸ばしてLa Rucheにも行ってみましょう(駅から見てD&Departmentと反対方向だけれど):
nobilog2: La Ruche、今年は9月15日まで

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リビングでのiPhoneライフが一気に充実

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今週、届いたモノ2つのおかげで、iPhoneのリビングでの存在感がグっと増した。
届いたモノのの1つ目は「Apple コンポジット AVケーブル」、
iPodやiPhoneをテレビにつなぐ専用ケーブルだ。

前にビックカメラの有楽町店で見かけたときに「買わなきゃ!」と思ってそのままになっていたが、
渋谷のビックカメラに売っていなかったので(そしてApple Store Shibuyaに足を伸ばす時間的余裕がなかったので)Amazonでオーダーしてしまった。

drikinが「僕が先にブログする」といっていたけれど、
なかなか記事があがらないので先に書いてしまおう。
この製品、「実は凄いんじゃないか」と思っていたけれど、
改めて使ってみるとやっぱり凄かった。

iPodの写真をテレビ(特にブラウン管がお勧め)に映し出すと、
きれいということはiPod photoの登場時からわかっていたことだけれど、
今はこのプレイヤーがiPhoneに変わったことによって、
写真だけでなく音楽ビデオや映画といったムービーコンテンツ、
そしてなんとYouTubeもテレビで見ることができる。

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テレビでYouTubeというと、先週、9月発売の「ビエラPZR900シリーズ」というテレビに
標準でYouTubeを見る機能が内蔵されたというニュースが話題になったけれど、
実はiPhoneユーザーは、この5000円のケーブルを1本買うだけで、
(ややケーブルが邪魔だけれど)ほぼ同じ体験ができてしまうのだ。

いつもMacやiPhoneで見ているYouTubeなのだけれど、
「テレビ」という違ったメディアを通して見るだけで、
なんだかぜんぜん別の体験になって楽しく感じられるから不思議だ。

先日、森美術館のイベントで聴いてから気に入ってしまったアーティスト「オルガノラウンジ」で
検索するといくつか動画が出てきたので、しばらくテレビに映し出されるYouTubeで、
その映像を見て、明日(31日)リニューアルオープンのアニエスベー青山店
ライブパフォーマンスに行きたくなってしまった。
(14:30からと17:00からの2回あるが、行けるかどうかはちょっとビミョーだ)。

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届いたモノのもう1つは、ロジクール社のポータブルスピーカーシステム「Pure-Fi Anywhere」。

超高音質!、ではないかもしれないけれど、
この価格にしては、十分すぎるくらいの音量と音質を備えており、
何よりも細かいところまでよくわかってつくられているのがうれしい。

置いておくだけでiPhoneを充電してくれるので、
寝る前にはベッドの横に置いて翌日のために充電しつつアラームをセットしておけば、
翌朝、頼りがいのある音量でお気に入りの音楽をならしてくれる。

充電式なので、アウトドアでiPhoneの音楽を楽しむこともできる
(何Wかは書かれていないが、音量を最大にしてしまうと、まわりに迷惑がかかる、くらいの音量が出る)。
旅行のときにトランクの中に詰め込んでもっていくのにも手頃で、専用のポーチやリモコンが付属しているのもうれしい。

実はロジクール社のポータブルスピーカーは最初の製品「mm50 Portable Speakers for iPod」から愛用している。
 去年引っ越すまで、紅茶/コーヒーと読みかけの本とmm50を持って、ベランダでくつろぐというのがお気に入りの気分転換方法だった(今のマンションは利便性優先でそれほど眺めがよくないので、それほどベランダを活用していない)。

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2008.08.22

iPhone問題、2.0.2だけに限らず

iPhone復元中でもちゃんとSMSが受けられるの図(ただし、電話番号表示)
ちなみに返信はできません。見たり、別の電話で連絡を取るだけです(でも、ちょっと感動!)
receiving SMS while restoring

直前の記事に更新をかけましたが、一度、読んだ記事は読まない人も多いでしょうからre-postしておきます。

前の記事のコメント欄トラックバック先mixiの連動書き込みtwitterでのやりとりにていくつか情報が集まってきたので、ちょっと情報をアップデートします(はてブ頑張れ!)。

2.0.2にアップデートして、私と同じ症状になった、という方は、やはりそれなりにいるようです。
ただ、その一方で、2.0.1で同じ症状が出ていて、2.0.2で直ったという人もいるようです。

また、2.0.0からその症状があったという人もいるようです。
なので、一概に「2.0.2が有害」とは言えないかもしれません。

いずれにしても2.1待ちなのかもしれません。私はこの更新を書きつつ、今日、2度目の復元中です。

英語圏では、この辺りの記事に情報が集まっています。
ぜひ、同じ症状に見舞われた方は、英語が苦手な人もpopInなどを使って解読してみてください。
ちなみにmodiphi for iPhoneにも新たにフリック操作で対訳を表示する機能がつきましたので、iPhoneから読んでいる人はお試しあれ!

iPhone Atlas(ytsさんありがとうございます!):
iPhone OS 2.0.2: Fix for Apps Crashing, Not Launching and Missing Music

Ars Technica(shigeyas さん、ありがとうございます):
More on iPhone app-crashing, how to downgrade iTunes


ちなみに、この症状に一度、見舞われた方は、再発の可能性もあるので、
2.1がリリースされるまでは、すぐに復元できるシステムの構築(つまり、あまりデーターをiPhoneにいれないようにする)をした方が精神的に楽かもしれません。
私はまる2〜3日(+前回の週末)を無駄にしたので、
しばらくは、起動しなくなっても1時間で0から復元できるシステムでいこうと思っています。

私の場合、なぜかバックアップからの復元がうまくいかないので毎回0からの新規設定になってしまいますが(もしかしたら一部、iPhone非対応の動画を使ったビデオPodcastを同期していて、同期の度にエラーがでていたのが原因かなとにらんでいます。単に残りメモリがたりなかったのでは?という友達の指摘も)。

0から新規設定する場合には、情報をパソコン側やMobileMe側(これに関してはうまく行かない人もいるみたいです)、そしてGoogle CalendarにおいてNuevaSyncで同期するようにしていると、「同期」のありがたさを感じます(ゲームなどのスコアやiPhoneで撮った写真、Wifiの設定などは消えてしまうけれど)。

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【更新】iPhone 2.0.2アップデートは要注意!

【更新:
このブログのコメント欄やmixitwitterにていくつか情報が集まってきたので(はてブ頑張れ!)、ちょっとだけアップデートします:
2.0.2で同じ症状という人も大勢いる中で、2.0.1で同じ症状が出ていて、2.0.2で直ったという人もいるようなので、一概に「2.0.2が有害」とは言えないかもしれません。
いずれにしても2.1待ちなのかもしれません。私はこの更新を書きつつ、今日、2度目の復元中です。
詳しくはこちらも参照:「iPhone問題、2.0.2だけに限らず

P1170216.JPG

iPhoneはパソコンに近い感覚のケータイ。
なので、これまでの日本の携帯電話と比べて高い頻度でOSのアップデートがある。
iPhone 3Gが発売された7月11日以降、既に2.0.1、2.0.2の2つのアップデートが出ている。
ただし、この2つ目のアップデートで、予想外の問題が広がっている。

すべてのユーザーに起きているわけではなく、無事に使えている人も多いが、
運悪くこの問題が発生してしまうと、かなりタチが悪い。
(私はこの運が悪い方のグループに入ってしまった)

アップル社も、この問題は認知しているようで、
米国ではApple Insiderがスティーブ・ジョブズの社内メモを公開し、
「アップルがこの問題を認知していること」や「対策が9月までにリリースされること」が明らかになった。
しかし、問題が起きてしまった人はおよそ9月まで待てるものではない。


こうした危険を避けるために、まだ運良く2.0.2のアップデートをしていない人は、
もうしばらく様子見をする、あるいは2.0.2のアップデートをスキップして
9月までOSをアップデートしないことをお勧めしたい。

以下では簡単に症状と原因の予想を解説しよう。

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2008.08.19

iPhoneのアイコン、どうやって並べてます?

photo.jpg
たまには仕事の合間の気分転換に軽い短めのネタを...

他のiPhoneユーザーの方は、ホーム画面のアイコンをどんな風に並べているんだろう?

