2009.06.07

バスの中からWeb日本語文化圏のつづき

near Shimonumabe, , Japan

今、成田空港に向かうバスの中で、これを書いている。
36時間後には、アップル社のWWDCが始まるので、その取材だ。
取材内容は、いつも通りITmediaで速報、その後、Microsoft MactopiaのApple's Eyeの連載で紹介、
さらにascii.jpにもコメントを出す予定で、いくつかの一般誌にも(競合しない形をみつけて)記事や写真を提供する予定だ。
WWDCの開始が待てないという人は、ITproで「iPhoneショック2」と言う連載を始めたので、そちらも参照して欲しい。

「iPhoneショック」は、日本のメーカーで働かれている方々のために書いた本で、
iPhoneが携帯電話業界にどのようなインパクトを与えたかを紹介し、
日本のメーカーに、来るべきiPhone時代(出版はiPhoneの日本発売のはるか前だった)に備えるよう警告したものだった。それなりの好評価をいただいたが、その後、この本を実現してくれた担当編集者がしばらく職場を離れていたこともあり、日本発売後にアップデートすることができずにいたが、今回、無事、職場に復帰したことで、続編が書けるようになった。

続編ではところどころにAndroidや、
アメリカではこの週末から発売が始まった「Palm Pre」などの考察も入れてみる予定だ。







さて、先月の「Google IO」の基調講演(Google Waveではない方の、初日基調講演だ)を見た人と、見ていない人では、Webの世界の見方が大きく変わってしまっているはずだ。

'98年、アップルはiMacで、それまでのフロッピーディスク、シリアルポート、SCSIといったレガシー技術を潔く切り捨て、USBに代表される「モダンIO」と呼ばれる技術を採用。
これを契機にパソコンのハードウェアの水準は大きく前進した(Windows機でUSBが標準的に搭載されるようになったのはその後だ)。

今、これと同じことがWebの世界で起きようとしている。

これまでのWebブラウザからHTML 5ベースのGoogleやMozillaが「モダンWebブラウザ」と呼ぶ技術への移行が始まろうとしているのだ。

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2009.06.06

Web日本語文化圏、私なりの考察

TEDxTokyo



前置き1:写真は基本的に本文と関係ありません。上はTEDxTOKYOからの写真。「冒険」をすることの大事さ、人に「敬意」を持つことの大事さを説いた高円宮妃の基調講演は素晴らしかった。早くビデオが公開されるのを楽しみにしている。
前置き2:出張前のドタバタの中で、一気に書いて、振り返っていないので、誤字脱字は許して欲しい。
前置き3:あとで読み返したら、やっぱり、いろいろ読みにくい箇所があったので、6/6の20:14頃と21:15頃、前半部分をちょっとだけブラシュアップした。変更前の原文が気になる方は、mixi ID=135番に残してあるので探してみて欲しい。
前置き4:
iPhoneで読みたいという方は、ちのけんさんという方が、
最適化したページをつくってくれたので、そちらを試してみてください:http://ipor.jp/blog/nobi/




センセーショナルな記事タイトルで、この1週間、インターネット日本語文化圏を騒がせ続けたITmedia、梅田望夫氏、インタビュー
この記事は狙っていた、いないに関わらず「インターネット日本語文化圏」を見直す、建設的で有意義な議論を活性化したと思う。

有名ブロガーも皆、この議論に参加し始め、私の出る幕などなさそうだが、ここでブログを更新せずに米国時間月曜日からのWWDCに出発してしまうと、またしてもnobilog2のトップページが真っ白になってしまいそうだ。
他に書かなければならない記事があることは承知の上で、私も便乗記事を書こう。ちょっと長めの記事になりそうだ。

ハイソ、ハイブロウを想像してみる
P1210877.JPG

私は日本語圏と、その外(といっても主に英語圏)の最大の違いは、そのスケール感の違いだと思う。
ただ、その議論に入る前に、まずはITmediaのインタビューにも出てくるハイソ、ハイブロウといったものに目を向け、イメージを膨らませてみたい。