最初はインストールされるがままに、ランダムに並べていて、
その後、位置情報系とか、写真系とか、ジャンル別に並べようかとも思った。
しかし、なんだかしっくりこない。
そもそもアイコンのデザインがバラバラなので見た目があまりよくない。

なので、大雑把だけれど色別に並べてみた(実際の画面はつづき以下で...)。

ついでに、同窓会でiPhoneを見せたところ、同窓生の1人が、
いっぱいインストールされたボタンを見て
「わ、なんだかiPhoneっていっぱい機能があって難しそう」といったのを受けて、
ホーム画面の1〜2ページ目は、ほぼ標準状態そのままにしてアイコンを減らすようにした。
持つべき物は、IT苦手の普通の友人で、こうした視点を言葉にしてくれると本当に参考になる。

以前からいくつかのインタビューや記事で、米国の一般ユーザーは、
iPhoneをまっ白なシンプルな状態から使い始めたからいいけれど、
日本のユーザーは、いきなりApp Storeがオープンしている状態から使い始めており、
ゆっくりとラーニングカーブをあげていっている余裕がない。
中にはiPhoneはアプリをダウンロードして楽しむものだと誤解している人もいる、
といったことを言ったことがあるが、この同窓会で、まさに私が心配した通りのことが起こっていることに気がつかされた。

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2008.08.18

iPhone壊れてTwitterの難しさを知る

ST330020.JPG
(クラッシュする以前のiPhoneの最後の姿。太陽光の下で、よくみたら受話口の左に3つのセンサーが見えたので、それをINFOBAR2で撮影したが、写っていなかったの図)

先週の金曜日、iPhoneを久々にiTunesにつないでバックアップをしていたところ、バックアップ半ばで突然、iPhoneに再起動がかかった。
最初のうちは「まだまだ、不安定だな」くらいに思って余裕でみていたのだが、
しばらくしてただごとではない事態であることが明らかになってきた。
再起動したiPhoneが10分経っても、30分経っても起動時のアップルマークを表示したままなのだ。

これまでにもiPhoneがなかなか起動しないことはあったので、
上のボタンとHOMEボタンを同時に長押して強制再起動をかけるが、
それでも同じ状態。何度やってもダメなのだ。

iTunesにつないでもMacのiTunesも操作不能で、iPhoneもそのままでなんともしようがない。
それに未だバックアップとれていないアプリケーションや写真、SMS
そして録音アプリケーションで録音した取材データ(孫正義さんの声など)もあったので
できればiPhoneを真っ白な状態にしてしまう「復元」はしたくなかった。

いろいろ調べていくと、米国のアップル社のサポート掲示板でも
同様の報告が多数なされていることがわかった。

大勢の人がいろいろ試し、挫折しているのがおもしろかったが、
その中でも、もっとも効果があったのが、こちらのmr.buzzの方法:
"15-MIN SOLUTION: CONNECT TO ITUNES AND REBOOT 3 TIMES TO AVOID RESTORE"
だった。


  1. パソコン上でiTunesを起動しiPhoneをUSB接続(この後もずっとつなぎっぱなしにしておく)。iTunesはフリーズしたような状態に見えるが、決して強制終了してはいけない
  2. 上の電源+HOMEボタンを、iPhone本体に再起動がかかって、その後、アップルマークが表示されるまで押しっぱなしにする
  3. その後、iPhoneの画面がやや暗くなるまで5分ほど放置する。
  4. もう1度、電源+HOMEボタンを、iPhone本体に再起動がかかって、その後、アップルマークが表示されるまで押しっぱなしにする
  5. 2分くらいするとiPhoneがバイブレーションするが、無視して画面が再び暗くなるまで5分ほど待つ。この時点でラッキーな人はiTunesがiPhoneを認識してくれるかもしれない。
  6. さらにもう1度、電源+HOMEボタンを、iPhone本体に再起動がかかって、その後、アップルマークが表示されるまで押しっぱなしにする。2分くらいすると本体がバイブレートし、その後、本体に見慣れたホーム画面が復活することがある。

mr.buzzは技術的なバックグラウンドがあるのか、どうかわからないが、ちゃんとなぜそうなるかまで説明してくれているが、これがなんだか「それっぽい」。
 iPhoneが起動しなくなる原因は、SpringBoardというプログラムがクラッシュしつづけるからで、これがクラッシュすることでCrashReporter(iPhoneの不具合をiTunes経由でアップルに知らせるプログラム)が起動するが、これもうまくいかず、ずっとそのループを繰り返してしまう、というのだ。
 iTunesにUSB経由で接続して、いろいろ試していることで、SpringBoardの初期設定だかデータベースに、何らかの変化が加わり、それで起動できることがあるのだという。

 上の方法は3回繰り返す、という内容だが、私はそれでダメでもあきらめきれず、同じ操作を繰り返していたら8回目くらいで、一瞬だけiTunesが認識してくれた。本来ならそこで同期などの操作をすればよかったのかもしれないが、私はこれが「この時点でラッキーな人はiTunesがiPhoneを認識してくれるかもしれない。」という状態に当たると思って、次も「iTunesは認識してくれるさ」と、電源+HOMEボタンを長押ししてしまった。
 うれしくなってアップルロゴが表示される前に、指を1度離してしまったのが原因か、そんなの関係なくてそもそも望みがなかったのかは永遠のミステリーだが、それから3日間、私のiPhoneをiTunesが認識してくれることはなかった。

 状況をTwitterで実況していたところ、いろいろな修復方法の情報が集まってきたが、いずれも効き目無し。
 最後まで試さなかったが、Jailbreakすることで本体をiTunesに認識させ、最後の最後でJailbreak用のファームウェアじゃなく、本物のファームウェアを読み込ませる、というアイディア(by koyaさん。詳細はこちら)もいただいたが、完全放電後、何事もなく起動したという報告もあったので、私はそれにかけて完全放電を待つことにした。

photo.jpg
(「あきらめ」によってまっ白から再スタートした私のiPhone。たまたま見つけたGoogleの手鏡ケースがケースとしてピッタリであることに気がついたので、これからはこれで持ち歩くかも)


 土曜日の朝4時ころ、iPhoneに再起動をかけるとアップルマークの代わりに赤い容量わずかなバッテリーの絵が表示されたので、「あと少し待てば完全放電だ」と信じて待った。
 その後、待って、待って、ひたすら待って土曜日が終わり、日曜日の朝が過ぎ、昼になり、夕方も終わり、夜もまだバッテリーが大丈夫で、夜中になってもまだバッテリーが切れない。
 月曜日の朝「もう待てない」と一瞬思ったが、どうせ取材で作業ができないからと、帰宅まで放置し、帰宅後「急ぎの用事が終わるまでは、復旧作業ができないから」と、最終的に夕方16時まで待ち続けたが、結局、完全放電することはなかった。

 そこからは、あまりにもいろいろ試し過ぎていて、
すっかり忘れかけていた「iTunesがiPhoneを認識しなくなった場合に、取るべき操作」をTwitterで教えてもらって思い出し、「これ以上、時間を無駄にするのはやめよう」と「復元」作業を行った。

ちなみに、このブログ記事は既にかなり長くなっているので、
その「いざという時の方法」はTwitterで教えてもらったmasui driveさんのブログ記事に譲る:

masui drive on rails: iPhoneが起動不能になった場合の復活方法

 これまでのiTunesによるバックアップのデーターが破損していたようで、バックアップからの復元もできず。結局、すべてが真っ白からの再スタートになったが、iTunesが同期した曲や動画、写真などの設定を覚えてくれていたのが、せめてもの救いになった。

 私は音楽のデーターや動画のデータが尋常じゃなく大きく、iTunesのデータが外付けハードディスク2つにまたがっている(それでも、段ボール箱2つ、3つ分くらい「まだrippingiできていないCD」があるー>探すだけでも面倒なのでiTunesでダブって買い直している)。
 昨年、引っ越したマンションの電源容量が足りず、たまにブレーカーが落ちるといった事情もあり、2台の外付けHDDを利用する、iTunesの同期の回数が最近、めっきり落ちていたのも、今回ダメージを大きくした大きな一因だが、せっかく失敗したからには、それをブログでネタにして、失敗を繰り返さないように、これを気に大容量のポータブルHDを購入して、そちらにiTunesのデータをすべて移すことにしようと思う。

ところで、このiPhoneクラッシュ騒動をストレス発散も兼ねてTwitteで実況中継していたのだが、そこでTwitterを使ったコミュニケーションの難しさを知ることになった。

以下はiPhoneとはぜんぜん関係ないTwitterの話し。

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2008.08.17

Re: 日本は公衆無線LAN先進国!?

P1170207.JPG
iPhoneが起動しなくなって仕事が止まってしまった。
とりあえず一度、完全放電してから、もう1度だけ復帰に挑戦しようと思って待っているが、
「すぐ切れる」と不評のiPhoneのバッテリーは、なぜかこういう時だけしぶとく残りあとわずか(起動中に赤いバッテリーの絵が表示される)になってから既に24時間以上が経過している。
これはきっと、天からの「仕事は小休止してブログを書け」というサインだろうと受け止めて、
今週思ったことを何本かまとめて書こうと思う(from popIn戦略会議の合宿)。

まずは予想外に反響が大きかった直前の記事「日本は公衆無線LAN先進国!?」のフォローアップ。
ほとんどの人は、一度、記事を読んだらそこで終わりで、
わざわざ同じ記事をもう1度読みにくることはないと思う。
しかし、実はnobilog2はコメントでの議論(やはてぶでのコメント)にこそ価値がある。

そこで反響の大きかった前の記事への反響の部分を改めて記事として起こし、
ついでに前回書かなかった話題にも触れられればと思う。

まず海外在住者の感想はUKから帰ってきたyukiさんも、
米国からたまに帰国するきださんも「やはり、その場ですぐに契約できないのが不便」ということだった。
はてブでも何人かの方がそれに同意してくれたようだ。

つづいてはてブで、目立ったのがこの記事で触れているのは東京などの首都圏だけの話題で、地方には当てはまらない、というもの。これは確かにその通りだと思う。「都心同士だとそうなるけど、中堅都市比べたら日本の方が遥かに先進だよ。」という意見があるが、私もこれには同意する。

 特に前の記事では書かなかったが、日本のauの携帯電話(あるいは他社の携帯+NAVITIMEの組み合わせで)は、GPSを使った周辺検索機能で、周囲のホットスポットを位置検索できるので、これが便利だ。温泉地などに行った時も、この機能を使って「一番、近いホットスポットまで4kmか、それじゃあ何度もタクシーで往復するわけにもいかないので、お店の閉店時間直前に1時間だけ行くか」といった行動計画が立てやすい(ただし、情報があまりアップデートされておらず古いのが凄くもったいない。ぜひHOTSPOTやMzone、FREESPOTの人との連携を強化して欲しい。3D機能よりもそっちの方がうれしい)。

 ちなみにホットスポット情報を探すにあたってはdokoyo.jpという便利なサービスがある。このページ、一見細長くてiPhoneに最適化されている風なんだけれど、ぜひ本当にiPhone最適化してくれないかなぁ....

 欧米だと、例えばパリにあるフランステレコムのホットスポットを探す場合はこちらといった具合にパソコンでは調べやすいが、外出中に探すのが、まだまだ日本に比べて大変だと思う。
(もっとも、これは日本の携帯を持っていない、あるいはEVNaviwalkのないオンボロのレンタル携帯を使っている海外からの訪問者も同じかもしれない)。

ここで一瞬だけ脱線。
auには、海外から日本を訪問する人にこそ、日本の技術の粋を集めた携帯をレンタルして欲しい。
特に英語版インターフェースもあるEZNaviwalkが使えるモデルをパケット定額1ヶ月分くらいの料金でレンタルしたら、彼らも「あこがれの日本ケータイ」を堪能できてよろこぶだけでなく、日本では歩行ナビゲーションというものがこうも便利なのかと、驚かされるはずだーーただし3Dナビゲーションの機能だけは標準でOFFにしておいた方が混乱が少ないだろう。あれはやり過ぎで、かえって不便にしてしまった例に思えてならない)。

はてブコメントの話しのつづきをすると、日本ではスタバの代わりとなるWi-Fi駆け込み寺がマクドナルドだという意見が目立った。

古くから公衆無線LANサービスの取材をしていると、「日本の公衆無線LANサービスは、モスバーガーで始まった」というイメージが強いが(このために5軒ほどしかない、生活エリアからはるかに離れたモスバーガーを何度訪れたことか)。
しかし、確かに今の時代では、むしろマクドナルドなのかもしれない。コーヒーが安いし、おサイフケータイのクーポンも話題だし、マクドナルドはもう少し見直してもいいかもしれない。
ただし、ファーストフードでいうと渋谷の道玄坂や五反田のモスバーガーは電源も使えたりするのだけれど、これってマクドナルドもそうなんだろうか(ー>他力本願)。

ワンデーパスの議論もあったが、そもそもお店で売っていないことが多くて、しかも、試しに店員に聞いてみると「あ、すみません。ちょっとわかりません」という人も多い。

FREESPOTやFONの議論がない、という指摘もあった。

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2008.08.14

日本は公衆無線LAN先進国!?

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東京でiPhoneを本格的に使い始めると公衆無線LANサービスが非常にうっとうしく感じられてくる。
電波が弱いといわれるソフトバンクでも、都内の主要地下鉄駅構内ではほとんど電波が入る。

なので、地下鉄に乗っている時でも、駅に着いたタイミングでメールを受信しようとしたり、Webページを開こうとすれば、ちゃんと見れる。

しかし、ここで問題になるのが、公衆無線LANサービスだ。
私は公衆無線LANサービスヘビーユーザーなので、NTTコミュニケーションのHOTSPOTにも、NTTdocomoのM-ZONEにも入っているのだが、そうすると非常にやっかいだ。

 地下鉄が次の駅に停車して、メールを受信しようとするとエラーが出て受信できない。
「なんでだろう?」とよく考えてみると、iPhoneがHOTSPOTの電波を勝手に掴んで接続してしまっているため、「一度、Webブラウザを起動してIDとパスワードをいれるまでメールが受信できないんだ」と改めて気がつかされる。

 そうか、それならHOTSPOTで接続してしまえと、Web認証を使ってHOTSPOTのサービスにログインするが、次の駅で、再びメールを受信しようとすると、またうまくいかない。
 なんでだろうと調べると、どうやらその駅ではHOTSPOTの電波が弱く、Mzoneの方が電波が強かったために、そちらにつながってしまったのだと気がつく。

 最近では、結局、地下鉄に乗っている間は、無線LAN機能をOFFにするのが一番便利なのだ、という結論に至っているが、地下鉄を乗り降りする度に、この切り替えをするのがなかなか面倒くさい。

CA330246.JPG

 それにしても、この問題、米国にいる間は、なぜ感じなかったんだろうと振り返ってみた。
 よくよく考えてみると、米国では公衆無線LANホットスポットは、「スポット」であって、その場に行って、座る場所を確保してじっくり使い込む場所であり、乗り物に乗って移動すると自動的に、次の駅のアクセスポイントに自動ハンドーバーされて、使い続けられるようなホットスポットはないからだ。
 そういう意味では、地下鉄の駅にあるホットスポットは、パソコンから使う分には、非常に便利なサービスとなっており、携帯電話だけでなく「さすが、公衆無線LAN先進国ニッポン!」と世界に誇れるサービスなんじゃないかと思う。

 ところで、海外から東京を訪問している人からは、よく「日本は公衆無線LANがない」、「公衆無線LANサービスが遅れている」という言葉を耳にする。

 一体、なんで、このような大きな印象のギャップが生まれるのだろう。

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2008.08.04

このままでいいのか?ケータイ絵文字

P1140039.JPG

困ったことに、仕事が遅れている時ほどブログが進む。
時間を区切って書くことにしよう。
(今から写真の追加も含めて30分以内で書き上げます。制限時間は16:05まで。推敲も夜までしません。以下は、誤字脱字が多い記事になるので、ご了承ください)。

IDEOやparcといったイノベーションを創出する会社では
「いいブレスト」をするためにいくつかのルールを決めている。
「人のアイディアを批判しないこと」、「アイディアの所有権を主張しないこと」などなど。
(記事冒頭の写真はXerox PARCから派生したparc社が大日本印刷と開発したmagittiというデバイスのもの。詳細は月刊アスキーの2008年6月号か、まもなく発売になるMACPOWER誌を参照)。


さらにブレストの結果を、どう活かすかにも方法論がある。
とにかく何度も議論を繰り返すこと。そしてその議論の中で繰り返しでてくるパターンに注目すること。

別にブレストをしたわけではないが、
先週金曜日から今日まで、私が繰り返し耳にしているキーワードがいくつかある。

1つめは「位置情報」
(前の前の記事のコメント欄に追記したが、なんとYouTubeも位置情報の追加や検索に対応した)

2つめはケータイ電話の「絵文字」だ。

ケータイ電話の絵文字といえば、iPhoneが発売された直後、
テレビや一般の雑誌で、もっとも話題になったキーワードの1つでもある。
「iPhoneを買う場合の注意事項」の1つとして「絵文字が使えません」というのが取り上げられていたのだ。この絵文字というのが、どういう背景を持つかには触れられないまま。

実は今日のGoogleの説明会で、iPhoneで絵文字を見る方法が紹介された。
メールをGmailで受信して、Gmailのモバイル版でみればいいのだ。
ちなみにこの方法を使うと、パソコンでも絵文字が見れることになる。
emoji
思い起こせばGoogle社は、2001年の日本進出に当たって真っ先にやったのが、
パソコン用Webサイトをiモードで閲覧できるようにするサービスの開発と提供だった。
「世界の情報のすべてをオーガナイズし、それをアクセス可能にする」というGoogleのミッションは、日本のパソコン文化とケータイ文化の間の断絶の溝を埋めることにも、常に貢献してきた。

先週はUnicode(世界各国語を同時に扱えることを目指した技術)の標準策定にも関わっていたある方と、久々にお会いしていた。
「日本の企業は、そもそも国際標準化などについて積極的ではない」というのも最近よくする議論の1つだが、これはUnicodeについても同じようだ。
標準化に関わっていた方の目からすれば「絵文字を大事な文字として広めようという考えがあるならば、積極的にUnicodeなどに盛り込むための働きかけをするべきだというのが、氏の意見だ。
もっともな意見だと思う。
日本のキャリアがそうしなかった理由は明白だ。
絵文字は、キャリアがメールのバイラル的な効果を使って、ユーザーとその友人を自社製品に囲い込むために普及したという背景があるからだ。