日本はまだ世界的視点で見ると「豊かな国」であり、「Work-Life」バランスでいうところの「Life」側を大きく享受している人も大勢いる。毎日、朝から終電手前まで、時間に追われて仕事をする人、「上司がまだ帰らないから」という理由で帰れず長い時間を会社で過ごす「Life」の足りない人が大勢いる一方で、平日の午後から優雅に美術館やゴルフの練習所で、豊かな時間を過ごす人も大勢いる。

サブカルチャーと違った方面のカルチャーを生み出したり、支えたりするには、そのようなゆとりのある時間の過ごし方が重要な気がする。ただ、そうした人々の中で、インターネットにドップリ浸かっている人は、まだまだ少ないんじゃないかと思う。

気持ちは分かる。パソコン画面の前に縛り付けられていたり、小さな携帯電話の画面に向かって、ボタンを連打しているよりも、いつもと違う日常の中に身を置いて自分を振り返ってみたり、素敵な人々と直接あってインスピレーションの洪水に溺れる方が楽しいからだ。

 ちょっとだけ脱線すると、実はアップルが他のパソコンメーカーと違ったパソコンづくりができるのは、そういった価値を理解している社員が多いのも関係があると思う。まずは「パソコン以外の生活」がしっかりとあった上で、そこにフィットするパソコンをデザインしているのがアップルであり、だからこそ多くのクリエイティブな人々がアップルのパソコンを使うのだと思う。

 もちろん、上で想像したようなハイソ、ハイブロウな生活をしている人々も、この時代だし、パソコンも使えば、インターネットも使ってはいるはずだ。

では、彼らのインターネット、パソコンの使い方はどんな感じか?
イメージしやすいように、多少の脚色と偏見を交えて書くと、こんな感じじゃないだろうか:

電子メールで季節のカードを送受信する。
Skypeで、留学中の家族や海外の友人と気ままに話する
Webブラウザで必要な調べものをする

で、上の用事が終わったら、さっさとパソコンの電源を落として、ノートパソコンなら画面を閉じてしまう。

わざわざ、Web上で何が話題になっているかを探すのにやっきになったりはしないんじゃないだろうか。

場の問題

TAB First Anniversary Party@Roppongi Super Deluxe, '05/10/09

 もしかしたら、そんな人達でも、IT好きの友人に勧められて、1、2度は、海外でも話題の、ソーシャルブックマークや、その他のWeb 2.0系サービスやSNSも試してみたかもしれないし、ブログも書いてみたかもしれない。
 でも、それに対する反応を見て好き嫌いとは別のレベルで、「なんか、これは違うな」と思って、使うのをやめてしまった人も多いんじゃないか。

 例えば、午後、カフェで静かに読む本を探そうと、たまたま見かけた本屋に足を踏み入れてみると、水着の女性が表紙に描かれた本ばかりがズラーっと並んでいたら「うーん、ちょっと違うかな」と言って、別の本屋を目指すだろう。

 TwitterやSNSで、突発的に集まった初めての人同士が多いはずのmeet-up/オフ会に、足を踏み入れてみると、顔見知りっぽい人が大勢集まって、自分はあまり詳しくないマンガやアニメの話をしている。あるいは、自分とはちょっと異なる宗教観とか政治観とかを話し合っている。あるいは自分は英語が苦手なのに、行ってみたら会場が外国人だらけだった。
 やっぱり「ちょっと違うな」と感じて早退することになるだろう。

 それと同じで、特に人同士のつながりやコミュニケーションが関わってくるサービスだと、最初に使っていた客層によって、後から入ってきづらくなる部分も多いと思う。
 その点で言うと、mixiなんかは、基本的に同じ機能を提供しながら、うまくターゲット客層を変化させ成長してきたと思う(ちょっと堅実過ぎで遅過ぎた感は否めないけれど)。