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2008.08.03

iPhoneで「情報」と「アクション」の距離が短くなる

P1170213.JPG
ここ半年くらい、ほぼ1〜2週間に1回(最大は週に4回)のペースでiPhoneについての話をしている。話しの内容は、聴衆にあわせて毎回、半分くらいはつくり起こしているが、半分くらいは毎回同じだ(iPhone関係の講演なら)。

その中でも、そうしたスピーチのエッセンスを、もっとも身近く凝縮したのが、
先日、Apple Store Ginzaのシアターで行われたmodiphi社の記者発表会かもしれない。

そう、ここのブログでは特に触れていなかったが、実は先日、popIn社に、続いてmodiphi社のアドバイザーに就任させてもらった。

そして、その初仕事(!?)として、同発表会で15分ほどのスピーチを行った。

ケータイWATCH: モディファイ、iPhone向けサイト構築ソリューションを発表

スピーチの骨子はこんな感じだ:
【1】iPhoneは世界的現象
   7月11日に、iPhoneを買うための大行列ができた。
   報道合戦も凄かった。
   ただ、これは日本だけの現象ではない。
   同じ7月11日、世界21カ国で同様のことが起きていた。
   =iPhone現象は、テレビや雑誌で見たよりも、ずっとスケールの大きな現象だ

【2】iPhoneは世界進出のチャンス
   iPhoneは年内中に70カ国で発売予定
   App Storeも62カ国で展開予定だ
   iPhoneはソフト開発者やアクセサリーメーカーにとって、世界進出のチャンスだ

【3】Webアプリも重要
   iPhoneではWebアプリケーションもsecond class citizenではない
   ちゃんとホーム画面上にアイコンも置けるfirst class citizen扱いになっている

【4】Web 2.0 in your pocket
   iPhoneで、なんといっても革新的なのは、
   ここ数年、世間を騒がせ続けてきた「Web 2.0」の便利なサービスを
   ポケットから取り出して、いつでも、どこでも、すぐに使えるようにしたこと
  (「Web 2.0」というバズワードが嫌いな方は*1参照)。
   もちろん、これまでにもフルブラウザやスマートフォンはあったが、
   一般の人でも快適に操作できるiPhoneのレベルまで使い勝手がブラシュアップされたことで
   初めてそれが意味を持った

【5】情報獲得からアクションへの距離が短く


この【5】については、実際に私がmodiphi for iPhoneをどのように活用しているかを紹介した。

私のmodiphi for iPhone(RSSリーダー)には、
・親しい友人のブログ、
・よく読むニュースサイト

も登録してあるが、それに加えて
・「TOKYO ART BEAT」の数種類のRSS
・「みんなの経済新聞ネットワーク」のいくつか

も登録してある。

TOKYO ART BEAT(TAB)は、東京のアート情報のサイトだがこちらのページで、最も人気、スタート間近 、ファミリーで、もうすぐ終了など、多彩なRSSを用意している。
New York ART BEATもある。休止中の関西ART BEATにも早く復活して欲しいところ)。

TABには、それに加えて、銀座、新橋 | 上野 | 表参道、青山といった場所別のフィードもある。
実はこれがすごく便利だ。

なぜかというと、例えば銀座で講演をした後、「銀座、新橋」のフィードをmodiphi for iPhoneで見て、おもしろそうな展覧会を発見。次の予定に行くまでの時間を使って、ちょっとした気分のリフレッシュをすることができる。

みんなの経済新聞ネットワーク」も、同様の理由だ。
私の場合は、六本木経済新聞、銀座経済新聞、品川経済新聞、シブヤ経済新聞、自由が丘経済新聞の5つのフィードを登録してあって、これらのエリアに行ったときに、iPhoneで、その地域の最新スポットの情報を得ては、そこを覗きにいっている。

欲しい情報が、その場で獲得できて、すぐにアクションに結びつく。
これって小さいことのようでいて重要なことだ。

photo.jpg photo.jpg

よく考えてみると、私がアドバイザーを務めるpopInも、
この情報獲得とアクションの距離を短くする会社なのかもしれない。
(つまり、新しいウィンドウやタブを開いて、調べものをしているうちに、
 他のページに関心が移り、アクションを遠のけてしまう、という問題を解決するのがpopIn?)
popInをこのブログで最後に紹介してから時間が経っているが、
あれから実はじわじわとよくなってきているので、存在を忘れていた方はぜひ試してみて欲しい。


ちなみに、Flashも好きだし、技術としては素晴らしいと思うが、一部でいまだに採用されている「かっこいいアニメーション+SKIP INTRO」の文化は、ちょうどこれと正反対の文化なのかもしれない(もちろん、Flashコンテンツでも、獲得→アクションが短いものもあるし、Flashが悪いと言いたいわけではない。iPhoneでは見れないので、iPhoneユーザーには関係ないが...)。

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2008.08.01

iPhoneを通して考える通信のこれから:NetShareとNet Neutrality

iPhoneを無線ルーター化するアプリケーション、「NetShare」が登場した。

Engadget Japanese: iPhone 3GをWiFiモデム化する公認アプリNetShare、脱獄不要

だが、このソフトはその後、すぐに取り下げられる。
NetShare no longer available

iPhone開発者の規約に違反したこのソフトが、一時的とはいえApp Storeに通されたということは、App Storeの審査はアプリケーション単位で行うというよりは、企業単位の審査に基づいていることが明らかになった、と言えそうだ。今後、同ソフトを提供したNullriver社(他に「Tuner Internet Radio」を提供)にどのような処分が下されるかは気になるところだ。


ところで、このiPhoneの無線ルーター化については、さまざまな見方をすることができると思う。

先日、drikinとのSkypeチャットで、こちらのブログの記事が話題になった。

Thirのはてな日記:iPhone 3Gをモデム代わりにしてはいけない

回線を圧迫する無線ルーター利用は、他のiPhoneユーザーに迷惑をかけるからやらない方がいい、という内容で、正論だし、私もおおむね賛成だ。

しかし、その一方で、私はこの考え方には、賞味期限を設定する必要があるとも思っている。

私は今年から来年にかけては、まさに「ケータイ・ビッグバン」とも言える年であり、3つのレイヤーでさまざまな動きが活発化すると考えている(事業形態のレイヤー、端末テクノロジーのレイヤー、通信技術のレイヤー)。

 このうち通信技術のレイヤーではWiMAXやHSUPA、EV-DO Rev. Aといった通信技術(そしてその先にあるLTEなど)は、自宅の無線LANと区別がつかないほど高速な通信が売りになっており、おそらく携帯キャリア各社も「高速通信」をウリにしてくるはずだ。

 にも、関わらず、実際に契約を交わして端末を買ってみると「ネットワークに負担がかかるので、他の人のことを考えて、遠慮しながら使ってください」では、まったくもって看板倒れになってしまうからだ。

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2008.07.17

iPhone登場でSpider Proが大活躍

photo.jpg

※ PTPのページをみたらセミナー情報があったので、最後に追加しておきました。

Spider Proを使って、7月8日の0時から7月17日18:30までの間の
iPhoneのテレビ露出回数を調べてみたところ248回だった。

Spider Proにはコーナー内検索という機能がある。
テレビ内のコーナーに登場したアイテムを検索してくれる機能で、
例えばニュース映像の中にチラっと写っただけのポスターの中の文字まで、キッチリ検索できる。

考えてみたら今日は、あのiPhoneの大行列からほぼ1週間目。
テレビのニュース報道がSpiderから消える前に、
とりあえずすべての番組を保存して1枚のDVDに焼いておこうと思い、
コーナー内検索を実行してみた。

現在、私の家のSpider Proは、海外出張で長く家をあけることもあるので、
ビットレートを低めにして、その分、長い間、番組を保存できるようにしている。

探してみると、先週の8日くらいからiPhone関係のニュースがポツポツと出始めてきていて、
それ以降、今日にいたるまでの露出回数はなんと248回にもなっていた。
(残念ながら東京MXテレビはカウントできていない)

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2008.07.16

iPhoneで、いい汗を流そう

iPhone launch Softbank Omotesando

最近、私も忙しいが、周りの人達も、皆、いい意味で忙しい。

以前、紹介した気になったら、その場で調べられる「マイ注釈」挿入ソフト「popIn」も、
その後、頑張ってメニューにwikipediaの機能を加えたり、以前からさまざまなところで話しているiPhone対応に向けて頑張っている(と、同時にわかりにくかったホームページも大改築中だ)。

小川浩さんの会社、MODIPHIもiPhone対応版を発表し、結構、好評を博しているようだ。

CloseBox and OpenPod: iPhone版MODIPHIが「だら見」に最適な件

iPhone対応アプリケーションを総覧できる「日本製iPhoneアプリ開発者リスト」も、
皆、仕事の合間の息抜き時間をつくって片手間ながら少しずつ情報を追加してくれている。
このwikiを提供してくれたConfluence Japanも、
今日は新たにRSSフィードを用意してくれたほか、
現在、iPhoneに最適化した1カラム表示に向けての改築を進めてくれている
(通常業務をつづける傍らで)
この改築が完成したら、popInのiPhone版やMODIPHIのiPhone版などの優れたWebアプリケーションやブックマークレットなんかも、wiki形式で紹介できればと思う。


ライター仲間も、みんな大人しい。
おそらく今月末くらいから大量のiPhoneムックや書籍が登場することだろう。
(私もそのいくつかには関わっていく予定だ)。

なんだか、iPhoneの登場で、
大勢の人がこれまでつづいていた惰性の仕事の延長ではなく、
「どうせiPhone関連の仕事をするなら、ここをこうして... いや、もっと、こんなことまでできるかも...」と創造力とクリエイティビティを発揮していい仕事に汗を流しているのを感じる。

みんなやっていることは違っていて、
周りが何をやっているか見回す余裕もなく、打ち込んでいる雰囲気が伝わってくるが、
それでいて、どこかでライバル達とも一体感であるとか連携感みたいなものを感じている。

実にいい雰囲気だ。

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2008.07.12

「080711」ストーリー・プロジェクト

P1160855.JPG

*訂正:世界22カ国→フランスが遅れたので世界21カ国

予想はしていたけれど、
ここ数日、iPhone関係の記事一色の状態だ。
これは日本だけの話しではない。
ぜひパラダイス鎖国にならずに海外の(IT系ではない)一般ニュースサイトも、ぜひ見てみて欲しい。

これは世界的現象なのだ。
ちょっと古い世代の人が、なんだかわからず、思いを一つにしながら、一晩寝れずにいた昔の24時間テレビ現象が、世界21カ国で(そして、おそらく今年後半にiPhone 3Gを迎える70-21=49カ国でも)
同時に起きていた。目的こそ商業的だけれど、規模はLIVE AIDやらLIVE 8以上かもしれない。

この「お祭り」の表参道での様子を見た人は、一生そのことが忘れられなくなるだろう。

あれだけ大勢の人が、携帯電話を買うために列をつくったことは日本ではないはず。
ソフトバンクは、今月も売り上げNo.1は確実だ。
だが、それを統計上の数字で見たり、テレビのCMで聞いたりすることと、
実際に原宿から渋谷までつづく人の列で見せられるのでは、インパクトがぜんぜん違う。

1500人、840メートル(Google Earthで計測)ほどの行列。
数字を見ただけでもスゴイものを感じずにいられないが、
それ以上にスゴイと思うのが、そこに並んでいる一人一人に、
生々しい人間としての存在感があることだ。

3日間限定で生まれ変わった「ソフトバンク表参道」での発表の瞬間を、
私は入り口の真っ正面、最前列で見届けていた。

オープン開始から15分くらい経った頃、ある友人が入店していく姿を見かけた。

iPhone launch Softbank Omotesando

彼は今からちょうど10年前、アップルが発売した最初の携帯型端末、Newtonを、
日本に広げようと全力を尽くしていた人物だ。
アップルから子会社として独立したNewton社と組んで、
その素晴らしいデバイスを日本中に広げようと、日本語入力環境を開発し、マニュアルを作成し...
その後、スティーブ・ジョブズがNewton社を潰したことで、
彼が数年の歳月の1日1日の情熱のすべてを注ぎ込んでいた計画ははかなくも夢と消えた。

しばらくアップル関係の一切のことから交流を断っていた彼。

10年後、Newtonと比べるとずいぶんと現実的な機能だが、
10年の月日に加え、「iPhone」がNewtonと同じ夢を、
Newtonとは違った、よりスタイリッシュで洗練された形で
実現していることで再び興味を持ったのか。
彼はいったいどんな気持ちで、あの店に足を踏み入れたのだろう。

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2008.07.11

iPhoneの魅力をいかに伝えるか

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今日は、おそらく今年でも一番の「iPhone関連記事」のラッシュ日。

インタビューを受けたr25.jpの記事も今日アップされた:
r25: 日本製ケータイにはなかった価値がある!?
ついにiPhoneが日本でも発売!でもナゼみんな騒いでるの?

他にも、なんか、まだいくつかあったように思う...(ナンダッケ...?)

そんなiPhone記事の大量発生のピーク、'08.07.11が、
ちょうどMacTopiaの隔週連載、Apple's Eyeの更新の日だった。

iPhoneの魅力を普通に通り一遍の機能で紹介とすると、
どれもそれなりに似たものになってしまう。
どうしたら人々が大量のiPhone記事にさらされているその日に、
他とは違った「楽しさ」や「気づき」を与えられるか?

悩んだ結果、「ストーリー」に頼ってみることにした。
これには理由がある。

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テレビ(や講演で)iPhoneを見せる場合の注意事項

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今日の午前7時をもって各テレビ局やその他の媒体にも一斉にiPhoneが発送されたようだ。
それにあわせて、いろいろなテレビ番組で「iPhoneを見た!」という報告を
Twitterやら友達からの連絡で耳にする。


でも、せっかくのiPhoneの使いやすさを紹介するはずの、その場所が、
うまく操作ができず戸惑っていた、という報告もたくさん受ける。

実はテレビだけではなく、
数人の人に、手持ちでデモするときも、
書画カメラに置いて講演をする時も、こうした「うまく操作できない」が起きがちだ。

これはカメラに見せようと思ったり、相手に見せようと思ったり、
iPhoneをそちらに向けたときによく起きる問題だ(iPod touchでも同じ)

なんで、そうなるかというと目で見えるボタンの位置と、
指で触れる位置にズレが生じるからだ。

これは、もしかしたらiPhoneの液晶が良すぎることの副作用かもしれない。
iPhoneの液晶は視野角が広いので、ちょっと本体を傾けてもきれいに見えてしまう。
しかし、傾けたとき、目に見えるアイコンの位置と、
指で触れるべき位置との間にはズレが生じているのだ。

じゃあ、どうすればいいのか。

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2008.07.09

変わりゆく日本のケータイ

P1160739.JPG
iPhoneの登場で、日本の電話は危機的な状況と言う人がいるし、
自分でもそうとられるような記事を書いている。

iPhoneなんか日本ではぜんぜん売れない、という予想もある。

答えはどっちでもいい。

でも、昨年1月にiPhoneが発表されてからというもの、
日本の携帯電話業界は大きな様変わりを果たした。

いい変化もあれば、まだいいのか悪いのかわからない変化も、あきらかに改悪という変化もある。

ただの通話とちょっとした文字情報(そしてグラフィック)を扱うだけの存在だったケータイが、
なんだか春モデル、夏モデルと、毎年2回、なんだか無理矢理 機能追加をしている
印象が出始めていたケータイ電話業界の慣習に、そろそろみんなが
「このままで本当にいいのか?」と疑問を持つようになり始めた。

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iPhoneの発売は11日、10日はMobileMeの日

*UPDATE:
* やってしまった。この忙しい時期に一週間日付を勘違い。ITmediaの記事、今日はまだ載りません。

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Early July, it is

Macお宝鑑定団さん
MobileMeのサービスが、明日、10日の午前10時から16時の間に開始すると伝えている。

MobileMeサポートページ

iPhoneについて誤解してはならない2つのポイント」という記事で、iPhoneはパソコンと同期して使うことが前提の商品と書いた。

しかし、'07年1月に社名を「アップル・コンピュータ社」から「アップル社」に変更し、
'08年1月に、パソコンと同期しないでも、単体でコンテンツを購入できるようにした「Apple TV take 2」を出したアップル社は、パソコンへの依存度を少しずつ減らそうとしていることも確かだ。
Mobile Meは、この流れを一気に加速するかもしれないサービスとして注目している。

ちょうど、今日の午後にITmediaのPC USERにて記事を書く予定だ。

[後で更新します→]記事名:記事URL

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1年でiPod photoに追いついたiPhone

iPod mini: marketing material for japan
累計台数600万台という数字は「iPod」が発売3年半目の2005年春に達成した数字だ。この頃,アップルは主力製品のiPodをカラー化し,写真表示に対応した「iPod photo」のほか,カラフルな「iPod mini」や安価な「iPod shuffle」を発売していた。同年秋,アップル社は動画対応iPodと「iPod nano」を発表し,そこからiPod人気がさらに加速。現在のiPod累計出荷台数は,当時の4倍ほどに膨らんでいる。

以前にこのブログでお伝えしていたITproの連載の第3弾
日本上陸,iPhoneの衝撃
が掲載されていました。


 これは「iPhoneショック」のベースになったWeb連載「iPhoneの衝撃」の続編あるいは第3シーズンと呼べるもので、全3回の予定。1週間ごとの更新となります。編集担当者は、もちろん、「iPhoneショック」の編集担当者、中川ヒロミさんです。

[記事のつづきを読む]

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iPhoneカウントダウン海外の状況

P1110770.JPG
(初代iPhoneは購入後、箱から出して電源を入れると、まずこの画面が... 店頭でアクティベートするiPhone 3Gではどうなる?)