 ちなみに、「Life」側が充実している人が、それほどネット中毒になっていないのは、日本だけに限らず英語圏も同じだと思う。
 アップルがWeb系のトレンドに弱いのも、アップルの「人」カルチャーが、どちらかというと、ディナーの席や午後のコーヒーにパソコンを持ち込むのは「無粋」と感じることができる社員が大勢いることが一因かもしれない。

 それでも、日本のWebと英語圏のWebでは、確かに衆目に触れる記事の内容に、大きな違いがあるように感じる。
 その違いはいったいどこから生まれるのか。

 ここで、出てくるのが私の持論、「スケール感の違い」だ。

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2008.08.31

iPhoneによるイベントガイドのモデルケース

photo.jpg
銀座で明日(9月1日 月曜日)まで開催中の「デザイン物産展ニッポン」。
D&Departmentナガオカケンメイさんがコミッショナーを務めるイベントで、
私も友人にチケットをもらっているし、なんとか明日の最終日に滑り込みで見てこようと思っている。
(今日のagnes b.は行けなかった...悔しい)。

この「デザイン物産展ニッポン」のWebページがiPhoneに対応しているということをお宝鑑定団のブログで知った:
Macお宝鑑定団Blog「羅針盤」:松屋銀座店、iPhone 3Gコンテンツ「DESIGN BUSSAN NIPPON」公開


iPhone/iPod touchユーザーは、ぜひこちらのURLに接続してみて欲しい:
http://designbussan.jp/


実際にiPhoneからアクセスしてみると、これがシンプルながら驚くほどよくできている。
ユーザーインターフェースの見やすさ、わかりやすさも、さることながら
ムービーまでiPhoneのサイズにあわせてあるあたりちょっと感動した。
photo.jpgphoto.jpg
photo.jpgphoto.jpg

これは今後、世界で開催されるさまざまなイベントが手本とすべきガイドなんじゃないだろうか
(ということで、後で、英語のブログでも紹介しよう)。

イベントに行くモチベーションを高める案内としても機能し、
イベント会場ではガイドとなり、
そしてイベントを訪れた後も、「あれは何だっけ?」と調べられるツールとして使えそうだ。


ガイドとしての便利さは、未体験なので、明日、試すつもりだ。記事もそれからでもよかったが、もしかしたら行きたいのにイベントのことを忘れている人がいるかもしれないと思いイベントの案内も兼ねて記事を書くことにした。

なお、お宝のページからもリンクされているが、ITmediaのこちらの記事がガイドの舞台裏などを細かく紹介している。
ITmedia Enterprise: 伝統に“新しい風”:
iPhoneを利用した展示会ガイダンス――老舗百貨店 松屋が採用


もっとも、このシステムを他のイベントにも広げて行くとなると、
iPhoneだと「携帯電話禁止/カメラ禁止」の美術館での利用が問題になるかもしれない。

そういう意味ではiPod touchって電話もできなければ、カメラもないし、
ヘッドホンがないと音を聞けないし、音声ガイドとしては絶妙な製品なのかも。

9月9日に発表されそうな新iPod touch、その当たりの視点も入っていることに期待!

そうそう、銀座の松屋に行き損ねた人。もし、9月9日よりも前に、九品仏のD&Departmentに行くことがあれば、行きか帰りにちょっとだけ足を伸ばしてLa Rucheにも行ってみましょう(駅から見てD&Departmentと反対方向だけれど):
nobilog2: La Ruche、今年は9月15日まで

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2008.08.20

なぜか日本ではみかけない充電スタンド

日本は世界有数のガジェット王国。
日本人全員がそうではなく「機械は苦手」という人が多いのも事実だが、
その一方で、日々、鞄の中に携帯電話やデジタルカメラ、iPodにもう1つくらい
複数のガジェットを入れて持ち歩いている人も少なくない。