仕事が行き詰まる度にブログを更新するパターンに...

Engadget Japaneseの記事によると、既にポルトガルでiPhone 3Gを
フライング入手して、開封の儀をしてしまったところがあるとか...

Engadget Japanese: iPhone 3G フライング入手&バッケージ開封

リンク先の写真をみて、私はむしろ疑問がわいた。
あの箱の真ん中のコンセントの変換アダプターが入っている場所って、日本ではどうなるのだろう?
(Prediction.jpでBET市場でもつくってみたいところ)


日本では今のところ、既にソフトバンク表参道に15人ほど並んでいるそうだ。
初日にいったいどれほどの台数が用意されるのだろう?
某有名なMac情報サイトの方は(名前出してOK?)、日本には潤沢な量のiPhoneが入っているはずだという。

「それを出すか、出さないかはソフトバンク次第」と、私のmixiの公開日記で教えてくれている。

その一方で、孫さんの言葉を真摯に受け止めて、しばらくは供給不足と信じている人も多い。

そんな中、喜んでいいのかどうかわからないけれど、おもしろい噂も飛び込んできた。

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2008.07.08

日本語で読めるiPhone開発者とアプリの一覧

勢いに任せてもう1本(ブログ記事を追加)。

今週後半から来週くらいに公開される記事や、来月あたりに雑誌に掲載される記事で、iPhone用のアプリケーションに触れたいと思う場面が何度かあって、
「日本語で読めるiPhone開発者とアプリの一覧」はないものか!?

と思って、探したのですが、とりあえず検索してトップに出てくるような一覧はなさそうだったので(あったら、よければコメント欄で教えてください!)、とりあえず自分で発見したものから順番にメモ的にwikiに書き込んでいくことにした(金曜日の話し)。

 ここで、ちょっと思ったのが、iPhoneアプリケーション開発者の多くは、YouTubeで動画を公開しているので、なんとかそれをWikiの中に組み込めないかということ。
 取材後、仲良くなったイマヒマ社の社長、ニラジ・ジャンジにチャットで相談してみたらConfluenceなら大丈夫だという。

 Confluenceは、彼の会社で売っている企業向けの豪アトラシアン社製のWikiプログラムで、Yahoo! Japanの社員全員が使っていることでも有名だ。

ZDNet: 業務のすべてがノウハウに--社内でWikiを利用するヤフー

 実はニラジ自身も、iPhone人気をうまく使って、何かしかけたいと思っていて、昨年には「iPhonewiki.jp」というドメインを取得している。私は何か書き込んでくれと頼まれたので、1〜2ページ書き込んだが、そのまま放置してしまっていたが、YouTube動画も組み込めるなら、あれを使えばいいかも!とニラジに相談してページを復活させてもらった。

とりあえず、iPhoneの全面的な情報サイトをつくるのは難しいので、
とりあえず日本のiPhone開発者一覧だけつくってみた。

日本製iPhoneアプリ開発者リスト
(編集するにはアカウントをつくって、ログインすることが必要です)

Safari002

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iPhone、国内での発売は11日正午から

IMG_1910

ソフトバンクモバイルからiPhoneの発売の詳細が、ようやく正式に発表された。

7月11日のiPhone 3G発売について
~全国で正午より販売開始!~

フラグシップ店の表参道店では、朝7時から先行発売開始。
MNPの受付は9時からだそうだ。
(世界で一番早くiPhone 3Gが発売されるNew Zealandは深夜0時=日本時間の10日夜21時からだそうなので15時間遅れ?プライベートジェットを持っている人は、New Zealandに買いにいけば、数時間の間、かなり自慢できるかもしれませんよ!ー笑)

果たしてアップルが(あるいはソフトバンクが)、
日本市場の初日発売分にどれだけの台数を用意してくれているのか。
そしてどれくらい大勢の人が並ぶのかが、気になるところ。

他の店舗でも売るわけだし、
Apple Store Ginzaのオープニングの行列5000人(オープニング時点の人数)には
遠く及ばないだろうけれど(そうするよりは、むしろ、人気のなさそうなお店の方が確実?)


ちなみに、私はWWDC中に、妻が近くのソフトバンクモバイルショップで
オーダーし、その後、連絡を受けていないのだけれど、どうすればいいのだろう...

電話をして聞こうと思ったけれど、2分間、電話をならし続けても出ないので、
たぶん、お店の側もかなりバタバタしているのだろう。


原宿ストアに早めに並ぶという手もあるし、
実際、ユビキタスエンターテイメントの方々が既にそうしている:

CNet Japan: ソフトバンク表参道に早くもiPhone行列、一番乗りはアノ社長
(列はその後もさらに伸びそうな気配:占い会社GT-Agency 社長ムライのブログ 「速報:と言うわけでiPhone の行列に応援に行ってきた!!!」)

でも、彼らにはとてもかなわないし、年齢的に徹夜は厳しいし、
10日を皮切りにいくつか連続してイベントが入っているので、
そのために体力を温存する必要もある。

私は10日の夜はいくつかのイベントをハシゴして、
その帰りに表参道ストアの様子を見て一度、帰宅。

11日の朝6時くらいに改めて表参道を見に行こうと思っている。

ここで、これから1週間に参加予定の公開イベントを下で改めて紹介しよう:

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立体版ドット・アニメーション

最近、YouTubeネタがつづくが、Engadgetで見つけた動画が涼しくていい感じだったので、
執筆エンジンを回転させるために1本(...ブログの記事を書きます)。


[via BMWCCA, via 本家Engadget, Engadget Japanese]


これを見て、真っ先に思い出したのは、「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望 2004」で、オーディエンス賞として一票投じさせてもらった笹口数さんの作品。

Googleイメージ検索:笹口数

動いてこそはいないが、(いやだからこそ)あれはあれで素晴らしかった。
いくつか、この角度が好き、というポイントがあって、何度も作品を見に足を運んだのを思い出す。

それにしても、こういうおもしろい動画が日々、追加されていることに改めて驚かされる。

さらに、今やこうした動画はパソコンだけでなく、ケータイでも見られるのだからさらに凄い。

7月11日発売のiPhoneはもちろんだが、
それを待たないでも、他社のスマートフォンや、NTTドコモ製のP904i以降の端末でも見られる。
気がつけば、日本のケータイ電話も一気に動画が花盛りだ。

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2008.07.05

YouTubeでタッチパネル携帯の比較を楽しむ

* UPDATE: 
* 本文で紹介しているSH906iですが、実際はもう少しサクサク動くみたいですね。 
* 「raurublock on Hatena」さんが、原因の推察とともに、新規に動画を撮ってきて
* 披露してくれています: SH906i のもっさり感
* 私も特定の機種を悪く言うつもりはないのですが、YouTubeの動画比較で、
* スペックシートではわからないUIの操作感などがわかるようになったこと(だから、これからは
* 日本のメーカーは、ますますソフト開発に力を入れていかなければならない、
* ということを訴えたかったわけです)。
* YouTubeのケータイ動画は、ぜひ、その機種のベストなコンディションを引き出せる人にも
* どんどん投稿して欲しいですね


仕事に集中できず、Webをみていたら「河田勉の日記」に1ヶ月前に掲載された、こちらの記事に出会った。

河田勉の日記:なるほどYouTubeはこう使うのか

YouTubeのSH906iの動画とiPhoneの動画を比較しているのだが、これを見て私もすっかりハマってしまった。
YouTubeを検索してみると、日本を含め世界中のいろいろな携帯電話の操作感がわかる動画が見つかる。
(本当は、こうやって見つけた動画のブックマークを、iPhoneと共有したいところだけれど、実はiPhoneは、YouTubeのお気に入りは同期できないー>というかYouTubeはログインせずに見る形になる)。

こうして見つけた動画を比較してみると、
ただタッチパネルとモーションセンサーを採用しているからといって、決して使いやすいとは限らないこと。
「写真をフリックする」といった操作にしても、製品によってつくり込みの質の部分がぜんぜん違うことがよくわかる(もしかしたら、アップルが持っている特許にひっかかるのを避けて、こうしているのかもしれない)。
またiPhoneが、ただ動きが滑らかなだけでなく、
パソコン用OSを搭載しているにも関わらず、動作速度が速いこともよくわかる。

他のケータイの動きがぎこちないのは、
フレームレート不足やCPU不足などいろいろな原因がありそうだ。

こちらはNTTドコモのFOMA SH906i:

iPhoneの動きは、ぜひこちらでチェックして欲しい「iPhoneガイドツアー日本語版

でも、もっと短い動画がいいという人には、こちらの古いCMもお勧め。



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2008.07.03

iPhone発売前の高揚感をあおる動画活用メソッド

Apple Store San Francisco
今から約1年前、米国版iPhoneの誕生にあわせて、もう1つ生まれたものがある。
商品発売前に、用意した動画を流すことで、
同じ動画で商品説明、取り扱い説明そして製品プロモーションという3つの効果を同時に引き出すというメソッドだ。

これはどこかのトレンド系連載で書いた記憶がある。

ascii.jpの「マイクロトレンド」かと思ったが載っていないので、MacPeopleでの最後の連載「トレンド・プレビュー」の方だったかもしれない。

米国ではGoogle社を始め、多くのIT企業がEトレーニングの一環として動画製作に力を入れ始めている。
その一方で、対消費者向けにも、新しい製品の使い方を動画で紹介する「Demogirl」やら難しいコンセプトを平易な言葉で紹介する「〜〜 in plain English」シリーズでお馴染みのCommonCraftなどが注目を集めるようになってはいた。
だが、これらはいずれも商品説明か、取り扱い説明動画のいずれかに落ち着いていた。

これに対して衝撃的だったのが、初代iPhoneのビデオガイドだ。

初代iPhoneの発売の時も1〜2週間前までは、わからないことだらけだった。
しかし、ある時、ビデオガイドが掲載され、急にパっと雲の間から光がさしてきたように、状況がわかりはじめた。

アップルはその後も、ほぼ毎日のようにiPhoneのactivation方法を紹介するビデオなど、短めのビデオをこまめに出し続け、その都度、少しずつ細部が明らかになっていった(このやや渇望感を残した状態で、タイミングよく繰り出すやり方がなんともウマい)。

この動画の活用は、
「百聞は一見にしかず」で文章よりも理解が早い、という点でも画期的なのだが、
それ以上に、購買希望者の関心を引きつけ続け、
しかも、買うつもりがなかった人まで欲しくさせてしまうような宣伝効果も高い。

そう、教育ツールであると同時に、最強の販促ツールでもあったのだ。
(パソコンを持っていない人まで欲しくならないかって?心配はいらない。
 この動画はパソコンでしか見られないのだから)。

さて、前の記事でも紹介した通り、アップル社が発売を来週に控え、ついにiPhone 3Gについても「Guided Tour」の動画を公開した。

iPhone初心者向けの「A Guided Tour」(画面上の方)に加え、既に初代iPhoneを知っている人向けの「See What's New」(画面下の方)もあるので、見逃さないで欲しい。

実はこれらの動画ではiPhoneの製品としての概略は教えてくれるが、皆が一番、気にしている販売方法の実態ついてはあまり触れていない。「iPhone 3Gのアクティベーション」といった動画も今のところ掲載されていない。
 このため、多くのユーザーは7/11がどんな日になるのか、まったく想像がつかず不安がっているが、ついにそのヒントとなるものが現れた。
 なんとat&t社が用意した動画だ。
 なんとアップルに習って、at&t社までもが、動画メッセージの配信を始めたのだ。

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2008.07.02

iPhoneについて誤解してはならない2つのポイント

Quicktime_player001

最近は毎日のように外出し、いろいろな方と話しをする。
過去4日(土日除く)にちょうど10件の用事があったが
(カジュアルまたはカジュアルを装った飲み会は除く)
そのうちの7割はiPhone絡みだ。

内訳は5件がメディア(取材を受ける2+記事打ち合わせ3)。
1件は講演打ち合わせ。1件はiPhoneに関係してビジネスをしたい企業とのミーティング。

そうやって話をしていると、過去にMac関係をずっと追ってきた人と、そうでない人とで、
やはりiPhoneに対する理解にも大きな差異があることを実感する。
メディアに近い人はまだいろいろな記事を読んだりと研究しているからわかっていることが多いが、
キャリアに近い人なんかにとっては、
iPhoneは(準備期間は長かったにも関わらず)突然、降って湧いた話しという印象があるのか、
なかなか製品コンセプトが理解されきれていない。
(初代iPhoneに触る機会がなかったこともあるのだろう)

どのレベルの人達までがそうなのか、わからないが、
そのままの発想でいると、今後、それが元でアップルとの衝突も増えると思うので、
特に多い誤解2つについてだけ、指摘をできればと思う。

誤解1.iPhone 3Gは店舗でアクティベートするのでパソコンは不要
誤解2.iPhoneを買った人は、みんなソフトバンク提供のメールアドレスを使うことになる
【この部分、最初は「S!メール」と書いていましたが、mixi上で指摘をもらったので修正しました。iPhoneではSメールは使えません】

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2008.06.06

「頑張れニッポン」の思いを抱いてWWDCへ出発

SF MoMA
ブログ、書きたいことはいっぱいあるが、時間切れ。

3G版iPhoneの詳細や次期Mac OS Xなどの話題が発表されるアップル社のWorldwide Developers Conferenceに出発します。
出発ギリギリまで数ヶ月遅れの原稿を書いていたのですが、結局、これは検証が間に合わず、さきほど品川駅のホームに自分が乗る成田エクスプレスと同時に到着。
現在、飛行場に向かっています。
(こうしてブログが更新できるのはWM WifiRouterと、E-MOBILEのネットワーク、そして極度に電源は入れにくいが長時間バッテリのオプションが豊富なEM-ONEのおかげ。この電源スイッチだけは、今後、絶対に使わないか、かなり使い方を工夫してくださいね)。

飛行場につくまでのわずかな間で、
この数週間、ブログに書こうと思っていたことを駆け足でいくつか...

1つめは、日本発のものが結構、海外で頑張っているという話。

日本生まれのアート情報サイト、Tokyo Art Beatのシステムは、その後、関西に進出してKansai Art Beatを生み出し、ついには海外にも進出。
New York Art Beat
が(今や数ヶ月前ですが)誕生しています。
これって凄いですよね。もっと応援してあげていい。
共同設立者はフランス人+日本人だけれど、東京のアパートの(うるさいからという理由で)トイレに置いてあったサーバーから始まったサービスが、今や世界進出。
これ、もっといろいろなメディアで応援してあげて欲しい(スポンサーという形での協力もぜひ!今、彼らはWebだけでなく、Tokyo Art Mapという紙の配りものもつくっていますー隔月刊)。

最近、週刊ダイアモンドが、これからの日本ではいかに外人客をつかむかが大事かといった記事を書いていたけれど、Tokyo Art Beatは、そういう視点からも注目。

最初からバイリンガルのサイトとして運営されているだけに、これまでのAnniversary partyも、本当にいい日本人と日本在住外国人のmixが集まっている。

TAB First Anniversary Party@Roppongi Super Deluxe, '05/10/09

ちなみに、もはやスタートアップとは呼べないけれど、Googleでも、日本の六本木ヒルズで始まったiGoogle Cafeの試みが、その後になってからアメリカとかでも行われているので、あれも「日本発」っていっていいんじゃないかなぁ...

と、本当は長く書くつもりの記事をあっさりと書いてしまった(実はこれくらいがちょうどいい?)。

2つ目は日本での「iPhone」について。

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2008.05.13

3G版iPhone、今晩か来月か?そして日本では?

P1160044

ところで、先月のミラノ滞在中、驚いたのが、そこかしこでiPhoneユーザーを見かけたこと。
アップル関係のニュースを細かく追っている人なら、お気づきかもしれないが、iPhoneは、まだイタリアでは発売されていない(最近になって、ようやく噂サイトで、「アップルがイタリアでは、TIMとVodafoneという2つのキャリアと組んでiPhoneを展開するようだ」という話題が出てきた状態だ。

それにも関わらず、ミラノサローネの展示会場にいっても、Duomoの近くに行っても、やたらとiPhoneユーザーを見かけた。

 世界的な携帯電話のネットワーク網、GSMがない日本にいるとなかなか実感できないが、(GSMのない)日本と韓国の外の世界では、iPhoneが本当に「世界的現象」になっているのだと肌で感じることができた。

 そもそも初日に、駅から乗ったタクシーの運転手も熱狂的アップルファンで、iPhoneユーザーだった。
Malpensaエクスプレスで、市内のカドルナ駅についた後、タクシーに乗って、まずは家電WATCH編集者の伊藤さんをホテルで降ろし、その後、取材期間中泊めてもらった妹の家を目指したのだけれど、私がiPhoneで妹の住所を確認していたところ、「お前もiPhoneか?俺もだ!」という話で盛り上がった。

 MacBook Airは持っている、あのマシンは買った、いや、このマシンはどうだ、とか、MACWORLD EXPOでのiPhone発表のときの様子はどうだったかを聞かれたり、着いた後もしばらく止めたタクシーの中でiPhone/Mac談義に花が咲いた。見ず知らずの人が、いきなりこれだけ親しくなれてしまうというのは、アップルというブランドの持つ素晴らしさの一つかもしれない。

話がそれたので元に戻そう。

iPhoneに、間もなく3G対応版が出るという噂がある。

米国と英国のApple Storeでは、既にこれまでのiPhoneの発売が中断されている。

 筆者は発表があるとしたら、来月9日から開催されるWorldwide Developers Conferenceでだと思っていたが、毎日1万台以上は売れるiPhoneを、2週間以上もせき止めておくのは得策とは思えない。

 そう考えると、統計的に見てもアップルの新製品発表が多い、日本時間の火曜日の午後9時半前後(つまり、今晩)にも、新iPhoneが発表されるのかもしれない。

 昨日から再開したPodcast番組、「nobi-taro podcast」、5月の第1回目では、その当たりのことを話した(もし、発表があれば、緊急でエピソードを追加する予定だ)。

 ところで、3G版iPhoneが登場するとしたら、もう1つ気になるのが日本版iPhoneが出るか否か。そして、出るとしたら、どこのキャリアからでるか、という話題だ。
 これについては、Prediction.jpというサイトで、仮想の通貨を使った賭場を用意したので、興味のある人は参加してみて欲しい:

Prediction.jp:6月、日本版iPhoneが発表される

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2008.04.05

YouTubeにRolling Stonesが登場[YouTube Living Legends第1弾]

YouTubeにRolling Stonesが登場した!