「そんなガジェット王国なのになぜ?」と思っていることが一つあった。
「このことを考えているのは私だけではないはず」とも思っていた。
サンフランシスコ空港で買った「Real Simple」がKangaRoomのこちらの商品を紹介していた。

私が探し求めていたモノーーそれはCharing Station、つまり充電台だ。
私はかなり異常なケースでソフトバンク製のiPhoneを含め3キャリアの携帯すべてを使っている。
それに加えてEM-ONEがあり、デジタルカメラがあり、
外でバッテリー切れになった時のeneloop外部バッテリーを日々充電しなければならない。
それにノートパソコンのMacBook Airもだ。
これだけでもあのやっかいなACアダプターが7個(デジカメはACアダプターではなく充電器)。
いったいどれだけのケーブルのゴチャゴチャ状態ができあがるか想像できるだろう。

この日々着脱するケーブル類を1本でも少なくしたいし、
それになんとか見えないように隠したい。
ついでに着脱の手間を少しでも軽減したい。

そしてこれらガジェットの溜まり場を、なんとか少しでも見栄えのいい状態にしたい。

こんな風に日本で思うのは私だけなのだろうか?

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2008.08.01

iPhoneを通して考える通信のこれから:NetShareとNet Neutrality

iPhoneを無線ルーター化するアプリケーション、「NetShare」が登場した。

Engadget Japanese: iPhone 3GをWiFiモデム化する公認アプリNetShare、脱獄不要

だが、このソフトはその後、すぐに取り下げられる。
NetShare no longer available

iPhone開発者の規約に違反したこのソフトが、一時的とはいえApp Storeに通されたということは、App Storeの審査はアプリケーション単位で行うというよりは、企業単位の審査に基づいていることが明らかになった、と言えそうだ。今後、同ソフトを提供したNullriver社(他に「Tuner Internet Radio」を提供)にどのような処分が下されるかは気になるところだ。


ところで、このiPhoneの無線ルーター化については、さまざまな見方をすることができると思う。

先日、drikinとのSkypeチャットで、こちらのブログの記事が話題になった。

Thirのはてな日記:iPhone 3Gをモデム代わりにしてはいけない

回線を圧迫する無線ルーター利用は、他のiPhoneユーザーに迷惑をかけるからやらない方がいい、という内容で、正論だし、私もおおむね賛成だ。

しかし、その一方で、私はこの考え方には、賞味期限を設定する必要があるとも思っている。

私は今年から来年にかけては、まさに「ケータイ・ビッグバン」とも言える年であり、3つのレイヤーでさまざまな動きが活発化すると考えている(事業形態のレイヤー、端末テクノロジーのレイヤー、通信技術のレイヤー)。

 このうち通信技術のレイヤーではWiMAXやHSUPA、EV-DO Rev. Aといった通信技術(そしてその先にあるLTEなど)は、自宅の無線LANと区別がつかないほど高速な通信が売りになっており、おそらく携帯キャリア各社も「高速通信」をウリにしてくるはずだ。

 にも、関わらず、実際に契約を交わして端末を買ってみると「ネットワークに負担がかかるので、他の人のことを考えて、遠慮しながら使ってください」では、まったくもって看板倒れになってしまうからだ。

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2006.12.28

日本人はボディーランゲージが多い!?

Inter FMの番組、US BEAT。最終回の放送終了後、DJのK.C.と一緒にランチを食べた。
その時、おもしろかったのはK.C.曰く、日本人はボディーランゲージが多い、という。
でも、昔から日本人の視点では、外国人はボディーランゲージが豊かだと言われている。
アメリカ人にしても、イタリア人にしても、身体を使ったリアクションが多く、それらがないと、会話のライブ感が損なわれる。
それと比べると、日本人の会話は身体の動きが少なく、あまりボディーランゲージを使っているようには見えないが、どういうことか?

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