Livinglegend

Living Legends


これは世界的なミュージシャンやスポーツ選手など、「レジェンド(伝説)」と呼べるような「超」がつくクラスの著名人にチャンネルを提供し、コンテンツを集約、公開するだけでなく、一般ユーザーとの動画によるインタラクションを促そうとする試みで、このRolling Stonesは、まだ第1弾に過ぎず、今後も毎月のように新しいチャンネルが追加されていくようだ。
 第1弾のRolling Stonesでは、ライブ映像、舞台裏のクリップ、メッセージ動画のほかにも貴重
なバスルームでの撮影シーンなど、YouTubeに独占的に公開される映像なども順次、公開予定とのことだが、先にも書いた「対話」の部分を重視すべく、ユーザーからの動画による質問のアップロードを受け付ける。ミック・ジャガーとキース・リチャーズは、そうして受け付けた動画からいくつかを選んで、質問に応える動画を掲載する予定だと言う。
 つまり、本物のマスコミでもなかなかできないミックとキースのインタビューをするチャンスが、誰にでも公平にやってくる、というわけだ。
 でも、「言葉の壁」があるよね?と思ったのだが、なんと今回、日本語で質問された動画についても「YouTubeスタッフが英訳をサポートしてミックとキースにお届けします。」とのこと!
 むしろ、日本語で質問するとYouTubeの英訳サービスの実例としてピックアップされる可能性も高いかも?(想像なので保証はしません。とりあえず、どんどん質問動画をアップしてみましょう! ;-) )

 この新しいチャンネルの詳細は、こちらのYouTube公式ブログに書かれています:

Introducing Living Legends

このサービス、すごい!

「iTunes Storeの動画販売サービス(の無料版)」とも言えるし、たまにしかあがらない「iTunes Exclusiveコンテンツ(の動画版)」とも言えるし、「超がつくリジェンドのビデオPodcast(のYouTube版)」とも言えるかもしれません。


 この「超」がつくすごい新サービスについて、思うことをいくつか...

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2007.12.19

日本進出に向け前進のiPhone、その秘策とは..!?

本日、一番の話題と言えばやはりこれ:
Reuters(via CNet Japan): アップル、「iPhone」日本投入でドコモとソフトバンクと交渉

朝、auケータイに表示されるEZニュースフラッシュを見た家族に「iPhoneはドコモと組むことになったみたいね」と言われて、慌てて起きて上のニュースを確認しました。

 これは本格的な交渉が始まったということでしょうか。
いずれにしても、上の2社に加えて、auも非公式には話をしている(メールや電話での連絡?)という話しは私も聞いており、明日発売になる書籍「iPhoneショック」で書いています。

 さて、交渉が難航している一因として、キャリアからアップルに対して上納金を支払うという仕組みがあることがあげられていますーー実際、多くの方がこれまで、「この上納金をとるのをやめない限り、日本での実現は難しい」と指摘されていました。

 ところが、今回、「iPhoneショック」執筆に当たり、実はある条件が整えば、キャリアにとって毎月1顧客あたり1000〜1500円の上納金を渡すことは苦ではないことが、あるキャリア役員さんの匿名取材でわかりました。アップルは、この条件を崩すことはないはずなので、そういう意味では、日本でも、キャリアからアップルへ上納金を支払うこと自体は難しくなさそうです(このカラクリ、ぜひ!「iPhoneショック」を読む際の楽しみとして、ご覧になってください)。

 では、今、アップルとキャリア2社が話し合っているのは、上納金の額ではないかと思っています。
 新聞などに「ドコモ優位」などと出れば、ソフトバンクからいい条件が引き出しやすくなるし、逆もまた真。どんどん、値段をつり上げていって、片方かが競り負けて、勝負が決まり、MACWORLD EXPO/2008で正式発表、という形でしょうか?

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2007.09.07

iPhoneキラーではなかった、iPod touch

are you a phoner or a podder?

1つ前の記事、「iPhoneキラーはアップル自身から、iPod Touch登場!」は、昨日未明、スティーブ・ジョブズCEOの講演ストリーミングを見る前に、さまざまなチャット中継サイトの情報を元に書いた。

その後、数時間の睡眠を経て、講演の全容を見て、iPod touchの実機を触った今、この意見を180度変える必要が出てきた。

単純な製品発表のようで、実はこれだけ奥深いのもアップルの製品戦略のすごみだろう。

iPod touchは
iPhone マイナス 携帯電話機能(とモバイル端末機能)

とみることもできるが、iPhoneを基準に見た場合だ。
逆にiPodユーザーから見れば、iPod touchは、iPhoneライクなもっとも先進的なiPodということになる。

実際にiPod touchの発表は、非常に意義のある製品発表だ。
この発表によって、アップルの考えるところの「iPod」がなんであって、「iPhone」がなんであるかが、これまで以上に明確になった。

この当たりの詳細は、もうまもなくascii.jpに掲載される予定の筆者の記事を読んで欲しい。

このブログ記事の最初の執筆時点では、前編しかあがっていないが、後で中後編のリンクも用意します:
新ラインアップに“iPod”の真髄を見た(前編)

【UPDATE:中編が追加されました】iPod touchは、機能限定のiPhoneじゃない
【UPDATE:後編が追加されました】iPhoneはなぜ200ドル値下げされたのか

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2007.07.22

iPhoneで動画回転できます

iPhoneの「iPod」機能で動画を再生しようとすると、有無を言わさず横長表示。
ソフトによって、画面の回転ができたりできなかったりと統一性がない、といった批判もあれば、動画の回転は性能的に難しいんじゃないか、なんていう人もいますが,,,,

今日、ある方法を試したところ、ちゃんと動画を再生画面も滑らかに回転させる能力があることはわかりました。

どうやって、やっているのかって?

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2007.07.15

9年前にしたiPhoneについての最初の質問

相変わらずiPhone三昧の日々がつづいている。
そんな中、ふと、思い出した。

初代iMacが発表された直後の9年前、
ジョナサン・アイブに「携帯電話をつくる気はないの?」と聞いたことがある。
今、手もとにないけれど、当時のMACPOWERにインタビュー記事が掲載されたはずだ。
もしかしたらカットされているかもしれない。

初代iMacの色が「ボンダイ・ブルー」という名前であることを伝えた、日本ではもっとも古い記事のひとつではないかと思う(もっとも、その数週間前に発売されたアメリカ版NewsWeekの巻末に載っていたのを覚えているので、もしかしたらそれがどこか他で先に報じられていたかもしれない)。

「チームの中にオーストラリア人がいてね。彼にちなんで、オーストラリアの有名なボンダイビーチから名前をとったんだ。」(うろ覚えの記憶から)

そういえば私はMac誕生20周年となる(そして友人の1周忌ともなった)2004年の1月24日はボンダイビーチで過ごしていたなぁ....
(写真が見つからないのでHarbour Bridgeの写真で代用)
view of Harbour Bridge (from the Opera House)

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2007.07.10

iPhoneDevCamp開催

起動途中でフリーズ中

O'Reillyのブログに久々に記事を書き込んだ。
週末のWorldwide Newton Conferenceで発表されたOpen Einsteinについてだ(まだ記事は校正中で公開していない)。

ここでO'Reilly MacDevCenterの他のブロガーの記事を読んでいたところ「iPhoneDevCamp開催」という記事を見つけた:

iPhoneDevCamp Reminder and No NDAs Needed!

iPhoneDevCampのホームページはこちら
http://barcamp.org/iPhoneDevCamp

Tow Adam氏によるPhotosetはこちら:
http://www.flickr.com/photos/atow/sets/72157600701332240/

日本でWorldwide Newton Conferenceが開催されていたが、それとまさに同じ時期に、アドビのサンフランシスコ支社には50人以上のiPhone開発者が集結し、iPhoneの将来について語り合い、サービスの開発などを行なっていたようだ。

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